リクルートスーツとは? 就活で好印象を与える服装の選び方
Kさんの例
個性を出せというくせに全員同じリクルートスーツを着せ、黒髪を強要してくることが1番許せなかった。

私は色素が薄く、地毛が茶髪で目も茶色いのに、なんだその格好は。就職活動時くらい黒髪に戻せ、カラコンを入れるなんであり得ない、と怒鳴られたことがある。

地毛はともかく、裸眼を否定されたのは納得がいかない。日本人なら黒髪黒目であるべきという価値観は今すぐ撤廃すべき。
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これは、学生に向けて就活の不満をアンケートで調査した際にいただいた回答の一部です。このように「個性を尊重」であったり、「人柄を最も重視」といった視点で採用を行っているにもかかわらず、「リクルートスーツ」や「髪型」「化粧」等、外見に関してあまりにも 規制が多く一律化されがちな現状 に不満を持つ学生が多くいます。
この問題に対しては、学生だけでなく多くのネットメディアも警鐘を鳴らすほど大きな問題になっています。これは今に始まったことではなく、長い間批判され続けているものですが、依然状況に大きな変化は見られません。
そんな今だからこそ、改めて何故就活生がリクルートスーツを着るのか考えてみましょう。

そもそもなぜリクルートスーツという文化が生まれたのか


1980年代までは、「清楚な服装・印象の良い服装が業界ごとに異なる」のが視覚的にわかります。90年代以降から今の状態に近づき、2003年あたりから黒一択になっています。

80年代初期は「印象の良かった服装・悪かった服装」を取り上げているのに対し、2000年代以降は「黒は周りから浮くことがない、面接で偏った印象を持たれない」といった声がありました。

「第一印象で面接に落とされないこと」を軸にしているのは昔から変わっていないようです。リクルートスーツの画一化を問題視する説があるものの、スーツ選びで悩んでいる人は、迷わず黒を選ぶのが無難かもしれません。しらべぇ

以上の記事での調査では、リクルートスーツが黒という風潮は ここ20年でできた文化 であることを明らかにしています。
では、なぜ2003年ごろよりこのような文化が生まれたのでしょうか。

リクルートスーツが黒一律の文化は不況が原因?

1987年というとバブル景気の直前で売り手市場だった頃。この頃は今では考えられない自由さがあったようです。その後、90年代前半にバブルが崩壊し、1996年卒の求人倍率は1.08倍と、過去2番目に低い年となりました。

その辺りから、再び紺や濃いグレーが主流となり、求人倍率0.99倍と過去最低を記録した2000年の翌年、2001年に初めて黒のリクルートスーツが登場します。そして、あっという間に主流となり、2003年以降は黒一色となったようです。ワンキャリア

以上の記事によると、不況とそれに伴う求人倍率の低下とともに、リクルートスーツが黒という文化が生まれてきたことがわかります。
また、別の記事でも同様の言及がなされています。
「バブル期は学生の売り手市場だったし、華やかな時代だったので、ファッションも華やかだった。(中略)…しかし1997年頃になると、バブルの名残もなくなり、本当に就職が厳しくなってきたころでしょう。浮かれた派手な服装をみんなしなくなり、就職試験にも無難なものが選ばれるようになった」として、「決めたのではなく、不景気という時代背景が、リクルートファッションを無難な路線にしてしまったのでしょう」exite.ニュース
以上のことからも、今より更に一つ一つの選考のリスクが高かったからか、黒スーツという低リスクな服装を選ぼうとしてしまっていたというのが原因と言えるのかもしれません。その傾向が尾ひれをつけながら時代とともに形式化してしまったのでしょう。
では、そのような背景を踏まえ、なぜ売り手市場と言われる現在でも就活生はリクルートスーツを着ているのでしょうか。

リクルートスーツを着ることによるリスク回避の思想と現状


20~30年前は、学生服やブレザーにスラックス姿で会社説明会や面接を受ける就活生がいたし、企業もそれを容認していた。ただ、「いまの企業がそれをまったく許さないというのではなく、学生側が『失敗したら、怖い』という思いが強いから、無難なほうを選ぶんです」J-CASTニュース
とJ-CASTニュースの記事は締めくくられています。どうやらこの記事によると、企業が強要しているのではなく、依然として就活生が リスク回避の選択として黒のリクルートスーツを選択している のが主要因であるとされています。しかし、「今の企業がそれを全く許さないというのではなく・・・」といった表現には、果たして本当にそうなのかという疑問が浮かびます。例えば、前述した就活生へのアンケート調査でも興味深い意見がありました。
Nさんの例
なぜ面接はスーツで受けなければならないのかわからないです。また、季節が夏でも、ジャケットを羽織ることを強いる企業はより理解できません。
Kさんの例
個性を出せというくせに全員同じリクルートスーツを着せ、黒髪を強要してくることが1番許せなかった。

私は色素が薄く、地毛が茶髪で目も茶色いのに、なんだその格好は。就職活動時くらい黒髪に戻せ、カラコンを入れるなんであり得ない、と怒鳴られたことがある。

地毛はともかく、裸眼を否定されたのは納得がいかない。日本人なら黒髪黒目であるべきという価値観は今すぐ撤廃すべき。
・・・

以上のような意見からもわかるように、服装に関して企業が寛容であると判断するのは依然早計な状態であると言わざるを得ません。
彼ら大人が、“正しいスーツとはなんぞや”ということを知らないために、ただ目立たない、全員が没個性の“黒いリクルートスーツ”を着るという、悲劇が起こってしまうのです。他の色のスーツやストライプのスーツを着て面接に臨む学生諸君に対して“こいつは、変わった背広を着ている。お洒落をしている”と言ってマイナス評価を与える面接官こそ、“正しい服装とはなにか”ということを学習していない、欠陥上司だと言えましょう。銀座高橋洋服店
という指摘もあるように、正誤を置いてしまえば現在のこういったリクルートスーツが批判されつつある社会の流れの中においても、それを強制する考えを持つ企業は根強く残っているようです。だからこそ、就活においてはリクルートスーツこそがリスク回避に適した服装だと言えてしまうのかもしれません。
しかし、一方でそういった風潮が徐々に改善してきているのも事実です。 選考時も自由な服装で来ることを推奨する企業が ベンチャーを中心に増えてきてもいます。そういった企業では逆に典型的なリクルートスーツで行かない方がかえって好印象であったりします。
これは近年の批判を受けてのものでもありますし、マッチングを考慮した際の合理的な判断でもあります。
しかし、こういった入り組んだ現状が逆に就活生を翻弄してしまっているのも事実です。現在、Googleにおいて 最も検索されている就活ワードの大部分が服装や見た目に関するもの であるというデータもあります。
一方では自由な服装を求められ、もう一方ではきつく黒リクルートスーツを求められる。そんな世の中で、ネットで得られるマニュアル化された情報は「リスク回避のため黒のリクルートスーツに身を包め」というもの。
もしかしたら、今本当に必要なアドバイスは「リクルートスーツの着こなし方」などではなく、 「自らの服装を決定するためには会社の価値観を見極めること」 という一言なのかもしれません。

リクルートスーツの予算や相場は?

とはいえ、「じゃあリクルートスーツなんて買わなくていいや」とはいかない世の中であることはわかっています。なので、コレまでの話を踏まえて、リクルートスーツが必要と感じている方のためにリクルートスーツの選び方を紹介します。
まずは予算・相場を整理しましょう。
洋服の青山調べによると、大半の学生が1~3万円という価格帯のリクルートスーツを購入しているようです。

  • 36.7%:2~3万円
  • 31.4%:1~2万円
  • 15.9%:3~4万円
  • 8.5%:4~5万
  • 3.1%:5~6万円

といった結果になっていて、意見としては
「就活後は使わないから安いスーツでいい」
と言ったようなものがあります。実際のところ高いものがいいのか安いものがいいのかというところにおいて、大きな差はありません。結局の所服装よりも総合的な人間性の部分での判断になるので、固執しすぎる必要はないのです。料金をかければいいというものではありません。
しかし、服装で自分の心持ちが変わることがあります。安物を着ていて、「コレで大丈夫だろうか」と負い目を感じていると、不要な心配で自信が持てず100%のコンディションが発揮できません。そういった意味では、多少大きい予算がかかったとしても自分の納得の行く価格帯のリクルートスーツを買うのがいいのかも知れません。

リクルートスーツの選び方

リクルートスーツを選ぶにあたって、気にしたいポイントは以下です。

  • サイズ

リクルートスーツを選ぶという意味で基本となるのは、「リスクの排除」です。「リスクの排除」とは、個性や差別化という観点を一切排除し、「面接官に対して悪い印象を与える可能性」をできるだけ減らすことだけに集中した服装の選び方です。以降は、あくまで「リスク排除」の視点から最適であるリクルートスーツの選び方をお伝えします。これに遵守することが必須なわけではないし、ベストな選択というわけでもありませんが、少なくともこの服装を心がけることで人事から服装で悪印象を持たれることは殆ど無いでしょう。第一印象での+も-もない状態で純粋に面接で勝負することができます。

サイズはジャストサイズ

まず、サイズはどこの誰に聞いても言われることではありますが自身の体にジャストサイズなものが望ましいでしょう。とはいえ、スーツについてジャストサイズというのは言うまでもなくMやLといった話ではありません。しっかりと店で採寸を行い、自身の体にあったものに調整してもらうのが最も望ましいでしょう。

色は「黒」か「紺」

色は一般的には2択であると言われていて、

が、好印象であると言われています。とはいえ、厳密に言うと好印象と言うより「悪印象にはならない」のほうが正しいのですが。
この2色の間に大きな差異はないのですが、黒にはややしっかりとした印象を、紺にはやや爽やかな印象を受けます。スーツにも様々な色がありますが、もし迷ったらこの2色から選んでおけば悪印象を与えることはないかもしれません。少なくとも服装では。

柄は無地

リクルートスーツにおいて、薄い無地くらいであれば問題ないと言いたいところですが、場合によってはそれでもちゃらけた印象を受ける人事もいます。業界によって傾向は異なるし、結局の所その人次第なところもありますが、リクルートスーツの極意は先述の通り「リスクの排除」です。であるなら、「無地」であることが一番安全だと言えるでしょう。無地のスーツであることで悪印象を与えることはまずありません。

男女別リクルートスーツの着こなし方

リクルートスーツの用意はできましたか?「リスクの排除」という観点から完璧なリクルートスーツを購入したとしても、それを着こなせ得ていなければ意味はありません。着こなしがだらしなくなってしまっては、結局それはそれで悪印象になってしまうでしょう。正しいとされている着こなし方を認識し、リスクのない服装に身を包むすべを見に付けましょう。

【男性】リクルートスーツスーツの着こなし方

まず、男性にはネクタイというものがあります。ネクタイでは、リクルートスーツという概念の中でも最も自由度の出せる芭蕉です。どのような印象を与えたいのかを考えて、それに合ったネクタイを選んでアピールしましょう。たとえば、水色ではさわやかな印象を与えられますし、赤はやる気のある感覚を与えられます。
色の力とは馬鹿にはできないもので、こちらの記事などをみて自分のアピールしたいものに適した色を選びましょう。
色とは?色の意味・イメージ・心理効果まとめ。
逆に、ワイシャツは白無地などスーツと同じく無難なものであったほうが悪印象は避けられるでしょう。

【女性】リクルートスーツスーツの着こなし方

女性の場合は、座ったときのスカート丈に注意しなければなりません。長すぎても短すぎても不格好になってしまいます。座ったときに、ひざから少し上に下端がくる長さであれば問題ないです。シャツに関しては、襟の形状がスーツに合っているかをチェックしてください。また、男性と同じように基本的には白無地のものを選びましょう。ただし、アパレル系など業界によってはカラーシャツのほうが好まれる場合もあるので、事前に調査しておいたほうが安心です。

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