人はコミュニケーションを通じて、表情を含む視覚情報からの影響を強く受けます。そのため、面接を受ける学生は自己PRや志望動機の内容だけでなく、話している時の表情も意識することで好印象を残せます。
ただ面接でどのような表情をすれば好印象を残せるのか、いまいちピンと来ない就活生もいるでしょう。
そこで今回は面接における話す内容別のおすすめの表情を解説。また、さまざまな表情の中でも特に重要な「笑顔」について、自然な笑顔の作り方やトレーニング方法も紹介します。
面接中の表情は使い分けが重要!
面接では、話す内容やシーンに応じてさまざまな表情を使い分けることが大切です。
心理学者のアルバート・メラビアン氏によって提唱された「メラビアンの法則」によると、人がコミュニケーションを図る際に与える影響度は、情報別に以下の通りになると言われています。
- 言語情報が与える影響度:7%
- 聴覚情報が与える影響度:38%
- 視覚情報が与える影響度:55%
このように「表情」を含めた視覚情報の影響度は、55%にも上るのです。これは表情の面接官に与える影響がいかに大きいかを示しているといえるでしょう。
なお、表情のなかでも「笑顔」は面接官に面接官に好印象を与えるために重要な表情です。自然な笑顔は「明るい人」というプラス評価に繋がりますので、笑顔を意識して面接に臨みましょう。
【話す内容別】好印象を残す面接での表情
ここでは、話す内容別に面接で好印象を残す表情を紹介します。もちろん、その場の雰囲気やシーンにもよりますが、好印象を残すための参考として押さえておきましょう。
【アイスブレイク】表情は「にこやかに」
アイスブレイク中は面接官も就活生の緊張をほぐそうと、にこやかな表情をすることが多いです。そのため、就活生も「にこやかな表情」で返すと良いでしょう。
面接だからといって強張った表情をしていると、面接官としては「まだ緊張しているな。しっかり話したいことを話せるだろうか」と不安に思うかもしれません。
たとえ緊張していたとしても、にこやかな表情をすることで、徐々に緊張が和らぐことがあります。その意味でもアイスブレイク中はにこやかな表情を心掛けましょう。
【自己PR・志望動機】表情は「真顔」
自己PRや志望動機を伝える際は、基本的にはキリッとした「真顔」で臨みましょう。
もちろん話す内容にはよりますが、変に笑顔を出してしまうことで、自己PR・志望動機が軽く伝わってしまう恐れがあるからです。
笑顔を出すとしても、控えめにすることをおすすめします。
【長所】表情は「自信のある顔つき」
長所を話す際は「自信のある顔つき」を心掛けましょう。せっかく自分の魅力をアピールできる長所も、自身のない顔つきだと話す内容に説得力を持たせられません。
ただ、学生の中には「自信のある顔つきが難しい」と思う方もいるでしょう。大切なのは、実際に自信のある顔つきができるかどうかではなく、「自信があると思う」ことです。それが態度や顔つき・表情にも自然と反映されます。
自信のある顔つきがよくわからないという人も、「自信があるんだ」と思い込んで面接に臨んでみてください。
【短所】表情は「引き締める」
長所と異なり、短所を話すときは「引き締めた表情」にしましょう。
笑顔は好印象を与えられる表情ですが、短所では控えた方が無難です。笑顔で短所を話してしまうと、面接官に自分の短所を浅く捉えている印象を与えかねません。
短所を話す際は、自身の短所に向き合っていることを伝えるため、引き締めた表情で伝えることが重要です。
【趣味】表情は「笑顔」
基本的に趣味の話をするときは、自分がワクワクしている雰囲気を伝えるために、内容と合わせて明るい「笑顔」でいましょう。
ただし、笑顔といっても「ギャハギャハ」と友だちと爆笑するような笑顔ではなく、あくまで品があり自然な笑顔を心掛けることが大切です。
【逆質問】表情は「明るく前向きに」
逆質問では「もし御社に受かったら、入社までに何をすべきですか?」など、前向きな質問をすることが多いでしょう。この場合は、明るく前向きな表情を意識することが肝心です。
ワクワクした表情や真剣な表情など、質問内容に合わせて適切な表情で尋ねることを意識してください。
面接での表情は笑顔が大切!自然な笑顔を作るためのポイント
面接において笑顔を効果的に使うことは、面接官にプラスの印象を与えるために非常に重要です。自然な笑顔を作るには以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 口角を上げる
- 頬を軽く上げて、目尻を下げる
- 上の歯を見せる
上記3つのポイントを意識すれば、自然な笑顔を作ることができます。
あらかじめ鏡を見ながらどの程度口角を上げればいいのか、目尻はどれくらい下げれば自然なのかなどを確認し、面接本番でも自然な笑顔を作れるようにしましょう。
自然な笑顔を作るための簡単表情トレーニング
面接において笑顔は重要ですが、笑顔を作ることが苦手な人もいるでしょう。面接で自然な笑顔をするためには、以下にまとめたトレーニングが効果的です。
割り箸トレーニング | 口角を上げるトレーニング。割り箸を横にして歯でくわえ、口角を上げた状態をキープする |
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「ウ・イ」繰り返しトレーニング | 「ウ」と「イ」を交互に発するトレーニング。「イ」を発するときはイの口の形のまま笑顔を作るようにする |
「あはっ」トレーニング | 「あはっ」と発するトレーニング。力を抜いて優しく「あはっ」と言うことで、自然な笑顔を作れる |
これらのトレーニングは、いずれもスキマ時間で行えます。自宅にいる時や模擬面接を行う前などにトレーニングを行い、自然な笑顔への第一歩を踏み出しましょう。
【笑顔が苦手な人はどうすれば良い?】面接での「笑顔」対処法
自然な笑顔を作るポイントやトレーニングをすれば、誰でも一定の効果はあります。ただ、それでも笑顔に苦手意識を持ってしまう人もいるでしょう。
どうしてもうまく笑顔を作れないという人は、面接ではできる限り笑顔は意識するものの、笑顔にばかり気を取られないようにしましょう。笑顔を作ること自体がプレッシャーになり、肝心の話しに身が入りづらくなるからです。
また、笑顔よりも話す内容に注力することによって、自信のある表情が作れるようになるかもしれません。ただそうは言っても笑顔は重要なので、トレーニングをしつつ、なるべく魅力的な笑顔が出る努力は続けるようにしましょう。
面接では表情を使い分けて、好印象を残そう!
面接においては話す内容別に表情を使い分けることが重要。話す内容に応じて、笑顔や真顔、引き締まった表情などを使い分け、面接官に好印象を残せるようにしましょう。
またとくに表情のなかでも重要なのが「笑顔」です。自然な笑顔は面接官に「明るい」「前向き」など良いイメージを残すことができます。
笑顔が苦手な人は今からでも、自然な笑顔を作れるようにスキマ時間にトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。