
OB訪問のアポイントが取れたのは良いものの、「当日、何を質問すればいいんだろう…」と不安になっていませんか?せっかくの貴重な機会、ありきたりの質問で終わらせてはもったいないです。かといって、失礼な質問をして評価を下げてしまうのも避けたいところだと思います。
この記事では、そんなあなたのためにOB訪問でそのまま使える質問を50個、カテゴリ別に大公開します。さらにライバルに差がつく「鋭い質問」の作り方から絶対に避けたいNG質問まで、質問に関する全てを網羅した保存版です。この記事を読めば、自信を持ってOB訪問に臨めるでしょう。
OB訪問の質問で採用担当者が評価している3つのポイント
企業は、あなたがOB訪問でどんな質問をするのかを、意外と見ています。質問の内容は、あなたの能力や人柄を映す鏡だからです。
なぜ企業があなたの質問に注目するのか、その理由を3つのポイントから解説します。この評価ポイントを理解すれば、どんな質問をすべきかが見えてきます。
1. 企業への関心度・志望度の高さ
あなたがする質問の質や内容は、そのまま企業への興味の深さに繋がります。
企業の事業内容や最近のニュースについて踏み込んだ質問ができれば、「この学生は、本気でうちの会社に興味を持ってくれているな」と、高い志望度を感じてもらえます。質の高い質問は、何よりの入社意欲のアピールになるのです。
2. 情報収集能力と論理的思考力
鋭い質問をするためには、事前に企業のことをしっかり調べておく必要があります。
質問内容から、「この学生は、きちんと情報を集めた上で、自分なりの仮説を持って質問しているな」と判断されれば、あなたの情報収集能力や論理的思考力が高く評価されます。ただ聞くだけでなく、自分の頭で考えて質問する姿勢が大切です。
3. コミュニケーション能力と人柄
質問の仕方や、OBの話を聞く態度からは、あなたのコミュニケーション能力や人柄が伝わります。相手への敬意を払い、会話のキャッチボールを意識しながら質問できるか。
真剣な眼差しで、楽しそうに話を聞いているか。こうした振る舞いを通じて、「この学生と一緒に働いたら楽しそうだ」と感じてもらうことができれば、OB訪問は成功です。
鋭い質問は準備が9割!OB訪問前にやるべきこと
「差がつく質問をしたい!」と思っても、当日いきなり思いつくものではありません。質の高い質問は、質の高い準備から生まれます。
OB訪問の価値を最大限に高めるために、訪問前に必ずやるべきことを2つ紹介します。
1. 自己分析で「自分の知りたいこと」を明確にする
まずは、あなたが仕事や会社に対して何を求めているのか、自己分析を通じて価値観を明確にしましょう。
「自分はどんな時にやりがいを感じるのか」「どんな環境なら成長できるのか」といった「就活の軸」が定まっていれば、おのずと「OBに何を確認すべきか」が見えてきます。自分の軸と照らし合わせながら質問を考えることで、あなただけのオリジナルな質問が生まれます。
2. 徹底した企業研究で「仮説」を立てる
次に、訪問する企業のウェブサイトや採用ページ、ニュースリリースなどを隅々まで読み込み、徹底的に企業研究を行います。
そして、「この企業は今後、〇〇の事業に力を入れていくのではないか?」といった、自分なりの「仮説」を立ててみましょう。この仮説が、後述する「差がつく質問」のタネになります。「調べれば分かること」を聞かないためにも、事前準備は入念に行いましょう。
【鉄板50選】OB訪問でそのまま使える質問リスト集
ここでは、どんな業界・企業のOB訪問でも使える、鉄板の質問をカテゴリ別に50個紹介します。
ここから自分が特に聞きたいことを10~15個ほどピックアップし、自分なりのオリジナル質問と組み合わせて、万全の状態でOB訪問に臨みましょう。
企業の事業戦略・将来性に関する質問
- 事業内容について、学生にも分かるように簡単にご説明いただけますか?
- 〇〇様が所属されている部署の、役割と目標について教えてください。
- 現在、会社が最も力を入れている事業やサービスは何ですか?
- 業界内で、競合他社と比べた際の貴社の強み(弱み)は何だとお考えですか?
- 〇〇様個人として、会社のどのような点に将来性を感じていますか?
- 今後、〇〇業界はどのように変化していくとお考えですか?
- 海外展開について、今後の展望を教えていただけますか?
- 社長や経営層の方が、社員によく伝えているメッセージなどはありますか?
- 最近のニュース(プレスリリースなど)で拝見した〇〇について、現場の視点から詳しくお伺いしたいです。
- 学生のうちに、この業界について学んでおくべきことはありますか?
具体的な仕事内容・働きがいに関する質問
- 〇〇様の、一日の典型的な仕事の流れを教えてください。
- 現在の仕事の中で、最もやりがいを感じるのはどのような瞬間ですか?
- 逆に、仕事をする上で最も大変なこと、苦労されることは何ですか?
- これまでで最も印象に残っているお仕事のエピソードを教えてください。
- 仕事をする上で、どのようなスキルが最も重要だと感じますか?
- 入社1年目の頃は、主にどのような業務を担当されていましたか?
- 仕事で成果を出すために、日頃から意識されていることはありますか?
- この仕事ならではの「職業病」のようなものはありますか?
- 仕事の面白さについて、学生にも分かるように教えていただけますか?
- 入社前に抱いていた仕事のイメージと、実際に働いてみてからのギャップはありましたか?
社風・カルチャーに関する質問
- 職場の雰囲気は、一言で言うとどのような感じですか?
- 社員の方々は、どのような人柄の方が多い印象ですか?
- 若手社員でも、意見やアイデアを提案しやすい環境はありますか?
- チームで仕事を進めることが多いですか?それとも個人で進めることが多いですか?
- 上司や先輩とのコミュニケーションは、どのくらい取りやすいですか?
- 会社独自の文化や、ユニークなイベントなどはありますか?
- 〇〇様が、この会社で働き続けたいと思う一番の理由は何ですか?
- ロールモデルとなるような、尊敬できる先輩社員はいらっしゃいますか?
- 飲み会や社員旅行など、業務外での社員同士の交流はどのくらいありますか?
- 服装や働き方の自由度は、どのくらいあるのでしょうか?
キャリアパス・成長環境に関する質問
- 〇〇様がこの会社に入社された、一番の決め手は何でしたか?
- 新入社員向けの研修制度は、どのような内容でしたか?
- 若手のうちは、どのような経験を積むことができますか?
- この会社で働くことで、どのようなスキルが身につくと感じますか?
- 異動やジョブローテーションの希望は、どのくらい通りやすいのでしょうか?
- 〇〇様ご自身の、今後のキャリアプランについてお聞かせください。
- 貴社で活躍されている社員の方に、共通する特徴はありますか?
- 成果を出した際の評価制度は、どのようになっていますか?
- 社員の成長をサポートするために、会社としてどのような取り組みがありますか?
- 3年後、5年後、10年後には、どのような人材になっていることが期待されますか?
就職活動に関する質問
- 〇〇様は、どのような就活の軸で企業選びをされていましたか?
- この会社以外に、どのような業界や企業を検討されていましたか?
- 学生時代、どのような経験をしておけば良かったと感じますか?
- 面接では、どのような点をアピールすることが有効だと思いますか?
- エントリーシートを作成する上で、アドバイスがあればいただきたいです。
- 〇〇様が、もし今就活生に戻るとしたら、何をしますか?
- 入社の決め手となった、最後の後押しは何でしたか?
- 業界研究や企業研究は、どのように進めていましたか?
- 就職活動中に、やっておいて本当に良かったと思うことは何ですか?
- 最後に、就活生に向けて何かメッセージやアドバイスがあればお願いします。
ライバルと差がつく!OB訪問での「良い質問」の作り方
鉄板の質問リストを押さえた上で、さらに評価を高めたいあなたへ。
ここでは、他の就活生と差がつく「鋭い質問」を作るための思考法を3つ紹介します。この視点を持つだけで、あなたの質問は格段に深まります。
1. 「仮説検証型」で思考の深さを示す
企業研究で得た情報をもとに、「自分なりの仮説」を立て、それをOBにぶつけて検証させてもらう質問です。
「IR情報を拝見し、貴社は今後〇〇の分野に注力されると仮説を立てたのですが、現場の視点から見ていかがでしょうか?」のように質問することで、主体的に考える力と、企業への深い関心を示すことができます。
2. 「未来志向型」で入社意欲をアピールする
自分が入社した後のことを想定し、未来の視点から質問する方法です。
「もし私が入社させていただいた場合、〇〇のスキルを活かしたいのですが、1年目からそのようなチャンスはありますか?」のように質問することで、単なる情報収集ではなく、入社を本気で考えているという強い意欲をアピールできます。
3. 「自分事化型」で当事者意識を伝える
OBの話をただ聞くだけでなく、自分自身の経験や価値観と結びつけて質問する方法です。「〇〇様のお話にあった△△というご経験は、私のアルバイトでの□□という経験と似ていると感じました。
〇〇様は、その困難をどう乗り越えられたのですか?」のように質問することで、話を自分事として捉える当事者意識の高さと、深い共感力を示すことができます。
【絶対NG】OB訪問でしてはいけない質問ワースト5
良かれと思った質問が、実は相手を不快にさせ、あなたの評価を下げてしまうこともあります。
ここでは、絶対に避けるべきNGな質問を5つ紹介します。これだけは聞かないように、心に留めておきましょう。
NG1. 調べればすぐに分かる質問
「御社の事業内容を教えてください」「設立はいつですか?」など、企業のウェブサイトや採用パンフレットを見ればすぐに分かることを質問するのは、「準備不足で、志望度が低い」と公言しているようなものです。
相手の貴重な時間を奪う、最も失礼な質問なので絶対にやめましょう。
NG2. 給与や福利厚生など待遇面の直接的な質問
「お給料はいくらですか?」「残業は月に何時間くらいですか?」といった待遇面に関する直接的な質問は、「仕事内容よりも条件面にしか興味がない」という印象を与えてしまいます。
聞き方には工夫が必要であり、OB訪問の場でストレートに聞くのは避けるのが賢明です。
NG3. 「はい/いいえ」で終わってしまう質問
「今の仕事は楽しいですか?」「残業はありますか?」のような、一言で終わってしまう質問は、会話が広がらず、深い情報を引き出すことができません。
「5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)」を意識し、相手が具体的に答えやすいような質問を心がけましょう。
NG4. 企業のネガティブな情報に関する質問
「〇〇という不祥事がありましたが、社内の雰囲気はどうですか?」「最近業績が悪いようですが、将来性は大丈夫ですか?」など、企業のネガティブな側面にばかり焦点を当てた質問は、相手を不快にさせるだけです。
批判的な姿勢ではなく、ポジティブな関心を示すことが大切です。
NG5. 相手のプライベートに踏み込む質問
相手の個人的な情報(恋人の有無、出身大学の偏差値、詳しい住所など)に踏み込む質問は、完全なマナー違反です。
仕事に関係のないプライベートな質問は、相手への敬意を欠いた行為と見なされます。あくまでビジネスの場という意識を持ちましょう。
OB訪問当日の質問の仕方とマナー
素晴らしい質問リストを用意しても、当日の聞き方が悪ければ台無しです。
相手に気持ちよく話してもらうための、質問の仕方と基本的なマナーについて解説します。
質問リストは手元に用意しておく
事前に用意した質問リストは、ノートや手帳に書いて手元に用意しておきましょう。訪問が始まったら、「本日は〇〇についてお伺いしたく、いくつか質問を準備してまいりました」と一言断りを入れると、準備してきた熱意が伝わります。
ただし、リストをただ読み上げるだけにならないよう、会話の流れを意識することが大切です。
質問の意図を簡潔に伝えてから聞く
唐突に質問を始めるのではなく、「次は、〇〇様のキャリアについてお伺いしたいのですが」のように、質問の意図や背景を簡潔に伝えてから本題に入ると、相手は答えやすくなります。
特に、少し踏み込んだ質問をする際は、「〇〇という記事を拝見し、~に興味を持ったのですが」とクッション言葉を置くと、より丁寧な印象になります。
メモを取りながら真剣に話を聞く
OBの方が話している時は、相手の目を見て、真剣に耳を傾けましょう。適度に相槌を打ち、「なるほど」「そうなんですね!」といった反応を示すことで、相手は「しっかり聞いてくれているな」と感じ、話しやすくなります。
そして重要なポイントは必ずメモを取りましょう。その姿勢が、あなたの真剣さの証となります。
OB訪問の質問に関するよくあるQ&A
ここでは、OB訪問の質問に関して、多くの就活生が抱く細かい疑問についてお答えします。不安な点はすべて解消して、当日に臨みましょう。
Q. 質問はいくつくらい用意すればいい?
Q. 質問する順番に決まりはある?
Q. 緊張してうまく質問できるか不安です…
質の高い質問でOB訪問を最高の学びにしよう
今回は、OB訪問における質問の準備から、具体的な質問リスト、そして当日のマナーまでを網羅的に解説しました。OB訪問の成否は、質問の質にかかっていると言っても過言ではありません。
この記事を何度も読み返し、あなただけの質問リストを完成させてください。質の高い質問は、企業理解を深めるだけでなく、あなたの熱意と能力をアピールする絶好のチャンスです。自信を持って、最高の学びの機会を掴み取りましょう!