短い時間で自分をアピールすることが求められる面接において、当然第一印象も大事な要素です。そして、その面接の第一印象は挨拶で決まると言っても過言ではありません。面接官は、応募者が面接室に入る瞬間から退室するまでの一挙手一投足を見ています。そのためたとえあなたの素晴らしい経験を上手に伝えることができても、雑な挨拶でマイナスな印象を面接序盤に与えてしまうと、良い結果に結びつかないことがあります。この記事では挨拶をはじめとした面接のマナーを場面ごとに解説します。
受付時の挨拶マナー
面接が始まる前だからといって油断してはいけません。企業によっては受付での対応も評価対象となることがあります。受付も選考中であることを意識して、丁寧な対応を心掛けましょう。
【受付時の挨拶マナー1】その企業だけの単独受付である場合
まずは受付のスタッフにしっかりと挨拶をし、自分の名前と面接の理由をはっきりと伝えることが重要です。明るく、はきはきとした声で話すことで、好印象を与えることができます。
おはようございます。〇〇大学の〇〇と申します。本日は、〇時開始予定の面接でお伺いしました。◯◯様(面接のご担当者様)にお取り次ぎ頂けますでしょうか。
【受付時の挨拶マナー2】他の企業と受付が一緒になっている場合
単独受付の場合とは異なり、どの企業とどのような用事で来たのか、受付の方は把握をしていません。そのため、お世話になる企業名と面接が目的であることを端的に伝えましょう。
おはようございます。〇〇大学の〇〇と申します。本日は、〇〇(会社名)の面接でお伺いしました。◯◯様(面接のご担当者様)にお取り次ぎ頂けますでしょうか。
【受付時の挨拶マナー3】インターホンで呼び出す場合
企業によっては有人受付ではなく、入口にインターホンのみが設置されている場合があります。たとえ目の前に人がいない場合でも、同様に礼儀正しい対応を心がけましょう。
文言は、対面の時と全く同じで結構です。ただ、インターホン越しでも印象を良くするためには、普段よりもはっきりと話すことが重要です。
おはようございます。〇〇大学の〇〇と申します。本日は、〇時開始予定の面接でお伺いしました。◯◯様(面接のご担当者様)にお取り次ぎ頂けますでしょうか。
面接で入室する際の挨拶マナー
受付を済ませると、いよいよ面接です。面接入室時の挨拶マナーは、大きく三つに分けることができます。
【面接入室時の挨拶マナー1】一人で入室する場合
まずは基本的なパターンを押さえましょう。流れとしては以下の通りです。
1. ドアを3回ノックする
面接室のドアの前に立ったら、まずドアを3回ノックします。ノックをしたら、面接官から「どうぞ」と声がかかるまで待ちましょう。ドアが開いている場合であっても、ノックをすることが無難です。
2. ドアの開け閉め
「どうぞ、お入りください。」と面接官の許可が出たら、「失礼します」と声を掛けながらドアを開けます。
ドアを開ける際は、大きく開きすぎず静かに開けましょう。入室後、ドアは静かに閉めるよう心がけ、乱雑にならないよう注意しましょう。この際、後ろ手で閉めるのはマナー違反です。ドアに身体を向けて、丁寧に閉めてください。
3. 部屋に入ったら面接官にお辞儀をする
今度は身体を面接官に向け、丁寧にお辞儀をします。お辞儀の角度の目安は30度で、目を見て挨拶しましょう。このとき、ハキハキと明るい声で「〇〇大学の〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします」と挨拶します。
4. 椅子の横に立ち、名前を伝える
椅子の横に移動し、再度自分の名前を改めて伝えます。この時、すぐに座るのではなく立った状態のままで挨拶をしましょう。
5. 着席
「どうぞ、おかけになってください」と面接官から許可をいただけてから、「失礼します。」と一言を添えて初めて着席します。この際、姿勢を正して座りましょう。
【面接入室時の挨拶マナー2】後から面接官が入室してくる場合
自分が先に一人で面接室に待機しており、時間になると面接官が後から入室して面接が始まる場合もあります。待機中はスマホをいじったりせず、姿勢を正して静かに待ちましょう。
また、履歴書などの提出書類があるのであれば、すぐに面接を開始できるよう、あらかじめ机の上に並べておきましょう。面接官の方がいらっしゃったら、すぐに立ち上がり、挨拶をしましょう。
「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。〇〇と申します。よろしくお願いいたします」
【面接入室時の挨拶マナー3】面接官と同時入室する場合
面接担当者が「どうぞ」と促すまで、自分から先に部屋に入らないようにします。
ドアを開けた場合も、自分から先に入るのではなく、担当者が入ってから後に続きましょう。入室したら、まず面接官に向かって明るく「失礼します」と挨拶をしましょう。
声ははっきりとし、表情は自然な笑顔を心がけます。礼儀正しく挨拶することで、良いスタートを切れるでしょう。
面接退出時の挨拶マナー
面接が終わるとどうしても気が抜けてしまいがちです。しかし、面接退出時まで油断しないようにしましょう。
【面接退出時の挨拶マナー1】一人で退出する場合
基本的な流れは以下の通りです。しっかりと覚えてから面接に挑みましょう。
1. 椅子に座った状態で、面接終了直後のお礼
面接が終了したら、まず椅子に座ったまま「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」とお礼を言いましょう。これにより、面接官に対して感謝の気持ちを伝えることができます。
2. 席から立って椅子の横で再度お辞儀
面接直前と同様に、椅子の横で立ちながら再度お辞儀をします。立ち上がる際には、スムーズに動作を行い、落ち着いた印象を与えるように心がけましょう。
3. ドアの前に移動して面接官に向かって最後の挨拶
ドアまで移動すると、部屋を出る前にもう一度面接官の方に向き直してお辞儀をしながら、「本日はありがとうございました」と感謝の意を示します。
4. 静かにドアを閉めて退出
最後まで手でドアを支え、なるべく音を立てないように閉めましょう。バタンと大きな音を立ててしまうと、乱暴だなあと思われてしまうので注意してください。
【面接退出時の挨拶マナー2】面接担当者と同時退出する場合
面接が終わった後に、面接官や担当社員がエレベーターや会社の出口まで見送ってくれることがあります。その際は、案内してくれる方の後ろを歩き、指示に従って進むようにしましょう。最後の別れに、改めて「本日はありがとうございました。」と伝えましょう。
オンライン面接での挨拶は?
就活面接の主流となりつつあるオンライン面接ですが、対面時とはまた違ったマナーや準備を覚えとかなくてはいけません。
【オンライン面接での挨拶1】基本的な事前準備
オンライン面接の挨拶をスムーズに行うためには、事前準備が欠かせません。
まず、使用するビデオ会議ソフトの設定やインストールを確認し、カメラやマイクが正常に動作するかをテストしておきましょう。最新バーションへのアップデートを求められることもあるため、早めに起動しておくと安心です。
また、背景や照明も整えておき、視覚的な印象が良くなるようにしましょう。自分の姿勢や表情も事前に確認し、整えておくことが大切です。
【オンライン面接での挨拶2】挨拶のタイミング
面接が開始する際の挨拶は、オンラインでも対面と同様に重要です。
面接開始直後に、明るく元気に、「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。〇〇と申します。よろしくお願いいたします」と伝えます。
オンラインであると声が聞こえにくい場合が多くあるため、ゆっくりハキハキと相手に挨拶しましょう。面接終了時も同様です。
【オンライン面接での挨拶3】オンライン面接ならではの挨拶の工夫
オンライン面接特有の難しさとして、画面越しでも礼儀正しさを伝える必要性があります。
たとえば、先ほども申し上げたように声のトーンに対し、いつも以上に気を配る。また、面接時の背景はシンプルで整理整頓された状態にしておくことで、プロフェッショナルな様子を演出するなどの工夫があります。
面接で好印象を与えるテクニック
挨拶が創出する効果は、その前後の振る舞いに大きく左右されます。そのため、挨拶以外の好印象を与える方法をついでに学んでおきましょう。
【面接で好印象を与えるテクニック1】きちんとした身だしなみ
よく言われることではありますが、清潔感のある服装を心がけましょう。しわや汚れがないかを確認し、髪型も整えておきます。清潔感があることで、面接官に対して自分が真剣に面接に臨んでいるという印象を与えることができます。
【面接で好印象を与えるテクニック2】ハキハキと話す
面接中の話し方は、好印象を与えるために非常に重要です。話す際には、しっかりとした声で、落ち着いたトーンを意識することが大切です。
言葉が不明瞭だったり、ぼそぼそと話してしまうと、自信がないと受け取られてしまう可能性があります。
自分の意見や考えを、具体的な経験や成果を交えながら、論理的に説明することで、面接官に対して自信と信頼感を伝えることができます。
【面接で好印象を与えるテクニック3】姿勢よく座る
座っている間は、背筋を伸ばし、リラックスしながらもきちんとした姿勢を保つよう心がけます。
正しい姿勢は、自分が面接に対して真剣であることを示し、また集中力が高いこともアピールできます。手は膝の上に軽く置くか、机の上に置き、手を組むなどして自然な姿勢を保つと良いでしょう。
面接に限らず”挨拶”は重要なスキル
企業は当たり前のことを当たり前のようにできる人材を求めています。これは面接に限った話ではなく、一人の社会人としてとても大切なことです。
また就活中はどこで誰に見られているかわからないので、いつもより挨拶への意識を高めておきましょう。