【就活面接】言葉遣いだけで評価が変わる!適切な敬語を解説

自己紹介や志望動機などを通じて企業へのアピールを行える面接ですが、企業から見られているポイントは、質疑応答の内容だけではありません。自社で働くことになった場合、取引先に失礼な態度を取らないかどうかを、言葉遣いから判断していることもあります。

それでは、どうすれば面接の言葉遣いを正しく使いこなせるのでしょうか。ここでは、面接で特に使うことの多い言葉遣いをはじめ、マイナスの印象を与えないための注意点をご紹介します。

面接で正しい言葉遣いを使うべき理由

言葉遣いとは、話し方や言葉の選び方、使い方を指しています。就活では他の学生とは違う自分らしさが大切ですが、TPOをわきまえた丁寧な言葉遣いは社会人として最低限のマナーです。

また、面接では就活生の人柄などが見られている一方で、学生の入社後の姿をイメージし、合否の判断をしている企業も少なくありません。

いい加減さや乱暴なイメージを与えるような話し方では、面接官からの印象もよくないため、言葉遣いをマスターしなければ内定獲得は難しいでしょう。

この記事では言葉遣いについて解説していますが、面接のマナーについて知りたい方は以下の内容を参考にしてください。

就活で好印象を残せる面接マナーとは?流れごとの対策法を例文付きで解説

面接前に覚えておきたい言葉遣い【呼び名編】

面接では自分と企業の話が当然大部分を占めます。そのため、お互いの呼称を正しく遣える状態にしましょう。

【面接前に覚えておくべき言葉遣い『呼び名編』】一人称は「私」

社会人のマナーとして、話し言葉でも書き言葉でも「私」を使うことが一般的です。読み方は「わたし」と「わたくし」の2通りありますが、どちらを使っても構いません。

「わたくし」のほうが固いイメージを持たれることが多いため、真面目さや誠実さのある人材を求めている銀行や保険など、業界に合わせて使い分けても良いでしょう。

面接前に覚えておくべき言葉遣い『呼び名編』】面接先の企業は「御社」

「御社(おんしゃ)」「貴社(きしゃ)」などは相手の企業に対して使う言葉ですが、話し言葉と書き言葉で使い分ける必要があります。ESなどの書類選考では「貴社」、面接では「御社」を使いましょう。

慣れないうちは混同することもあるので、普段から使い分けを意識することが大切です。また、企業以外の組織を志望する際は、以下の表にまとめた呼び方を使ってください。

組織名 話し言葉 書き言葉
銀行 御行 貴行
信用金庫 御庫
御金庫
貴庫
貴金庫
信用組合 御組合 貴組合
団体 御団体 貴団体
協会 御協会 貴協会
財団 御財団 貴財団
学校 御校 貴校
病院 御院 貴院

面接前に覚えておきたい言葉遣い【敬語編】

ここでは、面接で特に意識してもらいたいポイントを見ていきましょう。正しい言葉遣いは、一朝一夕で身につくものではなく、普段から意識して使うことで自然に話せるようになります。

また、なんとなく覚えるだけでは、誤った言葉遣いをしてしまう可能性もあるため、練習をしておくことも重要です。

面接対策で正しい言葉遣いを練習する方は、ここで紹介する内容を参考に大学のキャリアセンターや友人に協力してもらい、徐々に身につけてください。なお、面接の練習方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

面接の練習はこれで完璧! 効果が出る3ステップと4つの練習方法を解説

【面接前に覚えておくべき言葉遣い『敬語編』】丁寧語で話す

ES(エントリーシート)などでは「だ・である調」を使っても構いませんが、面接で話す際は「です・ます調」を使いましょう。丁寧語で話す際の注意点として、丁寧さを意識するあまり日本語の使い方を間違えると、面接官にマイナスの印象を持たれる可能性があります。

例えば、「よろしかったでしょうか」は誤った日本語であり、「よろしいでしょうか」が正しい使い方です。自分の言葉遣いに自信がない方は、尊敬語や丁寧語、謙譲語の使い方を確認しておきましょう。以下の表では、面接でよく使われる言葉を種類ごとに分けました。

実際のシーンで見る言葉遣い2選

1. 言うーおっしゃるー申し上げる

おっしゃる

面接官: 「弊社では、社員一人ひとりが成長できる環境を提供することを大切にしています。」
応募者: 「なるほど、おっしゃる通り、社員の成長を支援する環境は非常に重要だと思います。だから、ー」

申し上げる

応募者: 「ーーこれまでの経験を活かし、貴社でさらに成長できるよう努力してまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。」

2. 聞くーお聞きになるーうかがう
お聞きになる

応募者: 「体育会の部長がプロジェクトの進捗を聞きになりましたで、ーー」

うかがう

応募者: 「貴社の新規事業の展開についてもう少し詳しくうかがいたいのですが、具体的にどのような市場をターゲットにしているのか教えていただけますでしょうか?」

丁寧語、尊敬語、謙譲語のリスト

言葉 丁寧語 尊敬語 謙譲語
言う 言います おっしゃる
言われる
申し上げる
申す
思う 思います 思われる
お思いになる
存じる
考える 考えます 考えられる
お考えになる
拝察する
行く 行きます 来られる
いらっしゃる
おいでになる
お越しになる
参る
伺う
来る 来ます 見える
いらっしゃる
おいでになる
お越しになる
参る
訪問する 訪問します 訪問される(なさる)
訪ねられる
ご訪問する
伺う
お訪ねする
見る 見ます ご覧になる
見られる
拝見する
聞く 聞きます お聞きになる
聞かれる
お聞きする
うかがう
拝聴する
読む 読みます お読みになる
読まれる
拝読する
知る 知ります ご存知
知られる
存じる
存じ上げる
会う 会います 会われる
お会いになる
お目にかかる
お会いする
分かる 分かります ご理解いただく
お分かりになる
かしこまる
承知する

面接前に覚えておくべき言葉遣い【話し方編】

【面接前に覚えておくべき言葉遣い『話し方編』】枕詞も意識しよう

ビジネスシーンで話し始めに使う枕詞(まくらことば)は「クッション言葉」とも言われますが、これも就活用に意識しておきたいポイントです。

相手に質問する時や謝る時の枕詞として、「すみません」と言ってから話し始める人もいるでしょう。誤りではありませんが、質問する際は「お聞きしたいことがあります」「1点お伺いしたいのですが」などの表現を使いましょう。

また、謝る際は「申し訳ありません」などが正しい言葉遣いです。面接での質疑応答や、担当者とメールのやりとりをする際にも活かせるため、以下にまとめたクッションを身につけておきましょう。

【言葉の例】

【クッション言葉】

  • 恐れ入りますが
  • お手数をおかけしますが
  • 申し訳ございませんが
  • 差し支えなければ
  • 早速ですが
  • よろしければ など

【謝る・断る時の言葉】

  • せっかくのお話しですが
  • 誠に不本意ではございますが
  • 私事で大変恐れ入りますが など

【面接前に覚えておくべき言葉遣い『話し方編』】話す時は大きな声でゆっくり

言葉遣いには、使う言葉だけでなく話し方も含まれています。特に新卒採用では基本的に学生のポテンシャルが見られているため、明るさや元気の良さを話し方でアピールすることを意識してください。

大きな声でゆっくりと話すことを心がければ、面接官にあなたの魅力が伝わります。話すスピードの目安は、1分間に350文字ほど。事前に自己紹介を350程度にまとめて練習しておけば、質疑応答の際にも同じペースで話せるでしょう。

【面接前に覚えておくべき言葉遣い『話し方編』】挨拶から気を配る

言葉遣いを治すことは大事ですが、それと同じくらい大事なこととして挨拶が挙げられます。挨拶は会話のスタートであり、意識することで誰でも挨拶することはできます。ライバルにより差をつけたい学生は以下の記事も参考にしてみてください。

【面接・受付での話し方】好印象を与える挨拶マナーと流れを簡単解説

面接の言葉遣いで気をつけたいこと

ここまでに紹介した言葉遣い以外にも、面接で気をつけておきたいことがあります。特に、口癖や不適切な返答は、面接官に悪い印象を与えてしまうかもしれません。面接に臨む前に、それぞれ確認しておきましょう。

【面接の言葉遣いに関する注意点】口癖に気を付ける

緊張のあまり頭が真っ白になり、丁寧な言葉遣いを忘れてしまうこともあるでしょう。しかし、そんな時でも注意したいのは普段の口癖です。

「えっと」「あの」「あ~」といった口癖は、聞き手が話の内容を理解するのに妨げとなってしまいます。面接官は、面接中の話し方を元に入社後の姿をイメージしているため、こうした口癖をマイナス要素として捉えるかもしれません。また、方言も人によって聞き取りにくいため、標準語で話す方が無難です。

【面接の言葉遣いに関する注意点】語尾を伸ばさない

口癖と同様に、語尾を伸ばす癖がある人も要注意です。「ありがとうございました~」など、語尾が伸びている話し方は、聞き手に幼稚な印象を与えかねません。取引先の人と話す際にも語尾を伸ばしていると、会社にとってもデメリットでしょう。

面接での質疑応答は、言い切るように話すと語尾の伸びが抑えられます。こちらも急に改善できるものではないため、面接前に練習しておきましょう。

【面接の言葉遣いに関する注意点】曖昧な伝え方をしない

「あの出会いが」「この商品が」「その時の」などの曖昧な伝え方をしては、面接官に話しの内容が正確に伝わりません。

抽象的な話し方をしていると、説明が雑な印象を与えるほか、伝えたいことが相手に理解されないでしょう。説明が長すぎて話しの本筋が見えなくなるのも良くありませんが、なるべく丁寧に伝えるよう心がけてください

【面接の言葉遣いに関する注意点】相槌や返答に不適切なフレーズ

面接官との質疑応答の中で、適切な相槌を取ればコミュニケーション能力を評価してもらえるかもしれません。しかし、面接官が話したことに対して、「なるほど」や「確かに」といった言葉を使うのは控えましょう。どちらも相槌の言葉ですが、目上の人に使うと失礼なイメージを持たれるかもしれません。

面接時に相槌の言葉を使う際は「そうですね」「おっしゃる通り」「お話の通り」などを使うようにしましょう。また、「大丈夫です」という言葉は、了承したのか断っているのかが分かりにくい曖昧な表現なので、使用を避けてください。

【面接の言葉遣いに関する注意点】若者言葉を使わない

面接は社会人としての振る舞いや言葉遣いが見られているため、若者言葉も気をつけましょう。

「~っす」「めっちゃ」「なんか」「すごい」などのフレーズは、面接の場には相応しくありません。日常会話であれば問題ありませんが、模擬面接などを通じて面接用の言葉遣いに慣れておきましょう

面接前に正しい言葉遣いをマスターし内定に近づこう!

面接では話す内容だけでなく、言葉遣いも意識しておくことが面接官に好印象を残すコツです。ここで紹介した内容を元に、キャリアセンターや友人に手伝ってもらい、面接対策を行っておきましょう。

正しい言葉遣いであなたの魅力を伝えられれば、あなたらしさが面接官にきっと届きます。