就活の面接では、自己紹介をはじめ志望動機や自己PR、学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)などの質問をされることがほとんどです。しかし、企業によっては聞き方を変えてきたり、意外な質問をしてきたりすることもあるため、不安に感じている学生もいるでしょう。
そこで、本記事では面接で聞かれる可能性のある100の質問を紹介します。それぞれジャンルごとに分けているほか、定番質問への回答例もまとめているので、ぜひ面接対策に役立ててみてください。
質問一覧の前に面接の目的を把握しよう!
面接対策で一番重要なのは、さまざまな質問に対する回答を用意することよりも、面接官がなんのために質問をしてくるのかを把握しておくことです。面接の目的を理解しておけば想定外の質問をされたときにも、意図を汲んで的確な回答をできるようになります。
学生の経験やスキルを把握するため
社風に合った人材か確認するため
自社の求める人物像とマッチしているか見るため
長期にわたって活躍する人材か確認するため
自社への志望度や熱意を知るため
面接での質問を完璧に予測することは不可能です。しかし、自分が企業にとってメリットのある人材であることを前提に回答を考えられれば、好印象を残せる可能性が高まります。
【ジャンル別】面接の質問一覧100選!回答例も紹介
ここからは、面接で質問される可能性のある質問を一覧にして紹介します。質問の表現が異なっていても、「学生自身について」や「志望動機について」など、面接官が聞きたいことをジャンル別にまとめることが可能です。
どんな質問がくるのか不安な学生は、それぞれの質問に対する回答を考えながら読み進めてみましょう。
【面接の質問一覧1】学生自身について
就活の面接では、アイスブレイクや自己紹介から始まることがほとんどです。面接官はできるだけ学生の本来の姿を見たいと考えているため、アイスブレイクで気楽に話せる雰囲気を作ったり、話しやすい自己紹介から面接を始めたりします。
それでは、学生自身について問う定番の質問「自己紹介をお願いします」と言われた場合の回答例を見てみましょう。
○○大学○○学部4年の○○○○と申します。
大学では社会学を専攻しており、地方での持続可能な街づくりをテーマに研究しています。
研究の一環として日本各地の限界集落を訪ね、自治体の方や移住された方へのインタビューと実務のサポートを行ってきました。これまでの経験を通じて、コミュニケーション能力や柔軟な対応力を養うことができ、大学内だけでなく地方の方とも広く繋がりを持てたと実感しています。
この度は、御社が取り組んでいる地方での雇用創出や中小企業支援といった事業に魅力を感じ、選考に応募いたしました。今まで学んできたことや経験を最大限アピールできればと考えております。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
こちらの回答例は「新卒の面接で自己紹介の例文が知りたい!話し始めや締め方、注意点も紹介」という記事から引用しています。その他の例文を見てみたい方は、ぜひチェックしてみてください。
なお、学生自身について問う質問はさまざまなパターンがあります。
・自己紹介をお願いします
・趣味や特技を教えてください
・専攻を教えてください
・在学している大学・学部への進学理由を教えてください
・あなたの性格について教えてください
・あなたの欠点とそれを補うために行っていることを教えてください
・あなたの強みや弱みはなんですか
・あなたの特徴3つとその理由を教えてください
・あなたを一言で表すとなんですか
・就活の軸を教えてください
・最近の気になるニュースや話題を教えてください
・これまでの人生で影響を受けたエピソードを教えてください
・親しい友人や家族から見たあなたの評価について教えてください
・あなたの長所を教えてください
・自身で短所に感じている点はありますか?
・短所を克服するために取り組んだ経験はありますか?
・チームワークにおいてどのようなポジションが多いですか?
・人からフィードバックを受けた際にどのように対応しますか?
・人と協力する際に自分の短所をどのようにカバーしますか?
・学生と社会人の違いは何だと思いますか?
・あなたは動物で例えるとなんですか
・あなたを色に例えると何ですか?
大学に関する質問をはじめ、強みや弱み、長所、短所なども学生の人柄について尋ねられる可能性があります。また、「自分自身を動物や色、物に例えたら?」と聞かれることも珍しくありません。
こうした質問では、想定外のことに対する学生の対応力が見られている可能性があります。ただ、自己分析をしていれば自分の特徴を例えることも難しくはないため、面接前に自己分析を済ませておきましょう。自己分析がまだ終わっていない方や不安な方は、キミスカの自己分析ツールを試してみてください。
【面接の質問一覧2】志望動機について
続いて、志望動機に関する質問も面接官から聞かれることが多いです。「当社への志望動機を教えてください」とストレートに聞かれる場合もあれば、志望職種や他社との比較を通じて志望理由を聞かれる可能性もあります。
志望動機を聞かれた際の例文を見てみましょう。
貴社を志望した理由は、お客様の課題解決に貢献できると思ったからです。私は大学時代、ITサークルでWebサイト制作に携わっていました。Webサイトを通して、お客様のビジネスを成功させたいという強い思いから、マーケティングについても積極的に学びました。貴社では、Webサイト制作だけでなく、マーケティングにも力を入れていると伺い、これまでの経験を活かして、貢献できるのではないかと考えました。特に、貴社の開発している〇〇というサービスは、お客様の課題を解決するだけでなく、社会全体に貢献できるものだと感じ、大変魅力を感じています。
こちらの回答例は下記の「面接で失敗しない志望動機の伝え方!適切な長さや対策方法を解説」という記事から引用しています。このほかの例文を見てみたい方は、ぜひチェックしてみてください。
学生の志望動機を問う質問一覧は以下のとおりです。
・当社を志望した理由を教えてください
・この職種を志望した理由を教えてください
・この業界に興味を持った理由を教えてください
・どうして同業他社ではなく当社なのですか
・あなたの強みを当社でどのように活かせると考えていますか
・当社は第何希望ですか
・会社説明会やホームページで感じた当社の印象を教えてください
・あなたが考える当社の魅力はなんですか
・内定を出したら当社へ入社してくれますか
・弊社に関する情報はどのようにして収集しましたか?
・競合他社と比べて、当社が差別化を図れていることを教えてください
志望動機は入社意欲の高さをアピールしやすい一方で、回答が薄い内容だと落とされる可能性があります。ES(エントリーシート)に記載した内容を深めて、面接に臨みましょう。
面接で伝える志望動機のポイントについては、以下の記事を参考にしてみてください。
【面接の質問一覧3】学生時代の取り組み
学生時代に力を入れたこと、通称「ガクチカ」の質問も面接では定番です。面接官は学生が熱中していたことを尋ね、学生のモチベーションや物事への向き合い方などを知ろうと考えています。
私は学生時代、アルバイト先のチーム体制を整えることに尽力しました。 私は学生時代に4年間居酒屋でアルバイトをしており、バイトリーダーを任されていました。ある日、新人スタッフのミスによってお客様からクレームがあり、店舗全体を巻き込む大きな問題になりました。そこで私はスタッフの役割を分けること、そして新人スタッフとアルバイト歴の長いスタッフをチームにして連携を図ることで、問題解決ができると考えました。すぐにスタッフと話し合い、店長に私のアイデアを進言すると、翌日からチーム制で業務を進めることになりました。それ以来、同様のクレームは発生することなく、結果として居酒屋の売上を上げることができました。 貴社の一員として働くことができましたら、私の強みである分析力を業務に活かし、売上やプロジェクトの連携に貢献できればと考えております。
こちらの回答例は下記の「面接で評価されるガクチカとは?6つの評価ポイントと話し方を解説」という記事から引用しています。このほかの例文を見てみたい方は、ぜひチェックしてみてください。
なお、学生時代の取り組みについて問う質問は、このほかのパターンもあります。
・自己PRをしてください
・学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)を教えてください
・アルバイトや部活はしていましたか
・ゼミ活動や研究内容について教えてください
・所属している組織でのあなたの立ち位置を教えてください
・得意な教科はありますか
・この業界を目指すにあたり、なにか勉強しましたか
・学業やアルバイト以外で取り組んでいたことはありますか
・学生時代に挫折を経験したことはありますか
・卒論テーマについて話してください
・どのような学生生活を送ってきましたか?
・学生時代に頑張ったことの成果や学びについて詳しく教えてください
・今までで一番大きな成功体験を、成功した理由と合わせて教えてください
・今までで一番嬉しかったことは何ですか?
・チームで何かを成し遂げた経験があれば教えてください
・その活動があなたのキャリアの考え方にどう影響しましたか?
・活動を通して、スキルを得たり価値観が変わったりしましたか?
・学業と両立させるために工夫したことはありますか?
・学生時代の取り組みで反省点を挙げるとしたら何がありますか?
学生時代の取り組みに関する質問の回答は、大学時代のものを選ぶのがポイント。あまりに昔のことを話しても現時点の魅力が伝わりにくい可能性があるためです。
面接で評価されるガクチカについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【面接の質問一覧4】仕事観・ビジョン
面接では学生の仕事観やビジョンについて質問してくる可能性もあります。面接官にとっては入社後の姿を想像しやすい質問なので、学生はできるだけ具体的に答えるのがポイントです。
5年後には営業部門で中核メンバーとして活躍して、営業成績1位を獲得したいと考えています。10年後はそれまでの経験を活かして、営業戦略を担うリーダーとして部門を牽引する存在になることを目標としています。そのために先輩社員のよいところをどんどん吸収し、入社直後から能動的に営業活動を行っていきたいです。
こちらの回答例は下記の「面接の頻出質問は10種類押さえればOK!質問一覧と回答のコツを紹介」という記事から引用しています。このほかの例文を見てみたい方は、ぜひチェックしてみてください。
仕事観やビジョンに関する質問の別パターンを以下にまとめました。
・当社に入社して達成したい目標はありますか
・5年後、10年後のキャリアプランについて教えてください
・将来のキャリアビジョンや目標を教えてください
・あなたが目標とするキャリアに必要なスキルや経験を教えてください
・目標を実現するためにどのような取り組みをしたいですか
・仕事選びの軸はなんですか
・働く上で大事したいことはありますか?
・就職を通じて、企業に期待するのはどのようなことですか
・弊社の中で興味のある業務や部署はありますか?
・希望していない部署への配属が決まったらどうしますか?
・将来の目標を達成するために関心のある業界や企業はありますか?
・あなたの考える組織内のリーダーシップを教えてください
・あなたのキャリアパスやビジョンは、過去の経験が影響を与えていますか?
・理想のキャリアプランを実現するために、現時点で足りていないと感じていることは?
・未経験の分野や課題に対してどのようにアプローチしますか?
いずれの質問も、回答するには十分な企業研究と自己分析が必要です。就活の軸を固め、自分だけの未来を描いてみてください。
【面接の質問一覧5】性格や価値観
学生自身に関する質問と似ている部分もありますが、性格や価値観について聞かれることも珍しくありません。企業は応募者の人柄について詳しく知ろうと、こうした質問を投げかけてくることがあります。また、自身を客観視できているかどうかも見られている可能性があるため、自己分析や他己分析を行っておきましょう。
私は他人から、好奇心旺盛であるとよく言われます。一度一つのことに興味を持つと、とことん追求していくタイプです。そして、興味を失わずに興味を持ち続けられる性格です。この性格は、持ち前の強い好奇心によるものだと思います。例えば、今はパソコンに興味があります。最近では自作PCを製作し、使いこなせるようにまでなりました。自分で製作することで、市販品よりも安くでき、さらにPCへの理解や関連業界の興味も深まるというなどの利点があることがわかりました。
このように、好奇心は物事を深く知ることや新たな知識を得るためのきっかけになるものだと思います。 仕事でも好奇心を活用し業務の追及を行っていこうと考えています。
こちらの回答例は「面接で性格を聞かれた時のオススメ回答や答え方のポイントを例文付きで解説!」から引用しています。このほかの例文を見てみたい方は、ぜひチェックしてみてください。
なお、性格や価値観について問う質問は、このほかのパターンもあります。
・友達や親からはどのような人だといわれますか
・どのようなマネジメント方法が、あなたの能力を引き出すと思いますか
・仕事とプライベートではどちらが大切ですか
・挫折や失敗したときにどう対処していますか
・あなたのモチベーションはなんですか
・ストレスを感じている時のリフレッシュ方法はありますか?
・数ある選択肢の中から最適なものを選ぶ際の基準を教えてください
・意思決定をする際に重視する価値観や要因はありますか?
・複雑な状況で正しい判断を下すために心掛けていることは何ですか?
・発生したトラブルを解決に導くためのプロセスを教えてください
・新たなスキルを学ぶ時に、どんな学習プランを立てることが多いですか?
性格や価値観を問う質問は、さまざまな観点から聞かれる可能性が高いため、ある程度は準備しつつ、自己理解を深めておくのが対策のポイントです。
【面接の質問一覧6】会社や業務に関する質問
志望企業への理解度をはじめ、応募者の入社後の希望を確かめるために、会社や業務に関する質問をされることがあります。この質問に答えられないと、志望度が低いと思われかねないため、必ず答えられるようにしておきましょう。
さまざまな部署があるなかで、私は営業部に興味があります。その理由は、結果を出すために継続して努力をする私の性格に合っていると考えたからです。また、同業他社と比較した際に御社の営業職は顧客満足度が高く、自社の売上だけでなくユーザーのことも重要視していると実感しています。これは私にとっての仕事のやりがいと重なる部分ですので、営業職に強い興味があります。
こちらの回答例は「就活の最終面接で聞かれることや回答のコツを徹底解説【回答例付き】」から引用しています。このほかの例文を見てみたい方は、ぜひチェックしてみてください。
なお、会社や業務について問う質問は、このほかのパターンもあります。
・当社の企業理念は知っていますか
・当社の主要事業の展望についてどう思いますか
・当社の強みと弱みを教えてください
・当社がより成長するためには何が必要だと考えますか
・当社の業界や市場に対するあなたの考えを教えてください
・入社後に携わりたい業務はありますか?
・当社に入社してどのような価値を生み出したいと考えていますか?
・当社のサービス・製品の魅力は何だと思いますか?
・当社の課題や競合他社の状況について思うことがあれば教えてください
・将来的に担いたい役割や就きたいポジションはありますか?
・あなたの経験やスキルをどのように当社で活かせると考えていますか?
・当社の理念やビジョンをどう考えていますか?
会社や業務についての質問は、最終面接でも聞かれる可能性があります。企業理解度が深まっているかどうかを確認し、入社意欲の高さを測ろうと考えている可能性があるため、競合他社と混同しないように注意しましょう。
【面接の質問一覧7】その他の質問
企業や面接官によっては、意外な質問を投げかけてくることもあります。学生が準備していない質問をすることで、学生の本当の姿やとっさの対応力を確認しようとしている可能性が高いです。
意外な質問の例を以下にまとめたので、心配な方は目を通しておきましょう。
・1億円あったら何に使いますか
・今日の面接で学んだことや成長したと感じることはありますか
・理想の社員や先輩像を教えてください
・当社の製品である〇〇にキャッチコピーをつけてみてください
・無人島に一つだけ持って行くなら何にしますか?
・最近やってしまった悪いことを教えてください
・弊社があなたを採用するメリットは何だと思いますか?
想定外の質問をされたときは、焦って答えるのではなく落ち着いて答えることを心がけましょう。具体的な対策方法については以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【面接の質問一覧8】逆質問
面接の最後に逆質問の時間を用意している企業は少なくありません。逆質問は学生の疑問点を解消や志望度の高さを確かめるために行われます。
私の強みは○○ですが、御社でこの強みを発揮できる機会はありますか?
入社後、最短何年目でリーダー職に就けますか?
御社で活躍している社員に共通している能力や姿勢はありますか?
〇〇業界では今〇〇が問題となっていますが、〇〇様はどのようにお考えですか?
御社の強みは〇〇だと感じていますが、今後さらに強化したいことはありますか?
学生は逆質問の機会を活かして最後の自己アピールにつなげることも可能です。以下の質問を参考に、企業へ質問したいことと自身のアピールポイントをつなげてみましょう。
最後に言っておきたいことはありますか?
何か質問やご不明点はありますか?
最後に一言あればどうぞ
逆質問の例や自分で考えるときのポイントは下記記事で詳しく紹介しています。
質問一覧を使って面接対策する際のポイント
最後に、質問一覧を活用した面接対策のポイントを紹介します。
【質問一覧で面接対策1】自己分析や企業研究などを行う
質問一覧を見ながら回答の準備をしても構いませんが、ベースとなる情報をまとめておくことが面接対策で重要なポイントです。
例えば、自己分析を行えば自分のアピールポイントが明確になるだけでなく、就活の軸を見つけられるため企業選びの際にも役立ちます。また、企業研究は志望企業の特徴や入社後の姿を具体的にイメージしやすくなるため、必須の作業といえるでしょう。
自己分析や業界・企業研究は就活の序盤に行う人が多くいますが、選考対策にもつながる作業なので、適宜進めておくのがおすすめです。
【質問一覧で面接対策2】回答はPREP法を意識
面接では学生のコミュニケーション能力が見られている可能性も高いため、論理的に伝えられるよう練習しましょう。伝え方のフレームワークとしておすすめなのが、「結論・理由・具体例・結論」の順に話すPREP法です。
面接だけでなくESに記載する際にも活用できる伝え方で、社会人になってからも論理的に説明する際に役立つため、今のうちにマスターしておくと良いでしょう。
面接の質問一覧は丸暗記不要!自分らしく答える準備が大事
本記事では、面接官から質問される可能性があるものを100個紹介しました。表現方法はさまざまですが、いずれの質問も応募者を採用して自社にメリットがあるかどうかを確かめています。質問への回答を丸暗記して臨むと、熱意を込められなかったり想定外の質問に対応できなかったりするので、自己分析や企業研究といったベースとなる情報を整理しておくのが重要です。
また、面接では深掘りの質問をされることが多いため、細かく話しすぎる必要はありません。PREP法を使って要点を端的に伝えるよう練習しましょう。