【完全版】面接辞退の電話マニュアル!緊張しない方法や角が立たない伝え方も紹介

第一志望の企業から内定が出た、よく考えてみたら社風が合わない気がする…。様々な理由で、一度は受けようと決めた企業の面接を、辞退しなければならない状況は誰にでも起こり得ます。しかし、「電話で断るなんて、すごく緊張する」「失礼なことを言って、悪い印象を与えたらどうしよう…」と、電話をかけることに大きな不安を感じていませんか?

この記事は、そんなあなたのための「完全マニュアル」です。そのまま使えるトークスクリプトから、辞退理由のスマートな伝え方まで、これを読めばもう面接辞退の電話は怖くありません。

まず確認!面接辞退は電話?メール?連絡手段の判断基準

面接辞退の連絡をする際、まず迷うのが「電話とメール、どちらですべきか」という点でしょう。これは面接日までの日数によって判断するのが正解です。

企業の採用担当者は、多くの学生のスケジュールを管理しています。あなたの辞退が、他の学生のチャンスに繋がる可能性もあるのです。迅速かつ確実な連絡を心がけましょう。

面接の前日・当日の辞退は「電話」が必須

面接日が明日、あるいは今日に迫っている場合は、必ず電話で連絡しましょう。メールでは、採用担当者がリアルタイムで確認できるとは限りません。

あなたが連絡したつもりでも、相手が見ていなければ「無断キャンセル」と同じになってしまいます。直前の連絡は、相手に多大な迷惑をかける可能性があるため、確実かつ迅速に伝わる電話での連絡が社会人としての最低限のマナーです。

2営業日以上の余裕があるならメールでも可

面接日まで2営業日以上の余裕がある場合は、メールでの連絡でも問題ありません。メールは、相手の都合の良い時に確認してもらえ、辞退したという記録が文章として残るメリットがあります。

ただし、メールを送った後、前日になっても返信がない場合は、念のため電話で確認の連絡を入れるとより丁寧です。

【これで安心】面接辞退の電話をかける前の準備3ステップ

電話をかける前の少しの準備が、あなたの心の余裕に繋がります。緊張して頭が真っ白になってしまわないように、この3つの準備を必ず行ってから電話をかけ始めましょう。

1. 企業の連絡先と採用担当者名を確認する

まずは、電話をかける企業の電話番号、そして採用担当者の部署名と氏名を正確に確認しましょう。これまでのメールのやり取りなどに、必ず記載があるはずです。

担当者の名前を間違えるのは大変失礼にあたります。手元のメモに大きく書き出しておくと安心です。

2. 手元にスケジュール帳とメモを用意する

電話をかける際は、自分のスケジュールが分かる手帳やカレンダーを手元に用意しておきましょう。面接の日時を正確に伝えるために必要です。

また、話すべき内容をまとめたメモ帳とペンも準備しておくと、伝え忘れを防ぐことができます。緊張してもしっかり話せるよう、お守り代わりにもなります。

3. 静かで電波の良い場所を確保する

企業の担当者と話すのですから、周囲が騒がしい場所や、電波が悪くて途中で切れてしまうような場所は絶対に避けましょう。自宅の静かな部屋や、大学のキャリアセンターなど、会話に集中できる環境を確保してください。

相手の声をしっかりと聞き取り、こちらの声もクリアに届けることが、スムーズなコミュニケーションの基本です。

【そのまま使える】面接辞退の電話マナーとトークスクリプト

ここからは、実際に電話で話す内容を、ステップバイステップのトークスクリプト形式で紹介します。

この流れに沿って話せば、失礼なく、かつ簡潔に用件を伝えることができます。何度も読んで、シミュレーションしてみてください。

ステップ1:挨拶と自己紹介

まず電話がつながったら、明るくハキハキとした声で挨拶と自己紹介をします。

「お忙しいところ恐れ入ります。私、〇〇大学〇〇学部の田中悠斗と申します。」と、大学名と氏名をはっきりと名乗りましょう。朝の始業直後や、お昼休みは避けるのがマナーです。

ステップ2:担当者への取り次ぎ依頼

次に、採用担当者の方に取り次いでもらいます。

「〇月〇日の〇時より、一次面接のお約束をいただいております件でご連絡いたしました。恐れ入りますが、採用ご担当の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか。」と、面接の日時と担当者名を伝え、取り次ぎをお願いしましょう。

ステップ3:面接辞退の旨と謝罪を簡潔に伝える

担当者に代わったら、改めて自己紹介をし、辞退の旨を簡潔に伝えます。

「お世話になっております。〇〇大学の田中悠斗です。誠に申し訳ございませんが、〇月〇日〇時からの面接を、一身上の都合により辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。」

まずはお詫びの気持ちと、辞退するという結論を先に伝えることがポイントです。

ステップ4:締めの挨拶

用件を伝え終えたら、最後にもう一度、面接の機会をくれたことへの感謝とお詫びを述べて、電話を切ります。

「この度は、貴重な選考の機会をいただき、誠にありがとうございました。ご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。それでは、失礼いたします。」と言い、相手が電話を切るのを待ってから、静かにこちらも切りましょう。

辞退理由は聞かれる?角が立たない伝え方のマナーと例文

電話で辞退を伝えた際、高確率で「差し支えなければ、辞退の理由を教えていただけますか?」と聞かれます。

これはあなたを問い詰めているのではなく、企業側が今後の採用活動の参考にするために聞いている場合がほとんどです。慌てずに、誠実な対応を心がけましょう。

辞退理由は正直に話すべき?

必ずしも正直に話す必要はありません。最も無難で、どんな状況でも使える理由は「一身上の都合により」です。これ以上深く聞かれることは、ほとんどありません。

ただし、明らかに嘘だと分かるような理由を創作するのはやめましょう。誠実な態度で言葉を濁しても構わないので、正直に言えない場合は「一身上の都合」を使うのが賢明です。

【理由別】角が立たない伝え方の例文

もし理由を答える場合は、相手企業への敬意を払いつつ、簡潔に伝えるのがマナーです。

ここでは代表的な3つのケースの伝え方を紹介します。

1. 他社の選考が進んだ場合

「大変申し上げにくいのですが、他社様から内定をいただき、熟考の末、そちらの企業とのご縁を大切にしたいと決断いたしました。そのため、誠に勝手ながら、この度の選考を辞退させていただきたく存じます。」

2. 学業との両立が困難になった場合

「誠に恐縮ですが、自身の研究活動が想定以上に多忙になり、就職活動との両立が困難になってしまいました。中途半端な気持ちで選考に臨むのは貴社に失礼だと考え、今回は辞退させていただく決断をいたしました。」

3. 理由を詳しく言いたくない場合

「検討を重ねました結果、誠に勝手ながら、今回は辞退させていただきたく存じます。」あるいは「私の適性やキャリアプランについて改めて検討した結果、大変恐縮ですが、今回は辞退させていただくことにいたしました。」

【ケース別】担当者不在など、電話でよくある状況と対処法

電話をかけた際に、想定外の事態が起こることもあります。慌てずスマートに対応できるよう、よくあるケースとその対処法を知っておきましょう。

ケース1:担当者が不在だった場合

担当者が離席中や会議中の場合は、電話に出てくれた方に「〇〇様は何時ごろお戻りになりますでしょうか?」と伺い、都合の良い時間に合わせて、こちらからかけ直すのが基本です。

伝言をお願いする場合は、「面接辞退の件でご連絡した旨を、〇〇様にお伝えいただけますでしょうか」と、要件を簡潔に伝えましょう。

ケース2:引き止められた場合

企業によっては、「ぜひ一度お会いしたい」「考え直してくれないか」と、引き止めてくれる場合もあります。その際は、まず「大変ありがたいお言葉、誠にありがとうございます」と感謝を述べましょう。

その上で、「大変申し訳ございませんが、熟考の末に決断いたしましたので、今回は辞退させていただきたく存じます」と、丁重かつきっぱりと、しかし感謝の気持ちを込めてお断りすることが大切です。

電話だけで終わらせない!辞退後のフォローメールも忘れずに【例文あり】

電話で辞退の連絡をした後、改めてメールでも連絡を入れておくと、より丁寧な印象になります。

また、辞退したという記録が文章として残るため、お互いにとって「言った・言わない」のトラブルを防ぐことにも繋がります。電話後、できるだけ早く送るようにしましょう。

件名:【面接辞退のご連絡】〇〇大学 田中悠斗

株式会社〇〇
人事部 〇〇様

お世話になっております。
〇〇大学〇〇学部の田中悠斗です。

先ほどお電話にてご連絡させていただきましたが、〇月〇日〇時よりお約束いただいておりました面接につきまして、一身上の都合により、辞退させていただきたく存じます。

この度は、貴重な選考の機会をいただきながら、このようなご連絡となりましたこと、心よりお詫び申し上げます。

末筆ではございますが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

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田中 悠斗(たなか ゆうと)
〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 4年
携帯電話:090-0000-0000
メール:yuto.tanaka@xxxx.ac.jp
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面接辞退の電話に関するよくある質問

最後に、面接辞退の電話について、多くの就活生が抱く細かな疑問についてお答えします。

ここで不安を解消し、スッキリした気持ちで次のステップに進みましょう。

Q1. 何時ごろに電話するのがベスト?

A. 企業の就業時間内にかけるのが基本です。一般的に、始業直後(9時〜10時)や終業間際(17時以降)、そしてお昼休憩(12時〜13時)は担当者が忙しい可能性が高いため、避けた方が無難です。午前中なら10時〜12時、午後なら13時〜17時の間にかけるのがおすすめです。

Q2. 留守番電話にメッセージを残しても良い?

A. 辞退という重要な要件を、留守番電話に吹き込むのは避けましょう。相手がいつ聞くか分かりませんし、一方的な連絡は失礼にあたります。担当者が不在の場合は、かけ直すのが基本マナーです。何度もかけた上でどうしても繋がらない、という最終手段の場合のみ、メッセージを残し、必ずメールでも連絡を入れましょう。

Q3. 一度辞退した企業に再応募はできる?

A. 企業の採用方針によるため、一概には言えませんが、再応募が難しいケースが多いのが実情です。だからこそ、辞退の連絡は慎重に、そして誠実に行う必要があります。丁寧な対応で辞退することで、万が一、将来的にその企業と別の形で関わることがあっても、良好な関係を保つことができます。

誠実な辞退の電話は、未来の自分への投資

面接辞退の電話は誰にとっても勇気がいる、気まずいものです。しかしこの気まずい連絡を社会人としてのマナーを守り、誠実に行う経験はあなたを社会人として一回り大きく成長させてくれます。

大切なのは選考の機会をくれた企業への感謝と、辞退することへのお詫びの気持ちを、自分の言葉でしっかりと伝えることです。このマニュアルを参考に、自信を持って受話器を手に取ってください。その誠実な対応は、必ずあなたの未来への投資になります。