【例文付き】面接で「他に受けている企業」を聞かれたら?意図と回答のコツを紹介

就活で面接を受けていると、「他に受けている企業はありますか?」と聞かれることがあります。「試されているのかな?」「返答によっては印象が悪くなりそう」と勘ぐってしまいますが、どう返答するのが正解なのでしょうか。

今回は、他に受けている企業について聞かれたときの答え方を例文付きで紹介します。質問の意図や返答のコツを知って、採用のチャンスを掴みましょう!

面接で「他に受けている企業」を聞く意図

大前提として、人事はどうして他社への応募状況を聞くのでしょうか。まずは、その理由を見ていきましょう。

【面接「他に受けている企業」の意図1】志望度を知りたい

人事は内定辞退や退職のリスクを避けるためにも、志望度が高い学生を採りたいと考えています。そのため、その学生にどれくらい入社の可能性があるのかを推測するために、応募状況を聞くことがあるのです。

もちろん、学生が複数応募していることは人事も想定しています。「ここしか志望していません!」とウソをつく必要はありません。しかし、熱意が伝わらなければマイナス印象になる可能性があることを押さえておきましょう。

【面接「他に受けている企業」の意図2】就活の軸を知りたい

応募状況を聞くことで、「どのような基準で会社を選んでいるのか」「志望動機や就活軸との整合性があるのか」について把握したいという意図もあります。また、学生の価値観や将来のビジョンをある程度把握することで、自社との相性を測る指標として役立てることもあるでしょう。業界や職種に統一性がない人は、手当たり次第に受けていると判断され、熱意を疑われるおそれがあります。

就活の軸に一貫性を持たせるためには、適性検査で自分の価値観を明確にしておくことが重要です。事前準備として、ぜひキミスカの適性検査を活用してみてください。

「適性検査」の受け方・結果の見方!自己分析ツールの使い方を解説

【面接「他に受けている企業」の意図3】採用の後押しにしたい

「優秀な人材を他の会社に取られる可能性はないか」「確実に入社してくれるなら採用にしてもいいかな」と、最後のひと押しがほしくて応募状況を尋ねるケースもあります。

また、今後の採用戦略のために聞いてくることもあります。採用まであと一歩の状態かもしれないので、しっかりとあなたの熱意を知ってもらいましょう!

面接「他に受けている企業」への返答方法

ここでは、他社への応募状況を聞かれたときに押さえておきたい、基本の返答方法について紹介します。

【面接「他に受けている企業」の返答方法1】ウソをつかない

就活では誠実さが重要となるので、ウソをつかないことが大切です。ただし、「言う情報」と「言わない情報」を区別することは問題ありません

応募先に一貫性がないと思われそうなときは、似たような基準で選んだ会社に絞って言うと印象ダウンを防げます。ウソのリスクについてはこちらで解説しているので、あわせて目を通しておきましょう。

面接で嘘をつくのはアリ?ついてはいけない嘘や嘘なく面接に挑む方法を解説

【面接「他に受けている企業」の返答方法2】一貫性を意識する

発言に矛盾が生まれると説得力が下がるので、一貫性のある回答を心がけることも重要です。たとえ応募先の業種や職種が大幅に異なっていても、なぜそこを選んだのかについて納得させられる理由が言えれば問題ありません。また、他社への応募動機も簡単に言えるよう準備しておくと安心です。

【面接「他に受けている企業」の返答方法3】熱意を伝える

応募状況について聞かれたときは、とにかく熱意を伝えましょう。「御社しか考えていません」とウソを言うのはよくないですが、意欲が高いことを知ってもらうことはウソになりません

志望順位などについては言及せず、「いろいろな会社に応募しているが、とくに御社の□□に惹かれている」「御社に入ってこんなことを実現したい」と答えると効果的です。

面接「他に受けている企業」への回答例文

ここまでの内容を踏まえ、この章では回答例文をケース別に紹介します。自分の状況に合った返答方法をチェックしておきましょう。

【面接「他に受けている企業」の例文1】他に受けている企業があるとき

【回答例】
  • 二次面接に進んでいる会社が1社と、最終面接の会社が1社あります。どちらも、ブライダル業界です。
  • 人の生活基盤を支える仕事に就きたいので、インフラ関係を3社受けています。

選考中の会社があるときは、素直に言いましょう。応募数が多い人は、関連性が深い業界や業種に絞って返答すると不信感を抱かれにくくなります。

【面接「他に受けている企業」の例文2】他に受けている企業がないとき

【回答例】
  • 御社に集中したいので、他は受けていません。即戦力となれるよう、□□資格の勉強をしながら知識をつけている最中です。
  • 今は、御社だけを受けています。はじめは□□業界に興味がありましたが、就職活動をするなかで自分には◇◇業界のほうが合っていると考えるようになり、エントリーの段階からやり直しています。

他に選考を受けていないときは、その理由を説明できるように準備することが大切です。この際、今までの回答と矛盾が生まれないように気をつけましょう

【面接「他に受けている企業」の例文3】内定をもらっているとき

【回答例】
  • □□業界の営業職で内定を頂いています。しかし、私としては御社で目標を実現したいと考えております。
  • 1社から内定を頂いておりますが、御社が第一志望ですので、返答をお待ちいただいている状態です。

すでに内定を獲得している人は、たとえ志望順位がどうであれ、今面接を受けている会社へのアピールに集中しましょう。ウソにならない範囲で前向きな発言をすることが肝心です。

【面接「他に受けている企業」の例文4】内定後のことを聞かれたとき

【回答例】
  • 御社の事業に魅力を感じ、私自身も□□事業に携わることが目標でしたので、御社への入社を最優先して就職活動を終わらせたいと考えています。
  • よろこんで入社したいと考えています。

内定が出たときのことを聞くのは、ほとんどの場合で採用する後押しがほしいときです。ここで迷いを見せると内定獲得は難しいので、入社する意思があることを明言しましょう。

少なくとも入社する意思がある会社を選んで応募しているため、ウソには当たりません。結果的に内定を辞退することになる学生も珍しくないので、心配しなくても大丈夫です。

面接「他に受けている企業」へのNG回答例

NG回答としては、以下のようなものが挙げられます。

【面接で避けるべきNG回答例】
  • すでに、競合の□□から内定を頂いています。
  • 役員面接まで行きましたが、落ちてしまいました。
  • 御社しか希望していないので、他は全く検討していません。
  • 他に3社受けており、□□が本命です。

応募状況を聞かれたときは、競合他社からの内定獲得や落ちた会社の話題は避けましょう。また、理由なく他に応募していないと言ってしまうと、「計画性がない」と思われる危険性があります。

別の会社を第一志望として言うことはもってのほかなので、絶対に避けてくださいね。

面接「他に受けている企業」への返答ポイント

最後に、他に受けている企業を聞かれたときに、より印象をアップするために知っておきたい回答のポイントを解説します。

【面接「他に受けている企業」のポイント1】理由を言えるようにする

この質疑応答で大切なのは、しっかりと就活に向き合い、自分の信念に沿って行動できているかどうかを知ってもらうことです。「なんとなく流されるままに応募している」「真剣に取り組んでいなくて軸がブレている」という人は、見透かされて印象がダウンする危険性があります。

マイナス評価を防ぐには、「他社への志望理由」や「どうして他社を受けていないのか」を明確に言えるようにしておかなければいけません。どんな応募状況にせよ、人事を納得させられる理由をしっかりと準備しておきましょう

【面接「他に受けている企業」のポイント2】迷わない

先述しましたが、意思確認をされたときは即答しましょう。迷っていることが伝われば、採用を見送られてしまう危険性があります。

あえて言葉で第一志望であることを明言する必要はありませんが、「ぜひ御社の□□部で働きたいです!」と胸を張って言うと、人事を安心させられるでしょう。

【面接「他に受けている企業」のポイント3】社名は言わなくてもOK

社名は詳細を尋ねられたときに言えばいいですし、無理して言わなくても問題ありません。基本的には、「商社の営業職を2社受けています」といった返答で問題ないでしょう。

もし、社名を出したときに他社を悪く言う人事に出会ったときは、十分に気をつけてください。その人事がいる企業は、社風や考え方が偏っているかもしれません。

面接で他に受けている企業を聞かれたら誠実に答えよう!

他社への応募状況を聞かれたときは、ウソをつかず誠実に返答することが重要です。「言う情報」と「言わない情報」を取捨選択することで、いい印象を残しながら意欲の高さを印象づけられます。

迷ったときは、ぜひ例文を活用してみてください。あらかじめ返答を準備しておくと、本番でスムーズに熱意を伝えられて人事を安心させられるでしょう。