面接は志望動機や学生の経歴・人柄を知るための質問がメインとなりますが、企業によっては「ストレス解消法」について尋ねることもあります。仕事や学生の能力に関係がないように思えるこの質問ですが、実はしっかりと評価対象に入っているため注意が必要です。
この記事では、面接でストレス解消法について聞かれたときの答え方を紹介します。質問の意図や回答のコツ、例文を具体的に解説するので、ただ答えるのではなく、内定につながる答えになるよう意識してみてください。
面接でストレス解消法を聞く理由
そもそも、どうして面接でストレス解消法について聞くのでしょうか。まずは、その理由について見てみましょう。
【面接でストレス解消法を聞く理由1】ストレス耐性があるか知りたい
ストレスの解消法を知ることで、入社後ストレスに耐えられる人材なのかどうかを判断できます。
自分でストレスを発散できない学生やストレスに対する耐性がない学生は、ちょっとした失敗や注意で早期離職してしまう可能性があります。せっかく時間をかけて採用した学生がすぐやめてしまわないか、そのリスクの高さを確認するためにストレス解消法を聞くのです。
【面接でストレス解消法を聞く理由2】価値観や向き合い方を知りたい
「どんなことをストレスに感じるのか」「ストレスにどう向き合っているのか」を知ることで、学生の価値観を知りたいという意図もあります。
「人間関係のストレスが多いなら、チームでの仕事は向いていないな」といったように、ストレスを感じる原因で学生の人間性や仕事の適性がわかります。また、自分を客観視できているか、適切な対処をする判断力があるのかについても把握できるでしょう。
どのようなことがストレスになるかわかっていない学生や、自分に合ったストレス解消法を見つけられていない学生は、十分にアピールできない可能性があります。適性検査で自分の性格や過去を振り返って、ストレスへの向き合い方を再確認してみましょう。
面接でストレス解消法を聞かれたときの回答ポイント
面接でストレス解消法について聞かれたときは、面接官の意図を踏まえたうえで回答することが大切です。ここからは、評価をアップするための回答ポイントについて説明します。
【面接のストレス解消法の回答ポイント1】ストレスの原因を分析する
まずは、ストレスを感じる原因を分析しましょう。ストレスを感じやすい場面について説明できると、自分を客観視できる冷静な思考力があることを知ってもらえます。実際にストレスを感じて対処した経験など、具体的なエピソードがあると深掘り質問をされたときも安心です。
【面接のストレス解消法の回答ポイント2】解消法ではなく解決法を伝える
次に、どうやってストレスを解消しているかを整理します。ただ単にストレスを「発散する方法」よりも、「解決する方法」を伝えられると非常に効果的です。
たとえば、「カラオケで大声を出してスッキリする」という方法は、ストレスの「発散」方法に該当します。しかし、これでは根本的な解決はできないので、「カラオケで大声を出してスッキリしたら、気持ちを切り替えて冷静に相手と話し合う」といった「解決」方法を実践していることを伝えると、より効果的なのです。
どのように考えてその解決法を実践しているのかについても説明できると、「おっ」と思わせる回答になります。
【面接のストレス解消法の回答ポイント3】ストレスを避ける対策法を伝える
ストレスが発生しないように行っている対策法があれば、それも説明できると好印象です。自分の力で問題に向き合っていること、未然に防ぐ努力をしていることをアピールでき、セルフコントロールできていると思ってもらえます。
こういった問題を予防するための努力や行動は、ビジネスでも欠かさず必要です。入社後の働きぶりをイメージしてもらえるため、内定獲得へ大きな一歩を踏み出せます。
【面接のストレス解消法の回答ポイント4】PREP法でまとめる
最後に、ここまでの内容をPREP法でまとめます。PREP法とは、「結論(Point)」「理由・根拠(Reason)」「具体例(Example)」「結論・結果(Point)」の流れで文章を構成するフレームワークです。この流れで回答をまとめれば、理論的でわかりやすく話せるようになります。
ストレス解消法についての質問の場合は、以下のようにまとめると簡潔な回答を作れます。
- Point:どのようにストレスを解消しているのか
- Reason:なぜそのように解消しているのか
- Example:実際にストレスに向き合って問題を解決したエピソード
- Point:どのような結果になり、何を学んだのか
上記の流れを参考に、自分らしい答えを作ってみてくださいね。
面接で好印象・避けたいストレス解消法
ストレス解消法の質問に対する回答を考えるとき気になるのが、「どのような解消法であれば印象がいいのか」ということではないでしょうか。ここでは、面接で好印象のストレス解消法と避けたいストレス解消法について紹介します。
面接で好印象なストレス解消法
ストレス解消法は、基本的には何でも問題ありません。嘘をつかずに、いつも自分が実践しているストレス解消法を説明すればいいでしょう。たとえば、スポーツや料理、カラオケや映画鑑賞などの娯楽、筋トレ、食事、ゲームなどいろいろなものがアピールに活用できます。
ストレス解消法がたくさんあってどれを伝えればいいかわからない場合は、企業の特色に合っているものを選びましょう。体育会系の企業であればスポーツや筋トレ、堅実で真面目な企業であれば読書や映画鑑賞など、社風に合いそうなストレス解消法を伝えると、「うちの社員と相性がいいかも」と思ってもらえるかもしれません。
面接で避けたいストレス解消法
基本的にどのようなストレス解消法を伝えても大丈夫ですが、一部面接では言及を避けたい解消法が存在していることも事実です。
たとえば、ギャンブルや酒、たばこ、暴力など、一般的にビジネスシーンに適さないと思われる回答は、面接では話さないほうが安心でしょう。
また、SNSで愚痴を言うストレス解消法にも注意が必要です。SNSで何でも言ってしまうと思われ、会社の情報を漏らされることを心配されます。
面接でストレス解消法を聞かれたときの回答例文
ここまでの内容を踏まえて、ストレス解消法を聞かれたときの回答例文を2つ紹介します。
私は自分のミスにストレスを感じるので、読書に没頭してストレスを解消しています。本からは自分にないアイデアが学べて、いつもストレス対策のヒントをもらえています。
最近もアルバイト先の同僚と上手く意思疎通ができず、オーダーミスをしてしまいました。読書で気分転換していたときに「自分の当たり前は他人の当たり前ではない」という言葉を見つけ、問題解決のヒントをもらいました。それ以降は何でもハッキリと言葉で伝えることを意識するようになり、意思疎通のミスは起きていません。
読書は、ストレスを忘れさせてくれるだけではなく今後の教訓も学べる、私にとって大切なストレス解消法です。
私は、人前で話すことが苦手でストレスを感じやすいので、その解消法としてカラオケに行くようにしています。大きな声で歌うとスッキリするのはもちろんのこと、マイクを通して何度も話す練習をすることで、自信がついて気持ちを落ち着けられるためです。
この面接の前も緊張のあまり寝られなくなってしまい、体調を崩してしまいました。そこで、学校帰りに毎日カラオケに通って何度も練習することで自信をつけられ、今日の面接を楽しみながら受けられています。
人前で話すことがストレスに感じるのは性格なので仕方ない面もありますが、ストレスと向き合ったり練習したりすることで乗り越えられると思っています。
面接でストレス解消法を聞かれたときの注意点
最後に、面接でストレス解消法を答えるときの注意点を2つ紹介します。イメージダウンに直結する内容なので、必ず意識しておきましょう。
【面接ストレス解消法の注意点1】「とくにありません」と答えない
「私はストレスを感じません」「ストレス解消法はとくにありません」といった回答は避けましょう。「自分のストレスを客観視できない」「問題への対処法を見つけられない」と思われるおそれがあります。
なかには、本当に自分のストレスを自覚できていない学生もいるかもしれません。その場合は、自分の経験を振り返ってみると、気付かないうちにストレスを感じていたことに気づける可能性があります。
- 悲しさや不安、イライラ感を覚えた経験はないか
- 原因不明の食欲減退や睡眠不足、体調不良が出たことはないか
- お酒やタバコが増えた時期はないか
- 意欲や趣味への興味が薄れた経験はないか
上記のように心や体からSOSが出た過去がないか思い返してみると、その時期の前後にストレスの要因を見つけやすくなります。
【面接ストレス解消法の注意点2】他人任せな回答は避ける
「ほかの人のせいで思い通りに行かないとストレス」「ストレスの原因になる人に離れてもらう」など、人のせいにしたり他人任せにする印象を与えたりする回答は避けましょう。
とくにストレスの解消方法については、他人をあてにするのではなく、自分の行動によって解消できる方法を伝えることが好印象への近道になります。たとえこういった事実があったとしても、面接ではほかの内容を答えることをおすすめします。
面接でストレス解消法を聞かれたら「解決法」を伝えることが大切!
面接でストレス解消法を聞かれたときは、ストレスの原因や解消法の詳細、問題への向き合い方や予防法をセットで答えるといい評価を獲得しやすくなります。単にストレス解消方法を伝えるだけの場合と、ポイントを押さえて回答する場合では評価が大きく変わってくるので、必ずこの記事で紹介した内容を実践してみてくださいね。
自分のストレスがわからない、ストレスの解消方法がわからないというときは、自己分析や過去の振り返りをおすすめします。適性検査ツールの活用や自分史の作成なども役に立つので、積極的に活用してみましょう。