これから就活や面接に挑む学生のみなさんは、面接でどのようなことを聞かれるのかについて知っていますか?実は、採用担当者が知りたいことはどこの企業も同じなので、面接にはある程度決まった質問が存在しています。
“よくある質問”を知っておくことで好印象な回答を用意できますし、緊張が和らいであなたらしい受け答えができるようになるでしょう。ここでは、面接でよく聞かれる質問例と回答のコツを紹介します。
面接で聞かれることの流れ
面接で聞かれる質問に決まりがあるように、面接で聞かれることの順番には決まった流れがあります。面接が進行する流れを掴んでおくと心の準備がしやすいので、簡単な流れを覚えておきましょう。
- 自己紹介や自己PR
- 志望動機
- 経験やスキルについて
- 今後の目標
- 企業独自の質問
- 逆質問
受付や入室など、面接の基本的な流れについて詳しく知りたい学生は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
面接で聞かれることと回答のポイント
それではさっそく、面接で聞かれることとその回答ポイントについて詳しく紹介します。
【面接で聞かれること1】自己紹介
最初に面接で聞かれることは、自己紹介についてです。自己紹介は第一印象を左右する大切な質問で、人柄や話のきっかけを見出すために行われます。必ず質問されるので、しっかりと事前準備をしておきましょう。企業のよって時間指定がある場合もありますが、基本的には1分を目安に自己紹介を話せるようにしましょう。
自己紹介には、以下のような内容を盛り込みます。
- 大学名や学部、氏名基本情報
- 専攻についての簡単な説明
- 趣味や力を入れている活動
- 面接への意気込み
上記のような流れで作成し、1分程度の内容にできるようにまとめておきましょう。
Q. 簡単に自己紹介をお願いします。
Q. 経歴や実績を交えて自己紹介をしてください。
本日はお時間をいただきありがとうございます。〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します。私は3年間カフェでアルバイトをしてきました。
特に忙しい時間帯には、迅速にサービスを提供することが求められます。ですが、常にお客様の立場に立って考えることを大切にし、その結果、多くの常連のお客様にご愛顧いただけるようになりました。この経験を通じて、接客スキルはもちろん、チームでの協力やお客様のニーズを察して対応する力を培いました。
これからはこの経験を活かして、貴社でお客様やチームのために貢献できるよう努力していきたいと考えております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
話すべきことや例文についての詳細はこちらの記事で紹介しているので、あわせてチェックしてみてくださいね。
【面接で聞かれること2】自己PR
自己PRは、学生の強みや企業の業務とのマッチ度合いを知るために行われる質問です。企業は就活生の実績や現時点でのスキルではなく、業務への取り組み方や今後活躍してくれるかどうかのポテンシャルを見極めたいので、「優秀な能力」をアピールしなくても問題ありません。
自己PRでは単に実績や能力をアピールするのではなく、企業が求める人物に合ったアピールをすることが大切です。チャレンジ精神が旺盛なベンチャー企業なら行動力や提案力、金融系の企業なら真面目さなど、企業や職種で求める学生の人物像は異なります。まずは企業をしっかりと研究し、どのようなアピールをしたらいいかについて考えてみましょう。
Q. これまでのご経験を交えながら、自己PRをしてください。
Q. あなたは弊社に対し、どのように貢献できますか?
私の強みはリーダーシップです。
「私は大学のサークル活動で、イベント企画のリーダーを務めた経験があります。メンバーの意見を尊重し、役割分担やスケジュール管理を徹底することで、チーム全員が協力し合い、イベントを成功に導くことができました。
この経験から、リーダーシップとはメンバーの力を引き出し、全員で目標を達成するための環境作りだと学びました。貴社でもこの経験を活かし、チームの成功に貢献したいと考えています。
自己PRの作り方や例文の詳細は、こちらを参考にしてみてくださいね。
【面接で聞かれること3】志望動機
面接の際に企業がもっとも知りたいのは、学生の意欲です。企業は、志望動機を通して「採用したら入社してくれる意欲はあるのか?」「入社後、一生懸命仕事をしてくれそうか?」といった情報を読み取りたいと思っているため、志望動機の内容は非常に大切です。
企業研究を通してわかった情報を軸に、実体験や自分の人生観と融合させながら志望動機を作ると、あなただけの志望動機が作成できます。当たり障りない、誰にでも書けるテンプレートのようなものは落とされてしまうため、パーソナルな内容を盛り込んでしっかりと作り込むようにしてください。
Q. 弊社を志望された理由は何ですか?
私は貴社の切磋琢磨しあう社風に惹かれ、入社を志望いたしました。
貴社のインターンシップに参加した際に、役職や年齢に関係なく意見を言い合う姿勢やよりよいものを作るために徹底的に分析し意見を出し合う姿に強く心を惹かれました。
私は大学でもアカペラサークルに所属しており、常にチームを意識し共にベストパフォーマンスをしていくことに喜びや達成感を感じておりました。
そのため、貴社のチームワークの強さや意見を言い合う環境に魅力を感じ、私もこのような場で刺激を受け、どんどんと成長していきたいと考えております。
志望動機の書き方や例文の詳細については、こちらの記事を参考にしましょう。
【面接で聞かれること4】学生時代に力を入れた活動
通称ガクチカと呼ばれている質問です。ガクチカでは、学生の人柄や物事に対する取り組み方を見たいと思われています。基本的にはどのような題材でも問題ありませんが、なかには「学業で」「課外活動で」など条件がある場合もあるので、複数パターン用意しておくと安心です。
ガクチカについて話すときは、力を入れた動機とどのように頑張ったのか、そこから何を学び、入社後どのように活かせるのかについて簡潔にまとめるようにしましょう。
Q. 学生時代に力を入れて頑張ったことは何ですか?
Q. 大学生活で何か達成したことはありますか?
私が学生時代に力を入れたことは、大学のバレーボール部での活動です。私はセッターとしてチームの司令塔になり、メンバーと協力しながら県大会優勝を成し遂げました。
大学3年生の夏の大会で5勝し、県大会優勝という目標を掲げていましたが、その前の大会まで、優勝どころか2回戦敗退という結果がしばらく続いていました。私は、その原因は目標に対しての明確なプロセス不足であると考えました。
そこでまず、自分やメンバーが抱えている課題感を全員で共有することで課題感の共通認識を取りました。そこから、自分のチームと対戦するであろうチームの特徴を分析しました。次に、目標までの道筋にマイルストーンを置いて筋道を明確にしていき、それに対して日々の練習メニューを組みなおしました。
その結果、練習試合などを通して徐々にチームに力がついてきていることを確認しながら、適宜練習メニューの修正を繰り返し、5戦中3ゲームをストレートで勝ち進み、無事県大会で優勝することができました。この経験を通し、目標を達成するためには、分析と計画性が重要であることを学びました。
ガクチカの書き方や例文の詳細については、こちらをご覧ください。
【面接で聞かれること5】長所や短所
この質問は、学生生活を通して身につけた長所とともに短所を知って、入社後に活躍できるか、業務に支障がないかをイメージすることが目的で行われます。単に長所を伝えるのではなく、その長所が活きた経験と入社後に活躍できる場面を伝えることが重要です。
反対に短所を伝えるときは、短所を補うために行っている工夫を伝えられると好印象です。「短所はありません」という回答は自分を客観視できていないと思われてしまうため、可能であれば使用しないほうがいいでしょう。
Q. あなたの長所/短所は?
Q.あなたが 周りよりも優れている特徴は?(長所)
Q. なにか直したいあなたのクセはありますか?(短所)
私の強みは、好奇心旺盛なところです。新しいことに対して積極的に興味を持ち、常に学び続ける姿勢を大切にしています。例えば、テレビで世界遺産特集の番組を見て感動したことをきっかけに、海外旅行へ行ったり、世界遺産検定1級を取得したりしました。
一方で、私の短所は、せっかちなところです。物事を早く進めたいと思うあまり、時には周囲とのペースが合わないことがあります。その結果、焦って判断してしまうこともありました。しかし、最近ではこの短所を改善するために、タスクを進める際には一旦立ち止まり、全体の状況を確認する習慣をつけています。
好印象な短所の伝え方については、こちらの記事を参考にしてください。
【面接で聞かれること6】大学で学んでいること
この質問をする意図は、決して専攻を知りたいからではありません。学生が学問を通して「どのようなことに興味を持つ人物なのか」「どのような影響を受けたのか」「取り組む姿勢はどうなのか」について知ることが目的で行われる質問です。
ポイントとしては、専攻について誰にでもわかるような言葉で説明することです。難しい専攻をわかりやすく説明できると、論理的な思考を持った学生だということを印象付けられます。また、専攻に対する自分の考えや取り組むことで身につけたスキルを説明すると、高評価が得られやすくなるでしょう。
Q. あなたの専攻は何ですか?また、その専攻を選んだ理由は何ですか?
Q.大学で学んだことで、特に印象に残っていることや、役立ったことは何ですか?
Q. あなたの学びが、今後のキャリアにどのように役立つと思いますか?
私は幼少期より本が好きだったので、大学では日本文学を学んでいます。ゼミでは〇〇の著書について研究し、討論会にも出場しました。
討論会に出場したとき、メンバーと意見が割れて対立してしまったこともありましたが、根気強くそれぞれの意見を聞き解決するまで話し合うことでいい討論ができ、準優勝を勝ち取りました。
日本文学の専攻を通して、言葉に隠された本当の意味を考える力や物事に対して根気強く向き合う力を身につけました。貴社ではこの経験を活かし、お客様にとことん向き合って隠されたニーズを引き出せる営業をしていきます。
【面接で聞かれること7】今後の目標
面接では、入社後の目標について聞かれることが多いです。短期的な目標に加え、長期的な目標の2本立てで用意しておくといいでしょう。ポイントは、その企業に入社することで実現できる目標を設定することです。
また目標だけではなく、達成に至るプロセスを具体的に話すことで、志望度や計画性がアピールできます。
Q. あなたのキャリアにおける目標はなんですか?
Q.今後挑戦したい業務は何ですか?
Q. 入社してから10年後、あなたは何をしていると思いますか?
私の目標は、お客様からも従業員からも愛される店舗を作り上げることです。
以前、貴社の店舗に訪問したとき、そのサービスの質の高さと従業員の楽しそうな接客対応が非常に印象的で、自分もそんな店舗を持てるようになりたいと思うようになりました。
貴社に入社後は、接客だけではなく店舗経営の基礎についてもしっかり学び、貴社で顧客満足度も従業員満足度もNo.1の店舗を持つ店長になりたいです。
【面接で聞かれること8】他社の選考状況
他社の選考状況に関する質問では、学生が選考を受けている企業の傾向を知って、どのような価値観を持っているのかについて知りたいと思われています。企業選びの軸に一貫性がある場合は正直に言っても問題ありませんが、さまざまな企業を受けている場合は、面接企業と似た企業の選考状況について説明するだけでも構いません。
また、内定辞退のリスクについて知るために聞かれることもあります。この場合も嘘を付く必要はありませんが、正直に志望度が低いと言う必要もないです。この質問に対しては、情報を選んで伝えるといいでしょう。
Q. 言える範囲で構いませんので、他社の選考状況を教えてください。
経営者の知見を身近で学びたいと思い、経営者と従業員の距離が近い企業をメインに見ています。特に、将来IT系の会社を立ち上げたいので、ITベンチャーを中心に応募しています。
【面接で聞かれること9】挫折、失敗経験
実は成功体験だけでなく、挫折、失敗体験も面接ではよく聞かれます。どれくらい大変な事に挑戦してきたのか、そしてそれを乗り越える際に現れる課題解決力、行動力、ストレス耐性を同時に確認しています。そのため、単に「つらかった、、、」と当時の気持ちを吐露するだけでは不十分です。
面接官に好印象を与えるためには、挫折の裏にある苦悩だけでなく、それを乗り越えるための考えられた行動、そしてそこからの学びをストーリーとして伝える必要があります。
Q. あなたの挫折経験はなんですか?
Q.あなたが困難にぶつかった経験と、それをどう乗り越えたかについて教えてください。
私の挫折経験は、大学の国際交流プログラムに参加した際のことです。私は異文化理解を深めたくて、留学生との交流イベントを企画・運営しました。しかし、最初のイベントは思ったように進まず、盛り上がりに欠けました。
私たちのチームは、留学生が日本の文化に興味を持っていると思い込み、日本文化に関する話題やアクティビティばかりを用意していました。しかし、留学生たちは、自分たちの文化を紹介する機会をもっと求めていたことに気づきませんでした。結果的に、彼らが楽しめないイベントになってしまい、参加者からのフィードバックも厳しいものでした。
この経験から、私は相手のニーズを理解することの重要性を学びました。3か月後に行われた2回目ののイベントでは、留学生にアンケートを取り、彼らが興味を持つ内容を取り入れることにしました。おかげで、次のイベントでは参加者が増え、皆が楽しめる交流ができました。この挫折を通じて、異文化理解の大切さと、柔軟な姿勢でコミュニケーションを図ることの重要性を再認識しました。
【面接で聞かれること10】逆質問
最後に行われるのが、逆質問です。学生から企業に対する質問してもらうことで、就活生の疑問解消ができ、くわえて評価の一環として選考に役立ちます。
逆質問は意欲をアピールできる場なので、必ず質問しておきましょう。ここでは、OK質問例とNG質問例について記載しておきます。
- 御社で成果を出している人の共通点を教えてください。
- 入社前に身につけておくべきスキルはありますか?
- 御社の強みは〇〇だという印象を受けましたが、実際に働いていて感じる自社の強みはありますか?
- 御社の評価制度の基準を教えてください。
- 調べればわかるような質問(企業理念や実績など)
- 福利厚生に対する質問(有給取得率や手当など)
- ざっくりとした質問(職場の雰囲気など)
- 面接官にはわからない質問(現場の業務など)
他に面接でよく聞かれる質問
そのほか、企業が独自でも受けている質問をされることもあります。よくある質問の一例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 最近気になったニュースは?
- 人生や仕事で大切にしたいことは?
- 感銘を受けたことは?
- 当社の商品をどのように売りたい? など
こういった質問では、学生の思考や価値観が見られています。そのため無理に優秀な回答をすることはなく、自分らしさが伝わる回答をすることが何よりも大切です。
自己分析で人生観や仕事選びの軸を見つけられていると、どのような質問が来ても一貫した応答ができるようになるでしょう。なかには発想力を問う質問もあるので、いきなり質問されても困らないように心の準備をしておいてくださいね。
面接で聞かれることにしっかりと答えるためには…
ここまで記事を読んでくださった学生の皆さんは、面接で頻出する質問について理解できたと思います。では、こういった質問が面接で飛んできた際、自分の経験、魅力を伝えるために必要な対策について、この章では解説します。
【面接で聞かれることへの事前対策1】自己分析
面接で聞かれる質問にしっかりと回答して好印象を残すためには、とにかく多くの質問を想定し、答える内容について準備しておくことが大切です。単に話す内容を考えるだけではなく実際に面接の練習をして、質問に対してスラスラ答えられるようにしておきましょう。
ただし、今回紹介した意外にも面接で聞かれることは無数に存在しています。想定していなかった質問にも答えられるようにするためには、自己分析をして自分の強みや価値観を明確にすることが重要です。
面接対策のために自己分析をするなら、キミスカの適性検査がおすすめです。ぜひ一度、当たると評判の適性検査を受けてみてくださいね!
【面接で聞かれることへの事前対策2】企業・業界分析
その企業がどのような取り組みをしているのか、どのような人材を求めているのか、近年における業界全体の動向はどうか、など調べるべき項目は数多です。事前に分析を行い、面接に反映させましょう。
企業・業界分析の方法はいくつか存在します。この記事を読んでいるように、インターネットから情報を集めることは容易です。他にも、書籍やニュース番組は専門的な情報を獲得することに便利です。また、OB・OG訪問やインターンシップへの参加は社員さんと直接会える機会であるため、社風など、言語化しにくいものまで知ることができます。
【面接で聞かれることへの事前対策3】原稿をそのまま読んでいるように話さない
面接でしっかりと対応できるよう、事前に対策をきちんとすることは大事です。しかし、原稿をそのまま音読しているようになっていはいけません。これは、対策を前々から行っているしっかり者の学生に多い過ちです。原稿を暗記することは構いませんが、それを丸々読むのではなく、あくまでも会話であることを意識して自然な話し方を心掛けましょう。
面接で聞かれることをマスターして魅力が伝わる選考にしよう!
採用担当者が聞きたいと思っていることはある程度決まっているので、どこの企業も面接では同じような質問を行います。あらかじめ質問内容を知って話すことをイメージできていれば、よりあなたの魅力が伝わる面接にすることができるでしょう。
面接で聞かれることに答えるときは、自分をよく見せようと嘘をつく必要はありません。自分らしい回答であなたを知ってもらい、より人柄や強みにマッチした企業への入社を目指していきましょう!