
「就活の軸が大事なのはわかるけど、じゃあ具体的にどうやって決めたらいいの…?」と、具体的な決め方のプロセスで手が止まっていませんか。自己分析で出てきたキーワードを、どうやって自信の持てる「軸」にまで昇華させれば良いのか、悩みますよね。
この記事では、後悔しない就活の軸の決め方を、自己分析のフレームワークから具体的な4ステップのロードマップ、そして例文まで、完全版として徹底解説します。この記事を読めば、あなただけの納得感のある就活の軸が必ず決まります。
「就活の軸」の決め方が重要な3つの理由
就活の軸を決めることは、まるで航海図を作るようなものです。どこに向かうのかが明確でなければ、大海原で迷ってしまいます。
なぜ、時間をかけてまで就活の軸を決める必要があるのでしょうか。その重要性を理解すれば、きっとあなたのモチベーションも上がるはずです。ここでは、その3つの理由を解説します。
1. 無数にある企業から応募先を絞り込める
日本には400万社以上の企業があると言われています。就活の軸という「自分だけの物差し」がなければ、どの企業に応募すれば良いのか分からず、時間と労力を無駄にしてしまいます。
「技術力の高い環境」「チームで成果を出す文化」といった軸があれば、それに合致する企業だけに効率的にアプローチできます。限られた時間の中で、自分に合う企業と出会う確率を格段に高めることができるのです。
2. ES・面接で一貫性のあるアピールができる
就活の軸は、あなたのエントリーシートや面接での発言すべてを貫く「背骨」の役割を果たします。例えば「挑戦できる環境」という軸があれば、ガクチカでは「挑戦した経験」を、自己PRでは「挑戦心という強み」を、志望動機では「貴社の挑戦的な事業」への魅力を語る、というように一貫性が生まれます。
これにより、あなたの人物像に説得力が増し、採用担当者に「深く考えている学生だ」という印象を与えられます。
3. 入社後の「こんなはずじゃなかった」を防げる
時間と労力をかけて入社した会社が、自分に合わなかったら…。そんな悲しいミスマッチは、あなたにとっても企業にとっても大きな損失です。就活の軸に基づいて慎重に企業を選べば、自分の価値観と企業の文化が大きくズレることは少なくなります。
自分が本当に大切にしたいことを基準に選んだ会社であれば、入社後もやりがいを感じ、いきいきと長く働き続けることができるでしょう。
【4STEP】就活の軸の具体的な決め方ロードマップ
ここからは、いよいよ本題である「就活の軸の決め方」を、具体的な4つのステップに沿って解説します。
このロードマップ通りに進めれば、誰でも自分だけの納得感のある軸を決められます。難しく考えず、一つひとつのステップを楽しみながら取り組んでみてください。
STEP1:自己分析で「自分の価値観」を深掘りする
すべての土台となるのが自己分析です。なんとなく「成長したい」と考えるだけでなく、あなたが「どんな時に」「どのように」成長を実感するのか、その源泉にある価値観を深掘りすることが重要です。
ここでは、そのための具体的なフレームワークを2つ紹介します。
モチベーショングラフで感情の源泉を探る
横軸に時間(小学生〜現在)、縦軸にモチベーションの高低をとって、これまでの人生の浮き沈みをグラフにしてみましょう。
モチベーションが上がった(下がった)出来事は何か、その時何を考え、どう感じたかを書き出します。楽しかったこと、夢中になったことの共通点を探すことで、あなたが「どんなことにやりがいを感じるのか」という価値観の源泉が見えてきます。
もっと詳しいモチベーショングラフの作り方を知りたい人はこちらの記事も合わせてご覧ください。
Will-Can-Mustのフレームワークで思考を整理する
次に、自分の思考を3つの輪で整理してみましょう。「Will(やりたいこと・ありたい姿)」「Can(できること・得意なこと)」「Must(やらなければならないこと・社会から求められること)」をそれぞれ書き出します。
この3つの輪が重なる部分こそ、あなたが最も力を発揮でき、かつやりがいを感じられる領域であり、就活の軸の大きなヒントになります。
STEP2:企業分析で「社会との接点」を見つける
自己分析で見えてきたあなたの価値観が、社会の中でどのように実現できるのかを探るのが企業分析のステップです。業界地図や企業のウェブサイト、説明会などを通じて、様々な仕事や企業の存在を知りましょう。
この時、自分の専門分野や興味のある分野だけでなく、あえて視野を広げて様々な業界を見てみることが、思いがけない出会いや新たな気づきに繋がります。
STEP3:2つを掛け合わせ「軸の候補」を言語化する
STEP1で見つけた「自分の価値観」と、STEP2で見つけた「社会との接点(企業や仕事)」を掛け合わせて、就活の軸の候補を言葉にしていきます。
例えば、「チームで成果を出すことにやりがいを感じる(価値観)」と「プロジェクト単位でチームで動くことが多いIT業界(社会との接点)」を掛け合わせ、「多様な専門性を持つメンバーと、チームで大きなシステムを開発したい」といった軸の候補を作成します。
STEP4:優先順位をつけ「自分の就活の軸」を決定する
STEP3で出てきた複数の軸の候補に、優先順位をつけていきましょう。「これだけは絶対に譲れない」というものを1〜2つ、「できれば満たしたい」というものを2〜3つ、といった形で整理します。
全ての条件を満たす完璧な企業は存在しないかもしれません。だからこそ、自分の中で何が最も重要なのか優先順位をつけておくことが、後悔しない企業選びに繋がります。
就活の軸の決め方に役立つ!具体例・一覧
「決め方の手順はわかったけど、具体的にどんな軸があるの?」という方のために、参考になる軸の具体例をカテゴリ別に紹介します。
これらの例をヒントに、自分ならどう表現するかを考えてみましょう。
自分の「やりたいこと(Will)」から決める軸の例
仕事を通じて成し遂げたいことや、自分のありたい姿を軸にするパターンです。成長意欲や情熱をアピールできます。
- 若手のうちから裁量権を持って、大きなプロジェクトを動かしたい
- 〇〇の分野の専門家として、第一人者と呼ばれる存在になりたい
- まだ世の中にない、新しい当たり前となるサービスを創り出したい
自分の「できること(Can)」から決める軸の例
自分の得意なことや強み、専門性を活かせる環境を軸にするパターンです。仕事への適性や貢献イメージの具体性を示せます。
- 大学で学んだ情報科学の知識を活かし、製品開発に貢献したい(理系向け)
- 強みである分析力を活かし、データに基づいた戦略立案に携わりたい
- 粘り強い交渉力を活かし、顧客と長期的な信頼関係を築きたい
会社の「カルチャー」から決める軸の例
どんな人と、どんな雰囲気の中で働きたいかを軸にするパターンです。会社との相性や、長く働きたいという意思を示せます。
- チームで一体となって目標を追いかける、熱量の高い環境で働きたい
- 年次に関わらず、良いアイデアは積極的に採用される風通しの良い文化が良い
- 誠実さを重んじ、顧客や社会に対して正直な事業を行っている会社が良い
社会への「貢献」から決める軸の例
仕事を通じて、社会や誰かのためにどう役立ちたいかを軸にするパターンです。仕事への使命感や価値観の深さを示せます。
- 日本の高い技術力を通じて、世界中の人々の生活を豊かにしたい
- 教育格差の問題を、ビジネスの力で解決したい
- 人々の生活に不可欠なインフラを支え、安全・安心な社会を実現したい
決めた就活の軸を面接で効果的に伝える方法
せっかく決めた就活の軸も、相手に伝わらなければ意味がありません。ここでは面接で「あなたの就活の軸は何ですか?」と聞かれた際に、効果的に伝えるための3つのポイントを解説します。
1. 結論ファーストで軸を明確に提示する
まずは「私の就活の軸は〇〇です」と、結論から明確に伝えましょう。最初に軸を提示することで、面接官はその後の話の要点を理解しやすくなります。自信を持って、はっきりと述べることが大切です。
2. 軸の根拠となる具体的なエピソードを添える
次に、「なぜその軸を大切にしているのか」という理由を、あなた自身の具体的な経験を交えて説明します。
「大学の研究で〇〇という経験をしたことから、この軸を大切に考えるようになりました」のように、エピソードを添えることで、あなたの軸にオリジナリティと説得力が生まれます。
3. 入社後の貢献意欲に繋げる
最後に、「その軸が、なぜこの会社で実現できると考えるのか」そして「入社後にどう貢献したいか」を伝えて締めくくります。
これにより、企業研究の深さと、入社への高い意欲を示すことができます。「自分の軸」と「企業」と「未来の貢献」が一本の線で繋がるように意識しましょう。
就活の軸がどうしても決まらない時の3つの対処法
「ロードマップ通りにやってみたけど、やっぱり軸が決まらない…」そんな時は、一度立ち止まって、視点を変えてみましょう。机の前で悩むだけでなく、行動することで見えてくるものがあります。
1. 他己分析で客観的な意見をもらう
自分一人で考えると、どうしても視野が狭くなりがちです。そんな時は、友人や家族、大学のキャリアセンターの職員など、第三者に「私ってどんな人間に見える?」と聞いてみましょう。
自分では気づかなかった強みや価値観を指摘され、思わぬ方向から軸のヒントが見つかることがあります。
2. OB・OG訪問やインターンで社会に触れる
まだ社会に出て働いた経験がないのですから、仕事のイメージが湧かないのは当然です。OB・OG訪問やインターンシップに積極的に参加し、社会人の生の声を聞いたり、実際の仕事を体験したりしてみましょう。
リアルな情報に触れることで、仕事への解像度が上がり、自分が何を大切にしたいかが見えてきます。
3. 完璧を求めず「仮の軸」で動いてみる
就活の初期段階で、完璧な軸を決める必要はありません。「100%これだ!」と確信できなくても、「今の時点では、これが一番しっくりくるかな」というレベルの「仮の軸」で十分です。
その仮の軸を持って企業を見ていく中で、「やっぱりこっちの方が大事かも」と、軸がより明確になったり、変化したりしていきます。
就活の軸の決め方に関するよくある質問
ここでは、就活の軸の決め方に関して、多くの学生が抱く疑問にQ&A形式でお答えします。細かい不安を解消して、自信を持って就活を進めましょう。
Q. 就活の軸はいつまでに決めるべき?
Q. 決めた軸は変えてもいいの?
Q. 軸と違うけど魅力的な企業はどうする?
正しい決め方で就活の軸を定め、自信を持って進もう
今回は、後悔しない「就活の軸」の決め方について、具体的なロードマップを中心に解説しました。就活の軸は、あなたらしいキャリアを歩むための第一歩であり、就職活動を成功に導くための最も強力な武器です。
この記事で紹介した決め方を参考に、ぜひ自分だけの納得感のある軸を見つけてください。明確な軸があれば、迷うことなく、自信を持って就活を進めていけるはずです。