「それでは自己紹介をお願いします」
自己紹介って意識してみると意外とする機会が少ないものです。しかもそれを面接という場、企業の前で、ともなると不安になってしまうのも仕方がありません。
また、提出してあるはずの履歴書やESにすでにある程度自己紹介は書いてある上、面接では”自己紹介”の後に”自己PR”も求められます。そういった複雑な要因に困惑してしまう人もいるでしょう。
この記事では「自己紹介は何のために行うのか」からはじまり、「自己紹介ですべきこと」「一歩差をつけるワンポイント」について解説します。
自己紹介は既にESに書いてある
人事はすべてのESを覚えていない
そもそも自己紹介なんて人事の手元にある履歴書・ESに既に書いてあるはずなのです。それなのになぜ口頭であらためてする必要があるのか考えてみましょう。
もっとも、それは非常にカンタンな話で、その答えは 口頭であることに意味がある のです。まず、目の前で面接を行っている人事は基本的にあなたを目の前にして初めて履歴書・ESを見ている状態だと思ってください。そもそも、人事は一日に何十、何百と一日に面接を行っています。その状況ですべての書類に確実に目を通し、ましてやそれを暗記しているなんてことは不可能に近いものです。
だからこそ直接対面し、口頭で自己紹介を行う必要があるのです。
アイスブレイクにもなる
さらに言うと、まず自己紹介をさせることによってアイスブレイクを行おうという目的もあります。
例えば、いきなり志望動機を聞かれたとして、言いたいことをうまく伝えられるでしょうか?おそらくそれは困難なはずです。そこで、答えやすい質問から少しずつ掘り下げていくことで「より良いパフォーマンスを発揮できる環境」をつくろうとしているのです。
第一印象の確認
やはり面接の場はあなたの能力・個性を見る場です。たとえ自己紹介の場であろうと根本的には審美眼にさらされています。第一印象は非常に重要です。自己紹介の場で合否がわかれるようなことはありませんが、ここで良い印象を抱かせておけば後に有利なのは間違いありません。そう考えると、 「第一印象の確認」も目的の一つ と言えますね。限りある時間のうちに与えられた機会ですので、この記事で良い印象を与えられるような自己紹介の考え方を学んでいきましょう。
自己紹介と自己PRは違う!
定義は大切
まず最初に知らなくてはならない注意事項があります。それが「自己紹介」と「自己PR」は違うという話です。ココの定義をあいまいにした結果、人事の求めていた趣旨とはずれた回答を行ってしまい微妙な空気をつくってしまう学生は一定数います。それを避けるためにも定義はしっかりと固めておきましょう。
「自己紹介」と「自己PR」の定義
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- 「自己紹介」の定義
自己紹介は、基本的に”自分はこういう人間だ”と相手に認識させ、印象付けることを指します。自分という人間を表現するのに必要な最低限の情報を相手に提供することが大切です。
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- 「自己PR」の定義
一方、自己PRでは自らの望ましいイメージを相手に認識させ、価値を認識させることを指します。「自分が何に長けていて、それがなぜ会社の役に立つのか」などのような価値のアピールはここで行います。
自己紹介ですべきこと
さて、そんな自己紹介では「何を話すべきなのか」、「どう話すべきなのか」を考えていきましょう。
【例文付き】自己紹介に必要な内容
自己紹介の目的は「アイスブレイク」と「第一印象の確認」です。うまく話しやすい空気をつくりつつ、しっかりと良い印象を与えられるよう工夫したいところです。これを達成するためには「面接で聞いて欲しい(PRをしたい)内容に簡単に触れること」と「自分のプロフィールを簡潔にわかってもらうこと」に注力することが有効です。
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- 大学・学部・学科名
例)キミスカ大学 経営学部 経営学科の
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- 氏名
例)田中たかし です。
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- 学校で学んできたことや、極めている趣味などの”自分に興味を持ってもらう引き金”
例)大学では梅干しおにぎりの売り上げを上げる方策を簡単な統計学を使って研究していました。
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- +α 企業に対して魅力に感じている点を一言
例)この度は御社の「採用のの最先端を走る」という考えに魅力を感じ、選考を受けさせていただきました。
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- あいさつ
例)本日は何卒よろしくお願いいたします。
差をつけるワンポイント
周りに差をつけるポイントとしては、
「基礎プロフィール+打ち込んだ活動を話す」
事が大切です。
ここで基礎プロフィールである出身や名前だけに終始すると、せっかくの貴重な発言の機会に何一つ興味を持ってもらえる引っ掛かりがなく、もったいない自己紹介になってしまいます。
大学や、趣味等で何か打ち込んでいたものを一言で表し、効果的に興味を引けるようにしましょう。
時間
自己紹介は1分以内で話せる長さが最適です。
自己紹介において、聞いている側が物足りなさや退屈さを感じない適度な長さがそのくらいだと言われています。自己紹介でいきなりエンジン全開でマシンガントークを行ってしまっても温度差によって関心を失いかねませんし、興味がもてるような引っ掛かりがないと根本的な目的を果たせず良い印象が与えられません。
そもそも面接は行為すべてが自分を売り込む作業
戦術のとおり、「自己PR」と違って「自己紹介」自体は”自分を売り込むこと”を目的としてはいないが、そもそも面接というシチュエーションそのものが自らを売り込むための場です。純粋に挨拶や自己紹介をすればいいのではなく、そこでいかに好感度を与えるかや、関心を得るかは重要な観点になってくるので、余力があればしっかり考えて臨むのがいいでしょう。
面接を成功させるために
先ほど対照的に取り上げた、「自己PR」についてもしっかり学ぶことで、面接のクオリティは格段に向上します。より良いパフォーマンスを発揮するためにも自己PRについての記事も確認しましょう。
⇒【例文】自己PR、面接とエントリーシートでどう使い分ける?