OB訪問のやり方を5ステップで解説!持ち物や質問例も完全網羅

「就活のためにOB訪問をした方が良いって聞くけど、何から始めればいいんだろう?」「知らない社会人の先輩に連絡するなんて、なんだか難しそう…」そんな風に悩んでいませんか?OB訪問は、就活を始めたばかりの皆さんにとって、企業や社会を深く知るための絶好の機会です。しかし、やり方が分からないままでは不安ばかりが募ってしまいますよね。

この記事では、OB訪問の準備から当日のマナー、訪問後のお礼まで、一連の流れを5つのステップで丁寧に解説します。こ最後まで読めば、あなたも自信を持ってOB訪問の第一歩を踏み出せるはずです。

OB訪問とは?就活で有利になる3つの目的とメリット

本格的なやり方を見ていく前に、まずは「何のためにOB訪問をするのか」をしっかり理解しておきましょう。

目的が明確になれば、行動へのモチベーションも高まります。OB訪問は、単なる情報収集ではなく、あなたの就活を多角的にサポートしてくれる重要な活動なのです。

そもそもOB訪問とは?

OB訪問とは、あなたが興味を持っている企業で働いている大学の先輩(OB・OG)に、個別に連絡を取って話を聞かせてもらう活動のことです。企業のウェブサイトや説明会では得られない、現場のリアルな情報を手に入れる貴重な機会といえるでしょう。

多くの場合、選考とは直接関係がないため、面接では聞きにくいような本音の質問ができる点も大きな特徴です。社会人の先輩と一対一で話せる、またとないチャンスなのです。

目的1:リアルな情報を得て業界・企業研究を深める

OB訪問の最大の目的は、企業の「生の情報」を得ることです。仕事の具体的な内容や一日の流れ、やりがいを感じる瞬間、逆に大変なこと、職場の雰囲気など、実際に働いているからこそ語れるリアルな話を聞くことができます。

こうした情報は、あなたがその企業で働くイメージを具体化させ、入社後のミスマッチを防ぐために非常に役立ちます。説明会では聞けないような深い情報を得ることで、より質の高い企業研究が可能になります。

目的2:働く社会人との繋がりを築ける

OB訪問は、社会で活躍する先輩との繋がりを作れる貴重な機会です。就活中は、何かと不安になったり悩んだりすることが多いでしょう。そんな時に、親身に相談に乗ってくれる社会人の先輩がいることは、大きな心の支えになります。

また、社会人と話すことに慣れる絶好の機会でもあり、本番の面接に向けた実践的なトレーニングにもなります。ここで築いた繋がりが、あなたの将来のキャリアにおいて思わぬ形で役立つこともあるでしょう。

目的3:自己分析やキャリアプランを明確にする

社会人の先輩の経験談を聞くことは、あなた自身のキャリアについて考えるきっかけにもなります。

先輩が「なぜその会社を選んだのか」「どんな就活をしていたのか」といった話の中から、自分が仕事に何を求めるのか、どんな社会人になりたいのか、といった自己分析に繋がるヒントが見つかるはずです。具体的なキャリアパスを知ることで、漠然としていた自分の将来像が明確になり、就活の軸を定めるのに役立ちます。

OB訪問はいつから始めるべき?最適な時期を解説

OB訪問の重要性が分かったところで、次に気になるのは「いつから始めればいいの?」という点でしょう。

やみくもに動くのではなく、最適なタイミングを知ることで、より効果的にOB訪問を進めることができます。ここでは、おすすめの時期とその理由について解説します。

大学3年生の6月~2月がおすすめ

OB訪問を始めるのにおすすめの時期は、大学3年生の6月から、企業の採用情報が公開される直前の2月頃までです。この時期は、本格的な採用活動が始まる前で、現場で働くOB・OGも比較的スケジュールに余裕があります。

そのため、じっくりと話を聞く時間を確保してもらいやすいのです。あなた自身も学業と両立しながら、焦らずに自己分析や企業研究を進められるため、有意義な訪問になる可能性が高まります。

大学3年生の3月以降は避けた方が良い理由

一方で、大学3年生の3月以降は避けた方が無難です。3月になると多くの企業で採用広報活動が解禁され、OB・OGの方々は説明会対応やエントリーシートの確認、面接などで非常に多忙になります。

あなた自身も、説明会参加やエントリーシート作成で忙しくなる時期です。このような多忙な時期に依頼をすると、アポイント自体を断られてしまったり、自分自身の準備が不十分になったりする可能性があります。

【5ステップ】OB訪問のやり方を徹底解説

ここからは、いよいよOB訪問の具体的なやり方を5つのステップに分けて解説していきます。

初めてで何から手をつけていいか分からないという方も、このステップ通りに進めれば大丈夫です。一つひとつ確認しながら、着実に準備を進めていきましょう。

ステップ1:OB・OGを探す

OB訪問の第一歩は、訪問したい企業のOB・OGを探すことから始まります。どうやって探せばいいのか見当もつかない、という方もいるかもしれませんが、心配はいりません。

探し方にはいくつかの方法があり、どれか一つに絞る必要はありません。自分に合った方法をいくつか試しながら、あなたに協力してくれる先輩を見つけ出しましょう。

1. 大学のキャリアセンターで探す

最も確実で安心できる方法が、大学のキャリアセンター(就職課)を頼ることです。多くの大学では、卒業生の就職先や連絡先を名簿として保管しています。キャリアセンターの職員の方に相談すれば、名簿の閲覧方法や、OB・OGへの連絡の取り方についてアドバイスをもらえます。

個人情報保護の観点から厳しいルールが定められている場合もあるので、まずは職員の方に正直に相談してみるのが良いでしょう。

2. ゼミや研究室の繋がりで探す

所属しているゼミや研究室の繋がりを活用するのも非常に有効な手段です。担当の教授や研究室の先輩は、卒業生と今でも交流があるケースが少なくありません。

特にあなたと同じ専門分野を学んだ先輩から話を聞くことができれば、仕事内容についてより深く、具体的なアドバイスがもらえるでしょう。まずは信頼できる教授や先輩に、OB訪問をしたい旨を相談してみてはいかがでしょうか。

3. OB訪問アプリやサイトを活用する

最近では、OB訪問を支援してくれるウェブサービスやスマートフォンアプリが増えています。これらのサービスには、出身大学に関わらず様々な企業の社会人が登録しており、大学のキャリアセンターに情報がない企業でもOB・OGを探せる可能性があります。

プロフィールや経歴を見て話を聞きたいと思った人に直接アプローチできる手軽さが魅力です。いくつかのサービスを覗いて、どんな社会人がいるのか見てみるのも良いでしょう。

4. 知人や友人の紹介で探す

自分の持つ人脈を最大限に活用することも忘れてはいけません。ご両親や親戚、部活動やサークルの先輩、アルバイト先の社員さん、さらには他の大学の友人に「〇〇という企業に興味があるんだけど、誰か知っている人はいないかな?」と声をかけてみましょう。

少し勇気がいるかもしれませんが、意外なところから貴重な繋がリが見つかることは少なくありません。あらゆる可能性を信じて、積極的に周りを頼ってみましょう。

ステップ2:アポイントを依頼する【メール例文あり】

訪問したいOB・OGが見つかったら、次はアポイント(面会の約束)の依頼です。面識のない社会人の方に連絡を取るのですから、失礼のないように細心の注意を払う必要があります。

基本的には電話よりも、相手の都合の良い時に確認できるメールで連絡するのがマナーです。初めてのことで緊張すると思いますが、ポイントを押さえれば大丈夫です。

依頼メールを送る際の基本マナー

依頼メールで最も大切なのは、相手への配慮です。件名には「OB訪問のお願い(〇〇大学 氏名)」のように、用件と差出人が一目で分かるようにしましょう。本文では、自己紹介を丁寧に行い、なぜその方に連絡したのかという経緯も伝えると、相手も安心できます。

特に訪問の候補日時をいくつか提示する際は、「〇日のご都合はいかがでしょうか」と一方的に決めるのではなく、「もしご都合がよろしければ、以下の日程のうち30分〜1時間ほどお時間をいただけないでしょうか」と、相手にお伺いを立てる姿勢が重要です。

【例文】OB訪問の依頼メール

件名:OB訪問のお願い(〇〇大学 経済学部 〇〇〇〇)

株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様

突然のご連絡失礼いたします。
私は、〇〇大学経済学部の〇〇〇〇と申します。

この度、大学のキャリアセンターに保管されておりました卒業生名簿を拝見し、〇〇様のことを存じ上げ、ご連絡いたしました。

現在、就職活動を控えており、貴社の〇〇という事業に大変興味を持っております。そこで、もし可能でしたら、〇〇様が実際に携わられているお仕事の内容や、やりがいなどについて、直接お話を伺う機会をいただけませんでしょうか。

つきましては、以下の日程で〇〇様のご都合の良い時間帯がございましたら、30分ほどお時間をいただきたく存じます。
・6月20日(木)13:00〜17:00
・6月21日(金)10:00〜15:00
・6月24日(月)終日

もちろん、上記以外の日程でも構いませんので、〇〇様のご都合を第一にご調整いたします。
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

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〇〇 〇〇(まるまる まるお)
〇〇大学 経済学部 3年
携帯電話:090-0000-0000
メール:marumaru.maruo@xxxx.ac.jp
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【ポイント】

件名で用件と大学・氏名を明確に伝え、誰からのどんなメールか分かりやすくしています。本文では、連絡先を知った経緯や訪問したい理由を具体的に書くことで、相手に誠意と熱意を伝えています。また、候補日を複数提示しつつも、相手の都合を最優先する姿勢を示すことが、礼儀正しい印象に繋がります。

ステップ3:当日までに必要な事前準備を行う

OB・OGから訪問の承諾を得られたら、当日までにしっかりと準備を進めましょう。忙しい中、あなたの為に時間を作ってくれる先輩に失礼がないよう、またとない機会を最大限に活かすためにも、事前準備は非常に重要です。準備を万全にすることで、当日の質問の質が上がり、会話も弾むはずです。

1. 企業の基本情報を再確認する

OB訪問は「調べても分からないことを聞きに行く場」です。企業の公式ウェブサイトに載っているような基本情報(事業内容、企業理念、沿革など)は、必ず事前に頭に入れておきましょう。

これらを把握した上で質問をしないと、「何も調べてきていないな」と相手に思われ、熱意が低いと判断されてしまいます。最低限のマナーとして、企業のパンフレットや採用ページにはくまなく目を通しておくことが大切です。

2. 自己分析を簡単にしておく

OB訪問では、あなた自身のことを聞かれる場面もあります。「なぜこの業界に興味があるの?」「学生時代に頑張ったことは?」といった質問にスムーズに答えられるよう、簡単な自己分析をしておきましょう。

自分の長所や短所、価値観などを整理しておくことで、会話の中で自己アピールができたり、より深い質問に繋げられたりします。完璧である必要はないので、自分の言葉で語れるように準備しておくと安心です。

3. 聞きたい質問を20個以上用意する

当日の会話を弾ませ、有意義な時間にするために、質問リストの作成は不可欠です。用意する質問が少ないと、話がすぐに途切れてしまい、気まずい空気が流れてしまうかもしれません。

そうした事態を避けるためにも、質問は最低でも20個以上は用意していきましょう。質問をたくさん準備しておくことは、あなたの熱意を相手に伝えることにも繋がります。質問の作り方については、後ほど詳しく解説します。

ステップ4:OB訪問当日の流れとマナー

いよいよOB訪問当日です。緊張するかもしれませんが、しっかりと準備ができていれば自信を持って臨めるはずです。

ここでは、当日の大まかな流れと、特に意識すべきマナーについて解説します。社会人と接する上での基本的な作法を身につける良い機会と捉え、一つひとつの行動を丁寧に行いましょう。

訪問当日の基本的な流れ

まず、約束の時間の5〜10分前には指定された場所に到着するようにしましょう。企業に訪問する場合は、受付で大学名と氏名、訪問する相手の部署と氏名を伝えます。カフェなどで会う場合は、先に入って待っているのが基本です。OB・OGが来たらすぐに立ち上がって挨拶をします。

会話の時間は30分〜1時間程度が目安です。終了時間になったら、自分から「お時間ですので、本日はこの辺りで失礼いたします」と切り出し、感謝の言葉を述べて退席しましょう。

会話中に意識すべきマナー

会話中は、明るくハキハキとした受け答えを心がけ、相手の目を見て話を聞きましょう。相槌を打ったり、適度にメモを取ったりすることで、「真剣に話を聞いています」という姿勢が伝わります。

用意してきた質問をするだけでなく、相手の話の内容に興味を持ってさらに深掘りするような質問ができると、会話がより一層盛り上がります。何よりも大切なのは、あなたの貴重な時間を使ってくれていることへの感謝の気持ちを忘れずに、誠実な態度で臨むことです。

ステップ5:訪問後にお礼の連絡をする

OB訪問は、話を聞いて終わりではありません。あなたの為に貴重な時間を割いてくれた先輩に対して、感謝の気持ちを伝える「お礼の連絡」は必ず行いましょう。

このお礼があるかないかで、相手があなたに抱く印象は大きく変わります。社会人としての基本的なマナーでもありますので、丁寧に行うことで、今後の良好な関係に繋がる可能性もあります。

お礼は当日中にメールで送るのが基本

お礼の連絡は、訪問が終わった後、できるだけ早く、遅くともその日のうちに行うのが鉄則です。相手の記憶が新しいうちに感謝を伝えることで、より気持ちが伝わりやすくなります。

連絡手段は、依頼時と同様にメールが基本です。電話は相手の都合を妨げてしまう可能性があるため、緊急時以外は避けましょう。丁寧な言葉遣いを心がけ、誤字脱字がないか、送信前に何度も確認することが大切です。

今後の関係に繋げるためのポイント

お礼メールでは、単に感謝を伝えるだけでなく、OB訪問で何を得られたのか、どの話が特に印象に残ったのかを具体的に記載しましょう。そうすることで、あなたの熱意や誠実さがより一層伝わります。

〇〇様のお話をお聞きして、貴社で働きたいという気持ちがさらに強まりました」といった一文を添えるのも効果的です。丁寧なお礼は、あなたという存在を相手の記憶に深く刻み込むことに繋がります。

【質問例一覧】OB訪問で好印象を与える質問とNGな質問

OB訪問の成否を分けると言っても過言ではないのが「質問の質」です。的確な質問は、あなたの熱意や思考の深さを示す絶好の機会となります。

ここでは、OB・OGに「おっ」と思わせるような好印象な質問と、逆に評価を下げかねないNGな質問について解説します。

好印象を与える質問の作り方と具体例

好印象な質問とは、あなたが本気でその企業に興味を持ち、深く考えていることが伝わる質問です。ポイントは「自分なりの仮説」や「ウェブサイトでは得られない情報」を意識することです。

ただ質問を投げかけるだけでなく、背景にあるあなたの考えを添えることで、より質の高い対話が生まれます。

1. 企業HPなどでは分からない情報を聞く質問

企業のウェブサイトや採用パンフレットを読めば分かるような質問は避けましょう。それらの情報を踏まえた上で、さらに一歩踏み込んだ質問をすることが重要です。

「ウェブサイトで〇〇という事業に力を入れていると拝見したのですが、現場の社員として、その事業の将来性をどのように感じていらっしゃいますか?」のように、自分で調べた情報に、自分なりの疑問や視点を加えて質問することで、主体性や熱意をアピールできます。

2. 相手の経験や考えを深掘りする質問

OB・OG個人の経験や価値観に焦点を当てた質問も非常に有効です。「〇〇様がこのお仕事で、最もやりがいを感じられた瞬間はどのような時でしたか?」や「入社前に抱いていたイメージと、実際に入社してからのギャップがあれば教えていただけますか?」といった質問です。

相手は自分の体験を話せるので答えやすく、あなたも具体的な働き方をイメージしやすくなります。相手への純粋な興味関心を示すことにも繋がります。

3. 自分の仮説を検証する質問

業界や企業について自分なりに考えた「仮説」をぶつけてみるのも良いでしょう。「〇〇業界は今後、△△という課題に直面すると考えているのですが、貴社ではどのような対策を考えていらっしゃいますか?」といった質問です。

この種の質問は、あなたの思考力や分析力を示すことができます。仮説が合っているか間違っているかは問題ではありません。自分の頭で考え、意見を持っている学生だという印象を与えることが大切です。

これはNG!避けるべき質問と注意点

一方で、質問の内容によっては、相手を困らせたり、あなたへの印象を悪くしてしまったりする可能性があります。

貴重な機会を無駄にしないためにも、避けるべき質問のタイプをしっかりと理解しておきましょう。少し意識するだけで、マイナスの評価を受けるリスクは大きく減らせます。

1. 調べればすぐに分かる質問

これは最も避けるべき質問です。「御社の主力商品は何ですか?」「設立はいつですか?」といった、企業のウェブサイトを見れば数分で分かるような質問をしてしまうと、「この学生は全く準備をしてこなかったんだな」と思われ、一気に熱意を疑われてしまいます。相手の貴重な時間をいただいているという意識を持ち、敬意を払う意味でも、基本的な情報の事前リサーチは必須のマナーです。

2. 給与や福利厚生など待遇に関する直接的な質問

給与や残業時間、休日日数といった待遇面は、もちろん気になるポイントでしょう。しかし、OB訪問の場で「給料はいくらですか?」などと直接的に聞くのは品がありません。

待遇のことしか頭にない学生だと思われてしまう可能性があります。どうしても知りたい場合は、「仕事のやりがい」や「評価制度」の話の流れで、「成果を出された方は、どのように評価に反映されるのでしょうか」など、聞き方を工夫することが求められます。

3. ネガティブな内容やプライベートすぎる質問

相手を不快にさせる可能性のある質問は絶対に避けましょう。「会社の不満な点はどこですか?」といったネガティブな質問や、「恋人はいますか?」などのプライベートに踏み込みすぎた質問はマナー違反です。

また、特定の個人を批判するような発言も厳禁です。OB訪問は、あくまでも企業のポジティブな側面や、仕事のやりがいについて学ぶ場であるということを忘れないようにしましょう。

これで安心!OB訪問の服装と持ち物リスト

OB訪問のアポイントが取れたら、次に悩むのが当日の服装や持ち物ではないでしょうか。「私服で良いと言われたけど、どこまで崩していいの?」など、迷うことも多いはずです。

ここでは、多くの就活生が悩む服装の選び方と、当日忘れてはいけない持ち物について解説します。

服装は基本的にリクルートスーツが無難

服装について企業から特に指定がない場合や、「私服で構いません」と言われた場合でも、基本的にはリクルートスーツを着用していくのが最も無難で安心です。スーツは、社会人に対する敬意を示すフォーマルな服装だからです。

もし、ITベンチャーやアパレル業界など、企業の雰囲気によっては私服の方が馴染む場合もありますが、判断に迷ったらスーツを選んでおけば間違いありません。大切なのは清潔感です。シワのないシャツや磨かれた靴など、細部まで気を配りましょう。

OB訪問当日に必須の持ち物リスト

当日に慌てないよう、持ち物は前日までに必ずチェックしておきましょう。特に、スマートフォンや筆記用具は必須です。スケジュールを確認したり、いただいた名刺の情報をメモしたりするのに役立ちます。

また、企業やOB・OGに関する資料、準備した質問リストも忘れないようにしましょう。クリアファイルに入れておくと、書類が折れ曲がらず綺麗に保てます。ハンカチやティッシュといった、社会人としての基本的な身だしなみアイテムもカバンに入れておくと安心です。

【例文付き】OB訪問のお礼メールの書き方とポイント

ステップ5でも触れましたが、OB訪問後のお礼メールは非常に重要です。感謝の気持ちを改めて伝え、良い印象で締めくくるための最後の仕上げといえます。

ここでは、お礼メールに盛り込むべき要素を分解し、すぐに使えるテンプレート(例文)と合わせて、より詳しく解説します。

お礼メールに入れるべき5つの要素

質の高いお礼メールは、5つの要素で構成されています。①件名(用件と差出人が分かるように)②宛名(会社名・部署名・氏名)③感謝の言葉④訪問で得た学びや感想(具体的に)⑤結びの言葉、です。

特に重要なのが④の感想部分です。「〇〇というお話が特に印象に残り、貴社で働きたいという気持ちが一層強まりました」のように、自分の言葉で具体的に書くことで、定型文ではない、心のこもったメールになります。

すぐに使えるお礼メールのテンプレート

件名:本日のOB訪問のお礼(〇〇大学 〇〇〇〇)

株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様

本日、OB訪問にてお世話になりました、〇〇大学の〇〇〇〇です。
ご多忙の折にもかかわらず、私のために貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。

〇〇様から伺った、〇〇のプロジェクトでのご経験談が特に印象に残っております。困難な状況をチームで乗り越えられたというお話から、貴社の風通しの良い社風と、仕事に対する情熱を肌で感じることができました。

本日のお話を通じて、貴社で働きたいという思いがより一層強くなりました。
まずは、目前の選考に向けて、今回いただいたアドバイスを胸に精一杯努力してまいります。

末筆ではございますが、〇〇様の今後のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

————————————————–
〇〇 〇〇(まるまる まるお)
〇〇大学 経済学部 3年
携帯電話:090-0000-0000
メール:marumaru.maruo@xxxx.ac.jp
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【ポイント】

この例文では、感謝の言葉に加えて、どの話が心に残ったのかを具体的に記述しています。それにより、相手は「自分の話がしっかり伝わった」と感じ、あなたに良い印象を抱くでしょう。最後に今後の抱負と相手を気遣う言葉を入れることで、丁寧で誠実な人柄をアピールしています。

OB訪問についてのよくある質問(Q&A)

ここでは、OB訪問に関して多くの就活生が抱く、細かな疑問についてQ&A形式でお答えします。服装や持ち物以外にも、気になる点はたくさんあるはずです。

ここで不安を解消して、万全の状態でOB訪問に臨みましょう。

Q1. オンラインでのOB訪問のやり方や注意点は?

A. 基本的な流れやマナーは対面と変わりません。背景は無地の壁やバーチャル背景にする、開始5分前には入室しておく、話す時以外はマイクをミュートにする、といったオンラインならではの配慮が必要です。特に、通信環境が不安定だと会話が途切れてしまうため、事前にWi-Fi環境などを必ず確認しておきましょう。対面よりも表情が伝わりにくいので、普段より少し大きめのリアクションを心がけると、熱意が伝わりやすくなります。

Q2. 当日、手土産は持っていくべき?

A. 基本的に、学生の立場であるあなたが手土産を用意する必要はありません。かえって相手に気を遣わせてしまう可能性があります。手土産を用意するよりも、事前準備を万全に行い、質問の質を高める方がよほど喜ばれるでしょう。もしどうしても感謝の形を示したい場合は、お礼のメールを丁寧に書くことが一番の「手土産」になります。心のこもった感謝の言葉を伝えましょう。

Q3. OB訪問は選考に影響しますか?

A. 表向きは「選考とは一切関係ありません」とされています。しかし、OB訪問で会った社員が、人事部にあなたの印象を伝える可能性はゼロではありません。良い印象を持ってもらえれば、間接的にプラスに働くこともあるでしょう。逆に、マナーが悪かったり、準備不足が露呈したりすれば、マイナスの印象を与えかねません。「選考ではないから」と気を抜かず、一人の社会人と会うという意識を持って、誠実な態度で臨むことが大切です。

Q4. 訪問時間はどのくらいが目安?

A. OB・OGの方も仕事の合間に時間を作ってくれているため、30分から1時間程度が目安です。事前にメールで「30分ほどお時間を」と伝えていたなら、その時間を超えないようにしましょう。話が盛り上がったとしても、終了時間が近づいたら「お時間ですので、最後に一つだけよろしいでしょうか」と、こちらから話を切り上げる配慮が必要です。相手から「まだ時間大丈夫ですよ」と言われた場合に限り、お言葉に甘えるのが良いでしょう。

OB訪問を成功させて就活の第一歩を踏み出そう

今回は、OB訪問のやり方について、準備からお礼までを網羅的に解説しました。OB訪問は、社会人の先輩からリアルな話を聞けるだけでなく、社会人としてのマナーを学び、自分自身のキャリアを見つめ直すための絶好の機会です。初めは緊張するかもしれませんが、

この記事で紹介したステップ通りに準備を進めれば、きっと有意義な時間にできるはずです。怖がらずに、まずはキャリアセンターのドアを叩くことから始めてみませんか。その一歩が、あなたの就活を成功に導く大きな力になるでしょう。