就活生は自分がどんな性格をしていてどのような時にモチベーションが上がり、将来的にどうなりたいのかを見極めるためにいろんな方法を使って自己分析をします。
自己分析を行う際、効果的な方法のひとつは、既存のフレームワークを活用することです。特に、自分の強みや弱み、価値観や目標を整理するための体系的なアプローチは、より深く自己理解を得る助けとなります。自己分析は単なる自分探しではなく、今後のキャリアや人生の方向性を決定づける重要な作業であり、明確な目的を持って行うことが求められます。
そこで、フォーマットを使用することで、思考を整理し、より具体的で実践的な自己分析を進めることが可能となります。このアプローチが、どのように自己分析を加速し、成果に繋がるのかについて詳しく探っていきましょう。今回は自己分析のフレームワークとはどういうものなのかと、そのやり方についてご紹介していきます!
自己分析のフレームワークとは何か
フレームワークとは、その名の通り「枠組み」のことを言います。なので自己分析でフレームワークを行うということは「自己分析をするための枠組みを作る」という意味になります。
つまり、フレームワークは自己分析のお手伝いしてくれるツールなのです。ですからフレームワークをすれば自己分析が完了するというわけではありません。
あくまで自己分析の補助をしてくれるものだと認識しておいてください。
自己分析の目的とは?
フレームワークを使うことの理由である「自己分析」。この自己分析はなぜ必要なのでしょうか?それは主に3つの目的があるからです。
【自己分析の目的1】自分の強みと弱みを理解するため
自己分析を通じて、自分の強みや特長を明確にすることができます。これにより、どのような職種や業界に自分が向いているのか、どのような仕事を選ぶべきかが見えてきます。また、自分の弱みを把握することで、改善点に取り組む意識を高めることも可能です。
【自己分析の目的2】自分の価値観を明確にするため
自己分析を通じて目標と価値観を明確にすることは、就活において重要です。まず、長期的なキャリアビジョンを確認し、自分がどのような仕事をしていきたいかを意識できます。さらに、自分の価値観(成長、安定、社会貢献など)を理解することで、企業選びの基準が定まり、仕事へのモチベーションも向上します。自分が大切にしたいことを明確にすることで、企業文化や理念と合致する職場を選べ、働く意義を見つけることができます。
【自己分析の目的3】自信を持って活動するため
自己分析をしっかりと行うことで、自分に対する理解が深まり、就活における自信が生まれます。自信を持って面接に臨むことができれば、緊張せずにありのままの自分を見せることができ、面接や選考で自分をしっかりアピールできるようになります。また、面接官に頼りがいのある印象を与えることができます。
自己分析におすすめなフレームワーク【8選】
では実際に自己分析のフレームワークのやり方をご紹介していきます。今回は私がオススメする8種類のフレームワークをピックアップしました。
【おすすめのフレームワーク1】自分史
1つ目にお勧めするのは「自分史」です。
過去の出来事を一度整理したい人
過去から現在に至る成長の過程を示したい人
この「自分史」と呼ばれるフレームワークとは、幼少期から現在までの経験を年表のようにまとめたものを指します。自分史を作ることで、自分が頑張ったことやはまったこと、幼い頃からの夢などを思い出すことができます。
【自分史を使ったフレームワークのやり方】
ノートとペンを用意する
ノートに過去の出来事を年代ごとに書き出していく
過去の出来事を“喜怒哀楽”に分類する
自分史についてもっと知りたい、実際に作成したい!と思った就活生は以下の記事も参考にしてみてください。
【おすすめのフレームワーク2】モチベーショングラフ
2つ目におすすめするのは、「モチベーショングラフ」です。
自分の強みや武器を他人に伝えられるエピソードを探したい人
自分の進路選択の軸を明確化したい人
これは自分のモチベーションが上がったタイミングや、逆にモチベーションが下がったタイミングを思い出しグラフに書き出すことで、「自分がどんな時にモチベーションが上がるのか・それはなぜか」を明らかにすることができるフレームワークです。
【モチベーショングラフを使ったフレームワークのやり方】
時間の流れを表す横軸とモチベーションの上下を表す縦軸を書く
年齢ごとのモチベーション上下とその時の出来事の詳細を書く
当時置かれていた環境や感情、思考や行動を振り返る
自分の性格や価値観、モチベーションが上がるタイミングを理解する
自分の感情やその感情を抱いた理由に共通点や違いがないか探す
モチベーショングラフについてもっと知りたい、実際に作成したい!と思った就活生は以下の記事も参考にしてみてください。
【おすすめのフレームワーク3】付箋で箇条書き
3つ目に紹介するのは、「付箋で箇条書き」です。
実際に、付箋で自分の特徴などを箇条書きでとにかく書き、ノートで保存しておくことは非常に有効です。なぜなら、気軽に1つ1つを書き加えられ、また自然とカテゴリーごとにまとめることが可能だからです。
短いフレーズで直感的に理解したい人
自分の進路選択の軸を明確化したい人
【付箋を使ったフレームワークのやり方】
付箋を用意する(データ上でも可)
付箋ごとに、何を書くかを決める
単語でも良いので、沢山書く
同じ付箋だけでなく、他のテーマの付箋とも見比べ、共通点や違いがないか探す
【ダウンロード】上記3つのフォーマットをダウンロード
上記で説明した「自分史+モチベーショングラフ+付箋」の3つの要素が入った【キミスカオリジナルの自己分析シート】が、下記リンクから無料でダウンロード可能です。シート形式はPDFになるので、各ページを印刷して記入してください。
各項目を埋めていくだけで自分の性格や価値観、努力してきたことなどが整理できるので、面接対策やエントリーシート(ES)対策におすすめです。
【おすすめのフレームワーク4】マインドマップ
続いていきましょう。4つ目にオススメするフレームワークが「マインドマップ」というものです。
マインドマップは絵を描いたり、ゲームをする感覚で行えるため比較的やりやすい方法だと思います。また、マインドマップには自己分析をやり直したくなって見返した時にとても見やすかったり、文章と文章の繋がりが見えやすいため、新たな文章を追加するのが簡単だというメリットがあります。
【マインドマップを使ったフレームワークのやり方】
その出来事に対して「いつ」「どこで」「何を」「誰が」「なぜ」「どのように」(5W1H)
といった質問を投げかける。
その質問を通して気づいたことがあれば、追加で記載していく(赤文字で)
追加で記載した気づきから「自分の性格や価値観」、「就活の軸」などを見つけていく(赤文字で)
マインドマップについてもっと知りたい、実際に作成したい!と思った就活生は以下の記事も参考にしてみてください。
【おすすめのフレームワーク5】SWOT分析
5つ目におすすめするのはSWOT分析です。「SWOT」とはこれらの頭文字を組み合わせたものになります。
・Strength(強み):自分が持っている強み
・Weakness(弱み):自分が克服できない弱み
・Opportunity(機会):就活市場における自分へのメリット
・Threat(脅威):就活市場における自分へのデメリット
業界研究や企業選びをしたい人
自己PRや志望理由を明確にしたい人
SWOT分析は先におすすめしたマインドマップやモチベーショングラフとは違い、目標に向けて自分の分析をするのに使う方法になります。「就活市場における自分へのメリットやデメリットなんて分からないから適当に書こう」では、このフレームワークをやっている意味がなくなってしまうので、しっかり自分で調べることをおすすめします。また強みや弱みを素直に書き出すことで、自分にあっている企業はどんなところなのか、逆にどんなところに入ると良くないのかが明確化されていきます。
【SWOT分析を使ったフレームワークのやり方1】流れ
Strengthに「自身の強み」を記入する
Weaknessに「自身の弱み」を記入する
Opportunityに「就活市場における自分へのメリット」を記入する
Threatに「就活市場における自分へのデメリット」を記入する
【SWOT分析を使ったフレームワークのやり方2】「SWOT」が埋められたら“掛け合わせよう”
これまで書き出した要素をかけ合わせることによって、企業選びの軸や就活で取るべき行動が明確になってきます。例えば
副業OKの企業を選び、個人でSNSを使ったビジネスに挑戦する
・フットワークが軽い×海外進出をする企業が増えている
英語を学んで海外進出を考えている企業への入社を狙う
このような具合で掛け合わしていくことで、自分が入社すべき企業や就活でとるべき行動が見えてきます。
【おすすめのフレームワーク6】質問リスト
6つ目におすすめするフレームワークは質問リストです。質問リストを用いることで、自分の事を一問一答形式で多角的に知ることができます。たまに、面接で全く同じ質問がされるというようなラッキーなこともあるので、試してみる価値は大アリですね。
以下の記事には、自己分析を進める質問が40個掲載されています!ぜひともお役立てください。
【おすすめのフレームワーク7】Will Can Mustの法則
7つ目におすすめするフレームワークは、「Will Can Mustの法則」になります。これはその名の通り、will, can, mustの三つの要素を書き出すフレームワークです。
- Will:将来したいことは何か、どんな人物になりたいか、どういう人生を歩みたいか
- Can:自分は何ができるのか、どんなスキルを持っているのか
- Must:必ず仕事でやらなければならないことは何か
will, can, mustの三つについて書き出すことができたら、この三つが重なる部分は一体何か?を深く考えましょう。
will, can, mustの三つが重なった領域こそが、自分の理想とする生き方であり、自分に最も適した仕事にあたるからです。
【おすすめのフレームワーク8】キミスカ適性検査
最後に、キミスカの大人気機能でもあります、キミスカ適性検査の紹介だけさせてください。
自己分析をしていく中で「自己分析はやってみたけど進まなかった」「自己流だと本当に合っているのか分からない」という方もいるでしょう。そんな方は自分史と併せて、【キミスカの適性検査】で客観的に自分を知るのもおすすめです。
キミスカの適性検査では質問に答えるだけで、性格や意欲傾向、さらには職務適正などAIによって自分の強みや弱み向いている職種を判断することができます。また、適性検査の結果やプロフィールの内容をみて企業からスカウトが届くこともキミスカの魅力のひとつです。自分史と併せて適性検査を受けることで、客観的にも自分を理解していきましょう!
適性検査の受検方法と自己分析のやり方は以下の記事にまとめてあるので、チェックしてみてください。
自己分析を実際に応用してみよう
自己分析を就活に活用する方法を実践的に解説します。以下は、エントリーシート(ES)や面接でよく聞かれる質問に対する応用方法です。
【自己分析を実際に応用1】志望動機の伝え方
志望動機を説明する際には、自分の過去の経験がどのように企業や業界への関心を生み出したかを伝えます。
まず、「これまでの経験から得た気づき」や「自分がどのように成長してきたか」を話し、それが「志望先の企業文化や事業内容」とどのように結びついているかを説明します。
- 特定の経験:大学時代に参加したボランティア活動
- 気付き、学び:社会貢献の重要性に気付く
- 企業の文化や事業に共感:地域社会に対して直接的な影響を与えられる貴社の仕事に魅力を感じたから
【自己分析を実際に応用2】強み/弱みの伝え方
強みや弱みを問われた際には、自己分析をもとに具体的なエピソードを交えて説明します。
過去の挑戦や困難をどのように乗り越えたかを示し、その中で発揮したスキルや特性を伝えます。
→例えば、「プロジェクトを成功に導いた経験」や「問題解決に積極的に取り組み、成果を上げたエピソード」などが該当します。
過去に直面した課題や欠点をどのように認識し、改善に取り組んできたかを説明します。
→例えば、「完璧主義が原因で時間をかけすぎてしまうことがあったが、優先順位をつけて効率化を図り、業務をスムーズに進めることができた」といった実例を挙げて、自分の成長を示すことが重要です。
【自己分析を実際に応用3】大切にしている価値観の伝え方
「大切にしている価値観」に関する質問では、過去の経験からその価値観がどのように形成されたのかを説明します。
例えば、困難を乗り越える中で「挑戦を重視する価値観」が生まれた場合、その過程を具体的に話します。そして、その価値観が将来の目標にどのように結びついているかを説明します。たとえば、「挑戦を通じて成長し、社会に貢献できる環境で働きたい」といった目標に繋がることを示します。
まとめ
記事の冒頭でも述べたようにフレームワークは自己分析の補助をしてくれるものなので、マインドマップやモチベーショングラフ、SWOT分析が完成したら本格的に自己分析や自己PRの作成に移行しましょう。