就活をしていると、企業の選考を受けている最中に合わないと感じて辞退したくなったり、辞退せざるを得ない事情ができてしまう可能性もあると思います。
このような状況に陥った時、果たしてどの様に辞退を伝えればいいのでしょうか。「電話で伝えた方がいいの?それともメールがいいの?マナーはどのようなものがあるの?」など、就活生が一度は悩むであろう選考辞退の方法について詳しく解説をしていきます。
そもそも選考は辞退してもいいの?
結論から言うと、選考は辞退しても問題ありません。自分がこの会社に合わないなと感じたり、他社に入社が決まってしまった場合は遠慮なく選考辞退を伝えましょう。企業側もしっかりとした理由を添えた断りの連絡が来れば、理解し受け入れてくれます。
昔のドラマなどで選考辞退をした就活生がお茶をかけられたりするシーンがたまにありましたが、あれはあくまで演出です。今実際にあんなことをしたら、その人事は速攻でクビになることでしょう。選考辞退は悪い事というイメージがついてしまっていますが、そんなことはありませんので怖がる必要はありません。
よくある選考辞退の理由とは?
「他社から内定を貰ったので」や「仕事の内容が想像していたものと違った」など、自分が思っていることを正直に伝えてしまって構いません。就活生が複数の企業の選考を受けていることは企業側も理解していますし、そういった理由で辞退されるのはよくあることなので失礼な印象を持たせる事もありません。
また、「面接官の態度が不快であった」や「社内の雰囲気が好ましくなかった」のような直接言いにくい理由の場合は、「一身上の都合により」や「家庭の事情で」のような断り方で問題ありません。企業側はそのように言われたら、それ以降深く聞いてくることはないので安心してください。
選考辞退をする際のマナー
選考辞退は遠慮しなくていいと先程も書きましたが、だからと言ってマナーが無いわけではありません。選考辞退は就活生に与えられた権利ではあるものの、企業にとってネガティブな申し出になることは間違いありません。
そのため企業に選考辞退を伝える際は配慮を怠らず、マナーを守って進めていきましょう。
【選考辞退のマナー】連絡方法はメール?電話?
選考辞退はメールでするべきか電話でするべきかについては、就活生全員が疑問に思っている部分だと思います。しかしこれに関しては、“どちらでも良い”というのが選考辞退のマナーです。特別決まっているわけではないので、自分が連絡しやすいと感じる方を選択して問題ないです。
しかし、面接前日もしくは当日に断りの連絡を入れる場合は電話で連絡しましょう。直前にメールで連絡してしまうと担当者が確認できず、すれ違いが起きてしまう可能性があるため、前日もしくは当日に辞退の連絡を入れる場合は電話にするのが無難でしょう。
【選考辞退のマナー】決断したら即連絡する
選考を辞退することを決めたら、即連絡をするように心がけましょう。というのも、採用担当はあなたのために様々な調整を短期間で行い、時間を設けています。そしてそれがキャンセルとなるとさらに再調整が必要になるのです。
また、「言いづらいな….」と思って連絡を先延ばしにしていると、日が経つに連れてさらに気分が重くなります。当日キャンセルはなるべく避けるべきなので、辞退すると決めたら“即連絡”を心がけましょう!
【選考辞退のマナー】連絡をする時間帯は?
選考辞退の電話をする際は企業の営業時間内にするのが一般的でしょう。営業時間がよくわからない場合は始業からお昼休憩前までの午前10時~午後12時頃か、お昼休憩後から終業間際の午後14時~17時頃に電話をしましょう。
メールで連絡する場合は、あまり時間を気にする必要はないでしょう。企業側も学生がアルバイトやインターンで多忙なことは分かっています。そのため夜遅くにメールが来ても特に気にしません。しかし、夜遅くにメールを送る場合は礼儀として「夜分遅くに失礼致します」と文頭に添えるのが良いでしょう。
【選考辞退のマナー】無断で辞退するのはNG
もちろん選考を辞退すること自体は悪いことではないですが企業側に連絡を入れずに無断で辞退するのは非常識なので絶対にやめましょう。
新卒として入社することはなくても、自分が入社した企業の取引先としてや将来の転職先として関係が続くことも考えられるため、良好な関係を保っていて損は無いのです。
メールで選考辞退を伝える時のポイント【7ステップ】
メールで選考辞退を伝える際に必要な7つのステップをご紹介していきます。この手順通りにメールを作成すると、正しく選考辞退を進めていくことができるでしょう。
【選考辞退のメールの作り方ステップ1】件名だけで内容がわかるようにする
【例文】 件名:選考途中辞退のご連絡
採用担当には1日にたくさんのメールが届きます。そのため件名が入っていなかったり、メールの内容と関係のないものが書かれていると、その他のメールに埋もれてしまい、担当者が確認できない可能性があります。そのため、件名には「選考途中辞退のご連絡」のように分かりやすく要件を書き込みましょう。
【選考辞退のメールの作り方ステップ2】書き出しはビジネスメールのマナーを守ろう
【例文】 株式会社キミスカ
人事部 橋本様
まず本文の始めに送付する相手の企業名・部署・名前を書きます。基本的なことですが、緊張していると忘れがちなので注意しましょう。企業名は正式名称で記載するのが好ましいので、前株なのか後株なのか、企業名のつづりは合っているかなど、細かいところまで注意して確認してください。
【例文】 お世話になっております。
キミスカ大学経済学部の大舘です。
次に「お世話になっております」と挨拶をし、自らの名前と大学名?学部を名乗りましょう。
【選考辞退のメールの作り方ステップ3】選考辞退を簡潔に伝える
しかし、一身上の都合により、選考の辞退をさせて頂きたく存じます。
選考の辞退を伝える前に、まずは選考通過のお礼をしましょう。
次に、選考を辞退したいという意思表示を先にしてしまいます。メールで伝えたいことを始めに持ってくることで、内容がゴチャゴチャすることなく伝わりやすくなります。
【選考辞退のメールの作り方ステップ4】選考を辞退することの謝罪を入れる
選考辞退を伝えることができたら、次に相手の好意を無駄にしてしまったことへの謝罪をしましょう。この謝罪があるかないかであなたへの印象がかなり変わります。絶対に入れたほうがいいです。
【選考辞退のメールの作り方ステップ5】辞退を許してもらえるようにお願いする
選考辞退のように、相手の好意に反してしまう行動をとるときは謝罪だけでは足りないので、「何卒ご容赦頂きたく、お願い申し上げます」と、相手に選考辞退の許しをお願いをすることで、丁寧でカドの立たない印象になります。
【選考辞退のメールの作り方ステップ6】メールでの連絡になってしまったことを謝罪する
メールでの連絡や謝罪がNGな訳でありませんが、本来は直接出向いて謝罪するのがベストです。なので、簡単なやり方で連絡をしてしまったことについて一言断りの文言を入れておくのが良いとされています。
【選考辞退のメールの作り方ステップ7】文章を締める
これは一般的なビジネスメールの定型句です。最後にこの定型句を入れてメールを締めましょう。
電話で選考辞退を伝える時のポイント
次に電話で選考辞退の連絡をする場合に気をつけたいポイントをご紹介します。
【電話で選考辞退を伝えるポイント1】電波の良い静かなところで伝える
電話をする場合は電波が良く、静かな場所に移動してからにしましょう。電波が悪かったり、うるさくて聞こえなかったりすると、もう一回かけることになり二度手間です。周りの環境は整えてから電話をかけるように心がけましょう。
【電話で選考辞退を伝えるポイント2】受話器は静かに置く
固定電話からかける際は電話が終わった後、静かに受話器を置くようにしましょう。静かに置いているつもりでも、相手に大きな音が響いています。そのため自分が思っている以上に丁寧に置くことを心がけましょう。
電話で選考辞退を伝える際の例文
お忙しいところ失礼致します。私、御社の三次面接のお約束をさせていただいている佐藤と申します。恐れ入りますが、ご担当の橋本様はいらっしゃいますでしょうか。 お電話代わりました。橋本です。 お世話になっております。私5月20日に三次面接をさせて頂く佐藤と申します。今お時間大丈夫ですか? 大丈夫ですよ。どうされましたか? ありがとうございます。大変申し訳ございませんが、一身上の都合により面接を辞退させていただきたく、ご連絡差し上げました。これまで貴重なお時間を割いて頂きありがとうございました。このようなご連絡になり誠に申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。
選考辞退はメールでしても良い
選考辞退はメールでしても問題ありませんが、前日もしくは当日に辞退する場合は必ず電話で連絡しましょう。また、辞退を決めたらなるべく早く連絡を入れ、無断で辞退することが無いよう気をつけましょう。新卒で入ることはなくても今後どこかでその企業と繋がることがあるかもしれませんので良好な関係は保っておくべきです。
連絡を入れる際は謝罪の気持ちを持つことが大切ですが、遠慮をする必要はなく自分が信じた道を歩んでください。