面接で使うべき一人称は何でしょうか。結論からいうと「私(わたし・わたくし)」を使うのがベストです。「私」以外の一人称である「俺」や「僕」、「アタシ」などは避けたほうが良いでしょう。
この記事では、面接で使う一人称「私」について解説するほか、一人称以外に使いこなしたい用語についても紹介します。面接官に好印象を残せるような言葉遣いを学び、内定獲得に近づきましょう。
面接での一人称は「私(わたし・わたくし)」が正解
一人称とは、「私」や「僕」など話し手自身のことを指す言葉です。例えば、一人称には以下のような単語があります。
- 私
- 僕
- アタシ
- 俺
- 自分
- あたい など
面接で使う一人称は、男女ともに「私(わたし・わたくし)」がベストです。また、面接だけでなく、ビジネスシーンにおいても一人称は「私」を使うようになるため、普段から使って慣れておくのがおすすめです。
読みは、「わたし」と「わたくし」はどちらでも構いませんが、「わたくし」の方がより丁寧な印象を与えることができます。普段は一人称で「私」を使っていない人からすると、落ち着かないかもしれません。しかし、社会人は普段から使っている言葉なので、今のうちから慣れておくと良いでしょう。
面接で不適切な5つの一人称
面接では「私」以外の一人称は使わないほうが無難です。しかし、なぜ他の一人称は避けたほうが良いのでしょうか。
ここでは、面接で使用するのに不適切な5つの一人称と、その理由について解説します。
【面接で不適切な5つの一人称】自分
男性がよく使う一人称「自分」も、面接ではおすすめしません。「自分」は、プライベートで使う分には体育会系で硬派な印象を与えられるかもしれませんが、ビジネスシーンでの使用には適していません。
ただし、「御社に入社すれば、自分がやりたいことを実現できると考えました」など、「自分」を主語としてではなく、目的語や形容詞的に使う分には問題ありません。あくまで「自分」を主語として使わないように気をつけましょう。
【面接で不適切な5つの一人称】俺
「俺」も、面接時を含めビジネスシーンでの使用に適切ではありません。プライベートシーンで使うのは問題ありませんが、面接時に使うとトゲトゲしく品がない印象を与えてしまいます。
加えて、「俺」はそもそも目上の人に使う一人称でもありません。「面接で『俺』を使う人が少ないから目立って良いのでは?」と思うかもしれませんが、非常識と捉えられてしまうため、面接では使わないようにしましょう。
【面接で不適切な5つの一人称】僕
「僕」は「自分」や「俺」に比べて、面接で使っても違和感が少ないかもしれません。ただ、「僕」は自分と同等かそれ以下の相手に使う一人称のため、目上の方と話す面接では不適切です。
また、「僕」は幼い印象を与えてしまう可能性があるので、社会人としての自覚を疑われないためにも使用は控えましょう。
【面接で不適切な5つの一人称】アタシ
女性がよく使う「アタシ」も面接で使う一人称としては不適切です。
「アタシ」は、我が強く、「僕」と同様に幼く聞こえてしまう可能性もあるため、面接では使わないようにしましょう。
【面接で不適切な5つの一人称】自分の名前
「自分の名前」も面接では使わないようにしましょう。一人称での「自分の名前」は、聞き手に幼い印象を与えてしまうため、おすすめしません。
普段から「自分の名前」を一人称で使っている人は、つい口から出てしまう恐れがあります。日常生活のなかで「私」を使うように意識すると良いでしょう。
一人称以外に面接で注意すべき言葉遣い
一人称以外にも面接で気をつけたい言葉遣いがあります。例えば、ついつい使いがちな「それ」「あれ」といった指示語や、「伺わせていただく」などの二重敬語は面接では使わないほうが良いでしょう。
ここでは、面接でマイナスの印象を持たれないために押さえておきたい、一人称以外に注意すべき言葉遣いを5つ解説します。
なお、言葉遣い以外の所作など面接時のマナーについては、以下の記事で詳しく解説しているので、欠かさずチェックしておきましょう。
【一人称以外に面接で注意すべき言葉遣い】丁寧語「です」「ます」を使う
面接では丁寧語の「です」「ます」を使うようにしましょう。「~だ」「~である」は、面接では失礼にあたるため使いません。
また、「ですね」「ますね」など語尾に「ね」をつけるのも、「そうですね」など相槌以外では使わないよう注意しましょう。
ただし、ESに記載する内容は、「だ」「である」でも「です」「ます」でも、どちらを使っても問題ありません。「です」「ます」を使うと文字数が多くなってしまうため、必要に応じて「だ」「である」を使用しましょう。
【一人称以外に面接で注意すべき言葉遣い】尊敬語と謙譲語の使い分け
尊敬語とは、相手を高めることで敬意を示す表現です。一方、謙譲語は自分の位置を低めて、相手への敬意を示す言葉です。
尊敬語と謙譲語は間違いやすい分、適切に使い分けられると面接官に好印象を残せるかもしれません。
面接で使う尊敬語と謙譲語には、以下のようなものがあります。
尊敬語 | 謙譲語 | |
---|---|---|
する | なさる | いたす |
行く | いらっしゃる | 伺う・参る |
言う | おっしゃる | 申し上げる |
知る | ご存知 | 存じ上げる |
思う | 思われる | 存じる |
会う | お会いになる | お目にかかる |
聞く | お聞きになる | 伺う |
普段から尊敬語と謙譲語の使い分けを意識し、面接本番で間違わないようにしましょう。
【一人称以外に面接で注意すべき言葉遣い】二重敬語は控えよう
二重敬語も面接では気をつけたいポイント。二重敬語とは、「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」のように同じ種類の敬語を重ねて使用することです。
よく使いがちな二重敬語には以下のようなものがあります。
二重敬語 | 修正文 |
---|---|
ご覧になられますか? | ご覧になりますか? |
おっしゃられたとおり | おっしゃったように |
伺わせていただく | 伺います |
お見えになられた | お見えになりました |
拝見させていただきます | 拝見いたします |
連絡させていただきます | 連絡いたします |
二重敬語については、社会人でも使っているシーンがよく見受けられます。そのため、二重敬語を使用してしまったとしても大きなマイナスにはならないでしょう。
こちらも正しい言葉遣いで話すことで、「敬語をしっかり使える人」としてプラスのイメージを持ってもらえるかもしれません。
【一人称以外に面接で注意すべき言葉遣い】「それ」などの指示語も避けよう
「それ」や「あれ」などの指示語を使うと、面接官はその指示語が何を指すのか混乱してしまう恐れがあります。
例えば、「私は学生時代、アルバイトで人を思いやる気持ちを学びました。それは……」と話したとしましょう。
「それ」が指しているのは「アルバイト」なのか「人を思いやる気持ち」なのか、面接官を悩ませる可能性があります。
なるべく指示語よりも具体的な単語を使い、自分の考えを明確に伝えられるようにしましょう。
【一人称以外に面接で注意すべき言葉遣い】口癖に気をつけよう
面接では「えっと」「そうですね」「あの~」などの口癖が出ないように気をつけましょう。口癖を多用してしまうと、面接官によっては「聞きづらい」「頭の回転が遅そう」「自信なさそう」と思われてしまうかもしれません。そのため、口癖はなるべく少ないほうが面接では好印象を残せます。
ただし、口癖は自分ではなかなか気づけないものです。事前に面接で喋る内容を録音してみて、口癖のチェックや話し方の改善を試みましょう。
面接のときは一人称で「私」を使おう
面接時での一人称は「私(わたし・わたくし)」を使うようにしましょう。普段から「私」を使っていない人は、ついつい普段使っている一人称が出てしまうかもしれません。
ただし、面接では社会人としての言葉遣いもチェックされています。面接でマイナス評価を受けないように、一人称を含め言葉遣いには普段から気をつけるようにしましょう。