中小企業の新卒採用は難しい?採用成功させるポイントをご紹介!


「新卒採用が難しい」と感じている中小企業の採用担当者様は多いのではないでしょうか。少子高齢化による労働人口の減少や、大企業志向の学生の増加など、中小企業を取り巻く採用環境は厳しさを増しています。

しかし、中小企業だからといって新卒採用を諦める必要はありません。この記事では、中小企業の採用動向や新卒採用が難しい理由を解説するとともに、採用を成功させるための具体的なポイントやおすすめのサービスを紹介します。

中小企業の採用動向・課題

近年、中小企業における新卒採用は、以下のような課題に直面しています。

慢性的な人手不足

中小企業庁の調査によると、多くの中小企業が人材不足を感じており、新卒採用に意欲的です。しかし、実際には採用目標を達成できていない企業も少なくありません。その背景には、少子高齢化による労働人口の減少や、学生の大企業志向など、様々な要因が考えられます。中小企業は、限られたリソースの中で、いかに優秀な人材を獲得するかが問われています。

マイナビの調査によると、新卒採用を実施する理由として「前年に新卒を採用できなかった」「退職者の増加」が年々増加していることが分かります。将来の幹部候補を確保したい、というポジティブな理由から、人出不足解消のために新卒採用で補填する、という理由に切り替わっている傾向が読み取れます。

参照:マイナビ2025年卒企業新卒採用予定調査

採用ニーズは増加傾向

新卒のみならず、全体的に採用ニーズは増加しています。少子高齢化による労働人口減少に伴い、人出不足に頭を悩ませている企業が多いためです。

下記調査結果によると、企業の人材採用数は新卒、中途、アルバイト・パート、派遣のいずれも「増加・やや増加」が大きな割合を占めていることが分かります。ほぼ全ての職種でコロナ禍以前の水準を超えて活況しているため、幅広い職種で即戦力人材が求められています。

参照:採用難易度がさらに上昇 企業は「選ばれる」時代に

新卒採用が難しい理由

中小企業が新卒採用を難しいと感じる理由は、大きく分けて以下の3つが挙げられます。

大企業との人材獲得競争の激化

学生は企業選びにおいて、知名度やブランド力を重視する傾向があります。特に、就職活動を始めたばかりの学生にとって、知名度の低い中小企業は選択肢に入りにくいのが現状です。加えて、学生の多くは、安定性や知名度の高い大企業を志向する傾向が強いためです。

マイナビの調査によると、就活生が企業選びで重視する項目について「給料が良い」「自分の夢ややりたいことに近い業界」「業績が安定している」が上位を占める結果となりました。知名度や待遇面で大企業に劣る中小企業は、優秀な人材の確保に苦労しています。そのため、中小企業は自社の魅力を明確にし、効果的なアピールを行う必要があります。

参照:25卒就活生が企業選びで最も重視するポイント、「給料」を抑えた1位は?

採用コストが不足している

中小企業は使える予算と工数が少なく、限られた資源を効率的に活用する必要があります。媒体掲載やイベント出展に費用がかかり、説明会やインターンシップの企画・運営などで採用担当者のコストはひっ迫されます。

採用コストは大きく分けて「外部コスト」と「内部コスト」の2つに分類できます。

外部コスト内部コスト
求人サイトへの掲載費用採用担当者の人件費
人材紹介会社への紹介手数料         会社説明会や面接の運営費用         
採用イベントの参加費用応募者の交通費や宿泊費
採用管理システム(ATS)の利用料金内定者フォローにかかる費用

中小企業では、採用担当を兼務していたり、1人で担当しているというケースも多いのではないでしょうか。
そのため、業務の棚卸しを行い、効率化できるポイントを探すことが大切です。

中小企業が新卒採用を成功させるポイントとは

厳しい採用環境の中、中小企業が新卒採用を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

自社の魅力を明確にする

給与や福利厚生だけでなく、仕事のやりがいや成長機会、職場の雰囲気など、自社ならではの魅力を明確にし、学生にアピールしましょう。給与や福利厚生だけで勝負すると、大企業と比較した際に負けてしまう可能性が高いためです。

活躍している若手社員のインタビュー記事や社内行事などを積極的に発信することで、自社の魅力が伝わりやすくなります。また、内定者に内定承諾の決め手を具体的にヒアリングすることで、その情報を基に注力すべき施策を洗い出してみるのも良いでしょう。

ターゲット学生を明確にする

自社の求める人物像を明確にし、ターゲット学生を絞り込むことが重要です。ターゲット像はスキルや経験だけでなく、価値観や性格も含め具体的に定義しましょう。

例えば、活躍している若手社員に適性検査を受検してもらい、共通項目を抽出することで、似た傾向を持つ学生へアプローチしやすくなります。一見似ているところが見えなくても、適性検査の結果が近しい場合、業務の進め方や志向性の親和性が高いことが期待できます。

採用手法・プロセスの見直し

ターゲット像がある程度固まったら、ターゲット学生が多く利用している媒体(例:SNS、就職サイト、ダイレクトリクルーティングシステム、イベントなど)を選び、母集団の質を上げることが大切です。採用手法を見直すことで、より効率的にマッチする学生にアプローチしやすくなります。

採用プロセスの見直しについて、下記例を記載します。選考途中での歩留まりを改善したり、自社への興味関心を引き上げる起爆剤にもなるため、ぜひ検討してみてください。

採用プロセス見直し例
  • 選考期間を短縮する:学生の負担を軽減し、早期に内定を出すことで、優秀な人材を確保しやすくなります。
  • オンライン面接を導入する:遠方の学生や学業・部活動が忙しい学生も応募しやすくし、応募者層を広げましょう。
  • 現場社員との座談会を実施する:最終選考前に社員面談を入れることが、相互理解が深まり、学生の不安も解消することができます。
  • フィードバックを充実させる:選考結果だけでなく、今後のキャリアに役立つフィードバックを提供しましょう。

主な新卒採用向けサービス

近年、さまざまな新卒採用サービスが登場しています。メリット・デメリットと合わせてご紹介します。

就職情報サイト

企業の求人情報を掲載し、学生からの応募を募る手法です。近年は、学生の口コミや企業評価なども掲載されており、情報収集の場としても活用されています。

メリット:利用学生・企業が最も多いため、母集団形成や認知度アップに期待できます。また、掲載プランやオプションが豊富で、企業のニーズに合わせて選択可能です。

デメリット:多数の企業が掲載するため、差別化を図る工夫が必要です。学生からの応募を待つ手法のため、ターゲット学生と必ず会えるとは限りません。

新卒紹介

人材紹介会社が、企業の求める人物像に合った学生を紹介するサービスです。専門のアドバイザーが、学生の適性や希望を考慮してマッチングを行います。

メリット:採用活動の工数を削減し、効率的に優秀な人材を獲得できます。また、初期費用が発生しないことが多いため、リスクを最小限にしてスタート可能です。

デメリット:紹介手数料が発生するため、採用コストが高くなる傾向があります。文理や学歴によって差はありますが、平均的な採用単価は「学生1人あたり50万円前後~数百万円程度」と言われています。

イベント

合同企業説明会やインターンシップなど、学生と直接交流する機会を設ける手法です。

メリット:大人数の学生に対して自社の情報を伝えられるため、企業のPRやブランディングにも有効です。また、オンラインイベントも増加しており、場所や時間の制約を受けずに参加することもできます。

デメリット:準備や運営に時間と手間がかかるため、効率的な企画・運営が重要です。イベントは半日~1日拘束されるため、採用担当が1人の場合、他業務を考慮しながら進める必要があります。

採用アウトソーシング

採用活動の一部または全部を、外部の専門企業に委託するサービスです。採用戦略の立案から選考、内定者フォローまで、幅広い業務を委託できます。

メリット採用活動の工数を大幅に削減し、コア業務に集中できます。また、採用のプロフェッショナルにノウハウを教えてもらうこともできます。

デメリット:委託費用が発生するため、費用対効果を慎重に検討する必要があります。コミュニケーションが取りやすいか、自社の状況に合わせて柔軟な対応を取ってくれるか見極めも重要です。

ダイレクトリクルーティング

企業が学生に直接アプローチする手法のため、「攻め」の採用とも言われています。学生のプロフィールやスキルを見て、自社に合う人材にスカウトを送ることができます。

メリット自社の魅力を伝えやすく、ターゲット学生に効率的にアプローチできます。 時期にとらわれないアプローチができるため、早期・通年採用で活用することが可能です。

デメリットスカウトを送付する工数確保が必要です、また、ターゲット条件の設定・スカウト文章作成など、学生に魅力を感じてもらうための工夫が重要です。

キミスカ

弊社が運営している「キミスカ」は、就活生の3人に1人が活用するダイレクトリクルーティングシステムです。

特徴は「3種類のスカウトで効率的にアプローチ可能な点」「活躍社員の傾向を分析して、マッチングの精度を上げられる点」などがあります。ゴールド、シルバー、ノーマルスカウトの3種類スカウトがあるため、本当に会いたい学生に対してはゴールドスカウトで本気度を伝え、開封前に特別感を上乗せすることができます。一方で、ノーマルスカウトは一括で自動送信ができるため、工数を削減しながら幅広い学生に対してアプローチすることができます。

また、分析周りに強みを持つ「タレントパレット」を運営するプラスアルファコンサルティング社がグループ会社のため、高度な検索機能を活用することでマッチングの精度を上げられます。例えば、自己PR文章のテキストマイニングと、活躍社員の傾向を反映させ、類似検索をすることが可能です。そのため、今まで出会えなかった潜在層へのアプローチが実現できます。

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まとめ

近年、採用ニーズが高まっている一方、慢性的な人手不足が原因で、新卒採用の難易度は高くなっています。特に中小企業の新卒採用は、労働人口減少や大企業志向により厳しい状況です。

中小企業は、給与や福利厚生だけでなく、仕事のやりがいや成長機会といった独自の魅力を明確にアピールする必要があります。ターゲット学生像を具体的に設定し、最適な採用手法を見直しましょう。

「難しい」と感じる今こそ、従来の採用手法に固執せず、新しい戦略を取り入れることが重要です。自社に合った採用戦略を立て、企業の未来を担う人材を迎え入れましょう!