エントリーシートは面接に繋げるための重要な書類ですが、いまいち書き方を理解できていない就活生も多いようです。まずは例文をもとにエントリーシートの基本を押さえ、全体像を把握してみましょう。
そこで今回は、エントリーシートの基本的な書き方を例文とともに解説します。守るべきマナーや注意点もまとめたので、エントリーシート作成の参考にしてください。
エントリーシートで何を見ている?
エントリーシートとは、就活において企業に提出する応募書類の一つです。エントリーシートは企業に対して自分をアピールする最初のタイミングであり、エントリーシート選考を通過しないことには面接に進むことはできません。
エントリーシートには経歴にまつわる質問と、志望動機にまつわる質問が用意されています。企業はそれら2タイプの質問から学生の人柄、思考性、志望度、熱意などを知り、採用の判断材料にしています。まずはエントリーシート選考を通過することを目標に、書き方をチェックしていきましょう!
エントリーシートの書き方を例文付きで解説
ではさっそくエントリーシートの書き方を見てみましょう。基本情報や学歴・職歴の書き方を解説した後、志望動機と自己PRの書き方を例文とともに紹介します。
【エントリーシートの書き方と例文】基本情報
まずはエントリーシートの基本情報の書き方を解説します。基本情報は下記のポイントを参考に記載していきましょう。
日付
・提出日もしくは持参日を記入する(西暦でも和暦でもOK。応募書類全体で表記と日付は統一する)
氏名
・「ふりがな」の場合はひらがな、「フリガナ」の場合はカタカナで記入する
・氏名欄の捺印にはシャチハタは使用しない
住所
・都道府県から書く
・番地をハイフンで省略しない
連絡先
・日中に連絡を取りやすい電話番号を記入する
・携帯電話のみでもOK
学校名
・省略せずに正式名称で記入する その他の記入欄
・スペースに対して8~9割以上埋める
【エントリーシートの書き方と例文】学歴・職歴
学歴は一般的に義務教育を修了した「中学校入学」から書き始めます。学校名は省略せず、正式名称を記入しましょう。
また職歴にアルバイトは含みません。正社員として勤務した経験がある場合のみ記入してください。間違った書き方をしてエントリーシートを書き直すのは時間がもったいないので、一度こちらの記事で正しい書き方を確認しておきましょう!
【エントリーシートの書き方と例文】志望動機
志望動機はPREP法を用いて、簡潔にまとめること論理的で分かりやすい文章にすることが出来ます。
PREP法とはPoint(要点)・Reason(理由)・Example(例文)・Point(要点)の頭文字をとった文章構成方法の一つであり、結論から書き出すことで初見の相手にも、これから何について話すのか分かりやすくすることが出来る方法です。
志望動機の例文を用意したので、例文を参考に志望動機の書き方をチェックしてみましょう。
私はスポーツに取り組む人をサポートしたいと思い、貴社を志望しました。私は小学生の頃から現在に至るまで、約10年間テニスを続けています。
テニスプレイヤーになる事が夢でしたが高校生の頃に膝を故障したことでその夢は閉ざされてしまいました。
自分が出来なくてもスポーツを通じて誰かの役に立ちたい、楽しさを知ってほしいと思っていた時、「生涯スポーツ」の理念をもとにスポーツに取り組む人をサポートしている貴社に感銘を受け、大学に入学すると同時に○○店でテニス講師としてアルバイトを始めました。
貴社に入社できましたら、私のように挫折を経験した人でも前向きにスポーツに取り組める環境を作り、子どもからご年配の方まで参加できるイベントを企画したいと考えています。
【エントリーシートの書き方と例文】自己PR
自己PRも志望動機と同じく、PREP法を用いて簡潔にまとめましょう。「私の長所は~」「私を一言で表すと○○な人間です」など、結論から書き始めます。下記の自己PRの例文を参考にして、自己PRの書き方を把握しましょう。
私の長所は向上心があることです。中学校・高等学校では吹奏楽部に所属し、高校3年生になると部長に抜擢されました。
私はこの部員のメンバーと大きな事を成し遂げたいと思い、関西吹奏楽コンクールで金賞を獲ることを目標に掲げました。しかしそのためには、部員のスキルの向上と音にまとまりをもたせるたにチームの結束力向上が課題でした。
そこで私は未経験の1年生向けの練習方法を考え直し、チームワークを出すために担当楽器関係なく部活の最初に1チーム5人に分かれて5分間話し合う時間を設けました。
結果は惜しくも銀賞でしたが、○○高等学校初の銀賞受賞となり、次こそは金賞とチーム内の向上心を刺激する行動をとることができました。
貴社に入社できましたら、何事にも向上心を持ち、仲間と工夫しながらトップを目指していきたい等思っております。
より詳しい自己PRの作成方法をこちらの記事にまとめているので、エントリーシートがなかなか通過しない、うまく書けないという方はこちらの記事をご覧ください。
エントリーシートを書く際に守るべきマナー6つ
エントリーシートの基本的な書き方を解説しました。続いて、エントリーシートを書く際に守るべきマナーを6つ紹介します。
【エントリーシートのマナー 】普段の話し言葉は使わない
就活の重要書類であるエントリーシートでは、普段の話し言葉の使用はNGです。
・話し言葉:すごく/~な感じ/わたし的には~
・ら抜き言葉:見れる/食べれる など
また、文体は「です、ます」調または「である」調で統一しましょう。
【エントリーシートのマナー】略語を使わない
日常生活においては「バイト」「高校」「(株)」など、正式名称を略した略語を使う機会も多いですよね。ただし、エントリーシートでは略語を使用してはいけません。必ず「アルバイト」「高等学校」「株式会社」など、正式名称で記入してください。
【エントリーシートのマナー】記号や顔文字は使わない
友達への手紙やメールでは「!」「(笑)」「(^^)」など、記号や顔文字を使う人も多いでしょう。しかしエントリーシートは、就活における重要な応募書類なので、記号や顔文字の使用はNGです。やる気を表現するために「!」を使いたくなる気持ちは分かりますが、記号ではなく言葉やエピソードでやる気を伝えましょう。
【エントリーシートのマナー】なるべく余白を作らない
エントリーシートにはさまざまな質問項目があり、志望動機や自己PRには比較的広いスペースが設けられています。それぞれの記入欄は8~9割以上埋め、なるべく余白のないように回答しましょう。
あまりにも大きな余白があると、企業に「熱意に欠ける」「志望度が低いのでは?」と受け取られ、マイナスの印象を与えかねません。しかし余白を埋めるために、大きな文字で書いたり、必要以上に段落を分けたりするのは逆効果です。
読みやすい字の大きさを心掛け、適切な文字数で記入欄を埋めましょう。
【エントリーシートのマナー】黒のボールペンまたは万年筆を使う
手書きの場合は、黒のボールペンまたは万年筆で記入します。フリクションなどの消えるペンは誤字した際に大変便利ですが、60℃以上の熱にさらされると消えてしまう為、使用しないようにしましょう。
間違えた場合、何度も修正テープを使うと「注意力散漫」「直前で準備したのでは?」とマイナスの印象を与えてしまうので、基本的に修正テープや修正液は使わず、新しい用紙に書き直しましょう。
【エントリーシートのマナー】誤字・脱字に注意する
誤字・脱字があると、「注意力散漫」「業務が雑そう」といったイメージを持たれてしまう可能性があります。エントリーシートを書き終えたら、必ず誤字・脱字のチェックをし、不備の無いものを提出しましょう。
誤字脱字のリスクを減らすために、ワードであらかじめ作成しておいたり、下書きをしたりと対策をしましょう。しかしどれだけ注意しても誤字脱字をしてしまうことはあります。送付後に誤字脱字に気付いた時の対処法などをこちらの記事にまとめているので、ご確認ください!
エントリーシートを書く際の注意点3つ
エントリーシートは自分をアピールする最初の場です。あなたの魅力を最大限に伝えるために、エントリーシートを書く前に下記の注意点を押さえておきましょう。
【エントリーシートの注意点 】曖昧な表現をしない
エントリーシートの質問の回答には、ある程度決まった形式があります。そのため「さまざまな~」「たくさんの~」など、具体性に欠けた表現では他の就活生との違いが見えず、良い評価を受けることはできません。
企業はエントリーシートから、あなたの人柄や思考性を見ています。あなたの経験はあなただけの物なので、エピソードはそのその情景が想像できるように具体的に伝え、人柄や思考性が把握できるエントリーシートに仕上げましょう。
【エントリーシートの注意点】アピールポイントは1つに絞る
エントリーシートの記入欄には、数十~数百字程度しか記入できません。なかには文字数制限がある場合もあるので、いろんな面をアピールしようと複数のエピソードを盛り込むと、読みづらく伝わり辛いエントリーシートになってしまいます。
自己PRやガクチカをはじめ、エントリーシートの各項目でアピールするエピソードは一つに絞り、具体的に説明しましょう。
【エントリーシートの注意点】専門用語を多用しない
大学で専攻している分野を説明する際や、キャリアプランを提示する時に専門用語や外来語を多用する就活生がいますが、これは就活ではNGとされています。なぜなら専門用語や外来語の多用は、相手によって意味が伝わらなかったり、解釈が異なったりすることがあるからです。
専門用語や外来語を使えば、その道のプロのように見える上に知的さをアピールできると考える就活生もいるかもしれませんが、実際は「知識を自慢している」「人に伝える能力に欠ける」という印象を与えかねないので、エントリーシートを書く際は誰にでも伝わる言葉を使用しましょう。
エントリーシートの書き方は例文を参考に作成しよう
エントリーシートは自分をアピールする最初の場であり、エントリーシート選考を通過しないことには面接に進むことはできません。エントリーシートを書く際はオリジナリティーを意識しつつ、今回解説したマナーや注意点を押さえて作成しましょう。
ただし、エントリーシートに正解はありません。例文通りに書くのではなく、例文を参考にしながらあなたらしさが伝わるエントリーシートを完成させましょう!