就活における最終面接は、それまでの一次面接や二次面接などとは異なります。特に最終面接では企業の役員が面接官を務めることが多く、ここでの質疑応答で内定をもらえるかどうかが決まります。
そこで、本記事では最終面接について詳しく解説します。最終面接の目的をはじめ、よくある質問と回答例、評価されるポイントなどを紹介しているので、これから最終面接に臨む学生はよく確認しておきましょう。
就活の最終面接の目的
最終面接は、内定をもらえるかどうかが決まる最後の関門です。企業からすれば自社の将来を担う人材を決める場であるため、役員や経営者といった採用の決定権を持つ人が面接官を務めます。
そして、企業と就活生にとっての最終面接の目的は、以下のようになります。
企業:自社で活躍できるか、自社にマッチする人材なのかを最終確認する
学生:最終面接を通じて、自分が本当に働きたい企業かどうかを見極める
一次面接や二次面接では学生の人柄や入社意欲を見られていましたが、最終面接では自社との相性を特に注視されています。最終面接まで進んだことに油断する学生もいますが、内定が確定したわけではないため、最終面接に合わせた対策も必要です。
就活最終面接でよく聞かれる質問と回答例
最終面接ではどういった質問がされるのでしょうか。ここではよく聞かれる質問と回答例を紹介します。
【最終面接でよく聞かれる質問1】強みや弱み
学生の強みや弱みを尋ねる質問を通じて、企業は自社とのマッチ度を確かめています。そのため、学生は具体的なエピソードを交えて、自分の強みをどのように企業活動に活かすのかを伝えることが大切です。
・あなたの長所をどのように活かしていきたいと考えていますか?
・あなたの強みと弱みを教えてください。
私の長所はサポート力があることで、チームのために努力し続けられます。 私は大学時代にバスケ部のマネージャーを務めており、ドリンクを補充したり練習用具の管理をしたりという業務に加え、自分で活動記録ノートを作成しました。 大会でなかなかよい結果を出せておらず、現状を改善するためにもキャプテンがよりメンバーのスキルを把握したいと言っていたからです。 結果として分かりやすいと褒めてもらえ、メンバー選定・練習内容改善に役立ったようでした。 御社でも部活動の経験を活かし、自分にできることを積極的に見つけていきたいです。
私の強みは、問題に対する適切な対応ができることです。私のアルバイト先のスーパーでは、ある食材が不人気でいつも余ってしまっていました。いつも捨ててしまうのはもったいないと思ったので、私は店長に許可を取り、その食材を使ったレシピを陳列棚に設置させてもらうことにしました。その結果、今では人気の食材になり、日によっては売り切れることもあるほどになりました。貴社でも、問題に対して自ら対応できるスキルを生かし、どんなトラブルにも前向きに対応していこうと思っています。
【最終面接でよく聞かれる質問2】意欲を問う質問
一次面接や二次面接でも入社意欲を確かめる質問をされたかもしれませんが、最終面接でも聞かれる可能性があります。というのも、企業からすれば内定を出したら本当に入社してくれるのかどうかは気になるポイントだからです。そのため、入社意欲について聞かれた場合は、その企業でないといけない理由を具体的に伝えるようにしましょう。
・なぜこの業界を志望したのですか?
・当社を志望した理由を教えてください
・当社で実現したいことはありますか?
私は貴社の助け合いを重視する社風に惹かれて、志望しました。貴社のインターンシップに参加した際、年齢や役職に関係なく意見を出し合う社員の方の姿勢や、笑顔溢れる社内の雰囲気に魅力を感じました。
私は小学1年生の頃から、協調性が大切なバスケットボールを続けています。練習や試合では先輩や後輩は関係なく、協力し合って1点を取ることに集中しなければなりません。貴社の温かみのあるサービスはすべての社員の方が協力し合った成果であり、バスケットボールと仕事には共通したものがあるのではないかと感じました。貴社に入社できましたら、貴社のサービスを作る一人として活躍したいです。
私は御社の人事職で働くことになったら、塾講師のアルバイトで培った「組織を活性化させる力」をより高めていきたいと考えています。塾講師のアルバイトでは、バイトリーダーとして、教室長と「どの生徒にどの講師を担当させるか」「講師のモチベーションをアップさせるためにはどうすれば良いのか」を話し合っていました。私は講師の立場から教室長に助言をしていました。その結果教室の雰囲気は良くなり、合格率も前年より20%アップしました。
御社では新卒の人事職にも大きな裁量権があるとお聞きしました。御社に入社し、塾講師での経験を活かしつつ、従業員の個性をいち早く把握するなど勉強をして、組織を活性化させる人事として活躍したいです。
【最終面接でよく聞かれる質問3】他社の選考状況
最終面接では、他社の選考状況について聞かれることも珍しくありません。他社の選考状況を確認することで、自社の志望度の高さを確かめるほか、内定取り消し・辞退を防ぐためのスケジュール調整を目的にしている可能性があります。
回答では嘘をつかず正直に答えつつ、企業への入社意欲の高さをアピールしましょう。
・他社の選考状況について教えてください
・他に最終選考まで進んでいるところはありますか?
二次面接に進んでいる会社が1社と、最終面接の会社が1社あります。どちらも、ブライダル業界です。御社の事業に魅力を感じ、私自身も□□事業に携わることが目標でしたので、御社への入社を最優先して就職活動を終わらせたいと考えています。
御社に集中したいので、他は受けていません。即戦力となれるよう、□□資格の勉強をしながら知識をつけている最中です。
【最終面接でよく聞かれる質問4】キャリアビジョン
キャリアビジョンに関する質問を通じて、企業は学生の将来設計や興味・関心を理解しようと考えています。そのため、回答する際は自分の理想的なキャリアビジョンを伝え、そのビジョンを叶えるためにどんな計画を立てているのか具体的に話しましょう。
・10年後、どんな社会人になっていると思いますか?
・将来的にどんなキャリアを築いていきたいですか?
10年後には、営業部門のリーダーとしてチームを率い、貴社の売上拡大に貢献したいと考えています。まずは現場での経験を積み、製品知識と市場理解を深めます。その後、リーダーシップスキルを磨き、チーム全体のパフォーマンス向上を図ります。最終的には、貴社のビジョン実現に向けて、戦略的な営業活動を推進する役割を担いたいと考えています。
5年後には営業部門で中核メンバーとして活躍して、営業成績1位を獲得したいと考えています。10年後はそれまでの経験を活かして、営業戦略を担うリーダーとして部門を牽引する存在になることを目標としています。そのために先輩社員のよいところをどんどん吸収し、入社直後から能動的に営業活動を行っていきたいです。
【最終面接でよく聞かれる質問5】企業理解度の確認
学生の志望度を確かめるために、企業理解度に関する質問を投げかけられる場合もあります。この質問に答えるときは、間違った情報を伝えないように注意し、社風や事業内容など自分が理解していることを中心に話しましょう。
・当社で興味のある部署はありますか?
・当社の○○事業についてはどのように捉えていますか?
さまざまな部署があるなかで、私は営業部に興味があります。その理由は、結果を出すために継続して努力をする私の性格に合っていると考えたからです。また、同業他社と比較した際に御社の営業職は顧客満足度が高く、自社の売上だけでなくユーザーのことも重要視していると実感しています。これは私にとっての仕事のやりがいと重なる部分ですので、営業職に強い興味があります。
御社は○○社長が1990年に立ち上げたIT企業です。○○○○という理念を掲げ、日本有数のグローバル企業として創業当時からさまざまなサービスやアプリケーションを展開してきました。会社全体の売上は○○億円であり、営業利益率も○○%を確保しています。グローバル人材を採用・育成し、将来的に海外進出の強化と利益拡大を軸に戦略を立てていると理解しています。
【最終面接でよく聞かれる質問6】逆質問
最終面接では「最後に伝えておきたいことはありますか」「何か聞いておきたいことはありますか」など面接官から質問されることもあります。調べれば分かることを尋ねるのは避けるほか、「特にありません」と質問しないのもNGです。
以下の例のように、自分が知りたいことだけでなく入社意欲の高さを伝えられる質問を考えておきましょう。
・御社が力を入れている○○事業は私も携わりたいと考えています、活躍している社員の特徴や必要な能力はどんなものがありますか?
・御社に入社できた場合、仕事をするうえで特に意識すべきことはありますか?
就活最終面接の流れと対策
ここからは、最終面接の流れと対策を面接前・面接当日・面接後に分けて解説します。
【就活最終面接の流れと対策1】面接前
最終面接に臨む前は、以下の対策を講じましょう。
逆質問の用意
想定質問への回答作成
企業情報の確認
模擬面接
面接では、就活生の回答に対して面接官が追加で質問してくることがあります。心配な方は模擬面接などで深掘り質問への対策をしておきましょう。
【就活最終面接の流れと対策2】面接当日
最終面接の所要時間は企業によって異なりますが、30分〜1時間ほどになることがほとんどです。就活で失敗してしまう学生の共通点は、面接で嘘をついてしまうことです。特に面接で嘘をついてしまうと、入社後にミスマッチに気づいて早期退職することになるかもしれません。
自分らしく後悔しない就活をするためにも、面接が始まったら心を落ち着けて面接官からの質問に答えていきましょう。
【就活最終面接の流れと対策3】面接後
必須ではありませんが、面接後にお礼のメールを送るのもおすすめです。採用結果につながらない場合もありますが、丁寧な印象を持ってもらえるでしょう。
最終面接後のお礼メールは以下を参考に作成してみてください。
件名:
◯次面接のお礼【大学名・名前】
本文:
株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯課 ◯◯様
いつも大変お世話になっております。
本日、最終面接をしていただいた◯◯大学◯◯学部のキミスカ太郎と申します。
最終面接のお礼がしたくご連絡いたしました。
本日は、ご多用のなか面接の機会をいただいたこと、ありがたく存じます。
◯◯様のお話を伺うなかで、チーム一丸となって目標を達成することのやりがいを深く理解できたように思います。
以前より貴社を第一志望としておりましたが、本日の最終面接を通じて
貴社で働きたいという想いがより一層強くなりました。
この度の面接が良い結果となった場合、これからさらなる努力をし、邁進していく所存です。
取り急ぎ、面接のお礼を申し上げます。
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◯◯大学◯◯学部
キミスカ 太郎
TEL:090-0000-0000
Mail:entry@xxx.com
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就活最終面接で評価されているポイント
最後に、最終面接で評価されているポイントについて紹介します。採用獲得の可能性を高めるためにも、ぜひチェックしておきましょう。
【就活最終面接での評価ポイント1】清潔感を出す
一次面接から最終面接まで、身だしなみを整えて臨むことが大切です。就活では見た目の清潔感がその人の印象を左右するポイントなので、面接当日は適切な服装と髪型で臨みましょう。
面接に相応しい身だしなみについては、以下の記事を参考にしてみてください。
【就活最終面接での評価ポイント2】話に一貫性を持たせる
最終面接では役員クラスの人が面接官を務める場合が多くあります。しかし、今までの面接官と違うからと言って、一次面接や二次面接で話した内容と食い違ったことを話さないよう注意してください。
最終面接中の質疑応答で話の一貫性がないと、志望度の高さや「嘘をついているのでは?」と疑われかねません。内定獲得が目前だからと言って気を抜かず、最後まで一貫性を持たせた回答を心がけましょう。
【就活最終面接での評価ポイント3】自信を持って話す
企業はやる気のある学生を採用したいと考えています。そのため、質問に対する回答は「〜がやりたいです」と自信を持って伝えるようにしましょう。
自信のある話し方や視線は、やる気に満ちあふれている印象を持ってもらえるため、面接官からすれば魅力的な学生として評価してもらえます。
【就活最終面接での評価ポイント4】入社意欲を伝える
最終面接で特に注視されているのは、学生の入社意欲です。そこで、質疑応答の際は志望企業に入社したいという想いをしっかりと伝えるように心がけましょう。
就活最終面接の前にしっかりと対策しよう
面接は一度落とされると、再び選考を受けることはできません。そのため一次面接から徹底して面接対策をしておく必要がありますが、最終面接ではそれまでと違ったポイントが見られているため、適切な対策・準備をしておきましょう。
これから最終面接に臨む学生は、ぜひ本記事で紹介した質問・回答例や評価ポイントなどを参考に、自分らしい就活を進めてみてください。