【新卒】 スタートアップの採用活動を成功させる秘訣とは?おすすめの採用方法を紹介

スタートアップは、リソースが足りなかったり知名度が低かったりと、採用活動に多くの課題を抱えているケースが珍しくありません。限られた予算や人材リソースで、競合企業に負けない魅力的な採用活動を展開するためには、独自の戦略と創意工夫が求められます。

特に新卒採用では、企業の将来を担う優秀な人材を確保するために、スタートアップならではのアプローチが重要です。この記事では、スタートアップの採用活動を成功に導くためのポイントや、おすすめの採用手法について解説します。

スタートアップの採用活動で重要なポイント

スタートアップが採用活動を成功させるには、「事業計画と連動した採用計画を立てること」が欠かせません。企業の成長段階に応じて適切に人員を確保していかなければ、以下のようなリスクが生じるためです。

・過剰採用
・人員不足

過剰採用は、必要以上に人材を雇用してしまうことを指します。この場合はコストがかさんでしまい、企業成長の妨げになる可能性が考えられます。

一方で、十分な人材を確保できない場合は、業務の一部を外注に頼らざるを得なくなるかもしれません。この場合は外注費が高騰するだけでなく、ノウハウが社内に蓄積されにくいという問題も発生します。

上記のリスクを回避するには、事業のスケールアップとともに組織を成長させるために、長期的視点を持って採用計画を策定することが重要なのです。

スタートアップの採用活動が難しい理由

スタートアップのなかには、採用活動で苦戦する企業が少なくありません。実際、内閣府の「地方版スタートアップ促進に向けた課題」によると、創業期の企業が直面する経営上の課題として、最も多いのが資金調達であり、次いでノウハウの蓄積や人材の確保などの人的側面が挙げられています。

その理由として、以下の3点が考えられます。

1.リソースやコストに限界があるから
2.実績や知名度が低いから
3.即戦力を採用したいから

どのようなことなのか、詳しく説明します。

リソースやコストに限界があるから

スタートアップの場合、採用活動に割ける予算や人材リソースが限られていることが一般的です。リクルーターを専任で配置できなかったり、広告費用を確保できなかったりと、求職者へ十分にアプローチできないケースが多いのです。

先述した内閣府の資料によると、特に地方都市では、資金の獲得が大きな経営課題となっており、これが人材確保の難しさにも影響を及ぼしていることがわかっています。

また、採用担当者が他の業務を兼任している場合は、採用活動に集中できず、選考やフォローの質が低下してしまうことが珍しくありません。リソースやコスト面での課題を解決するには、効率的かつ低コストな採用手法を取り入れる必要があります。

実績や知名度が低いから

設立間もないスタートアップは、知名度や実績が不足しているケースが少なくありません。その結果、学生が「安定性」や「信頼性」を感じられず、応募が集まりにくくなる傾向があります。

さらに、企業の魅力や将来性を十分に伝えられなければ、優秀な人材を競合他社に奪われるリスクも高まるでしょう。

その一方で、企業のビジョンやキャリアパスを明確に示し、安心して働ける環境であることをアピールできれば、学生に選ばれる可能性が十分にあることも事実です。安心して働ける企業であることを知ってもらうために、採用広報で自社の強みを積極的に発信していきましょう。

即戦力を採用したいから

スタートアップのなかには教育体制が整っていないところも多いので、即戦力となる学生の採用を希望することは珍しくありません。しかし、即戦力となる優秀な学生は他社からの需要も高くなるので、競争が激化して採用が困難になることが一般的です。

この課題に対応するには、「裁量が大きい」「スピード感を持って成長できる」といったスタートアップならではの魅力をアピールすることが有効です。また、採用基準を柔軟に設定し、ポテンシャル重視で採用を進めることで、将来的な戦力となる人材を確保する道も広がります。

スタートアップの採用戦略で重要なポイント

スタートアップは、以下のポイントを意識すると採用活動を成功させやすくなります。

・採用ペルソナを明確にする
・採用広報に力を入れる
・ハード面・ソフト面の両方をアピールする
・採用CXを向上させる
・内定承諾率・入社率を向上させる工夫をする
・スクラム採用を取り入れる

ここでは、各ポイントの詳細を説明します。

採用ペルソナを明確にする

スタートアップが効率的に採用を進めるために、採用ペルソナを明確に設定しましょう。

採用ペルソナとは、理想とする人材像を具体化したものです。スキルや経験といったハードスキルはもちろん、価値観や行動特性といったソフトスキルも含めて描く点が特徴的です。

採用ペルソナを明確にすることで、自社に合った人材をターゲティングしやすくなり、採用のミスマッチを防げます。また、設定した採用ペルソナは、採用活動全体の基本的な方針としても役立ってくれます。

採用広報に力を入れる

スタートアップの知名度不足という課題を解決するには、採用広報を強化して、できるだけ多くの学生に自社を知ってもらうことが大切です。

近年は、SNSやブログを活用した情報発信が効果的です。企業文化や社員の働き方を等身大な目線で伝えられれば、学生に親しみや信頼感を抱いてもらえる可能性が高まります。

また、大学や就職イベントへの参加を通じて、学生との直接的な接点を増やすことも効果的です。さまざまな広報活動を通じて、企業の魅力をターゲットに伝え、認知度と応募率の向上を目指しましょう。

ハード面・ソフト面の両方をアピールする

スタートアップにとって、給与や福利厚生といった「ハード面」で大企業に勝つのは難しいことです。しかし、柔軟な働き方や成長機会、フラットな組織文化といった「ソフト面」であれば、大企業に勝てる可能性があります。スタートアップならではの魅力を伝えるためにも、ハード面とソフト面両方のアピールを心がけましょう。

例えば、「社員一人ひとりが裁量を持って働ける環境」「新規事業に早い段階で携われるチャンスがある」といったアピールは、スタートアップならではの魅力になり得ます。他にも、働きやすい雰囲気や社員同士の距離感の近さなど、学生が共感しやすいポイントを具体的に伝えることで、他社との差別化を図りましょう。

採用CXを向上させる

スタートアップの採用成功には、候補者に「この企業を受けてよかった」と思わせる採用体験、いわゆる採用CX(Candidate Experience)の向上が重要です。選考過程でポジティブな印象を与えられれば、内定承諾や入社の意思を高められます。

採用CXの向上に効果的な取り組みの一例として、以下のようなものが挙げられます。

・応募後のレスポンスを迅速に行う
・選考過程で候補者の強みを引き出すコミュニケーションを心がける
・面接後にフォローの連絡をする
・実際の業務や商品を体験できる機会を提供する

上記のような候補者一人ひとりに丁寧に向き合う姿勢が、スタートアップへの信頼感や印象を大きく向上させるのです。

内定承諾率・入社率を向上させる工夫をする

採用人数が少ないスタートアップの場合、内定辞退が企業の採用計画に大きな影響を与えてしまいます。したがって、できるだけ内定承諾率や入社率を向上させることが大切です。

例えば、経営者や幹部と直接話す機会を設けて企業のビジョンや成長性を伝えることで、候補者の不安を解消して入社意欲を高められます。また、内定者と定期的に接点を持ち、モチベーションを維持できるように働きかけることも有効です。

経営層や社員との距離が近いスタートアップならではの良さを活かして、入社意欲の向上につなげましょう。

スクラム採用を取り入れる

スクラム採用とは、一部の担当者だけでなく、全社員が主体的に採用活動を実施する仕組みです。スタートアップのような少人数企業の場合、スクラム採用を取り入れることで、採用プロセスの効率化と精度向上を狙えます。

例えば、現場社員が応募者のスキルや性格を評価することで、配属先に合った人材を見極めやすくなるでしょう。また、応募者に複数の社員と関わってもらうことで企業文化の理解を促せるので、入社後のミスマッチを減らせるというメリットもあります。

スタートアップの採用戦略の立て方

スタートアップが採用活動を成功させるには、以下の5ステップで自社に適した戦略を立てていくことが重要です。

1.採用の目的を明確にする
2.社内の現状を整理する
3.採用以外の解決策を探す
4.採用基準を策定する
5.採用戦略に落とし込む

ここからは、スタートアップの採用戦略の立て方を詳しく見ていきましょう。

1.採用の目的を明確にする

まずは、新卒採用を行う目的を明らかにすることが重要です。採用の目的が不明確なまま進めてしまうと、企業に必要な人材を見極められず、結果的にコストや時間を無駄にしてしまうリスクがあるためです。

例えば、「営業部に配属するための人員を確保する」という場合と、「将来の幹部候補を採用したい」という場合では、候補者に求めるスキルが大きく異なるかもしれません。目的を明確にすることで採用計画全体が整理され、ターゲット像も明確になります。

2.社内の現状を整理する

次に、社内の現状を整理しましょう。現在の人員構成やスキルセット、業務量を正しく把握し、不足しているスキルや役割を明らかにすることで、採用活動の具体的な方向性が見えてきます。

例えば、既存社員の業務量が多く負担が大きい場合は、補佐的な役割を担う人材を採用するとよいでしょう。一方で、新規事業の立ち上げを計画している場合は、特定のスキルを持つ専門学生を採用する必要があるかもしれません。

このように、現状分析を行うことで、採用の優先度や計画が具体化されていくのです。

3.採用以外の解決策を探す

スタートアップの限られたリソースを最大限活用するためには、採用が唯一の解決策ではない可能性もあります。

例えば、既存社員のスキルアップや業務の外注化、効率化ツールの導入など、採用以外の方法で課題を解決できるケースは珍しくありません。特に、短期的な課題解決が必要な場合は、外部リソースを活用する方がコスト効率を高められることが一般的です。

対して、中長期的な企業成長を目指す場合は、社内リソースを充実させることが不可欠です。採用以外の方法で課題を解決できない場合、企業成長を目的としている場合は、採用活動に注力すべきでしょう。

4.採用基準を策定する

採用活動の精度を高めるためには、採用基準を明確にすることが大切です。採用基準が曖昧なままでは採用のミスマッチが起きやすくなり、結果として離職率が高まるリスクがあるためです。スキルや経験だけではなく、価値観や仕事への姿勢が企業とマッチするか(カルチャーフィット)についても考慮して基準を設けましょう。

また、採用基準を策定する際は、事業計画や組織目標と整合性を持たせることも意識してみてください。例えば、新規事業を立ち上げたい場合は、リスクを恐れないチャレンジ精神を持つ人材が必要かもしれません。

このように採用基準を明確化することで、面接や選考がスムーズに進むだけでなく、採用後の活躍も期待できる人材を確保しやすくなるでしょう。

5.採用戦略に落とし込む

ここまでの準備が完了したら、具体的な採用活動のスケジュールを設定しましょう。「どのタイミングで何を実施するのか」を詳しく計画することで、無駄のない効率的な採用活動が可能になります。

さらに、自社に合った採用手法の選定も重要です。スタートアップの場合は、ダイレクトリクルーティングやインターンシップの実施など、限られたリソースを効率的に活用できる採用手法がおすすめです。

スケジュールや目標を立てるだけではなく、それを実現するための具体的な手段も計画に組み込むことで、採用活動の成功率を大きく向上させられます。

スタートアップにおすすめの採用手法

スタートアップが人材を確保するには、自社のリソースや規模に適した採用手法を選ぶことが重要です。スタートアップにおすすめの採用手法として、以下の5つが挙げられます。

・ダイレクトリクルーティング
・リファラル採用
・SNS採用
・インターン採用
・人材紹介サービス

ここからは、各手法の詳細について見ていきましょう。

ダイレクトリクルーティング

ピンポイントで特定のスキルや経験を持つ人材を確保したい場合、自社に合った人材を効率よく採用したい場合は、ダイレクトリクルーティングがおすすめです。ダイレクトリクルーティングとは、企業が求職者に直接アプローチする採用手法です。近年注目を集めているスカウトサービスを活用する採用活動が該当します。

ダイレクトリクルーティングのメリットは、企業が求めるスキルや経験を持つ人材に直接アプローチできる点です。プロフィールやスキルを確認したうえで、「自社で働いてほしい」と思える人材に接触できるので、採用活動に割けるリソースが限られている企業に適しています。

また、多くのダイレクトリクルーティングサービスは、成果報酬型の料金形態を採用しています。他のプラットフォームのように掲載費がかからないので、コストを抑えつつ効率的に即戦力となる人材の確保を目指せるでしょう。

ダイレクトリクルーティングサービスについて詳しく知りたい方は、こちらの資料をご覧ください。

リファラル採用

リファラル採用は、自社で働いている社員などから候補者を紹介してもらう採用方法です。企業の文化や価値観にマッチした人材を確保したい場合は、リファラル採用がおすすめです。

自社と候補者の両方を知っている人から紹介してもらえるので、企業のカルチャーや価値観に合った人材を採用できる可能性が高く、ミスマッチを防ぎやすくなります。また、コストを抑えながら採用活動を進められる点も、リファラル採用の大きなメリットです。

ただし、社員の人数が少ないスタートアップの場合、紹介してもらえる候補者の数が限られてしまいます。そのため、他の採用手法と組み合わせて活用することが一般的です。

SNS採用

SNS採用は、X(旧:Twitter)やFacebook、WantedlyなどのSNSを活用して採用活動を行う手法です。低コストで広い層に企業の魅力を伝えたい場合は、SNS採用が適しています。

事業や日々の活動について発信することで、コストを抑えつつ、幅広い層に自社の魅力をアピールできる点が大きな魅力です。また、求職者と直接コミュニケーションを取ることが可能なので、親しみやすさを感じてもらえる点もうれしいポイントでしょう。

SNS採用を行うときは、求人情報だけでなく社内イベントやプロジェクトの事例、社員インタビューなど、多様なコンテンツの投稿を意識してみてください。そうすることで、求職者によりリアルな企業の雰囲気を知ってもらえて、応募意欲を高められます。

ただし、ターゲットにリーチするためには、適切なプラットフォーム選びや投稿内容の工夫が不可欠です。「どのようなSNSを好むのか」「どのような情報を必要としているのか」など、しっかりとターゲットを分析することが重要です。

インターン採用

インターン採用は、インターンシップで学生に自社の業務を体験してもらい、参加者のなかから優秀な人材を採用する方法です。候補者の実務適性を見極めながら採用したい場合は、インターン採用がおすすめです。

候補者がインターン期間中から企業文化や業務に馴染むことができれば、内定承諾率の向上や入社後の活躍にもつながるでしょう。また、学生は実際の業務を通じて企業の雰囲気や働き方を深く理解できるため、双方にとってメリットの大きい採用手法です。

ただし、「インターンの開催そのものを認知してもらえない」「インターンのカリキュラムが魅力的でない」などの理由で、参加学生を確保できないケースも珍しくありません。インターン採用を検討している場合は、広報活動を積極的に行ったり、学生にとって有意義なプログラムを設計したりすることが求められます。

人材紹介サービス

人材紹介サービスは、専門のエージェントを通じて、自社に適した人材を紹介してもらう方法です。効率的に即戦力人材を確保したい場合は、人材紹介サービスを検討するとよいでしょう。

スタートアップにとっては、採用活動にかける時間やリソースを削減しつつ、即戦力となる人材を効率的に確保できる点が魅力です。

ただし、人材紹介サービスには手数料がかかるため、採用予算を慎重に計画する必要があります。また、エージェントに自社の魅力や求める人材像を正確に伝え、候補者とのミスマッチを防ぐことが重要です。

スタートアップの新卒採用は“能動的”に進めることが大切!

スタートアップが新卒採用を成功させるには、「待ちの姿勢」ではなく、「能動的な姿勢」で採用活動を行う必要があります。限られたリソースや知名度のなかで優秀な人材を確保するために、自ら積極的に候補者にアプローチし、企業の魅力を伝える取り組みに力を入れていきましょう。

能動的な採用活動の一例として、ダイレクトリクルーティングの活用が挙げられます。採用したい人材に対して、スタートアップの成長性や独自の強みを直接伝えられれば、応募意欲を大きく向上させられます。

スタートアップの採用活動には、ぜひダイレクトリクルーティングサービスの「キミスカ」をご活用ください。

「キミスカ」では、学生のプロフィールや適性をもとに、自社にマッチする候補者へスカウトメールを送ることが可能です。学生に直接オファーを送ることで、スタートアップの知名度不足を補いながら、企業の魅力を伝えることができます。

キミスカのサービスについては、こちらで詳しくご覧ください。