面接では、自分の魅力を知ってもらいたいと考えている学生と同じくらい、面接官も必死になって学生の本質を見抜こうとさまざまな工夫をしています。
本質を知るヒントは仕草や話し方などあらゆるポイントにちりばめられていますが、より正確に学生について知るためには「本質を見抜くための質問」をすることが欠かせません。
この記事では、面接で学生の本質を見抜くために行われる質問について解説します。質問の具体例や回答のポイントを知って、自分らしさを表現しつつ好印象を残せる面接にしましょう。
面接で「本質を見抜く質問」をする目的
「自己PRや志望動機などで自分のことを伝えているのに、なぜ本質を見抜く質問をするのだろう」と考える学生も、なかにはいるかも知れません。
まずは、面接で本質を見抜く質問をする目的について紹介します。
【面接で本質を見抜く質問をする目的1】定番の質問では差が出ないから
面接を受ける際、学生は自己PRや志望動機、ガクチカなどの定番の質問に対して、時間をかけて回答を準備してきています。準備された回答は、本やインターネット、添削などで完璧かつ好印象が残せる内容になっているため、差が出にくい傾向にあります。
そのため、企業はあえて対策されにくい本質を見抜く質問をして、学生の本音や本当の性格を引き出そうとしているのです。
【面接で本質を見抜く質問をする目的2】とっさの対応力を見るため
本質を見抜く質問をするときは、学生が想定していなかった予想外のことについて尋ねることが多いです。
面接官はこのとき、自分の本質を問われる予想外の質問に対する対応を見ることで、学生の素の部分や思考力、とっさの対応力を見たいと考えています。
【面接で本質を見抜く質問をする目的3】合理的な判断ができるか見るため
本質を見抜くために学生が予期していなかった質問をすることで、合理的な判断ができる思考力を持っている人材かどうかを見極めたいという目的もあります。
ビジネスでは、常に臨機応変かつ合理的な対応が求められています。この質問では、緊張する面接の場でも推論や結論を導き出して、合理的な判断が下せるのか見抜こうとしているのです。
面接で聞かれる「本質を見抜く質問」の具体例5選
本質を見抜く質問と言われても、どのようなことが聞かれるのかをすぐにイメージできる学生は少ないかもしれません。
そこでここでは、本質を見抜く質問としてよく聞かれる例題を5パターン紹介します。
大まかな傾向を掴んでおくと、面接対策をしやすくなるでしょう。
【面接の本質を見抜く質問1】アイスブレイクで学生の素を引き出す質問
面接開始時や面接の最中にすることが多い、一見意味がないように思える雑談。こういった雑談は、学生の素の姿やいつもの考え方を引き出すためには効果的な質問です。
学生が緊張した状態では本音を引き出せないので、和やかな雰囲気のアイスブレイクで本質を見たいと考えています。
アイスブレイクで受け答えを取り繕う必要はありませんが、緊張がほぐれすぎないように注意する必要があります。
学生らしく明るく前向きな言葉で、自分らしい受け答えを心がけましょう。
- 面接会場までどれくらいかかりましたか?電車は混んでいましたか?
- ここへ来るまで、寒くありませんでしたか?
- 就活はやっぱり大変ですか?
【面接の本質を見抜く質問2】人間性を見抜くための質問
本質を見抜く質問では、学生の人間性を知るために内面を問う質問をされることが多い傾向にあります。定番の長所・短所に関する質問だけではなく、聞き方を変えて学生のことを深掘りする質問もされます。
自分のことをとっさに答えるのは難しいので、しっかりと自己分析をしておくことが肝心です。
嘘をついて自分をよく見せるのではなく、あなたらしさを見せつつ一貫性のある回答をしましょう。
- 自分のどんなところが好きですか?
- 自分の性格が悪いなと思ったことはありますか?
- 嫌いな人はいますか?どのような人ですか?
- あなたは動物に例えると何ですか?
- 自分のことを運がいいと思いますか?
面接対策のために自己分析をするなら、無料で受けられるキミスカの「適性検査」がおすすめです。
【面接の本質を見抜く質問3】スキルや能力を知るための質問
面接の際は、自社が求めるスキルや能力があるかどうかを知るための質問をされることもあります。
ガクチカなどの定番の質問に加え、違ったアプローチ方法でも深掘りすることで、学生の隠された能力を知ることができます。
ここも自己分析をしていないと答えられないため注意が必要です。
「採用されたいから」と、嘘のスキルをアピールしないように気をつけましょう。企業が求める学生像を知っていると、どのような能力をアピールすればいいのかを判断しやすくなります。
- チームのメンバーが揉めているとき、どのように解決しますか?
- 新しいプロジェクトと、既存のプロジェクト、どちらに取り組むことが好きですか?
- サポートタイプですか?リーダータイプですか?
- これなら社内で一番になれるという強みはありますか?
企業が求める学生像を知るためには、企業研究が欠かせません。この記事で企業研究のやり方をおさらいしておきましょう。
【面接の本質を見抜く質問4】会社との相性を知るための質問
どれほど面接やエントリーシートの内容が優秀でも、学生と自社がマッチするかどうかは別の問題です。そのため面接では、企業と学生のマッチ度合いを見るために、仕事への向き合い方を問う質問をされることがあります。
この質問も、企業研究で会社が求める人材を知っておくとスムーズに答えられます。嘘はよくありませんが、企業の社風や理念などを意識して回答できると高評価が得られるでしょう。
- どのような上司のもとで働きたいですか?
- 尊敬する先輩が不正をしていたらどうしますか?
- クレーマーなどのトラブルになりやすいお客様をどう思いますか?
- 弊社の魅力をプレゼンしてください。
- 苦手な仕事や苦手な上司とはどう向き合いますか?
【面接の本質を見抜く質問5】仕事に対する価値観を知るための質問
たとえ性格や能力が企業とマッチしていても、仕事に対する価値観がマッチしていないと早期離職の原因となってしまいます。
仕事への意欲を知って長期的なキャリアパスを描くために、面接では価値観についても聞かれる可能性があることを押さえておきましょう。
ここでも嘘をつく必要はありませんが、「できるだけ早く独立したいです」「あまりキャリアアップには興味がありません」といった企業に不安を与える回答をすることは好ましくありません。
「早く独り立ちできるように一生懸命取り組みます」「仕事を着実にこなしていきたいです」などと言い換え、仕事に対して前向きに取り組んでいく意欲があることをアピールできると高評価でしょう。
- 10年後はどうなっていたいですか?
- あなたが社長になったら何をしたいですか?
- 理想の働き方を教えてください。
- プライベートと仕事をどのように両立したいですか?
面接で本質を見抜く質問に回答するときのポイント
最後に、面接で本質を見抜く質問に回答するときのポイントを紹介します。
3つのポイントを押さえておけば、予想していなかった質問をされても自分らしく高評価な受け答えができるようになります。
【面接の本質を見抜く質問の回答ポイント1】自分らしい受け答えをする
大前提として、本質を見抜く質問をするのは、飾らない学生の素の部分を見たいためです。背伸びをしたり見栄をはったりした回答で採用されても、入社後に価値観の相違が生じて働きにくさを感じてしまう可能性が高いでしょう。
面接では、「自分らしさ」を知ってもらうことを第一に回答することを心がけてくださいね。
もしも回答に詰まってしまうことが不安なのであれば、こちらの記事もあわせてチェックしておきましょう。
【面接の本質を見抜く質問の回答ポイント2】採用基準を知っておく
面接では自分らしさを出すことが何よりも大切ですが、何も考えずに思いついた回答をしていくだけでは、内定がもらえない可能性があります。そのため、内定を得るためにはある程度の対策が必要となります。
本質を見抜く質問をクリアするためには、企業の採用基準を知っておくことが大切です。
合格者のエントリーシートや体験談を読み、求める学生像をしっかりと把握して、企業ごとに好まれる回答を心がけましょう。採用基準を知っていると、「企業が求めるこんな一面もある」ということが存分にアピールできるようになります。
【面接の本質を見抜く質問の回答ポイント3】事実を話す
面接を受けるときは、必ず真実だけを話してください。
学生の本質を見抜くために、面接官は「なぜ?」を繰り返して事実を深掘りしていきます。嘘をつくと、深掘りするうちに真実を言っていないことがバレてしまう可能性が高いのです。
嘘をついて採用をもらっても、入社後に嘘が判明すれば自分の首を絞めることになってしまいます。本質を見抜く質問だけではなく、採用選考すべてを通して本当のことだけを話しましょう。
面接の「本質を見抜く質問」では等身大のあなたをアピールしよう
面接では、学生の飾らない素の姿を知るために本質を見抜く質問をされることが多々あります。定番以外の質問をされると焦ってしまいますが、質問をされたときの反応や対応も評価対象に入っているため、落ち着いて対応できるように準備をしておきましょう。
本質を見抜く質問をすべて把握しておくことは難しいですが、今回紹介した5つのジャンルの質問に対する対策をしておけば、焦らずに対応できるようになります。回答のポイントも意識しつつ、等身大のあなたの魅力を存分にアピールしていきましょう。