就活で必須と言っても過言ではない自己PRですが、就活生からすれば「何をアピールすれば良いの?」と疑問に思うかもしれません。自己PRは自分の強みを伝えることが重要で、説得力を持たせるために具体的なエピソードを盛り込む必要があります。
今回は、部活経験をアピールしようと考えている就活生に向けて、好印象を残すためのポイントや効果的な伝え方、注意点などを具体的に解説します。
部活の自己PRでアピールできること
学生時代に部活動に励んできた人は、自己PRで以下のポイントをアピールするのがおすすめです。
組織内での活躍
目標に向かう姿勢
いずれも入社後のイメージにつながる内容なので、部活動をテーマにした自己PRは就活で有利に働く可能性が高いです。それでは、それぞれのアピール内容について、以下で詳しく見ていきましょう。
【部活の自己PRでアピール1】組織内での活躍
部活をテーマにした自己PRでは、組織内での活躍をイメージさせる内容をアピールしましょう。というのも、部活動は一人で行うものではなく、チームで取り組んだり先輩・後輩・監督といった関係性が重要だったりするためです。
例えば、部活での関係を組織に置き換えると、以下のように考えられます。
部活での関係 | 企業での関係 |
チームメイト | 同僚 |
先輩・監督 | 上司 |
後輩 | 部下 |
このように部活と企業には共通点が多く、自己PRの伝え方によっては入社ごとのイメージを持ってもらいやすいため、組織内での活躍を期待させるアピールを心がけましょう。
【部活の自己PRでアピール2】目標に向かう姿勢
部活動を行っていれば、大会での優勝など大きなものから小さなものまでさまざまな目標を掲げているでしょう。このほかにも、チームワークを良くするための目標や、部活内での問題を改善するための目標など、自分だけの目標を掲げていた学生もいるかもしれません。
部活動を自己PRで伝える際は、こうした目標を達成するための自分の役割や貢献意識を盛り込んでみましょう。目標に対して積極的に動く力があることをアピールできるため、企業に対して好印象を残せる可能性が高いです。
部活の自己PRで評価されやすいポイント
部活に関する話しは、組織内での活躍や目標に向かう姿勢をアピールできますが、自己PRで評価されやすいポイントについても把握しておきましょう。
【部活の自己PRで評価されやすいこと1】学生自身の人柄・強み
そもそも、自己PRでは応募者の人柄や強みが見られています。そのため、自己PRで部活について伝える場合は、以下の例を参考にアピールポイントを考えてみましょう。
リーダーシップ
継続力
課題認識能力、解決能力
マネジメント能力
協調性
忍耐力
場を読む力
モチベーションを保つ力
学生のなかには、所属していた部や役職、実績などを中心に伝えてしまう人がいますが、自己PRではその人らしさが注目されています。自分自身の強みや長所が活きたことなどを盛り込んで、あなただけの自己PRを完成させましょう。
【部活の自己PRで評価されやすいこと2】大学時代の部活動
部活動をテーマにする場合は、大学時代のことであることが評価されやすいです。仮に、小学生のころの部活について自己PRで伝えてしまうと、「現在は違う価値観なのでは?」「大学では何もしてないのかな」と疑われる可能性があります。
もちろん、昔から大学時代まで続けていることであれば問題ありませんが、今のあなたについて相手が分かるよう、大学時代の部活動について伝えましょう。
【部活の自己PRで評価されやすいこと3】活動での課題・学び
部活についての自己PRを高く評価してもらうためにも、活動のなかで直面した課題や学びが盛り込みましょう。ただ単に「野球を頑張り、チームメイトとも仲良く慣れました」とアピールするだけでは、あなたの魅力は伝わりません。
部活をするなかで何に問題意識を持ち、どう改善したのか、そこから何を学んだのかをまとめることで、より評価される自己PRに仕上がります。
部活動をテーマにした自己PRの伝え方
自己PRを通じてあなたの人柄や価値観を相手に理解してもらうためにも、伝え方のコツについて把握しておきましょう。
人によっては、書くのが苦手、喋るのが苦手という方もいるかもしれませんが、ここで紹介するポイントを押さえておけば、誰でも魅力的な自己PRができるようになります。
【自己PR「部活動」の伝え方1】はじめに強みを伝える
自己PRを伝える際は、「私は目標に向かって努力し続けることができます」のように、結論である強みからアピールしましょう。自己PRの結論を最初に伝えることで、企業側は学生がどんな人柄なのかを理解しやすくなるためです。
ここで重要なのは、要点を簡潔にまとめること。企業にアピールしたい強みがたくさんあったとしても、相手に自分を理解してもらうために伝える強みは1つに絞るのがおすすめです。
【自己PR「部活動」の伝え方2】強みを得た背景を説明する
続いて、自分がアピールした強みの根拠を伝えます。説得力のある自己PRにするためには、できるだけ具体的な背景やエピソードを伝えましょう。
部活中に直面した課題を自分の強みを活かして乗り越えたエピソードを述べることで、あなたの強みがより具体的にイメージできます。また、課題に対する取り組みから自分が学んだことを盛り込めば、あなただけの自己PRに仕上がるでしょう。
【自己PR「部活動」の伝え方3】企業への活かし方で締める
自己PRの最後は、自分の強みをどうやって企業活動に活かすのかを伝えます。というのも、ただアピールするだけでは企業側は入社ごとのイメージを持つことができない可能性もあるためです。
そのため、自己PRの締めでは「私は自分の◯◯を活かして、御社でも目標に向かって努力し続けたいと考えています」のように企業との関連性を持たせましょう。
部活動をテーマにした自己PRの例文
ここからは部活をテーマにした自己PRの例文を見ていきましょう。スポーツ系・文化系のそれぞれに分けているので、所属している部活に近いものを参考にしてみてください。
【部活動をテーマにした自己PRの例文1】スポーツ系
私は自ら目標を立て、それを達成するために継続的に努力することができます。
学生時代はサッカー部に所属しており、ポジションはDFでした。DFは相手に当たり負けない強靭なフィジカルが求められます。しかし、私は周りと比べて体格に劣り、出場機会に恵まれない悔しい時期を初めは過ごしました。その課題を解決するため、私は二つ行動を起こしました。一つ目は体幹トレーニングです。効果はすぐ出るものではありませんが、忍耐強く雨の日でも毎週欠かさず取り組みました。二つ目は小柄ながら活躍していた先輩からアドバイスを聞くことです。その方は身体の使い方が上手く、フィジカルの差を物ともしませんでした。重心の低さや腕の使い方など、すべての工夫を吸収する勢いでアドバイスを練習の都度聞きに行きました。その結果、3年の時にはスタメンに選ばれる選手へと成長しました。
貴社でも、たとえどんな困難に当たっても最後まで職務を全うしたいと思います。
上記の例文は以下の記事でも取り上げています。努力をアピールしたい人は、ぜひチェックしてみてください。
【部活動をテーマにした自己PRの例文2】文化系
私は結果が出るまで決して諦めず、目標を実現するまで取り組む忍耐力があります。私は、大学入学と同時に吹奏楽部に入部しました。周りは中学からの経験者ばかりで、大学まで楽器を触った経験がない私は、いつも演奏会には呼んでもらえず、悔しい思いをしていました。何度も、もう退部したいと思いましたが、両親と交わした「必ず演奏会に呼ぶ」という約束を叶えるために毎日練習に励みました。授業の合間は練習室にこもり、体力アップのために毎日の筋トレやランニングを欠かしたことはありません。コーチに何度も交渉し、出られない演奏会の練習にこっそりと参加させてもらったこともあります。その結果、3年生の頃に演奏会のメンバーに選ばれ、「両親を演奏会に呼ぶ」という夢を叶えられました。ピンチの状態でも結果が出るまで諦めず、取り組み続けることができる力は、貴社の営業職でも活かせます。何度断られても、お客様の利益のために何社でも営業し続けられる強みを、私は持っています。
忍耐力をアピールする場合の例文は、以下の記事で紹介しています。まとめ方や注意点などを知りたい方は、詳しく確認しておきましょう。
部活の自己PRに関するQ&A
最後に、部活の自己PRに関する学生のよくある疑問にお答えしていきます。
【部活の自己PRに関するQ&A1】役職についてなくても大丈夫?
学生のなかには部活に所属していながら、部長などの役職に就いていなかった人もいるでしょう。しかし、結論から言えば役職についていなくても自己PRで部活について伝えても問題ありません。
自己PRで重要なのは、役職についていたことよりも、あなたがどんな人で部活中にどんな課題に向き合ったのかです。アピールする強みの裏付けとなるエピソードがないか、振り返ってみましょう。
【部活の自己PRに関するQ&A2】アピール内容の見つけ方は?
漠然と部活動についてアピールしようと考えていても、具体的なエピソードが出てこないこともあります。その場合は、以下に挙げた切り口から考えてみましょう。
部員とのやりとり
直面した課題や困難に感じたこと
このほか、他己分析のようにチームメイトに尋ねてみるのも一つの手です。部活動で印象に残っているエピソードを聞ければ、自己PRのアピール内容として活かせるでしょう。
【部活の自己PRに関するQ&A3】長所の良い表現方法が見つからない
部活をテーマにした自己PRをしようと考えていても、しっくりくる表現方法が見つからないことは珍しくありません。
以下の記事では長所別の自己PRについて解説しています。自分を表現するための方法がわからない方は、ぜひ参考にしてみてください。
部活をテーマにした自己PRで魅力的な自分をアピールしよう!
自己PRで部活について話せば、企業側に好印象を与えやすいです。しかし、伝え方のコツやアピールのポイントなどを把握しておかないと、せっかくの魅力が上手く伝わらない可能性もあります。
部活をテーマに自己PRを考える際は、本記事で紹介した内容を参考に自分らしさが伝わる内容に仕上げてみましょう。