
就活では、学生自身の強みについて聞かれることは珍しくありません。ある程度は自覚している人もいるかもしれませんが、「どんな強みを伝えればいいの?」と疑問に思う学生は少なくないでしょう。
そこで今回は、就活で使える強みをタイプ別の一覧形式で紹介します。また、自己PRで強みを伝える際のコツや例文、自分の強みを見つける方法もまとめました。自分だけの強みを見つけ、あなたらしい魅力を伝えるためにも、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
就活で聞かれる「強み」とは?
就活における強みとは、仕事に活かせる能力・スキルのことです。例えば、「責任感の強さ」や「発想力」といった仕事につながるものが該当します。
なお、「自己PR」と「強み」が同じかどうか悩む学生もいますが、基本的にはどちらも同じ質問と捉えても問題ありません。ただ、両方聞かれた場合は、エピソードで差別化を図りましょう。強みの質問では「強みが身についたエピソード」、自己PRでは「強みが発揮されたエピソード」のように分けるのもおすすめです。
就活「強み」と「長所」の違いとは
就活中は長所について聞かれることも多くありますが、強みと長所は厳密には異なります。強みが“仕事に活かせる能力やスキルのこと”を指しているのに対して、長所は“学生自身の性格や人柄のこと”です。
そのため、ES(エントリーシート)や面接で聞かれた際は、強みに「協調性」や「行動力」などを記載し、長所には「明るい」「真面目」のように書き分けましょう。
就活で使える強み【タイプ別35選】
ここからは、就活でのアピールにぴったりな強みを35個紹介します。それぞれ「対人関係能力」や「行動力・実行力」などのタイプ別に分けているので、自分に合ったものがないか確認してみましょう。
【就活で使える強み1】対人関係能力
まずは、対人関係能力に関する強みを見てみましょう。
コミュニケーション能力
協調性
チームワーク
傾聴力
相手の立場で考える力
気配りができる
思いやりがある
サポート力
明るさ
自己PRで「コミュニケーション能力」が強みであることを伝える場合は、以下の回答例を参考にしてみてください。
私は学生時代の1年間、語学勉強のためにアメリカへ留学していました。
留学先の学校には、アジア、ヨーロッパなど様々な地域の人がたくさんいました。
発音や話すスピードについていけず、なかなか自分の伝えたいことを伝えられずに大変な思いをしました。
しかし、私は辞書を持ち歩き、ジェスチャーなども使ってしっかり相手の目を見て話すように心がけました。これにより、なんとかコミュニケーションをとれるようになりました。
また、臆せずに自分から積極的に様々な国の人たちと交流をするようにし、たくさんの友人ができました。
この自分の言葉を伝える難易度の高い環境で意思疎通について努力した経験で、相手に伝わるように言葉を伝えるということに自信が持てるようになりました。この能力を営業は勿論、プレゼンのような場で積極的に活かし、貴社へ貢献していきたいと思っています。
このほか、コミュニケーション能力を強みとしてアピールする場合の例文は、以下の記事でも紹介しています。
【就活で使える強み2】行動力・実行力
続いて、積極性をアピールする場合にぴったりな行動力・実行力に関する強みの例は、以下の通りです。
行動力
チャレンジ精神旺盛
主体(積極)性
やり遂げる力
責任感が強い
諦めない力
リーダーシップ
このなかで、チャレンジ精神を強みとしてアピールする場合の例文は、以下を参考にしてみてください。
私の強みは、どんな状況に陥っても諦めず行動できることです。
私は広告代理店のインターンシップに参加し、クライアントの新製品キャンペーン企画のプロジェクトを任されました。
ターゲット層の市場調査や広告コンセプトの提案を行ったほか、デジタルマーケティングの手法を取り入れた提案をし、チームで実行に移しました。
はじめは企画書の作り方からプレゼンの仕方まで未経験のことが多く戸惑うこともありましたが、他の人のやり方を見て勉強したり積極的に聞いたりすることで、クライアントへの提案やプロジェクトの成功に貢献しました。
この経験を通じて、私は初めてのことにも積極的に取り組むチャレンジ精神と提案力を養うことができました。
貴社に入社できた場合は、諦めずに行動する私のチャレンジ精神を活かし、さまざまなプロジェクトに貢献したいと考えています。
こちらの例文は以下の記事から引用しています。このほかにもチャレンジ精神をテーマにした例文を掲載しているので、興味のある方はチェックしておきましょう。
【就活で使える強み3】思考力・創造力
思考力・創造力は、クリエイティブな職種やコンサルティング業界に求められる強みといえます。どういったものがあるのか、以下を確認してみてください。
発想力
探究心
好奇心
向上心
前向き
問題解決能力
思考力・創造力の強みのうち、発想力をテーマにした場合の例文が以下です。
私の強みは、物事を柔軟に考えられる発想力があるというところです。
その発想力が活かされたのが、学生時代にアルバイト勤務していた居酒屋でのトラブル発生時でした。
店長の誤発注で鶏肉が冷蔵後に入りきらない程入荷したことがありました。
食材が入荷した時間帯は、バイトリーダーだった私を含めたアルバイトスタッフしかいなかったため、率先して大量に入荷してしまった鶏肉の対応を考えました。
まず店長に確認し、鶏肉の返品はできないことが分かりました。複数ある流し台一つに大量に氷を投入し、そこにビニールパックに入った鶏肉を入れて鮮度を保ちました。
次にキッチンスタッフに相談し、その日のお通しのメニューを、鶏肉を使ったメニューに変更してもらいました。
また、近隣店舗に連絡をして、本日発注予定の鶏肉があれば発注せずに、こちらの店舗にご入荷した分を買い取りして欲しいと依頼をかけました。
この結果、大量に入荷した鶏肉を無駄にすることなく、消費することができました。
この経験から、何か困難や課題にぶつかった際には、柔軟な発想で多くのアイディアを出すことの大切さを学びました。
この経験を活かして、御社の物流部門で今のシステムや運用をよりよくするアイディアを提案するなどの貢献をさせて頂きたいと思っております。
こちらの例文は以下の記事から引用しています。発想力は課題解決に欠かせない要素の一つなので、企業・業界に合わせてアピールしてみましょう。
【就活で使える強み4】計画力・管理能力
続いては、スムーズに業務を遂行するために欠かせない計画力・管理能力の強みを紹介します。
計画力
継続力
柔軟性
適応力
集中力
几帳面
真面目
社会人になると、限られた時間のなかでさまざまな業務を同時並行しなければならないシーンも数多くあります。計画性があることを強みとして伝える場合は、以下の例文を参考にしてみてください。
私の強みは計画を遂行する能力があることです。
TOEICで800点を達成するために試験日から逆算して、日々の勉強を計画しました。
私はTOEICの点数が550点しかなく、単語力と読解力が低く点数が伸び悩んでいることが課題でした。
このままではいけないと感じ、試験までの約60日間の行動を設定しました。
バイトやゼミの時間を省いて日々、3時間勉強する時間を設け、どうしてもできない日があることも予想できたので、毎週土曜は調整日としてできなかったときのリスクヘッジ日を用意しました。
またモチベーションアップのために、終わったらチェックを付けることで自分がどれだけ終わったのか把握できる環境を作ったことで、結果802点で目標を達成することが出来ました。
貴社に入社した際にも、自分の計画を遂行する能力を活かして立てた目標を達成していきたいと考えています。
このほか、計画性をテーマにした例文を見てみたい方は、以下の記事を確認してみましょう。
【就活で使える強み5】身体的・精神的タフさ
志望企業の社風や業務内容によっては、身体的・精神的タフさが求められる場合もあります。どういった強みがマッチするのか、以下の例を見てみましょう。
体力がある
忍耐力
粘り強い
ストレス耐性がある
適応力
逆境に強い
企業に伝える強みは、志望職種の業務に合致していると効果的なアピールとなります。例えば、営業職であれば何度も断られることもあるため、以下のように忍耐力をテーマにしてみても良いでしょう。
私は結果が出るまで決して諦めず、目標を実現するまで取り組む忍耐力があります。
私は、大学入学と同時に吹奏楽部に入部しました。周りは中学からの経験者ばかりで、大学まで楽器を触った経験がない私は、いつも演奏会には呼んでもらえず、悔しい思いをしていました。
何度も、もう退部したいと思いましたが、両親と交わした「必ず演奏会に呼ぶ」という約束を叶えるために毎日練習に励みました。
授業の合間は練習室にこもり、体力アップのために毎日の筋トレやランニングを欠かしたことはありません。
コーチに何度も交渉し、出られない演奏会の練習にこっそりと参加させてもらったこともあります。
その結果、3年生の頃に演奏会のメンバーに選ばれ、「両親を演奏会に呼ぶ」という夢を叶えられました。
ピンチの状態でも結果が出るまで諦めず、取り組み続けることができる力は、貴社の営業職でも活かせます。何度断られても、お客様の利益のために何社でも営業し続けられる強みを、私は持っています。
なお、忍耐力を通じてアピールできることは、以下の記事で詳しく紹介しています。自身の強みに近い場合は、欠かさずチェックしておきましょう。
就活で強みを伝える際の流れ
タイプ別の強み一覧では例文も紹介していましたが、自分で一から考える場合はどういった流れで強みを伝えれば良いのでしょうか。
ここでは、結論・理由・具体例・結論の順に伝えるフレームワーク「PREP法」に沿って強みを伝える際の流れを紹介します。
【就活で伝える強みの流れ1】最初に結論を述べる
ESや面接で強みを伝える際は、はじめに「私の強みは◯◯です」と結論を伝えましょう。最初に結論を伝えることで、相手は応募者がどんな強みを持っているのかを先に把握でき、その後の話も論理的に理解しやすくなります。
【就活で伝える強みの流れ2】具体的なエピソードを伝える
結論として自身の強みを伝えたあとは、その理由・根拠となるエピソードを伝えます。大学のゼミやサークル活動、アルバイトなどで強みが発揮されたエピソードや強みを得ることとなった経緯を、できるだけ具体的に伝えることが大切です。
また、面接では「ほかに強みを発揮した経験はありますか?」と深掘りの質問をされることがあります。強みを発揮したシーンが多いと、再現性が高いことの裏付けとなるため、強みに関するエピソードは複数考えておくのがおすすめです。
【就活で伝える強みの流れ3】結果や学びを盛り込む
PREP法の最後は再び結論を述べるため、エピソードや自身の取り組みから得られた結果や学びを盛り込み、自分の強みを再度アピールしましょう。
例えば、「インターンシップでは自分の強みを発揮し、売上目標を達成できた」「アルバイトを通じて営業力を磨いた」など、話の流れを意識することがポイントです。
【就活で伝える強みの流れ4】企業への活かし方で締める
結果や学びで締めくくっても問題ありませんが、企業側により好印象を残すためにも、どのように企業活動に貢献するのかを伝えて締めくくりましょう。「御社に入社できたら、私の強みである問題解決能力を活かして、お客様の抱える課題を解決したいと考えています」など、企業への活かし方で締めることで、採用担当者は入社後の姿をイメージできます。
また、企業活動や業務に関連させることは、企業研究の深さをアピールすることにもつながります。これは入社意欲の高さを評価されやすいため、強みを伝える際は最後に貢献の仕方で締めくくりましょう。
就活で使う「強み」の見つけ方
最後に、就活で伝える強みを見つける方法を紹介します。まだ自分の強みが何なのか具体的に把握できていない学生は、ぜひ実践してみてください。
【就活「強み」の見つけ方1】自己分析
就活を進める上で欠かせない作業の一つ「自己分析」で自身の強みを見つけられます。
自己分析の方法は自分史やモチベーショングラフなどがありますが、おすすめはキミスカの自己分析ツールです。簡単な質問に答えていくだけで、自身の強み・弱み、長所・短所、価値観などがわかるため、就活を効率よく進められるでしょう。また、適職診断であなたに合った職種を提案してくれるので、企業選びにも役立てられます。
キミスカの自己分析ツールは完全無料で利用できるので、まだ終わっていない人や改めてやってみたい人は、下記リンクより試してみてください。
【就活「強み」の見つけ方2】他己分析
就活に使える強みを見つけるために、他己分析を行ってみるのも一つの手です。家族や友人などに「私の強みって何だと思う?」と聞くことで、自分では見えなかった強みを見つけられるかもしれません。
また、他己分析の結果は就活での回答にも活用できます。例えば、面接で「あなたは周囲からどういう人だと思われていますか」と聞かれる場合も多いため、事前に周囲からの印象を聞いておくと良いでしょう。
なお、他己分析のやり方やメリットは、以下の記事で詳しく紹介しています。
【就活「強み」の見つけ方3】弱みを裏返してみる
学生のなかには「自分の弱みはわかるけど、強みがない…」と悩む人もいます。そういった場合には、自身の弱みを裏返して考えてみるのがおすすめです。強みと弱みは表裏一体なので、弱みを言い換えることで強みとしてアピールすることができます。
例えば、「心配性」という弱みがある人は、強みとして「計画性がある」とアピールできるかもしれません。以下の記事に弱みを強みに言い換える場合の一覧表をまとめているので、詳しく知りたい方は目を通しておきましょう。
就活の強みで自分の魅力や熱意をアピールしよう!
就活を成功させるためには、自分の強みを適切にアピールすることが重要なポイントです。ただ強みを伝えるだけでは説得力に欠けるため、できるだけ具体的に伝えるようにしましょう。
また、自分がどういった強みを持っているかは、複数考えておくのがおすすめです。企業が求めている人物像に合わせて自分の持つ強みをアピールできれば、より好印象を残せるでしょう。ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、自分の強みを効果的にアピールしてみてください。