この記事では、足切りされにくいエントリーシート(ES)の作り方や書き方のポイントなどを解説していきます。
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そもそもどう違う?エントリーシート(ES)と履歴書
企業への提出書類の中で、ESとよく似ているのが履歴書です。ESと履歴書の大きな違いは、公的な書類かどうか。ESはあくまで採用選考で参考にするものです。志望動機や自己PR、学生時代に頑張ったことなど、企業が選考で知りたい内容を中心に記載します。一方、履歴書は選考が終わった後も、氏名、生年月日、連絡先、学歴などを従業員データとして使うために保管されます。
公的な書類である履歴書は、必ず本当のことを書くようにしてください。学歴や資格など記載事項にウソがあった場合は、私文書偽造になります。最悪の場合は解雇されることもあるので、十分に注意しましょう。
このように、2つの書類は目的が異なります。ESと履歴書の両方の提出を求められたケースは、内容に重複があっても問題ありません。その場合は、履歴書は簡潔に、ESは詳しくという書き分けをするとよいでしょう。
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エントリーシートで足切り?企業が選考でESを重視する理由
なぜ選考でESが重視されるのでしょうか。企業が採用選考でESを使う理由を見ていきましょう。
【ESの目的1】エントリーシート(ES)は書き方も評価基準
人気の高い企業は就活生からの応募が大量に来るため、全員を面接に呼ぶわけにはいきません。そのため、企業はESの内容だけでなく書き方も評価基準としてします。内容がよくても書き方が大幅に違っていたり、能力に疑念を持たれるほどの抜けや漏れがあったりすると、足切りの対象になりかねません。
書類選考でフィルタリングをかけることで、短時間で効率的に選考を進める狙いがあります。
【ESの目的2】優秀人材の獲得
企業は「優秀な学生に来てほしい」と考えています。ところが、書類を見ただけで学生一人一人の優秀さをはかるのは不可能です。偏差値の高い大学の学生が必ずしも優秀であるとはいえませんが、企業はこれまでの採用実績から、どの大学の学生が入社後に活躍したかのデータを持っています。
また有名大学に入学できることは、目標に向かって努力できることの表れでもあります。結果として、学歴が1つの判断基準となっているというのが実情といえるでしょう。
とはいえ、近年では企業の最も重視する項目が「人柄」になっているというデータがあるなど、状況は変わって「個性」重視になりつつあります。今だに学歴である程度フィルタを掛けたほうが効率が良いという状況は変わりませんが、それが全てではありません。
学歴がどうでも良くなるほどの魅力を伝えることができれば、いくらでもチャンスのある世の中になっています。学歴フィルタのことを心配する暇があったら、自分の伝え方を磨くほうが有意義ですよ。
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エントリーシート(ES)の「学歴・職歴」の書き方6ポイント
ESは書き方も評価の対象です。特に「学歴・職歴」欄は明確に書き方のルールが存在します。書き方を間違えて足切りにあってしまうということのないよう、以下で紹介する書き方のポイントを押さえておきましょう。この見本と照らし合わせながら確認するといいですよ。
【ES学歴・職種の書き方1】学歴は「中学卒業」から「卒業予定月」まで
新卒の就活では、義務教育の区切りである「中学卒業」から書くのが一般的です。大学受験や資格取得のための予備校は記入しません。中途退学の場合は、理由を一言で簡潔に書いてもよいでしょう。
【ES学歴・職種の書き方2】年の表現は統一する
西暦か和暦かは、書類全体で統一されていればどちらでもかまいません。生年月日欄や記入欄と同じように書き、違和感がないようにしましょう。
【ES学歴・職種の書き方3】入学と卒業は両方書く
高校からは、入学と卒業の両方の年月日を2行に分けて記入しましょう。
【ES学歴・職種の書き方4】職歴欄にアルバイトは記載するか
新卒の就活の場合、アルバイトは職歴に含めません。正社員、契約社員としての就業経験がない限り「なし」と記入し、最後に「以上」と入れます。数年続いたアルバイトや長期インターンシップをアピールしたい場合は、自己PR欄に書きましょう。
【ES学歴・職種の書き方5】学校名など、固有名詞はすべて正式名称で
ESの学歴欄では、学校名や学科名などはすべて正式名称で書きます。省略しないことが大切です。「同上」などの省略表現も手抜きだと思われてしまうので、使わない方がよいでしょう。
「高校」や「中退」は、間違いやすい表現です。正しくは「高等学校」、「中途退学」となります。学校名は省略してしまいがちですので、十分に注意しましょう。不安な場合は卒業証書などで正式な学校名を確認しておくのが確実です。
【ES学歴・職種の書き方6】在学中の学校は「卒業見込み」
在学中の学校は「卒業見込み」と書いてください。就活では卒業年度が大切なので、「在学中」という表現は使わず。「卒業見込み」とするのが一般的です。大学院の場合は「修了見込み」を使いましょう。
【ES学歴・職種の書き方7】最後は一行空けて「以上」
最終学歴まで書いたら、一行開けて「以上」と右寄せで記入します。以上と書かなければ、学歴がまだ続いていることになります。「以上」を書く前には一行開けることも、覚えておいてください。
【ES学歴・職種の書き方8】ウソはNG
ESは公的な書類ではありませんが、履歴書と整合性のある内容を書かなければなりません。学歴や資格欄にウソを書くと、後で懲戒免職など問題になるケースもあります。真実のみを書くようにしましょう。
エントリーシート(ES)のあるあるな悩み6選
実際にESを書き進めると、途中でどうすればよいか迷ってしまうことがあります。ESの「学歴欄の書き方での困った」を集めました。
【ESの悩み1】元号と西暦の計算が面倒
日本の書類は西暦と元号が混在しているので、計算が面倒に感じる人は多いはず。しかし、入学や卒業の年度が間違っていると、見る人によくない印象を与えてしまいますし、最悪の場合は学歴詐称と見られることもあります。計算は面倒でも、ネットの自動計算表などを使って計算するのがおすすめです。留年や浪人していても対応できます。
例)『元号西暦対照表』
https://www.jacar.archives.go.jp/aj/apps/help/chronological_table.html
また、卒業年度を覚えていないという場合でも、以下のサイトで生年月日から計算することができます。
例)『西暦・和暦両対応 入学・卒業年度自動計算表』
https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/rirekisho/07
【ESの悩み2】正式名称が分かっても学校名の書き方が分からない
学歴欄では正式名称が分かっても、学校名の正しい書き方が分からないことがあります。高校の場合は、設立母体を明記して書くのがルールです。「国立」「私立」「県立」などは忘れずに冒頭に書くようにしましょう。なお、大学以降は不要です。
【ESの悩み3】学校名や学科名が長くて収まらない
学校名や学科名は省略せずに記載する必要がありますが、場合によっては一行に収まらないこともあります。正式名称が長すぎる場合でも、省略せずに二行に分けて記入しましょう。学科名は、大学で何を学んだかをアピールする材料にもなるので、長くても正確に書くようにしてください。
【ESの悩み4】統廃合などで学校がなくなったor名前が変わった
学校名が変わった場合は、入学時の学校名や卒業時の学校名を記入し、その後にカッコ書きで現在の学校名を記入しましょう。ぱっと見て知らない学校だと学歴が低いと思われる可能性があります。記載の順序は、認知度の高い学校名から書きましょう。
【ESの悩み5】浪人、留年した場合はどうする
「浪人や留年は印象が悪い」と考えて、ごまかそうとする人がいます。学歴を見ればすぐにバレることをごまかそうとすると、悪い印象を持たれますのでやめましょう。浪人も留年も、特に記入は必要ありません。留年の場合は理由を聞かれることもあるので、準備しておいてください。
【ESの悩み6】転学、留学した場合はどうする
休学の場合は一行を使って休学の旨を記載し、休学理由と現在の状況を併記しましょう。病気の場合は、現在の状況が特に重要です。仕事をする上で支障や制限がなければ、そのことも記入しておきましょう。休学の場合も理由を面接で聞かれる可能性があるので、準備をしておくのがベスト。なお、短期間の休学で進級に影響しない場合は、記載の必要はありません。
留学の場合は「留学期間」と「国」、「学校名」を明記しましょう。留学期間については年だけでなく月も必要です。書く内容がたくさんあっても、狭い枠内に無理に収めようとせず、余裕を持って書くようにしてください。
留学の場合も休学と同じで、学歴として書けるのは1年以上の場合だけです。留学期間が1年未満の場合は、学歴として認められないので学歴に記載せず、自己PR欄などに書きましょう。
学歴・職歴に関係なくいい人材を探す企業も増えている
志望企業に提出するESに足切りが存在するのは事実です。しかし、それは、選考を効率的に行う手段の一つにすぎません。足切りを突破し次のステップに進むには、ESを正しく書くだけでなく、採用担当者に会ってみたいと思わせるものである必要があります。だからといって、大げさに書きすぎて「実際に会ってみたら、違った」と幻滅されかねません。等身大の自分が魅力的に見える書き方を心がけましょう。