就活の面接では、話す内容や入退室、話し方などさまざまなポイントが評価されています。面接に慣れていない状態でいきなり挑んでも、成果につながる面接にすることは難しいでしょう。面接で高評価を残すためには、見られているポイントをよく理解して練習を積んでおくことが重要です。
そこで、今回は面接の練習方法について徹底的に解説します。これから面接に参加する学生はもちろん、面接がうまくいかなくて悩んでいる学生もぜひ参考にしてみてくださいね。
面接を成功させるために練習が必要な理由
そもそも、面接を成功させるためには練習を必ずしなくてはいけないのでしょうか。まずは、面接の練習が必要な理由について見ていきましょう。
【面接練習の必要性】面接の話し方にはコツが必要だから
「面接で話すのは自分のことだから、練習しなくても答えられる」と思っていても、当日は緊張で言いたいことを忘れてパニックになってしまうことがあります。また、話がまとまらずに言いたいことが強調できないなど、話す練習をしないと面接で失敗しやすくなってしまうかもしれません。
自分の魅力を伝えるための話し方にはコツがいるので、面接は必ず練習をしましょう。しっかりと練習しておけば、角度を変えた質問が来ても一貫性のある受け答えができるようになり、好印象が残せやすくなります。
【面接練習の必要性】本番で緊張しにくくなるから
何度も面接の疑似体験をすることで脳が面接に慣れ、本番で緊張しにくくなることも練習をしておくべき理由です。入退室や受け答えが体に染み込めば心に余裕が生まれて、緊張せずにより自分らしい受け答えができるようになります。
【面接練習の必要性】話し方や所作の確認ができるから
話し方や所作について見直せる点も、面接を練習したほうがいい理由として挙げられます。どれほど意識していても、人間は緊張すると早口になってしまったり所作が慌ただしくなったりします。こういった落ち着きのない対応は、残念ながら面接のときにマイナス評価になってしまうため注意が必要です
話し方や所作は第三者から見てもらわないと気づけないため、キャリアセンターのスタッフや友達に見てもらって改善する必要があります。
練習で押さえておきたい面接の流れ
ここからは、より実践的な面接の練習法を見ていきましょう。まずは、面接の大まかな流れとそれぞれのポイントを簡単に説明していきます。
詳しい流れはこちらで解説しているので、あわせてチェックしておきましょう!
【面接練習の流れ1】受付
面接は、受付の時点でスタートしています。面接時間の10分前には会場に到着し、受付を済ませておくようにしましょう。
受付では、大学名と氏名、要件と訪問先についてしっかりと伝えます。控室に通されたらスマホは触らず、企業研究や提出したエントリーシートの控えを見返して静かに待ちます。
【面接練習の流れ2】入室
面接の順番が来たら、面接会場となる部屋に入室しましょう。名前を呼ばれたら大きく返事し、ドアをゆっくりと3回ノックして「失礼いたします」と言ってから部屋に入り、ドアを閉めて一礼します。
入室後は用意された椅子に向かい、「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。〇〇大学の◯◯と申します。よろしくお願いいたします。」と言い、微笑んで軽くお辞儀をしましょう。「どうぞ」と声をかけられたら、「失礼いたします」と一言いってからゆっくり腰掛け、カバンを椅子の横に置きます。
【面接練習の流れ3】面接
面接が始まったら、あとは笑顔でハキハキと受け答えをしていきましょう。緊張するとうつむきがちになったり姿勢が悪くなったりしやすいので、姿勢を正して明るい表情を意識しましょう。
面接は決してマナー教室ではないので、あまり神経質にならず、自分らしい受け答えをすれば問題ありません。
【面接練習の流れ4】退室
すべての質問が終わったら、座ったまま「本日はお忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございました」とお礼を言い、一度お辞儀をしてから立ち上がります。
立ち上がったあとは「失礼いたします」と言ってから再度お辞儀をして、ドアに向かってください。最後に面接官に向かってお辞儀し、ゆっくりとドアを開けて退室しましょう。
効果的な面接の練習3ステップ
ここからは、面接の練習を行うときのステップを具体的に紹介します。
【面接練習のステップ1】想定される質問に対する答えを用意する
まずは、想定される質問に対する答えを用意することから始めましょう。学生の第一印象や所作も面接では重要視されますが、メインの評価対象となるのはやはり受け答えです。どのようなことを聞かれても魅力が伝わる回答ができるように、あらかじめアピールポイントを洗い出しておいてください。
ポイントは、面接官の質問意図を踏まえたうえで回答を用意することです。緊張のあまり的はずれな回答にならないよう、具体的かつ簡潔な内容を意識しましょう。
定番な質問であれば、
- 自己紹介
- 学生時代に力を入れて頑張ったことは?
- 志望動機
- あなたの強み
たまにある質問であれば、
- あなたを色で例えると?
- あなたは周りからどう思われている?
- 最近気になったニュースは?
面接でよくある質問については、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
【面接練習のステップ2】用意した答えを書き出す
質問に対する回答がある程度イメージできたら、用意した回答を紙に書き出してみましょう。単に答えをイメージするだけでは伝えたいことが曖昧なままになってしまい、実際に話すとき言葉に詰まってしまうためです。
箇条書きでもいいため、ノートに質問への回答を書き出してとくに強調したいことを整理してください。その後、「Point(結論)→理由(Reason)→具体例(Example)→Point(結論)」の順番で文章を作るPREP法でまとめて、簡潔で伝わりやすい構成にしておきます。
【結論】私が貴社を志望した理由は、貴社の企業理念である「お客様とともに成長する」に強く共感したからです。
【理由】貴社は業界トップでありながら、お客様のニーズを的確に把握し、常に高品質なサービスを提供しています。この姿勢は、私がアルバイトを通じて学んだ「お客様のニーズを先取りして満たす」という信念と一致しています。
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【結論】貴社でアルバイト経験で培った提案力を活かし、一人ひとりに合った提案ができる営業マンとして貢献したいと考えています。
【面接練習のステップ3】実際に面接をシミュレーションしてみる
受け答えの内容がしっかりと用意できたら、入室から退室まで通して練習してみましょう。実際に動いて声に出して練習することで、課題や改善点が見えてきます。
面接の練習を通しで行うときは、以下のポイントに気をつけてみてください。
- 所作は丁寧か
- 回答の長さは長すぎず短すぎないか
- 声の大きさは聞き取りやすいか
- 話すスピードはちょうどいいか
- 姿勢を正して笑顔で明るく受け答えができるか など
実際に友人やキャリアアドバイザーに見てもらい、気になるところがあれば指摘してもらいましょう。
面接のシミュレーション方法は4パターン
面接の練習は、4つの方法で行うことが可能です。ここでは、それぞれの練習方法の特長について紹介します。
【面接の練習方法1】一人で練習する
もっとも手軽なのは、一人で練習する方法です。全身と顔が映るようにスマホを設置し、録画した映像を確認する練習方法になります。最近は、質問を読み上げてくれる面接練習用のアプリもリリースされています。人によってはweb面接を意識して、zoom形式でシミュレーションする学生もいます。
面接で話す内容の最終確認や、話すスピードの確認に向いています。この練習では上記のチェックポイントを参考にして、表情や目線、姿勢や話し方、回答の簡潔さや時間を見直してみましょう。
もし、この練習で回答の内容が不十分だと思ったら、自己分析をやり直してより魅力が伝わる回答に磨き上げることが大切です。キミスカでは面接前の自己分析に最適な適性検査ができるので、お気軽に活用してみてください。
【面接の練習方法2】大学のキャリアセンターで練習する
予約をする必要がありますが、大学のキャリアセンターでも面接の練習ができます。就活のプロであるキャリアアドバイザーが、本番さながらの流れで面接の練習を進めてくれるため、より実践的な練習をしたい学生におすすめです。
キャリアセンターで練習する最大の利点は、卒業生のデータを蓄積しているため、企業目線でのフィードバックがもらえる点です。ある程度、自分で練習してから臨むと、より面接の内容をブラッシュアップできるでしょう。
【面接の練習方法3】友達と一緒に練習する
「キャリアセンターまで足を運ぶのは気が引ける」というときは、友達と一緒に練習してもいいでしょう。友達を面接官に見立てて、実際の面接の流れで一通り受け答えを練習してみてください。
ただし、友達と練習するときは緊張感が薄れやすいというデメリットがあります。本当の面接のように緊張感を持って練習しないと効果が薄れるので、注意しましょう。
【面接の練習方法4】OB・OG訪問で練習する
志望する企業が決まっている場合は、OB・OG訪問をして面接の練習をしてみてもいいでしょう。知っている先輩がいなくても、キャリアセンターで紹介してもらえることがあるので、まずは気軽に相談してみましょう。
企業が求める人物像や社風を知っている先輩から直接アドバイスがもらえるため、志望企業の面接対策には非常に有効です。
面接の練習をするときのNGポイント
最後に、面接の練習をするときの注意点について解説します。
【面接練習のNG】誰でも話せる抽象的な回答をしてしまう
面接では、できるだけ具体的で簡潔な回答を心がけてください。面接では学生の「優秀さ」ではなく「個性」が見られるため、誰でも言えることではなく、あなたにしか言えない回答が求められます。そのため、具体的な実体験や客観的数値に基づいた実績とともにアピールすることが大切なのです。
ただし、実績をアピールしたいからといってだらだらと話すのはよくありません。練習するときは、簡潔でありながら具体性のある回答になっているかしっかりと確認しておきましょう。
【面接練習のNG】用意した回答を丸暗記して、そのまま話す
面接の練習をするときは、書き出した回答を丸暗記しないようにしてください。丸暗記した内容をなぞるように話すと不自然な話し方になりますし、本番で内容を忘れてパニックになってしまう可能性があるためです。
用意した回答はあくまで話す内容や流れを整理するためのものだと考え、自分の言葉で話す練習をしていきましょう。
【面接練習のNG】緊張感を持たず、雑に練習する
面接の練習をする際、「本番じゃないから」と気を抜くことはやめましょう。本番に近い気持ちで挑まないと、せっかくの練習が意味を持たなくなってしまいます。
とくに友達と練習するときは気が緩みやすいので、緊張感を持って練習するようにしてくださいね。また、しっかりと厳しいフィードバックをすることで、お互いを高めあいましょう。
面接の練習は内定獲得のために欠かせない!
面接で内定を勝ち取るためには、繰り返し練習して好印象が残せる回答や立ち居振る舞いをすることが非常に重要です。いきなり面接に挑んでも、スムーズな受け答えや所作はできません。ぜひアプリやキャリアセンター、知人などを活用して、面接の練習をしてから本番に挑んでくださいね。
面接の際は、簡潔で具体的な回答をすることが非常に大切です。あなたにしかできない回答をしっかりと用意し、魅力が伝わる面接にしていきましょう。