自己PRは就活における定番の質問ですが、伝えられる文字数は企業ごとに異なります。ES(エントリーシート)の記入欄が小さかったり、面接では「30秒でお願いします」と制限時間を設けられたりするため、短くまとめる必要があるシーンも少なくありません。
そこで今回は、実際に自己PRを200字・100字にまとめた例文をはじめ、端的にまとめるための準備・方法を紹介します。また、短くまとめる際の注意点も解説しているので、ぜひ本記事を参考に短い自己PRを作成してみてください。
自己PRの短い例文【強み別10選】
まずは自己PRの短い例文を行動力や向上心といった強み別に紹介します。伝えられる文字数は企業や選考段階などによって異なりますが、1分で話せる300字を基準にしているため、それよりも短い200字・100字の例文を見ていきましょう。
【自己PRの短い例文1】行動力
ここでは、行動力をアピールする場合の短い自己PRの例文を取り上げています。
私の強みは、問題の原因を分析して解決に向けた行動ができることです。趣味のブログ運営では、当初アクセス数が伸びず悩みましたが、上位ブログとの比較分析を実施し、タイトルの改善やSNS活用、SEO技術を学んで実践。その結果、1日10件だった閲覧数が1年で3000件に増加し、ランキング上位に入る成果を得ました。この経験を通じて、粘り強く課題解決に取り組む姿勢と新たなスキルを身につけました。この力を活かし、御社に貢献します。
私の強みは問題解決に向けた行動力です。ブログ運営でアクセス数の伸び悩みを分析し、改善策を実行。
1年で閲覧数を10件から3000件に増加させました。課題解決への行動力を活かし、御社に貢献したいと考えています。
なお、元々の例文は以下の記事を参考にしているので、文章を比較したい人はぜひ確認してみてください。
【自己PRの短い例文2】向上心
続いては、向上心をテーマにした自己PRの例文です。
私の強みは、どんな状況でも向上心を持ち続けることです。大学で弓道サークルに所属し、経験者が多い環境で初心者として入部しましたが、「試合に出る」という目標を掲げ、練習に励みました。誰よりも早く道場に通い、先輩の技術を観察・取り入れることで着実に成長を重ね、大学2年次には試合メンバーに選ばれるまでになりました。この経験から身につけた目標を持ち挑戦し続ける力や常に上を目指す姿勢を御社でも発揮したいです。
私の強みは向上心です。弓道サークルで初心者ながら「試合出場」を目指し、努力を重ねた結果、大学2年で試合メンバーに選ばれました。
この経験から得た目標に向かい成長し続ける力を活かし、御社に貢献したいです。
こちらの例文は、以下の記事で紹介している自己PRを要約しています。似たような自己PRを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
【自己PRの短い例文3】コミュニケーション能力
3つ目に紹介する例文は、コミュニケーション能力をテーマにしています。
コミュニケーション能力を強みにする学生は少なくありませんが、聞き上手や話し上手などが考えられます。そのため、どういったコミュニケーション能力なのか具体性を持たせることが大切です。
老人ホームでのボランティア活動を通じて培った相手のニーズを理解するコミュニケーション能力が私の強みです。耳の遠い方や言葉が不自由な方とも非言語的な要素や相手のペースに合わせて対話することで信頼関係を築き、1人ひとりと向き合い理解する力を磨きました。
その結果、現在は老人ホーム訪問サークルのリーダーを務め、メンバーをまとめる役割も担っています。
この強みを活かし、貴社でお客様の課題解決に貢献したいです。
私の強みは、相手の求めることを理解する力です。
老人ホームでのボランティア活動を通じて対話力を磨き、現在はサークルのリーダーを務めています。
この強みを活かし、貴社でお客様に貢献します。
以下の記事ではコミュニケーション能力をテーマにした自己PRの例文を紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
【自己PRの短い例文4】リーダーシップ
続いては、リーダーシップをテーマにした短い自己PRの例文を見ていきましょう。
私の強みは、問題を見極め適切に対応するリーダーシップです。アルバイト先のスーパーでは、不人気で廃棄が多い食材がありました。
私はこれを改善すべく、店長の許可を得てその食材を使ったレシピを陳列棚に設置。その結果、食材は人気商品となり、売り切れる日もあるほどの改善を実現しました。この経験から、課題に対して主体的に動き、成果を出す力を身につけました。貴社でもこの力を活かし、問題解決に積極的に貢献します。
私の強みは率先して問題解決に臨む力です。アルバイト先で不人気食材を改善すべく新たなレシピを提案し、人気商品に変えました。
主体的に動き成果を出す力を活かし、貴社に貢献します。
こちらの例文は、以下の記事で取り上げている自己PRを元にしています。このほかにもリーダーシップに関する例文を紹介しているので、気になる人は参考にしてみてください。
【自己PRの短い例文5】協調性
周囲の人と一緒に物事に取り組むためには、協調性が欠かせません。自己PRで短くまとめる場合は、以下の例文のようにまとめてみましょう。
私の強みは、人を巻き込み組織としての力を高める協調性です。大学の映像制作サークルでは、納得のいく作品を作れずに悩んでいました。そこで外部からアドバイスを募り、「音響が弱い」という課題を特定。同じ大学の音楽サークルに協力を依頼し、BGMや効果音を制作してもらいました。その結果、完成度の高い作品を制作できました。この経験から、外部との連携を活かし不足を補う大切さを学び、貴社でも協調性を発揮して貢献します。
私の強みは協調性です。映像制作サークルで課題を解決するため、外部の音楽サークルと連携し、完成度の高い作品を制作しました。
この経験を活かし、貴社で組織力向上に貢献します。
短い例文の元になった自己PRは以下の記事で紹介しています。伝え方のポイントや注意点もまとめているので、気になる方は確認しておきましょう。
【自己PRの短い例文6】計画性
計画性は企業側に好印象を与えやすいテーマの一つです。短くまとめるとどういった文章になるのか、以下をご覧ください。
私の強みは、物事に優先順位を付け、やるべきことを期限内に完遂する計画性です。高校時代は締切ギリギリの提出が多かったのですが、大学1年生の春から、毎週月曜日にタスクを書き出し優先順位を付ける習慣を始めました。この工夫により、限られた時間でも効率よく動けるようになり、タスクを確実に期限内に終わらせられるようになりました。この計画性を活かし、貴社で効率的な業務遂行と成果向上に貢献したいと考えています。
私の強みは計画性です。大学でタスクの優先順位を付ける習慣を身につけ、やるべきことを効率よく期限内に完遂する力を磨きました。
私はこの強みを活かし、貴社に貢献したいと考えています。
こちらの例文は、以下の記事で紹介している自己PRを元に端的にまとめています。計画性をアピールする場合の注意点も紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
【自己PRの短い例文7】素直さ
続いて紹介する短い自己PRの例文は、素直さをテーマにしています。
私の強みは素直さです。スーパーで試食品販売のアルバイトをしていた際、売上が伸び悩み、先輩やお客様からアドバイスを求めました。
声を掛けるタイミングや対話の仕方を改善し、試行錯誤を重ねた結果、1か月で売上を3倍に伸ばすことができ、「○○さんでお願いしたい」と指名を頂けるようになりました。この経験から学んだ、周囲の意見を素直に受け入れて自分を成長させる力を活かし、貴社に貢献したいと考えています。
私の強みは素直さです。試食品販売のアルバイトで、先輩やお客様の意見を取り入れ試行錯誤した結果、売上を3倍に伸ばしました。
この姿勢を活かし、貴社で成長し貢献したいです。
素直さを伝える際は、短所があることも理解しておく必要があります。自己PRで短所についてアピールしたい人は、以下の記事を参考に自分だけの自己PRを考えてみてください。
【自己PRの短い例文8】努力家
学生のなかにはサークルやアルバイト、ゼミなどで目標を掲げて努力してきた人もいるでしょう。自己PRで努力する姿勢をアピールする場合の例文は以下をご覧ください。
私の強みは、地道な努力を継続できる忍耐力です。大学のゼミでは微細な材料や表面構造の解析研究に取り組み、データ収集や試行錯誤を繰り返して特性を探求しています。計算ミスが研究全体に影響を及ぼすため、慎重さと集中力を持って夜遅くまで作業することもありました。
この経験から、困難な状況でも粘り強く取り組む姿勢を培いました。
この強みを活かし、どのような業務においても成果を上げ、貴社に貢献したいと考えています。
私の強みは忍耐力です。大学では微細な材料の解析研究に取り組み、繰り返しのデータ収集や試行錯誤を通じて成果を挙げました。
慎重さが求められる場面でも粘り強く対応するこの力を、御社でも活かしたいです。
努力家という強みを伝える場合は、どういった努力をしてきたのかを具体的にアピールすることが重要です。以下の記事では努力家をテーマにした自己PRを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【自己PRの短い例文9】継続力
次は、継続力をテーマにした自己PRの短い例文です。
私の強みは継続力です。大学3年生時に〇〇の資格取得を目指しましたが、最初の試験では不合格。しかし、諦めずに「集中できる環境を作る」「勉強内容を友人に説明して理解を深める」といった工夫を重ねて弱点を克服しました。努力が報われないという不安もありましたが、やらなければ何も変わらないと自分を奮い立たせ続けました。その結果、半年後に資格を取得。この経験を糧に、貴社でも粘り強く成果を出し続けます。
私の強みは継続力です。大学で〇〇資格取得を目指し、最初の試験で不合格でも諦めず工夫を重ね半年後に合格しました。
努力を怠らず前進する姿勢を貴社でも活かします。
企業はできるだけ長く勤めてくれる人材を求めているため、継続力のアピールは好印象を持たれやすいです。このほかにも企業にポジティブな印象を持ってもらえる要素があるので、気になる方は以下の記事を確認してみてください。
【自己PRの短い例文10】責任感
最後に紹介する例文は、責任感をテーマにしています。どういった内容でまとめれば良いのか、詳しく見ていきましょう。
責任感を持ち、最後まで仕事をやり抜く姿勢が私の強みです。カフェのアルバイトでは、お客様にとって気持ちの良いカフェとは何かを考え、接客だけでなく店内の清掃にも注力。フロアの整頓やトイレ掃除をこまめに行うことで、快適な空間作りを意識しました。カフェ業務と掃除は直接関係しませんが、お客様を大切にする思いがあったからこそ続けられました。この責任感を活かし、御社でも仕事に全力で取り組み成果を上げていきます。
私の強みは責任感です。大学時代、カフェで接客の他に店内の清掃を心掛け、快適な空間作りに努めました。
お客様を大切にする気持ちから続けられ、この責任感を御社でも活かし、全力で仕事に取り組みます。
責任感が発揮される場面は人によってさまざまです。最後までやり遂げる力をアピールしたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
自己PRを短くまとめるための準備
はじめに自己PRの短い例文を紹介しましたが、自分で短くまとめるためにはどういったことが必要になるのでしょうか。具体的なやり方を見る前に、端的にまとめるための準備を確認していきましょう。
【自己PRを短くまとめる準備1】自己分析を深める
自己PRを考える際に重要なのは、自己分析を深めておくことです。頭のなかだけで考えてしまうと、うまくまとまらず長文になってしまうことも珍しくありません。
自己分析を深めておけば、自分がアピールできる強みや長所が明確になるため、自己PRで伝えたいことをブレずにまとめられます。
なお、自己分析の方法はさまざまにありますが、おすすめはキミスカの自己分析ツールです。簡単な質問に答えていくだけで、強み・弱み、長所・短所、価値観などが可視化されるため、自己PRをはじめ就活で幅広く役立ちます。
自己分析が終わっていない人、やってみたい人は、下記リンクより試してみてください。
【自己PRを短くまとめる準備2】企業研究を行う
自己PRを短くまとめるためには、企業が聞きたい内容を把握しておくのも重要なポイントです。特に自己PRでは学生の強みや長所などをまとめますが、企業は実績や役職などよりも人柄や自社とマッチするかどうかを見ています。
そのため、企業側に好印象を残す自己PRを作るためには、企業研究を通じてどういった人物を求めているのかを把握し、そこに合致する強みを選びましょう。
【自己PRを短くまとめる準備3】300字ほどの自己PRを作る
自己分析で自分のアピールポイントを明確にし、企業研究で企業が求める人物像を把握できたら、300字ほどの自己PRを作成してみましょう。
人が聞き取りやすいペースというのは、1分間に300〜350字と言われています。そして、面接では「1分でお願いします」と言われることも多いため、ベースとなる約300字の自己PRを作成しましょう。
長めの文章も短めの文章も、300字をベースにしておけば効率よくまとめることが可能です。
自己PRを短くまとめる方法
ここからは、作成した自己PRを短くまとめる具体的な方法を紹介します。
【自己PRを短くまとめる方法1】アピールポイントを絞る
自己分析を行えば、自分の強みや長所といったアピールポイントが複数見つかります。しかし、それら全てを伝えてしまうと、「結局、どういう人なの?」と面接官への印象が薄くなりかねません。
そのため、自己PRを短くまとめるためには、アピールポイントを一つに絞ることが大切です。例えば、営業職志望であれば、コミュニケーション能力や傾聴力、目標達成まで努力する姿勢などを伝えてみましょう。
【自己PRを短くまとめる方法2】PREP法で結論から伝える
できるだけ余計な情報を省き、伝えたい内容を端的にまとめるフレームワークとして、 PREP法を使うのもおすすめです。これは、結論・理由・具体例・結論の順に伝える手法で、初めに結論を伝えられることで相手は論理的に理解しやすくなります。
ただ、最後の結論を述べる際は、アピールポイントを企業活動にどう活かすのかを盛り込みましょう。ただ強みを伝えるよりも、志望する職種や業務と絡めることで、入社意欲の高さを伝えられます。
【自己PRを短くまとめる方法3】文末は「だ・である調」にする
ESや履歴書に自己PRを記載する場合は、文末を「です・ます調」にするのではなく、「だ・である調」にすることで文字数を節約できます。ただし、自己PRだけ「だ・である調」で、そのほかの設問が「です・ます調」だと統一感がなくなるため、この方法を実践する際は全ての設問で書き方を統一しましょう。
また、少しでも文字数を削減したい場合は、表現の仕方を変えてみるのもおすすめです。「とても」「すごく」などの形容詞を削除したり、「~することができる」は「~できる」に修正したりと、少しの工夫で文字数を減らせます。
自己PRを短くまとめる場合の注意点
最後に、自己PRを短くまとめる際に注意しておくべきポイントを紹介します。
【自己PRを短くまとめる際の注意点1】詳しく説明しすぎない
自己PRを短くまとめる際は、詳しい説明はできるだけ省きましょう。例えば、サークル活動でのエピソードを盛り込む場合、サークルの概要などを伝えても、あなた自身の人柄は見えないため、余計な情報になる可能性があります。
丁寧に説明することは悪いことではありませんが、就活ではあなたの人柄や価値観が見られているため、できるだけ自分のことについて絞ることが大切です。
また、企業によっては詳しい内容は面接で深掘りして聞いてくるケースもあるため、深掘り質問への回答も考えておきましょう。
【自己PRを短くまとめる際の注意点2】伝えられる文字数を把握しておく
自己PRをESや履歴書に記載する場合、100~400字ほどになることがほとんどです。自己アピールするために長々と書いてしまうと、読みにくくなったり要点が伝わらなかったりするので、できるだけ端的にまとめることが大切です。しかし、短すぎると入社意欲が低いと思われる可能性があるため、書類選考では記入欄の8割以上を目安に記載しましょう。
また、面接の場合は「1分で自己PRをしてください」と、面接官から指定される場合も少なくありません。人が1分で話せる文字数は300字ほどと言われているので、面接対策を行う際は300文字を目安に練習すると良いでしょう。
【自己PRを短くまとめる際の注意点3】面接ではジェスチャーも使う
制限時間内に伝えられているかどうか確認するために、面接の練習を行う際はストップウォッチで時間を計ったり、スマホで動画撮影をして話している長さやジェスチャーの様子をチェックしたりしてみましょう。
ジェスチャーを交えることで、言葉では伝えきれない情報を視覚的に伝えられるため、より面接官の印象に残りやすいアピールができます。
【自己PRを短くまとめる際の注意点4】正式名称で伝える
短くしようと、アルバイトを「バイト」と略したり、宅地建物取引士を「宅建士」と省略したりしないように気をつけましょう。というのも、自己PRをはじめとする就活の場では、正式名称で伝えることがマナーだからです。
このほかにも、普段から略して使っている単語は、面接などの場でも省略して伝えてしまう可能性があるため注意しましょう。
短い例文を参考に自分だけの自己PRを作ってみよう!
伝えられる情報に限りがあるからといって、あなたの魅力が伝わらないわけではありません。本記事で紹介したように、短い自己PRでもあなたらしさが伝わるアピールは十分に可能です。
これから自己PRを短くまとめようと考えている人は、ぜひ今回ご紹介した方法であなたの人柄や価値観が伝わる内容に仕上げてみてください。