2005年に環境省主導で 始まったクールビズ。いまではすっかり夏の装いの定番となりました。一方、企業によっては「ネクタイやジャケットを着ないのは失礼だ」という意見も根強くあります。この記事では、気になる就活のクールビズについて解説します。
就活でクールビズがOKかどうかは結局企業による
暑い時期には「ネクタイやジャケットをなるべく着用しない」というのが基本的なクールビズの考え方ですが、どのような服装ならよいかは企業や業界によっても判断が分かれています。
リクルートが2018年に行った調査によると、採用担当者が想定するクールビズは「スーツでノーネクタイ 」が6割という結果になりました。次に多かったのは「スーツでノージャケット 」で約5割。前者の場合は、ネクタイなしでもジャケットはあり、後者の場合はジャケットなしでもネクタイありということになります。
このアンケート結果から、クールビズ の服装は明確に決まっていないことが分かります。そのため、夏場の就活は企業の価値観や風土をある程度理解した上で判断するしかない、といえそうです。どうしても迷う場合は、夏用のリクルートスーツを着るのが安心でしょう。
企業に悪印象を与えないクールビズの着こなし方とは?
企業や採用担当者によって異なる「クールビズ」の定義。「絶対にこれ」という明確なスタイルはないものの、「この服装なら問題ない」という基本はあります。軽装が認められているとはいえ、就活は選考の場。就活はおしゃれとは異なりますので、カジュアルさや、こなれ感を考える必要がないのです。ここからは、企業の採用担当者に悪印象を与えないクールビズの着こなし方を紹介します。
企業に悪印象を与えないクールビズの着こなし方【男性ver.】
ジャケット・シャツ
ジャケット、ネクタイは必要ありません。ネクタイをしていないと襟元がだらしくなりがちですので、襟のしっかりしているシャツがおすすめです。シャツは白無地であれば、長袖でも半袖でも問題ないでしょう。迷うなら、長袖が無難です。腕の出る半袖はカジュアルだと考える採用担当者もいます。
長袖を着るときは、腕まくりはしません。腕まくりすると、シャツに折りジワができて、だらしない印象になりがちです。ジャケットを着ないと、ワイシャツがよく見えますので、袖のボタンも留めましょう。
ボトムス・足元
ボトムスは、黒、紺、グレーのいずれかのスーツパンツを。靴下は必ず黒の長い丈のものを履いてください。白の靴下や、座ったときに足が見える丈の靴下はマナー違反。また、靴は革靴を履きましょう。
企業に悪印象を与えないクールビズの着こなし方【女性ver.】
ジャケット・シャツ
女性も男性と同じくジャケットは不要です。一枚で着る場合は、ワイシャツではなく、一枚で着ることを想定して作られたブラウスを着るとよいでしょう。素材も柔らかく涼しげなものが多いのが、ワイシャツとは異なる点です。ポリエステルなど乾きやすく、アイロンなしでもちゃんと見える素材のものを選ぶと手間がかかりません。
白で無地のものであれば、袖の長さはどんなものでも構いません。迷うときは、カジュアルに見える半袖を避けて、袖までしっかりボタンを留めましょう。ボタンのあるシャツは、第一ボタンまで留めるのが基本ですが、夏場はスキッパーシャツなど、第一ボタンがないシャツを選んだ方が涼しげに見えます。
ボトムス・足元
ボトムスは黒、紺、グレのースーツのスカートかパンツを履きます。素足はNG なので、必ずストッキングも履きましょう。穴があいているものや、電線しているストッキングはカッコ悪いもの。アクシデントがあっても慌てないよう、替えのストッキングも一つ持ち歩くようにしましょう。
スカートはひざが隠れる長さにしますが、パンツのときは ベルトも忘れずに。靴はヒール5cmくらいの太めヒールで、黒のパンプスを選びましょう。たくさん歩く就活では、アーモンドトゥかスクエアトゥがおすすめです。ストラップのあるものにすれば、靴ズレも防げます。
就活におけるクールビズのポイント
クールビズの基本は上記のとおりですが、ここからは クールビズで気をつけたいポイントを解説します。
【就活におけるクールビズのポイント】ワイシャツのシワやヨレに注意しよう
ネクタイをしめないクールビズは、襟元がだらしなくなりがち。襟が立っていないとくたびれた印象になってしまうので、毎回アイロンをかけるほか、シワやヨレの原因になる腕まくりは避けましょう。男性はネクタイなしでもキマるシャツや、女性ならスキッパーシャツやブラウスは、シンプルな就活スタイルにもぴったりです。
【就活におけるクールビズのポイント】肌着は必ず着用する
ワイシャツはもともと男性用の下着として作られました。白いワイシャツが一般的なのは、下着だったからです。しかし、ジャケットを着ないクールビズでは、肌が透けないように、そして汗を吸収させるために、必ず下着を着ます。
女性用の夏用ブラウスは生地が薄いのでジャケットを着ないと、インナーが透けて見えることがあります。インナーが透けて見えるのは、マナー違反です。無地でも白いインナーは意外と透けるもの。ベージュのものを選ぶとよいでしょう。シャツも生地がしっかりしているものを選ぶなど、透けにくいものを選んでください。
ワイシャツとジャケットの関係や、それぞれの機能を知れば、どこまで省略してよいのか、どのように着たらよいかの判断材料になるかもしれません。
就活でクールビズを指定されたが心配だったら
クールビズを指定されたものの、服装に迷うときはジャケットを持っていきましょう。手で持っていくと シワになりますので、紙袋などに入れて別に持っていくことをおすすめします。
クールビズの明確な指定がないときは、ジャケットとネクタイ着用のスタイルが無難です。
就活でオフィスカジュアルを指定された場合
オフィスカジュアルとは、ビジネスシーンでも失礼にならない程度に着崩した服装のことをいいます。オフィスカジュアルを指定する企業側の意図としては、TPOに合った服を選べるか、リラックスして普段通りの状態で臨んでもらうなどが考えられるでしょう。アパレル企業の場合は、私服のセンスを見られていることもあります。
アパレル企業以外の場合は、よほど違和感のある服装でなければ、服装のセンスが合否に関係することはありません。何を着たらよいか分からないときは、男性は襟付きの無地のシンプルなシャツ、女性も無地のシンプルなシャツがおすすめです。
オフィスカジュアルで来るように言われた場合の注意点
就活生は「学生らしいフレッシュさ」や「清楚さ」を演出できる服装を選ぶのがよいでしょう。就活生なのにひと目で分かる高級ブランドの服を着ることや、アロハシャツや大きい柄のある服など個性的な服装は避けてください。
クールビズ以外にも汗対策をしておこう
クールビスはもともと、夏場の軽装による冷房の節約を目的としています。真面目な就活生を演出しようとして、夏なのに全身黒ずくめや、あまりにも肌の露出が少ない服装は、見る人に不快感を与える可能性があります。
襟元までボタンはしまっているけれど、汗ダラダラでシャツが背中に張り付いているというのは、カッコいいものではありません。夏場の就活は、タオルと水分補給用の飲み物を携帯しましょう。汗が出たらタオルで拭き、汗臭くなってしまわないようニオイ対策もきちんとすることが大人のマナーです。
就活でクールビズと言われたらのまとめ
人によって、クールビズの解釈は異なります。クールビズに明確な定義はありませんが、この服装なら問題ないという暗黙のルールは存在します。迷ったら「学生らしい」「清楚な」服装を心がけましょう。夏場の就活は暑さ対策も忘れずに。もちろん大切なのは、服装より中身です。就活ファッションは基本を押さえたら、大事な中身に集中しましょう。