この記事では、自己PRを30秒でまとめる方法や必要な事前準備などを解説していきます。
面接において自己PRは、選考の結果に大きく影響する重要な項目です。そんな重要な自己PRでは、時間指定がある場合があります。そんな時には、しっかりと事前準備を行うことが大切です。制限時間別で自己PRの修正ポイントを知り、効果的にアピールできるように準備しましょう。以上のことを踏まえて、解説していきます。
企業が30秒自己PRを求める理由とは?
就活をしていると企業から「30秒で自己PRをしてください」と言われることもあります。それではなぜ、企業は「30秒」と時間を決めているのでしょうか?その理由について解説していきます。
【企業が30秒自己PRを求める理由1】端的にアピールポイントを知るため
30秒自己PRを求める場合、学生からの回答だけで完結させず、質問を通して深堀していきたいと企業が考えている場合もあります。そのため、無理やり全てを話そうとせず、自己PRでは要点を話すように心がけましょう。
【企業が30秒自己PRを求める理由2】制限時間内で簡潔に話せるか知るため
企業は、就活生が30秒という限られた時間の中で端的に話す力があるのかを見ています。この短い時間で説明するスキルは仕事の場でも求められることが多い能力です。そのため、企業は面接時点でそのスキルがあるのかを確認しています。
【企業が30秒自己PRを求める理由3】時間やルールを守れるか確認するため
企業の中には、時間制限を設けることで学生がルールを守って自己PRできるのか確認している場合があります。
時間が過ぎてしまった可能性がある時は「少し話し過ぎてしまいました。お時間を超過していましたら申し訳ございません。」と謝罪しておくとよいでしょう。できるだけ時間管理をして、時間超過のないように努めてください。
自己PRを30秒におさめるために削るポイント
30秒で自己PRを伝えるには、150文字程度にまとめるとベストです。それでは、自己PRを短くまとめる際に削るとよいポイントを解説します。
【30秒自己PRで削るポイント1】重複している点を削る
何度も同じ単語が出てきている場合、その言葉を削っていくと文章が短く収まります。同じ単語や似たような説明を2度していないかを確認してみてください。
私の強みは忍耐力です。これは大学時代のバレー部での経験によって身に付きました。私の所属していたバレー部では私だけが未経験者だったため、練習についていくだけでも精一杯で、退部も視野にいれていた時期もありました。しかし・・・
私の強みは忍耐力です。この強みは大学時代バレー部に所属し、唯一の未経験者として必死に練習したことで身に付きました。初めは練習にすらついていけないことが多かったのですが、毎日2時間自己練習メニューを作成し自主練習をすることで・・・
【30秒自己PRで削るポイント2】エピソードを簡潔に伝える
自己PRでエピソードを具体的に話そうとすると30秒では収まらなくなってしまいます。そのため、エピソードは1つに絞り、要点だけを伝えると効果的です。
また、エピソードは抽象度を上げてできるだけ簡潔な情報にして伝えることも効果的です。
【30秒自己PRで削るポイント3】繰り返し練習する
繰り返し自己PRを伝える練習をすることで、すらすらと話せるようになり結果として30秒以内で自己PRできるようになることも多いです。
150〜200文字程度で自己PRを作成したら、繰り返し声に出してスムーズに話せるように練習してみてください。
30秒自己PRでおさえたいポイント
30秒の自己PRでは、具体的なエピソードの説明や細かな過程を説明する時間はほとんどありません。そのため通常の自己PRと比べておさえておきたいポイントが異なってきます。30秒だからこそのポイントをおさえて、面接官からの好印象を狙っていきましょう。
【30秒自己PRでおさえるポイント1】印象に残るキーワード
30秒自己PRでは、できるだけ簡潔に概要を話すことがポイントです。また面接官の印象に残りやすいよう、オリジナリティのある言葉に言い換えたりすることも重要になります。あなたのことをもっと知りたいと面接官に思わせることがポイントです。
【30秒自己PRでおさえるポイント2】簡潔に説明する
成長過程や強みを発揮できたエピソードを丁寧に説明する必要はありません。限られた30秒という時間のなかで簡潔にあなたの人柄や特徴を説明しましょう。
短くても伝わる!30秒自己PRを作り方5ステップ
伝えられる言葉数や時間は限られていても、あなたの魅力をアピールする方法はあります。ここからは、短くてもあなたの魅力が伝わる自己PRの作り方について解説します。
【30秒自己PRの作り方1】結論から書き始める
まず、結論から書き始めます。「私の強みは〇〇です」と言い切ることがポイントです。このように結論から話し出す話し方は「PREP法」といいます。
P=Point(結論)
R=Reason(理由)
E=Eeample(具体例)
P=Point(まとめ・要点)
この構成で話すと、聞き手に端的にわかりやすい文章構成になります。
【30秒自己PRの作り方2】強みの理由やエピソードを書く
次に、なぜそれが自分の強みだと思ったのか理由を伝えます。あなたの自己PRを聞いて採用担当者が納得できるように、具体的にエピソードを話すのがポイントです。しかし30秒自己PRのなかで細かく時系列順に説明している時間はありません。
要点を絞って、エピソードを話すように心がけましょう。企業も30秒の自己PRで全てを聞き出そうとは考えていない場合が多いので、あくまで次の採用担当者からの質問につなげていくイメージで話すことが大切です。
【30秒自己PRの作り方3】経験から得た学びを書く
自分の強みにつながるエピソード・経験の中で得た学びを書きましょう。ただエピソードを話すだけでは思い出話のようになってしまうので、そこからあなたが吸収したことを話すと効果的です。
その時に得た学びが現在にどう影響を与えているのかまで考えておくと、面接の回答で焦らずにいられるのでおすすめです。
【30秒自己PRの作り方4】仕事での強みの活かし方を書く
自分の強みやエピソードをまとめたら、最後に志望企業に入社した時にその強みをどのように活かすか話しましょう。入社後の意気込みを話すと、入社後のイメージを面接官が持ちやすくなるだけでなく、入社意欲もアピールできるので効果的です。
30秒自己PRを求められやすい職種
端的に説明するスキルは社会人にとって大切なスキルです。接客だけでなく、社内でのコミュニケーションでも説明力は求められます。中でも下記の職種では、30秒自己PRを求められるケースが多いようです。
・営業職
・オペレーター
・アナウンサー
・施工管理士
これらの職業では、限られた時間の中で相手にわかりやすく説明するスキルが必要不可欠になります。そのため、面接の中でも説明力を見るために、30秒で自己PRをしてもらうこともあります。
どんな時に30秒自己PRを求められるか
30秒の自己PRは職種に限らず、さまざまな企業で求められます。どのようなケースで求められることが多いのか、ご説明します。
【30秒自己PRを求められる時とは1】志願者が多い
1つ目が、インターンや採用の面接で採用枠に対して志願者が多い場合です。面接をする人数が多くなると、1人あたりの面接時間が短くなり、自己PRも30秒と短い時間設定になりやすいです。
【30秒自己PRを求められる時とは2】集団面接
2つ目が集団面接の場面です。複数の就活生が同時に面接を行う集団面接(グループ面接)では、一人当たりの回答時間を平等にするために「自己PRを30秒で」と求められる場合があります。
30秒自己PRでの注意点
30秒での自己PRだからこそ気を付けたいポイントや注意点について解説します。
【30秒自己PRでの注意点1】丸暗記しない
30秒程度の文章なら「全て暗記していこう」と思う方もいるかもしれません。しかし、自己PRの丸暗記はおすすめしません。なぜなら、言葉が飛んでしまうと頭が真っ白になりやすかったり、感情をのせて話しづらくなったりするためです。
自己PRといえど、面接は面接官との会話が重要なので、丸暗記していくのは控えておくとよいでしょう。
【30秒自己PRでの注意点2】早口にならない
「30秒でできるだけ魅力を伝えたい」と思うあまりに早口になる方も多いですが、内容が伝わりづらく印象が下がってしまう可能性があります。
落ち着いて、面接官に伝わりやすい話し方で30秒以内におさまるよう、調整しましょう。30秒自己PRではエピソードも要点だけを話し、全体的に簡潔にまとめるとバランスよくまとめることができます。
【30秒自己PRでの注意点3】自己PR時間は企業によって異なる
自己PRの制限時間は企業によって異なります。制限時間がないケースもありますが、パターン別に自己PRを準備しておくと安心です。
20秒:100文字程度
30秒:150文字程度
1分:300文字程度
を目安に準備しておきましょう。
30秒の自己PR例文
30秒での自己PR回答例文をいくつか紹介します。文字数や文章構成も参考にしてみてください。
【30秒の自己PR例文1】継続力
私の強みは継続力です。1年生のデッサンの授業で1番下手だとクラスメイトに言われたことがきっかけで、自分に合うイラストジャンルを探し、キャラクターデザインにたどり着きました。そこから熱心にキャラクターデザインを学び、3年生のときには企業のイメージキャラクターを担当する機会をいただきました。この継続力を活かして常に学び続け、貴社に貢献したいと考えています。
【30秒の自己PR例文2】企画力
私の強みは企画力です。大学の3年間、タイ料理の専門店でアルバイトをしていました。お客様に馴染みのないメニューが多く、注文時に悩む方が多かったため、店内に黒板を設置し、料理の写真やスタッフのおすすめを紹介しました。その結果、大人気の看板メニューが生まれ、SNSで話題となり、来店数も増加しました。この経験を活かし、貴社でもお客様に寄り添った課題解決を提案したいと考えています。
【30秒の自己PR例文3】探求心
私の強みは探求心です。大学3年間文化祭実行委員として活動し、来場者数の減少という課題と向き合ってきました。近年の学生の活動状況や歴代文化祭などの分析を行い、本校の文化祭テーマを新しく設定したところ、来場者数は近年10年間で1位となりました。この探求心を活かして、貴社の企画を盛り上げていきたいと考えています。
【30秒の自己PR例文4】コミュニケーション能力
私の強みはコミュニケーション能力です。3年半ライターのアルバイトをしており、取材記事を多く作成しました。初めは緊張して一問一答のインタビューが多かったですが、「人柄」を伝えたいと思い工夫した結果、上司や読者から「面白い」と評価されました。この能力を活かし、相手に寄り添った会話で貴社商品の魅力を伝えていきたいです。
30秒自己PRを撮る時のポイント
自己PRの30秒動画を撮影する時のポイントは以下の点です。
・カメラの設定
・部屋の片づけ
・正しい姿勢
・身だしなみの確認
自己PR動画を撮影したら、必ず動画の出来栄えを確認するようにしましょう。自分の声が遠くないか、表情は暗くないかなどチェックすべき点はさまざま。さらに詳しく自己PR動画作成のコツについて知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
よくある質問
30秒の自己PRでよくある質問について解説します。
【自己PR30秒のよくある質問1】時間をオーバーしてしまったら?
数秒であれば時間をオーバーしてしまっても、焦る必要はありません。「少し話が長くなってしまい申し訳ありません。」とお詫びの言葉を伝えましょう。
自己PRで時間をオーバーしてしまった…と引きずってしまうと、面接でミスしやすくなることもあるので、気にしすぎないようにすることもポイントです。
しかし、時間を全く気にしていないような故意な時間オーバーは面接官に「自己中心的な人」「ルールを守れない人」というマイナスな印象を与えかねません。
【自己PR30秒のよくある質問2】動画はどうやって企業に送るの?
企業に自己PRの動画を送る時はメールが基本です。あらかじめ自己PR動画の送り先を確認しておきましょう。また、メールの件名は一言でメールの内容が伝わるようにします。
件名:30秒自己PRの送付/キミスカ大学キミスカ有希
動画や書類を添付する際には、添付忘れがないか送信前にチェックするように注意してください。
【自己PR30秒のよくある質問3】自己PRを覚えられません
まず、30秒だからといって文章を暗記して自己PRしようとするのは避けましょう。企業は面接を通してあなたとコミュニケーションをとりたいと思っています。その場で暗記した文章を話しているとコミュニケーションがとりづらくなってしまい、マイナスな印象を与えることも。
面接の場では「自分の言葉で話す」ことも重要なポイントなので、丸暗記はしないように注意してください。
30秒の自己PRでは要点を話そう
30秒の自己PRでは伝えたいことを細かく話すことは難しく、要点を絞って伝える必要があります。全てを話そうとしてしまうと早口になってしまい、むしろ面接官に自己PRの内容が伝わりづらくなってしまう場合もあります。
自己PRでは、自分の伝えたいことを端的に話せるよう、工夫と練習を繰り返していくことがポイントです。焦らず自己PRできるよう準備していきましょう。