【完全版】OB訪問の始め方!マナーやメール例文・質問集まで徹底解説

「OB訪問ってやった方がいいって聞くけど、何から始めればいいかわからない…」「社会人の先輩に連絡するなんて、失礼がないか不安…」。OB訪問の重要性は理解しつつも、具体的なやり方が分からず、一歩を踏み出せないでいませんか?

この記事では、そんなあなたのための「完全マニュアル」として、OB訪問の準備から当日のマナー、お礼メールの書き方まで、一連の流れを徹底的に解説します。この記事を読めば、もうOB訪問は怖くありません。自信を持って、社会人のリアルな声を聞きに行きましょう。

そもそもOB訪問とは?目的とメリットを理解しよう

OB訪問は、就職活動を成功させるための非常に有効な手段です。しかし、ただ漠然とOBに会うだけでは、その効果は半減してしまいます。

まずは「何のためにOB訪問をするのか」という目的と、それによって得られるメリットをしっかり理解し、行動へのモチベーションを高めましょう。

OB訪問とは「働く社会人のリアルな話を聞く機会」

OB訪問とは、あなたが興味のある企業で働く大学の先輩(OB・OG)に個別に連絡を取り、仕事内容や働きがい、社風などについて直接お話を聞かせてもらう活動のことです。企業のウェブサイトや説明会では得られない、現場で働く人ならではの「リアルな情報」に触れられる貴重な機会と言えます。

あなたにとっては、企業理解を深める絶好のチャンスであり、企業にとっては、自社に興味を持つ学生と直接コミュニケーションが取れる場となります。

OB訪問をすべき3つの大きなメリット

忙しい就活の合間を縫ってOB訪問をするのには、明確なメリットがあります。

ここで紹介する3つのメリットを知れば、「絶対にOB訪問をしよう!」と思えるはずです。

1. 企業HPにはない「生の情報」が得られる

企業説明会やウェブサイトで語られるのは、あくまで公式の情報です。しかしOB訪問では、「仕事のやりがいだけでなく、大変なことは何か」「職場の人間関係はどうか」「残業は実際どのくらいあるのか」といった、社員の目線でしか語れない本音の情報を聞くことができます。

こうした「生の情報」は、あなたが本当にその企業で働きたいかを判断する上で、何よりも重要な材料になります。

2. 業界・企業への理解が深まり、志望動機が具体的になる

先輩社員から具体的な仕事のエピソードを聞くことで、その業界や企業への理解度は飛躍的に高まります。

「貴社の〇〇という事業の、△△な点に魅力を感じました」といった 表面的な志望動機から、「OBの〇〇様から伺った、△△というプロジェクトのお話に感銘を受け、私も…」というように、あなただけのオリジナルなエピソードを交えた、説得力のある志望動機を作成できるようになります。

3. 入社後の働き方を具体的にイメージできる

「入社1年目ではどんな仕事をするのか」「どんなキャリアパスを歩んでいる人が多いのか」などを聞くことで、あなたが入社後に働く姿を具体的にイメージできます。

自分の理想とする働き方やキャリアプランがその会社で実現できるのかを事前に確認できるため、入社後の「こんなはずじゃなかった…」というミスマッチを効果的に防ぐことができます。

【準備編】OB訪問の一連の流れと進め方

ここからは、OB訪問の具体的な進め方を、準備から順を追って解説します。

やるべきことをステップごとに分解すれば、何も難しいことはありません。この流れに沿って、一つひとつ着実に進めていきましょう。

STEP1:OB訪問を始めるべき最適な時期は?

OB訪問を始めるのに最適な時期は、**大学3年生の10月~大学4年生の4月頃**です。特に、業界研究や企業研究がある程度進み、質問したいことが明確になってくる秋から冬にかけてがおすすめです。

本選考が始まる直前期(1月~3月)は、OB訪問で得た情報を志望動機に反映させやすく、特に効果的です。ただし、年度末(3月)や年度初め(4月)は社会人も多忙な時期なので、避けるのが無難でしょう。

STEP2:OB・OGの探し方4選

会いたい企業のOB・OGを見つけるには、いくつかの方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分に合った方法で探してみましょう。

OB・OGの探し方
  1. 大学のキャリアセンター(就職課):最も確実で安心な方法です。大学に寄せられた卒業生の名簿から探すことができます。
  2. ゼミや研究室の繋がり:担当の教授や研究室の先輩に相談してみましょう。同じ専門分野のOB・OGを紹介してもらえる可能性があります。
  3. OB訪問専用アプリ・サイト:近年増えている方法です。様々な大学・企業のOB・OGが登録しており、気軽のアポイントを依頼できます。
  4. 友人やサークルの先輩の紹介:あなたの周りの人脈を頼る方法です。共通の知人がいることで、話がスムーズに進みやすいメリットがあります。

    STEP3:アポイント依頼のメール・メッセージの書き方【例文付き】

    OB訪問で最初の、そして最大の関門がアポイント依頼です。相手は忙しい社会人だということを忘れず、丁寧で分かりやすい文章を心がけましょう。


    件名:OB訪問のお願い(〇〇大学 氏名)

    株式会社〇〇
    〇〇部 〇〇様

    突然のご連絡失礼いたします。
    私は、〇〇大学〇〇学部〇〇学科3年の〇〇(氏名)と申します。
    大学のキャリアセンターの名簿を拝見し、ご連絡いたしました。

    現在、就職活動を控えており、貴社の〇〇という事業に大変興味を持っております。
    ぜひ、〇〇様が手掛けられている業務内容や、仕事のやりがいについてお話をお伺いしたく、OB訪問のお時間をいただくことはできないでしょうか。

    お忙しいところ大変恐縮ですが、もしご都合のよろしい日時がございましたら、いくつか候補をいただけますと幸いです。もちろん、〇〇様のご都合に合わせます。

    お手数をおかけしますが、ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。


    〇〇 〇〇(氏名)
    〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 3年
    電話番号:090-XXXX-XXXX
    メールアドレス:XXXX@XXXX.ac.jp

    ポイント

    件名だけで「誰から」「何の要件か」が分かるようにしましょう。また、なぜその人に話を聞きたいのかという理由を具体的に書くと、相手に熱意が伝わりやすくなります。

    STEP4:訪問前にやるべき事前準備リスト

    OB訪問の約束が取れたら、当日を有意義な時間にするために、万全の準備をして臨みましょう。「とりあえず話を聞きに来た」という態度は、相手に失礼です。

    事前準備リスト
    • 企業研究・事業理解:企業のHPや採用サイトを読み込み、基本的な情報は全て頭に入れておく。
    • OB・OGの情報確認:相手の所属部署や経歴などを事前に調べておく。
    • 質問リストの作成:聞きたいことを10個以上リストアップしておく。
    • 自己紹介の準備:自分がどんな人間で、なぜこの会社に興味を持ったのかを簡潔に話せるようにしておく。

    【実践編】OB訪問当日のマナーと会話のコツ

    いよいよOB訪問当日です。社会人と接する上での基本的なマナーを守り、失礼のないように振る舞うことが大切です。あなたの印象が、大学全体の評価に繋がる可能性も意識しておきましょう。

    1. 当日の服装と持ち物チェックリスト

    服装は、特に指定がなければ**リクルートスーツ**が無難です。私服を指定された場合も、オフィスカジュアル(男性ならジャケットに襟付きシャツ、女性ならブラウスにカーディガンなど)を心がけましょう。

    【持ち物リスト】
    • 学生証、筆記用具、スケジュール帳
    • 作成した質問リスト
    • 企業の資料(パンフレットなど)
    • 携帯電話(マナーモードに設定)
    • ハンカチ、ティッシュ

      2. 受付から退室までの流れとマナー

      約束の**5~10分前**に訪問先に到着するようにしましょう。受付では、大学名と氏名、訪問する相手の部署と氏名、約束の時間をはっきりと伝えます。

      案内された部屋では、指定された席に座って静かに待ちましょう。OB・OGが入室したら、すぐに立ち上がって挨拶をします。面談が終わったら、時間を割いてくれたことへの感謝を伝え、丁寧にお辞儀をして退室します。

      3. 有意義な時間にするための会話の進め方

      時間は1時間程度が一般的です。まず最初に自己紹介と、なぜOB訪問をしたいと思ったのかを簡潔に伝えます。その後、事前に用意した質問リストを中心に話を進めましょう。

      ただ質問するだけでなく、相手の話に相槌を打ったり、感想を述べたりして、会話のキャッチボールを意識することが大切です。最後に、改めて感謝の気持ちを伝えて締めくくります。

      【質問集】OB訪問で聞くべきこと・NGなこと

      OB訪問の価値は、質問の質で決まると言っても過言ではありません。企業のウェブサイトを見れば分かるような質問は避け、OB訪問でしか聞けないことを質問しましょう。

      絶対に聞くべき質問リスト(事業内容・働きがい・キャリアなど)

      絶対に聞くべき質問リスト
      • 〇〇様が現在担当されているお仕事の、具体的な内容を教えていただけますか?
      • そのお仕事の中で、最もやりがいを感じるのはどのような瞬間ですか?
      • 逆に、仕事をする上で大変なこと、苦労されることは何ですか?
      • 職場の雰囲気や、社員の方々の人柄について教えてください。
      • 入社前に抱いていたイメージと、入社後のギャップはありましたか?
      • 今後のキャリアプランについて、どのようにお考えですか?

        ライバルに差がつく!鋭い質問をするためのポイント

        一歩進んだ質問をすることで、「この学生はよく考えているな」と好印象を与えることができます。ポイントは、「自分なりの仮説を立てて質問すること」です。

        「私は貴社の〇〇という点に強みがあると考えているのですが、実際に働かれている中で、他社にはないと感じる強みは何ですか?」のように、自分の意見を交えて質問すると、思考の深さを示すことができます。

        これは失礼!やってはいけないNGな質問

        給与や福利厚生、残業時間など、待遇面に関する直接的な質問は避けましょう。また、少し調べれば分かることを聞くのも、「準備不足」だと思われてしまいます。

        企業の未公開情報や、個人的なプライベートに関わる質問もマナー違反です。相手への敬意を忘れないようにしましょう。

        【事後編】OB訪問後のお礼メールの書き方

        OB訪問は、会って終わりではありません。感謝の気持ちを伝えるお礼メールを送るまでがOB訪問です。

        この一手間が、あなたの丁寧な人柄を伝え、良い印象を残すことに繋がります。

        お礼メールは当日中に送るのが鉄則

        お礼メールは、訪問したその日のうちに送るのが社会人としてのマナーです。相手の記憶が新しいうちに送ることで、感謝の気持ちがより強く伝わります。

        遅くとも、翌日の午前中までには必ず送るようにしましょう。

        感謝が伝わるお礼メールの例文

        件名:OB訪問のお礼(〇〇大学 氏名)

        株式会社〇〇
        〇〇部 〇〇様

        お世話になっております。
        本日、OB訪問にてお時間をいただきました、〇〇大学の〇〇です。

        ご多忙の折にもかかわらず、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。

        〇〇様から伺った、〇〇(具体的なエピソード)のお話が特に印象に残り、貴社で働きたいという気持ちがより一層強まりました。
        また、〇〇(学んだこと)という点も、私にとって大きな気づきとなりました。

        本日お伺いした内容を、今後の企業研究や自己分析に活かして参ります。

        末筆ではございますが、〇〇様の今後のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。


        〇〇 〇〇(氏名)
        〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 3年
        電話番号:090-XXXX-XXXX
        メールアドレス:XXXX@XXXX.ac.jp

        ポイント

        定型文だけでなく、訪問で何が印象に残り、何を感じたのかという「自分だけの感想」を入れることで、感謝の気持ちがより深く伝わります。

        【ケース別】OB訪問のよくある悩みと対処法

        ここでは、OB訪問に関して多くの就活生が抱く、よくある悩みとその対処法をQ&A形式で解説します。

        Q. 志望企業のOB・OGが見つからない場合はどうする?

        A. 大学のキャリアセンターに相談するのが第一です。それでも見つからない場合は、OB訪問アプリで同じ業界の他大学の先輩を探したり、企業の問い合わせフォームから人事部に直接連絡してみる、という方法もあります。熱意が伝われば、社員の方を紹介してもらえる可能性があります。

        Q. オンラインでのOB訪問で気をつけることは?

        A. 対面と同様のマナーが基本ですが、特に**背景や服装、明るさ**に気を配りましょう。背景はシンプルな壁やバーチャル背景にし、服装もスーツが無難です。また、対面よりも反応が伝わりにくいため、いつもより少し大きめの声で話し、相槌や頷きを意識的に行うと、コミュニケーションがスムーズになります。

        Q. OB訪問は選考に影響しますか?

        A. 「直接は関係ない」とされていますが、優秀な学生だと評価されれば、人事部に情報が伝わり、選考が有利に進む(リクルーター面談に呼ばれるなど)可能性はあります。逆に、マナーが悪ければマイナスの印象を与えることも。「選考の一環」という意識を持って、真摯な態度で臨むことが大切です。

        正しいやり方をマスターして、OB訪問を成功させよう

        今回は、OB訪問のやり方を、準備からお礼までの一連の流れに沿って解説しました。OB訪問は、最初は勇気がいるかもしれませんが、得られるメリットは計り知れません。正しいやり方とマナーをマスターすれば、何も怖いことはありません。

        この記事を「完全マニュアル」として活用し、ぜひ積極的に行動に移してみてください。あなたの就職活動が、より実り豊かなものになることを応援しています!