
「面接の準備ができていない…行きたくないな」「うっかり寝坊して、面接をばっくれてしまった…」就職活動をしていると、そんな状況に陥ってしまうことがあるかもしれません。無断で面接を欠席してしまった後には、大きな不安と罪悪感が押し寄せてきますよね。
この記事では、面接をばっくれてしまった場合に起こりうるリスクからその後の正しい対処法、そして今後同じことを繰り返さないための予防策まで徹底的に解説します。
面接をばっくれたらどうなる?考えられるリスク
面接の無断欠席・ばっくれは、「ただ面接に行かなかった」だけで済む問題ではありません。
あなたが想像する以上に、様々な方面に影響を及ぼす可能性があります。軽い気持ちで取った行動が、将来の自分の首を絞めることになりかねません。ここでは、具体的にどのようなリスクが考えられるのかを解説します。
1. 応募企業からの信頼を失う
まず、応募した企業からの信頼は大きく失われることが多いです。採用担当者の視点に立つと、無断欠席は「社会人としての最低限のマナーが守れない」「約束を破る人」という評価に直結します。
多くの学生と連絡を取り合っている中で、ばっくれは悪い意味で目立つ行為です。この会社で働きたいという気持ちがないと判断されかねません。
2. 今後の選考やグループ会社にも影響する可能性
多くの企業では、応募者の情報をデータベースで管理しています。そのため、一度「無断キャンセル」という記録が残ると、その企業に再度応募したり別の職種に応募したりする際に、その情報が参照される可能性があります。
また、大企業の場合はグループ会社間でも情報が共有されるケースがあり、ばっくれた企業だけでなくそのグループ全体の選考で不利になってしまう恐れもあるのです。
つまり、1つの企業をばっくれることで、就活で自分がエントリーできる企業の選択肢が減ってしまう恐れがあるのです。エントリー先の幅を減らさないためにも、ばっくれはしてはいけません。
3. 学校全体の評判を落とす
面接をばっくれた場合、自分だけでなくあなたが通う大学の評判も落とすことになり、就活を控えた後輩たちにも迷惑をかけてしまいます。学校推薦の場合は、今後その枠がなくなってしまう可能性さえあるでしょう。
特に、あなたが大学のキャリアセンターを通じて応募した場合や、教授からの推薦を受けている場合は注意が必要です。
4. 社内にいるOB・OGに迷惑をかけてしまう
もし、その企業に同じ大学出身の先輩が働いている場合、あなたの不誠実な行動が先輩の顔に泥を塗ることになってしまいます。
OB・OG訪問でお世話になった先輩であれば、なおさらです。社内にいる先輩たちが気まずい思いをするかもしれません。自分の行動が、見えないところで他人にも迷惑をかける可能性があることを自覚しましょう。
5. 自分自身に「ばっくれ癖」がついてしまう
一度「嫌なことから逃げてしまおう」という選択をすると、それが癖になってしまう危険性があります。面接というプレッシャーのかかる場面で逃げてしまうと、その後も課題や困難な状況に直面した際に、向き合わずに逃げ出すという思考パターンが定着しかねません。
このような逃げ癖は、社会人になってからは一切通用しないため、自分自身の成長のためにも断ち切る必要があります。
6.将来ばっくれた企業と仕事をする可能性も
社会人になってからばっくれた企業と一緒に仕事をしたり、すでに大事な取引先だったりする可能性があります。そして、ばっくれた企業の担当者があなたを覚えていた場合、仕事に支障が出ることもあるでしょう。
世間は意外と狭いもの。社会人になってから気兼ねなく仕事をするためにも、ばっくれは避けましょう。
面接をばっくれてしまった後にやるべきこと
面接をばっくれてしまった事実は変えられません。しかし、その後の対応次第で、相手に与える印象を少しでも和らげることができます。重要なのは、自分の過ちを認め、誠実な姿勢で対応することです。
ここでは、ばっくれてしまった後に取るべき具体的な行動をステップで解説します。
ステップ1:気づいたらすぐに電話で謝罪する
無断欠席してしまったと気づいたら、言い訳を考えたり怖がって後回しにしたりせず、可能な限り早く企業の就業時間内に電話で連絡を入れましょう。
メールよりも電話の方が、声を通じて謝罪の気持ちや誠意が伝わりやすいです。担当者が不在の場合は、電話に出た方に「〇〇様宛にメールをお送りします」と伝え、次のステップに進みましょう。無断欠席してしまった時は迅速な行動が鍵となります。
ステップ2:電話が繋がらない場合はメールで連絡する
担当者不在や時間外などで電話が繋がらなかった場合は、すぐにメールで謝罪の連絡をします。電話をかけたが繋がらなかった旨を一言添えることで、電話での連絡を試みたという姿勢を示すことができます。
メールを送った後も、改めて企業の就業時間内に電話をかけ直すのが丁寧な対応です。いずれにせよ、連絡をせずに放置することだけは絶対に避けましょう。
【例文】面接を無断欠席してしまった時の連絡方法
面接をばっくれてしまった後に企業へ謝罪の連絡をする際の例文をご紹介します。
企業へお詫びの連絡をする際には、あなたの謝罪の気持ちが伝わるようにすることが重要です。
電話で謝罪する際の例文
電話口では大学名と氏名をはっきりと名乗り、誰からのどんな用件の電話なのかを明確にしましょう。言い訳はせず面接に行けなかった事実を認め、ストレートに謝罪の言葉を述べることが重要です。
辞退する場合

お忙しいところ恐れ入ります。わたくし、本日〇時からの面接のお約束をいただいておりました、〇〇大学の(氏名)と申します。採用担当の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか
:「はい、〇〇です。どうされましたか?」





お忙しいところ恐れ入ります。わたくし、本日〇時からの面接のお約束をいただいておりました、〇〇大学の(氏名)と申します。
本日の面接に伺うことができず大変申し訳ございませんでした。また事前にご連絡ができずご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません。
大変恐縮ではございますが、今回の選考は辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
この度は、多大なるご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。
「承知いたしました。ご連絡ありがとうございました。」
再度面接をお願いする場合





お忙しいところ恐れ入ります。わたくし、本日〇時からの面接のお約束をいただいておりました、〇〇大学の(氏名)と申します。採用担当の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか
「お電話変わりました採用担当の〇〇です。」
お世話になっております。○○大学の○○です。
○月○日に面接の予定でしたが、当日は体調不良のためお伺いできず、事前の連絡もできませんでした。大変申し訳ございません。
勝手なお願いで大変恐縮ですが、もう一度面接をしていただくことはできないでしょうか。
分かりました。確認してまたご連絡いたします。
メールで謝罪する際の例文
件名だけで誰から何の連絡かが分かるようにしましょう。本文ではまず謝罪の言葉を述べ、その後に辞退の意思を明確に伝えます。
言い訳がましい文章は避け、誠意が伝わるように丁寧に記述することが大切です。
件名:【ご面接欠席のお詫び】〇月〇日〇時の面接につきまして(〇〇大学 〇〇 〇〇)
株式会社〇〇
人事部 採用ご担当 〇〇様
お世話になっております。
本日〇月〇日(〇)〇時より、面接のお約束をいただいておりました、〇〇大学〇〇学部の(氏名)です。
この度は、面接に伺うことができず、誠に申し訳ございませんでした。
また、事前の連絡を怠り、多大なるご迷惑をおかけしましたことを重ねて深くお詫び申し上げます。
誠に勝手なお願いで大変恐縮ではございますが、今回の選考は辞退させていただきたく存じます。
この度は、貴重な機会をいただいたにもかかわらず、ご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。
末筆ではございますが、貴社の益々の発展を心よりお祈り申し上げます。
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〇〇 〇〇(〇〇 〇〇)
〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 〇年
電話番号:090-XXXX-XXXX
メールアドレス:kimisuka-shukatsu@xxxx.com
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面接を辞退する時の企業への連絡方法とは
最も良いのは、もちろん「ばっくれる」という状況に陥らないことです。面接に行けなくなった、あるいは行くのをやめたいと決めた時点で適切な方法で辞退の連絡を入れましょう。
ここからは、事前に企業へ面接を辞退の旨を伝える方法について解説します。
1. 辞退を決めたらすぐに連絡する
選考を辞退すると決めたら、その時点ですぐに企業へ連絡するのがマナーです。企業はあなたのために面接官のスケジュールを確保し、準備を進めています。連絡が遅れるほど、企業にかける迷惑は大きくなります。
早めに連絡をすることは、企業側の採用活動への配慮であり、社会人としての行動と言えるでしょう。
2. 基本的にはメールで連絡すれば問題ない
面接日の2営業日以上前であれば、メールで辞退の連絡を入れて問題ありません。メールは文章として記録に残るため、「言った・言わない」のトラブルを防ぐことにも繋がります。
ただし、面接の前日や当日に辞退する場合は、緊急の連絡となるため電話ですべきです。電話で伝えた後、改めてメールも送っておくとより丁寧な印象になります。
件名:〇月〇日面接辞退のご連絡(〇〇大学 氏名)
株式会社〇〇
人事部 採用ご担当 〇〇様
お世話になっております。
〇月〇日(〇)〇時より、面接のお約束をいただいております、〇〇大学〇〇学部の(氏名)です。
大変申し訳ございませんが、一身上の都合により、この度の選考を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
お忙しい中、面接の機会を設けていただいたにもかかわらず、このようなご連絡となりましたこと、心よりお詫び申し上げます。
末筆ではございますが、貴社の益々の発展を心よりお祈り申し上げます。
————————————————
〇〇 〇〇(〇〇 〇〇)
〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 〇年
電話番号:090-XXXX-XXXX
メールアドレス:kimisuka-shukatsu@xxxx.com
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3. 辞退理由は「一身上の都合」でOK
辞退の理由を正直に話すべきか悩むかもしれませんが、詳細に伝える義務はありません。「他社の選考が進んだため」など正直に伝えても構いませんが、迷った場合は「一身上の都合により」という理由で全く問題ありません。
企業側も深く追求してくることはほとんどないでしょう。大切なのは、理由の内容よりも、誠実な態度で辞退の意思を伝えることです。
なぜ面接をばっくれたくなる?考えられる心理と対策
そもそも、なぜ面接を「ばっくれたい」と思ってしまうのでしょうか。その背景には、いくつかの心理的な原因が隠されています。自分の気持ちと向き合い、原因を理解することが、根本的な解決への第一歩です。
ここでは、代表的な心理と、その対策について考えていきましょう。
1. 準備不足で面接に行くのが怖い
「企業研究が足りない」「自己PRが固まっていない」といった準備不足や面接が苦手だと感じている場合、面接に行くことが不安になり現実逃避したくなるケースです。特に真面目で完璧主義な人ほど、この状態に陥りやすいかもしれません。
しかし、面接は受けてみないと結果は分からないもの。また、面接は慣れることで緊張しなくなってくるため、なるべく練習や本番を経験しておくことが肝心です。
面接に自信がない方は、以下の記事を参考に対策を考えてみると良いでしょう。
2. 他の企業の選考を優先している
第一志望の企業の選考が順調に進んでいると、他の企業への関心が薄れ「この面接はもういいかな」と気が抜けてしまうことがあります。しかし、内定を正式に受け取るまでは何が起こるかわかりません。
最後まで誠実な態度を貫くことが、社会人としての信頼に繋がります。もし辞退するとしても、最後までマナーを守ってきちんと連絡を入れましょう。
3. 志望度が低い
「なんとなく良さそうだから」と、志望度が低い企業へ応募することもあるでしょう。そうすると、自分でもあまり志望度が高くない企業の選考が進んでしまい、辞退の連絡すら面倒に感じやすくなります。この場合は、一度立ち止まって「就活の軸」を再確認することが根本的な対策です。
本当に行きたい企業はどこなのかを考え、応募する企業をしっかり絞り込むことで、一社一社の選考に集中できるようになります。
4.就活のモチベーションが低い
すでに内定を取っていたり、不採用ばかりで疲れていたりすると、就活自体のモチベーションが上がらず面接をばっくれやすくなります。
「内定を取っているから面接をばっくれても良いや」という気持ちになったとしても、ばっくれは多くの人に迷惑をかける行為なので、絶対に止めましょう。
就活へのモチベーションがどうしても上がらない場合の対処法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
5.寝坊や遅刻で間に合わない
寝坊もしくはほかの理由で遅刻することが決定的な場合、「どうせ間に合わないし、ばっくれようかな」と思ってしまう就活生もいます。ただ理由はどうであれ、ばっくれることはよくありません。遅刻するとわかった時点で、連絡するようにしましょう。
面接会場までスムーズに向かうための方法は、以下の記事で解説しています。
面接のばっくれを事前に防ぐ方法
面接をばっくれたくなる心理的な理由について解説しましたが、ここからは面接のばっくれを防ぐ2つの方法を解説します。
スケジュール管理の徹底
面接をばっくれないためには、スケジュールの管理を徹底しましょう。スケジュール管理は、以下の方法があります。
- 手帳にスケジュールを書き込む
- スケジュール管理アプリを使う
- スマホのカレンダーアプリを活用する
いずれの方法を採るにしても、「いつ」・「どこの企業の面接を受けるのか」を記載するようにしましょう。
企業研究を徹底する
企業研究を徹底することで、その企業への関心が増し、面接日時を忘れるリスクを抑えられるでしょう。
また、企業研究をすることで企業とのミスマッチに気がつき、事前に面接辞退をできるかもしれません。いずれにせよ、企業研究は面接のばっくれを防ぐために有効です。
面接のばっくれに関するよくある質問
最後に、面接のばっくれに関して多くの就活生が抱くであろう、細かな疑問についてQ&A形式でお答えします。いざという時に慌てないためにも、ぜひ参考にしてください。
Q1. ばっくれた企業に再応募はできますか?
結論から言うと難しいでしょう。多くの企業では応募者情報や選考履歴がデータとして保存されています。
無断欠席という記録が残っている場合、採用担当者は「また同じことをするかもしれない」と考えるのが自然です。そのため、書類選考の段階で不合格となる可能性が高いと言えます。
Q2. 面接をばっくれてしまったけど、本当は入社したいです
かなり難しいですが、入社できる可能性はゼロではありません。まずは、できるだけ早く電話で誠心誠意謝罪しましょう。
その上で、なぜ無断欠席してしまったのか正直に説明し、それでも入社したいという強い熱意を伝えてください。再度面接の機会をいただけるかは企業次第ですが、行動しなければチャンスは生まれません。
Q3. 企業からの電話やメールを無視し続けるのはOK?
企業からの連絡を無視し続けるのはNGです。無視を続けることで、企業にさらに悪い印象を与え企業に心配をかけてしまいます。
社会人としての責任を放棄する行為であり、自分にとっても何のメリットもありません。気まずい気持ちはわかりますが、勇気を出して一度だけきちんと連絡を取りましょう。
面接のばっくれはNG!誠実な対応を心がけよう
今回は、面接をばっくれた場合のリスクと、その後の対処法について解説しました。面接の無断欠席は、企業からの信頼を失うだけでなく、大学や後輩、OB・OGにまで迷惑をかける可能性がある非常にリスクの高い行為です。
万が一ばっくれてしまった場合は、気づいた時点ですぐに電話で謝罪し、誠実な姿勢を見せることが重要です。一番大切なのは、ばっくれという事態に陥る前に、マナーを守って辞退の連絡を入れることです。