この記事では、自由形式の自己PRをする時のポイントや思いつかなかった時の対処法などを解説していきます。
皆さんこんにちは。月間PV62万件を突破したメディア、『就活研究室』編集長の大舘(オオダチ)です。
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自由形式の自己PRとは
自己PRがエントリーシートの段階で課される場合、基本的には「自己PRを400字以内でしなさい。」などと文字ベースで聞かれます。ですが、中には自由形式で自己PRをせよというトリッキーな問われ方をされることがあります。
【自由形式の自己PRとは1】「自由記述形式」と「動画形式」
自由形式の自己PRは
- 自由記述形式
- 動画形式
の2つに分けることができます。
自由記述形式では、自由な表現方法で、学生の思うがままに自分自身をアピールする方式です。そこでは文字だけでなく、写真やイラスト、文字色や配置などで個性を表すことができます。
一方で、動画形式の自己PRでは、表情や声のトーンを活かして自身の強みを指定された時間内で効果的に伝えることができます。主に、「あなたの個性が十分に伝わる1分間の動画を提出してください。」といった形で聞かれます。
今回の記事では、主に前者の「自由記述形式」について解説します。
【自由形式の自己PRとは2】表現方法に縛りがない
自由形式の自己PRとは、自分自身を自由に表現することを意味します。そのため、自分をアピールする方法の幅が格段に広がります。自由に表現できる分、採用担当者の目を引くことを重要視する方もいらっしゃることでしょう。ただ、最低限ビジネスの場に応じた表現にすることは念頭に置いてください。
【自由形式の自己PRとは3】自分の魅力に合わせて作成できる
自由形式での自己PRを考える際は、自身がアピールしたい強みや長所を、「はっきりと」「分かりやすく」伝えるよう心がけることが大切です。そのために、使用する写真、イラスト、文章、レイアウト、その他数多の項目に気を配る必要があります。
しかし、いくら自由とは言っても一番重要なのはやはり内容ですね。
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自由形式の自己PRで企業が重要視しているところ
採用担当者は、面接者が「企業に対して貢献したい」という気持ちを持っているか、また「入社したい」「入社後に強みを活かして活躍したい」という気持ちを持っているかをチェックしています。しかし、これはあくまで大前提に過ぎません。採用担当者が最も重要視しているところは、あなたの人間性なのです。
【自由形式の自己PRで企業が重要視している点1】企業に対しての熱意・貢献度
自己PRでは、「入社した場合に企業に対しどう貢献していけるのか」「どのような活躍を自分はしていけるのか」をアピールすることが大切です。企業側は「この人物を採用した場合は、当社でこんな活躍をしてくれそうだな」というイメージをつかむことができるからです。
このように、自己PRの際に入社後のビジョンを明確化しておくことは、就活生自身と企業側の双方にとって大きなメリットがあります。つまり、「私はどんなにあなたが好きか」「私はあなたの理想とするタイプにこんなに近い」「私と付き合ったらこんな風になる」という風に、企業と自身が相思相愛であることをいかにアピールできるかが重要なのです。
【自由形式の自己PRで企業が重要視している点2】就活生自身の人間性
小中高の部活動での受賞経験や、大学でのサークル活動やアルバイトでの表彰。このような功績なども重要ではありますが、一番重要なのはその人自身の「人間性」です。単純に就活生の能力を見るだけであれば、今までの受賞した賞や資格について書くだけで十分です。企業はあえて、「自由形式の自己PR」を就活生に課すことで、その人自身の人柄や個性を見ようとしています。
【自由形式の自己PRで企業が重要視している点3】差別化の工夫
自分の他にも何百人(大きな企業であれば何千人)もの就活生が同じ書類を作成し、提出していることを考えてみましょう。採用担当者はその膨大な数のエントリーシートに目を通しているのです。たとえ素晴らしいことが書いてあったとしても、メリハリのない長い文章が続く書類は、読む側の人間からすれば中身が頭に入りづらく、印象も薄いものとなってしまいます。
そこで、企業側は自己PRを自由形式にすることによって、その人物が他の就活生たちとどのように差別化を図ろうとしているのかを見ています。レイアウトや内容をどのように工夫しているか。就活生の創意工夫もまた、企業側が重要視するポイントのひとつなのです。
自由形式の自己PRでアピールすることが思いつかない時の対処法
就活生にとって、自己PRを作成する上での大きな壁は「アピールすることが思いつかない」ことではないでしょうか。 自分自身のパーソナリティや個性を他人に説明するのはとても難しいですが、自分の良いところをアピールするとなると、なおさら難しく感じられることでしょう。
自己PRする上で重要なのは、まずは自分自身がどのような人間なのかを理解することです。企業は、面接者が賞をとった、部活動で優勝した等の経験を知りたいのではありません。一人の人間として今まで頑張ってきたこと、そこから得たもの、そのときに感じたことを知りたいのです。
【自由形式の自己PRで使うアピールポイントの見つけ方1】継続して努力した経験から見つける
例えば、「小中高と秀でた成績はなかったけれど、ひとつの物事(勉強・部活・趣味など)に打ち込んだ」という経験は立派な長所であり、アピールポイントです。そして、そこから何を感じて、何を学んだかを伝えることで自身の人間性や考え方を表現することができます。
- 小中高と野球を続けてきた(部活)
- 早寝早起きは欠かさず意識している(習慣)
- 会計に昔から関心があり、公認会計士試験に合格した(勉強)
- バックパッカーをしている(趣味)
【自由形式の自己PRで使うアピールポイントの見つけ方2】人から感謝された経験から見つける
誰かに感謝されるということは、あなたのサポートや行動が相手にとって価値があると認識された証拠です。これによって、自分の強みや他者に貢献できる特性を自然に見つけやすくなります。また、感謝された経験を自己PRに盛り込むと、具体的で説得力のあるエピソードとして伝えられます。他者と関わる中で得られた感謝は、協調性や共感力といった、職場でも活かせる能力をアピールする材料にもなります。
たとえば、サークルで後輩や仲間から質問を受けた際に、丁寧にサポートして感謝された経験があれば、それは協力姿勢やサポート力を伝える材料となります。
家族や友人からの評価をもとに、関連するエピソードがないか深掘りすることを他己分析と言います。他己分析の詳しいやり方については以下の記事をご覧ください。
【自由形式の自己PRで使うアピールポイントの見つけ方3】弱みの裏返しとしてアピールポイントを見つける
弱みの裏返しからアピールポイントを見つける方法も効果的です。弱みとして捉えていることには、実は他の視点から見るとポジティブな側面があることが多いからです。
たとえば、
- 「周囲に気を遣いすぎる」→「協調性があり、周りの状況に配慮できる」
- 「慎重すぎる」→「丁寧でミスが少ない」「責任感がある」
こうした視点の転換は、自分の特徴を前向きに捉え直す手助けとなり、面接官に対しても客観的で柔軟な自己理解を示すことができます。弱みの裏返しは、自己PRを考える際の新たな視点を提供し、よりバランスの取れた自己分析が可能になる効果的な方法です。
【自由形式の自己PRで使うアピールポイントの見つけ方4】診断ツールを用いる
キミスカの「タイプ別適職検査」では、あなたの特徴や、それにあった職種をたった5分で診断することができます。時間があまりない方は、特にご利用いただくと便利だと思います。
企業は、近い将来一緒に働く人を探しています。共に会社を盛り上げていく仲間は「この人と一緒に働きたい」と思える人材です。非常に能力の高い人だと分かっていても、どんな人間かが分からない相手と一緒に働くのは不安でしょう。自分がどのような人間であるかを伝えることは、自己PRにおいて最も大事なポイントです。
【ステップ別】自由形式の自己PRを作成するステップ
ここまで「企業が自由形式の自己PRから何を見ているのか」についてまとめてきました。どういう意図があるのかが理解できたとはいえ、「企業に対して伝えたいことはあるけど、表現するのが苦手…」という就活生も少なくないでしょう。
そこで、誰でも簡単に理解できる、ステップ別の自己PRを作成方法を解説します。
【自由形式の自己PR作成ステップ1】アピールする自分の強みを決める
アピールする自分の強みを決めるため、まずは箇条書きで自己PRを作成するのもひとつの手段です。箇条書きで書くメリットは、後からいらないと思ったところを削ったり、文章が分かりやすくなるように順序に組み合わせたりすることができる点です。また、自分が本当に書きたいところや強調したいポイントはどこか、整理しやすいこともメリットのひとつと言えるでしょう。
アピールするポイントを決める際、企業が求める人材に自分が少しでも当てはまっているのか、という角度から改めて自身を分析してみましょう。ここで必要なことは、企業が求めている人材像を明確にイメージすることです。業界研究や企業研究を通じて、およそのイメージをつかむことができます。
【自由形式の自己PR作成ステップ2】強みが発揮できたエピソードを探す
企業の求める理想の人材像と自分がマッチするポイントを見つけたら、それを端的に表すエピソードがあるか考えてみましょう。 単に自分の強みを伝えるだけでは、具体性や説得力がどうしても欠けてしまいます。反対に、自分の強みが発揮できたエピソードを伝えることができれば、一貫性を示すことができます。
【自由形式の自己PR作成ステップ3】文章構成を練る
表現方法は自由ですが、根幹となる話の展開はPREP法に則ると良いでしょう。
PREP法とは、「Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(結論)」の順で文章を構成する手法のことを指します。はじめに志望動機を一言で述べてからその理由や目標を書き、結論に戻ってくることで、より分かりやすくて結論を際立たせられる内容に仕上げられます。
【自由形式の自己PR作成ステップ4】必要な写真やイラストを用意する
絵を描くことが得意という方は、文章の中にイラストを加えるのも効果的です。文章にイラストが入ることによって、全体的に見やすくなり、印象に残りやすい自己PRを作ることができます。イラストなどを活用することで、文章で伝えきれない人柄も伝えることができるため、一石二鳥です。
また、自身のエピソードや実績を理論的に伝えたい場合やデータを強調したい場合は、図や表の活用もひとつの手法です。内容に説得力が生まれるため、効果的なアピールができます。
【自由形式の自己PR作成ステップ5】全体のレイアウトを設計する
思わず目を惹くようなレイアウトを設計することは、内容を伝えるためにも必要です。そのために、文章だけでなく、見出しの配置や文字の大きさなども考慮しましょう。
- 強調したい部分に配置
イラストは、自己PRの中で特に伝えたいポイントや強調したい部分に配置します。これにより、視覚的に重要な部分が引き立ち、読者の注意を集めやすくなります。 - 統一感を持たせる
イラストやビジュアルのスタイル、色使いを統一することで、自己PR全体の印象が整い、プロフェッショナルな印象を与えることができます。レイアウトやデザイン要素を過度に分散させず、シンプルに保つことが大切です。 - 余白の活用
イラストやビジュアルを使う際は、適度に余白を残し、文書全体に呼吸スペースを与えることで、過剰感を避け、視覚的に心地よい印象を与えることができます。過不足ない情報量にしましょう。
自由形式の自己PRで差別化するコツ
周りと差別化するためにはいくつかポイントをあげて「自由形式」での自己PRができるようにするのが最も効果的です。また、自分が伝えたいポイントを分かりやすく明確に伝えることは、企業側からすれば相手方に分かりやすいプレゼンテーションができるというひとつの評価ポイントにもなるのです。では、どうすれば分かりやすく、伝わりやすく表現ができるのかを考えてみましょう。
【自由形式の自己PRで差別化するコツ1】キャッチコピーを付けてみる
自己PRにキャッチコピーをつけることも効果的です。文章の中で自分が一番伝えたいアピールポイントや、それを象徴するエピソードなどにキャッチコピーをつけることで、メッセージを明確に伝えられます。すると、文章の意味合いが強調されるため、企業側の担当者が就活生の伝えたいポイントを把握しやすくなります。
また、項目ごとにも見出しをつけることで資料にまとまりが生まれ、相手に興味を持ってもらえるという効果も生まれます。
【自由形式の自己PRで差別化するコツ2】文字の大きさや色を変えてみる
「絵を描くことは苦手だけど、文章やレイアウトにメリハリをつけたい」という方は、色彩やフォントの大きさを活用してみましょう。広告やチラシ、雑誌などを例にとってみると分かりやすいかもしれません。段落や見出しなどの文章の切り替わり部分や、特に注目してもらいたいところの文字を大きくしたり、色を変えたりするなどのアレンジがされているでしょう。
こういった工夫をすることによって、自分が最もアピールしたいポイントを明確にすることができます。視覚的な変化を与えることで、更に見やすさがUPし、印象に残りやすい自己PRを作ることができるのです。デザインやレイアウトに困った場合は、普段自分が読んでいる雑誌やwebページなどを参考にしてみるといいでしょう。
【自由形式の自己PRで差別化するコツ3】企業にどう貢献できるかを明確にする
自分から企業への一方通行ではなく、企業視点で物事を考えてみることは非常に重要です。企業はどんな人材を求めているのかを端的に表すと、それは「企業に貢献できる、活躍できる人材」です。
自分の強みは○○だから企業にとってこんなメリットがある!というメッセージを込めることで、企業側への思いを間接的に伝えましょう。
自由形式の自己PRを作成する際のNG行為
いくら自由形式と言っても「自由」の意味を間違えると、面接官からの印象がマイナスになる可能性も大いにあります。
そこで、就活生の皆さんが避けるべきNG行為も紹介します。
【自由形式の自己PRを作成する際のNG行為1】虚偽の内容を書く
企業からの好感度を上げようと、過剰に自分自身を高く評価したとしても、相手は採用のプロフェッショナルです。年間数百人もの就活生の自己PR文を読み、面接している企業側からすれば、誇張された嘘の自己PRは一目瞭然です。仮に書類審査が通ったとしても、事前に提出した自己PRについて面接で質問されてしまったらどうでしょうか。答えにつまずくような質問をされて、ボロが出てしまうことも大いに考えられます。
自分自身をよく見せようとするのではなく、あくまで企業側に自身を知ってもらうために書いていることを念頭に置いて自己PRを作成しましょう。
【自由形式の自己PRを作成する際のNG行為2】色を使いすぎる
よくあるミスとして、自分をアピールしようとするあまり「色を沢山使い、かえって見にくくなる」ようなレイアウトで作成してしまうことが挙げられます。」確かに、自分の個性を表現するために色を駆使することは非常に重要ですが、その加減が何よりも肝心です。
目安として、色は3色までにするのが良いでしょう。すると、統一感が全体に生まれ、非常にデザイン性の高い自己PRとなります。
【自由形式の自己PRを作成する際のNG行為3】企業からの指示に従わない
「自由形式」という文言が使用されていたとしても、企業によっては小さな注意事項が別途書かれていることがあります。例えば、「写真は3枚まで」といった制限が設けられていたりします。
こうした指示に従わない場合、きちんと制限を確認していない学生であると採用担当者に思われてしまったり、評価対象から外されてしまったりすることもあるかもしれません。
完成版!自由形式の自己PRの完成例3選
では、最後に自由形式の自己PRの完成例を紹介します。これで、みなさんが持つイメージがより鮮明になればうれしいです。
【自由形式の自己PRの完成例1】キャッチコピー
キャッチコピーと自分の強みが、すぐに目に入りますね。脇にある写真も、学生の個性がよく表れています。
【自由形式の自己PRの完成例2】図解形式
図解の魅力は、話の流れを視覚的に把握できる点です。文章を細かく読まなくても内容が直感的に理解できるため、読み手にとって負担が少なく、分かりやすいと感じてもらえるでしょう。
【自由形式の自己PRの完成例3】新聞形式
新聞形式で伝えると、タイトルと写真を大きく利用することができます。
【自由形式の自己PRの完成例4】物語形式
当時、英語が苦手だった私が「語学留学に行きたい」と言ったとき、家族や友人は驚きとともに不安を口にしました。特に両親からは「言葉も文化も違う場所で本当にやっていけるのか」と反対されました。しかし私は、幼い頃に抱いた「海外で働きたい」という夢を諦めることができなかったのです。
なんとか説得して留学を実現しましたが、初めは苦労の連続でした。現地の授業についていけず、クラスメートとの会話もままならず、自分の英語力に打ちのめされました。それでも、現地の先生から聞いた「失敗を恐れず話し続けることが上達の鍵だ」というアドバイスを胸に、毎日欠かさず英語を話す練習をしました。授業後も同級生に積極的に話しかけ、間違いを指摘してもらいながら少しずつ自信を取り戻していきました。
留学後半には、自分の言葉でスピーチを行い、現地の友人からも「英語が自然になったね」と声をかけてもらえるようになりました。この経験を通じて、「何事も諦めずに挑戦し続ければ結果がついてくる」という信念を得ました。
新しい環境に飛び込む勇気と、目標に向けて努力を継続する力。この二つを武器に、次のステージでも挑戦を楽しみ、結果を出していきたいと考えています。
ストーリー仕立てにすることで、あなたの歩んできた人生を時系列順に伝えることができます。皆が物語に心を打たれるように、面接官の心もつかみましょう。
【自由形式の自己PRの完成例5】コミック形式
漫画形式で伝えることで、話の流れが非常にわかりやすくなります。また、文とイラストのバランスも非常に取りやすいです。
自由形式の自己PRについてまとめ
自由形式の自己PRでは自分の強みやエピソードを書き出して、効果的に伝えるための工夫を凝らすことが必要です。「自分の長所が分からない!」と行き詰まってしまった時には自己分析をやり直すか、家族や友人など周囲の人に協力してもらい他己分析をしてみましょう。
そしてアピールしたいポイントが決まったら、どのように表現すれば伝わりやすくなるかを考えてみましょう。文章のみにこだわる必要はありません。イラストや図、箇条書きやフォントの工夫などを駆使することで印象的な自己PRを作ることができます。このようにして自己PRで自分の良いところをアピールできれば、採用担当者の目にとまる自己PRになることでしょう。