どんな経験でも評価される「学生時代頑張ったこと」の書き方【例文3選】

就職面接で 質問されることの多い 「学生時代に頑張ったこと」 は、ガクチカとも略される「学生時代に力を入れたこと」と同じことです。しかし、「どんなエピソードを伝えればよいか分からない」「そもそも頑張ったことがなくて困っている」という人も少なくないのではないでしょうか。「頑張ったこと」のエピソードは特別なものである必要はありません。

ただし、伝え方にはいくつかのコツがあります。この記事では、面接官から評価される頑張ったことの書き方を解説します。自己PRでの強みやESにも役立つので、ぜひ参考にしてみてください。

学生時代頑張ったことの例文3選

まずは、これから紹介する例を参考に学生時代に頑張ったことの書き方のイメージをつかんでみましょう。

学生時代頑張ったことのNG例文

「私は学生時代、1年間イギリスに留学しました。大学の交換留学制度を利用したため、大変な競争率でしたが学内の選抜を勝ち抜くことができました。1年間の海外留学中に、外国人の友人がたくさんでき語学力が向上。TOEICでは満点を取ることができるようになりました。日本では経験できないさまざまな体験ができたと感じています。」

海外への渡航経験が 珍しい昭和の時代ならいざ知らず、今となっては留学経験 がアピールになることは少ないでしょう。この文からは、高い倍率を勝ち抜いたことやTOEICで高得点を取った努力を感じることはできますが、留学の目的や、そこで学んだこと、今後に活かしたいことに関する記述がなく、とてもボヤっとしています。

留学などで経験した大変だったエピソード
どのようにそれを乗り越えたかについて

せっかく異文化に飛び込んだのですから、上記のようなポイントを具体的に述べるようにしましょう。

学生時代頑張ったことの評価される例文

それでは、評価される例文を見ていきましょう。
最初に紹介するのは、アルバイトを題材に選んだものです。

「カフェで早朝アルバイトをしています。駅構内にある店だったこともあり、通勤時間帯と重なる朝はとても混雑します。そのため、間違いや作り直しが発生することも多く、さらに忙しくなるという悪循環に陥っていました。忙しい早朝は、通常、ベテランが入ります。しかし、2~3人のベテランだけに頼るのも限界がありました。そこで私は、業務全体の流れや手順を整理し、マニュアル化したものをスタッフ内で共通化することを提案。それにより、間違いが減っただけでなく経験の浅い人も早朝シフトに入れるようになって、人繰りの問題も解消しました。」

このエピソードのよい点は、問題点と解決策を発見し、自ら具体的な行動をしたことが分かることです。問題解決を人任せにせず、自分で考えて動いた前向きな姿勢が伝わります。

2つ目に紹介するのは、趣味のエピソードです。

「私は学生時代、映画鑑賞に打ち込みました。平均月10本以上、年間120本以上の映画を見てきました。映画鑑賞のよいところは、ストーリーを楽しむだけでなく、他者の経験を擬似的に体験できることです。今後ますますグローバル化が進むと考えられる世の中では、ビジネスでも自分と異なる考え方や、立場の人の存在を受け入れられる人材の価値が高まっていくと考えています。そこで必要になるのが、経験です。人は経験したことしか理解できないといわれています。ただし、一人の人間が経験できる数には限界があります。映画を通じて、擬似的な体験をすることで他者への想像力を育むことができたと考えています。」

学生時代に頑張ったことは、映画鑑賞などの趣味でも問題ありません。このエピソードのよい点は、趣味を単なる楽しみで終わらせず、それを生活や仕事の視点に取り入れられていることです。

学生時代頑張ったことはどんな経験でもよい

学生時代に頑張ったことのエピソードに、派手な経験や実績は必要ありません。採用面接で企業が見たいのは、あなたの人柄です。

人柄や考え方を知ることで、自社とマッチする人材であるかどうかを測っています。誤解やマイナス評価を受けるような伝え方は避けなければなりませんが、臆せずにあなたの魅力が伝わるエピソードを伝えましょう。

内定を焦るばかりに、必要以上に自分をよく見せる無理をしたとして、それがたとえ採用に繋がってもその企業に長く勤められない可能性があります。就活では、あなたらしさを出してダメなところは「縁がなかった」と考える切り替えの早さも必要です。

もし、頑張ったことが中々見つからない場合は以下の記事をご覧いただければと思います。

学生時代に頑張ったことがない?ガクチカの書き方を9つのエピソード別で解説する【例文】

どんな経験でも企業に評価される書き方

「学生時代に頑張ったこと」で求められるエピソードは、何でも構いません。また、 誰から見ても「すごい!」と思えるような経験をアピールすることでもありません。

そこで何を得たのか
どう今後の生活につなげていくのか

これらの体験をあなた自身の言葉で語ることが大切です。せっかくよい経験をしているのに、具体的例がなく伝わらなくのでは、もったいない ありません。

異性にモテる人と、就活で内定を獲得できる人には共通するポイントがあります。それは「自分のことをよく分かっている」ということです。魅力が伝わるエピソードを選ぶために、自分のことを深く分析し、理解してみましょう。

好きな人に好かれるために、服装や、会話の内容、話し方を工夫したことはありませんか?「異性にモテたい」という人でも、実際には不特定多数の人にモテるのではなく、特定の人にモテたいというのが本音でしょう。意中の人に好かれるために、中にはその人の好みをリサーチした上で、表情やしぐさを研究したことがある人もいるかもしれません。

恋愛にも就活にも相手が必要です。どんなにアピールしても一方的に好意を寄せるだけでは、成立しないこともあります。そのようなときには、ターゲットを変えることも必要です。自分がどのような層にならウケるかを検証し、その層に刺さるあなたの見せ方を工夫してみましょう。

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適性検査の受け方や結果の見方などは、以下の記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください。

人事に評価される学生時代頑張ったことの書き方

採用選考では、論理的な文章を書けるか、話し方ができるかもチェックされています。限られたスペースや時間の中で、効果的にエピソードを伝えましょう。

普通のエピソードで評価されるには、PREP法を使うのがおすすめです。PREP法とは、Point(結論)Reason(理由)Example(具体例)Point(結論)の頭文字を取ったもの。これを使って、先程のNG例を書き換えてみましょう。

「1年間のイギリス留学中、さまざまな国の留学生が暮らす寮で生活しました。文化や考え方の違いから、寮生の間では衝突が絶えませんでした。自分の役割を果たせば良いと考える人が多い中で、日本人である私は、みんなの妥協点や落としどころを探すことで、よい環境を作りたいと考えました。寮生のメンバーと話し合った結果、話し合いでトラブルを解決する姿勢が評価され私が寮のリーダーとなって、文化やコミュニケーションの方法が異なる人たちの間の調整をすることになりました。海外展開に力を入れている御社で、この経験を活かすことができるのではないかと考えています。」

自分を知ることで魅力を効果的に伝えよう

企業が頑張ったことを質問するのは、あなたが採用したい人かどうかを知るためです。採用したいと判断するためには、あなたの人柄や考え方が感じられなければなりません。あなたの魅力を最大に引き出すために、まずは自分のことをよく分析してみましょう。

それができたら、次のステップに進みます。企業の採用担当者は多くの学生を見ています。せっかくなら、読んだ人やあなたと話をした人が 面白いと感じるにはどうすればよいかも考えてみてはいかがでしょうか。面白さのポイントは、エピソードの切り取り方と具体性です。少なくとも下書きした文章を読んで、あなた自身が面白いと感じるエピソードを心がけてください。そうすれば、普通のエピソードでも十分あなたの魅力が伝わります。