「採用担当者の目に留まるエントリーシートには何が必要なのか。実際の見本を見てみたい」そう思う就活生は少なくないでしょう。「学ぶことは真似ること」という言葉もあるように、実例の真似以上によい研究方法はないかもしれません。エントリーシートの参考になる見本や、例文が載ったサイトと、受かるエントリーシートのポイントを解説します。
エントリーシートの見本が見れるおすすめサイト
内定者のエントリーシートには学ぶべき点がたくさんあります。内定者はその企業が一緒に働きたいと判断した人たちなので、そのエントリーシートを見れば企業がどんな人材を採用したいと考えているのか、分析することができます。しかし内定者のエントリーシートを見て近づけなくてはと嘘を書いたり、見栄を張ったりするのはよくありません。あくまで見本から傾向や採用担当者の考え方、判断基準を知る材料にしましょう。
また、内定を獲得できるESの書き方が分かるのも大きなメリットです。よいESは結論ファーストで書かれています。いくつかのESを比較して見ることで、そのほかの共通点を見出すことも可能になるので参考にしていきましょう。
【エントリーシートの見本が見れるサイト1】リクナビ
就活生の多くが利用するリクナビでは、会員登録すると「マスコミ」や「メーカー」など7つの業界の内定者のESが読めます。企業の名前が伏せられているので、業界全体として内定が出やすいESの傾向がつかめるでしょう。一方で「この企業の内定者のESを読みたい」というときは、他のサイトがおすすめです。
【エントリーシートの見本が見れるサイト2】ONE CAREER
ONE CAREERではサイト上で企業名を検索すれば、企業ごとの内定者のエントリーシートを読むことが可能です。このサイトではESだけでなく各社のwebテストや筆記試験、面接などの内定者が内定に至るまでのステップを確認できます。会員登録なしでコンテンツ全文を読めるので、就活生にとって使い勝手のよいサイトと言えます。
【エントリーシートの見本が見れるサイト3】就活会議
口コミ企業研究サイトの就活会議では、内定者だけでなく書類選考を通過したエントリーシートもチェックできます。その企業で働いている社員や元社員による口コミもあるので、実際の雰囲気も把握することが出来ます。就活生の口コミもあるので、最新の情報や選考状況も確認できます。
【エントリーシートの見本が見れるサイト4】unistyle
外資系を含むバラエティー豊かな業界・業種の企業の内定を獲得した、就活生のエントリーシートが掲載されています。インターンシップ選考のエントリーシートから、その企業の社員のインタビュー記事もありますので、就活の早い段階からチェックしておきたいサイトです。
見本から知る通過するエントリーシートの特徴2つ
内定を獲得できるエントリーシートには、ある共通点があります。それは面接官が読んでいて面白いと感じることです。ここで言う「面白さ」とは何なのか、具体的に見ていきましょう。
【通過するエントリーシートの共通点1】人間性が分かる
文章からは書いた人の人柄が伝わります。どんなに隠そうとしても、見る人が見ればエピソードや言葉の選び方・文字の大きさ・レイアウトから、ある程度は分かってしまうものです。
しかし、中にはまったくどんな人か読み取れないものもあります。その一例が添削されすぎたエントリーシートです。見本や解説本に書かれているような模範的な文章には、個性が感じられません。よく研究している、まとまっているとは感じられても、読む人の心を動かすには至らないでしょう。ESの見本は研究しておくに越したことはありませんが、そこでは事例を収集し、選ばれるエントリーシートの要素を見つけることに留めておくことをおすすめします。
【通過するエントリーシートの共通点2】質問したくなる内容
採用担当者は面接で質問することで、より深くあなたの人間性を知りたいと考えています。残念だと思われるエントリーシートは、質問できる箇所が見つけられないものや、見る人のことを考えずに書かれているエントリーシートです。
質問したくなるエントリーシートには、書き手の個性が表れているとも言えます。エントリーシートという性質上、自分本意で書き過ぎても好ましくありませんが、あまりにも書き手の価値観が感じられない文章は通過してもいいものか迷ってしまいます。
反対に全部説明し尽くされているエントリーシートも質問に不向きです。「エントリーシートは採用担当者が質問しやすいネタを仕込む場所」という視点を持っておきましょう。
見本から知る通過するエントリーシートの要素3つ
続いて、内定を獲得できるエントリーシートに必要な要素を3つ解説します。どのような内容のエントリーシートが通過しやすい傾向になるのかを確認し、自分のエピソードにも要素がないか当てはめてみてください。
【通過するエントリーシートの要素1】主体性がある
主体性とは課題や目標を自分で設定し、行動できることを指しています。課題を自分で発見し達成する能力があるのか、その時どのように考えるのかを採用担当者は知りたいのです。自己PRというと「何か特別なことを書かなくてはいけない」と考える就活生もいますが、実績はそれほど重要ではありません。実績よりも誰かの指示ではなく自分で課題や目標を設定できる視点や能力があることの方が大切なのです。
【通過するエントリーシートの要素2】チームで仕事ができる
組織の一員として働くには、チームワークが必要です。会社には必ず馬の合わない人がいます。チームワークを求められるのは日系企業でも外資系でも同じですが、日系企業の場合は特に和を乱さないための共感性や協調性が求められるでしょう。
企業は営利を目的とした集団であり、友達を作る場所ではないため、自分とは合わない人ともうまく付き合っていける能力がある人を求めています。
【通過するエントリーシートの要素3】論理的で分かりやすい
通過するエントリーシートは総じて、論理的で分かりやすいことも挙げられます。企業によって違いはありますが、書類選考や面接の担当社員は一人ではないケースもあるため、誰が読んでも理解できる内容が好まれます。またその文章作成能力から、入社後の資料作成でも力を発揮してくれそうだとイメージが出来るので、通過する確率が高まるのです。
しかし自分一人でESを仕上げると、どうしても相手に伝わらない文章になる可能性もあります。自分の書いたエントリーシートが論理的かどうかは、親や教授、OB・OGに見てもらいブラッシュアップしていきましょう。
見本から知る落ちるエントリーシートの特徴5つ
折角エントリーシートを書くので通るエントリーシートを作りたいですよね。内定に近づくエントリーシートを作成するために、落ちやすいエントリーシートの特徴もチェックしておきましょう。
【見本から知る落ちるエントリーシートの特徴1】質問に答えていない
「ご飯は何を食べましたか?」という質問に「食べました。お腹いっぱいです」という答えでは「何を食べたか」に触れておらず、会話が成立していないですよね。これは極端な例に思えるかもしれませんが、実際のエントリーシートではこのような文章が多く見られます。何を聞かれているのか、質問の意図は何かを考え、的確な回答をしましょう。
【見本から知る落ちるエントリーシートの特徴2】一文が読みづらい
文章を書く際は、1文が40字~50字程度になるよう短くまとめてください。読点「、」でつないだ長文は非常に読みにくく主語・述語・修飾語の関係を理解するのに苦労します。特に冒頭部分は一言で言い切って、印象的な一文にしましょう。
【見本から知る落ちるエントリーシートの特徴3】具体性がない
賢い就活生にありがちなのは抽象的な文章を書いてしまうことです。上述のとおり採用担当者が自己PRで知りたいのは、あなたが何を課題と感じ、それをどのように切り抜けたのかという部分です。詳細なエピソードは文字数が少ないと厳しいものですが、その状況を思い浮かべられる程度には具体的なものであることが望ましいでしょう。
【見本から知る落ちるエントリーシートの特徴4】誤字脱字が多い
誤字脱字を完全にゼロにするのは難しいものです。人間である以上それは仕方ありません。ただしそれが気になるレベルだと注意力を疑われてしまいます。また助詞の使い方が間違っていたり、同じ文末表現が続いたりするケースも好ましくないでしょう。国語力に不安を感じさせてしまうことのないよう、提出前によく見直してください。
【見本から知る落ちるエントリーシートの特徴5】企業文化に合っていない
分かりやすくて誤字脱字もなく、十分個性が伝えられているのに落ちてしまうことがあります。その様な時はエントリーシートの内容が、企業文化にマッチしていないかもしれません。例えばフットワークの軽い人を求める勢いのある新興企業には、じっくり物事を考えて石橋を叩いて渡る人は合わないと判断されるケースが多いはず。
優れたエピソードであっても伝わった内容が企業文化にそぐわないものだと、書類選考落ちする可能性があります。エントリーシートは十分に企業分析を行って、その企業が求める人物像に合う自分の強みを書くことを心掛けてください。
エントリーシートの見本から通過するための特徴を押さえよう
受かるエントリーシートには共通する特徴と要素があります。それは落ちるエントリーシートも同じです。内定者のエントリーシートを研究するときは中身を真似するのではなく、要素を抽出して真似ると業種や企業が変わっても応用が利くでしょう。
ただし書き方が分かっても、書くことが決まっていなければ自分を伝えるエントリーシートは書けません。アピールすべき個性がまだ明確ではない方は再度自己分析を行い、強みを理解するのもおすすめです。おすすめの自己分析の方法を紹介しているので、自分に合ったものを探してみましょう。