面接の回答は「以上です」で締めるべき?避けたい場面・言うべき場面を解説

スピーチしたりレポートなどで報告したりすることが多い学生のなかには、日頃から「以上です」という言葉を使う習慣がある人もいることでしょう。そんな学生は、面接でもしっかりと発言を区切ることで、話を簡潔にまとめようと考えているかもしれません。

そもそも、面接において「以上です」ということは好印象につながるのでしょうか。この記事では、「以上です」という言葉の注意点や使うと効果的なシーンについて紹介します。

面接の回答で「以上です」は使うべき?

面接でこちらの発言が終わったとき、締めの言葉として最後に「以上です」と言ってもいいものなのでしょうか。まずは、「以上です」の基本的な考え方を紹介します。

「以上です」は面接で基本的に使わないこと

結論から言うと、基本的に面接で「以上です」は使わないほうが無難です。この言葉は、話を強制的に終わらせる効果があり、場合によっては冷たくて自己主張が強すぎる印象を与えるおそれがあるためです。

「『以上です』と言う学生には高評価をつける」などという審査基準はないため、言わなくても全く問題ありません。プラス評価よりもマイナス評価になるケースが多いことを考えると、使わないほうが安全でしょう。普段の生活でクセになっている学生は、無意識に言わないよう気をつける必要があります。

面接で「以上です」を使ったほうが効果的なシーンもある

先述したように、面接では「以上です」を使わないほうが無難ですが、反対に使ったほうがいい場面があることも事実です。

後述しますが、話が長くなったり一度にいくつもの項目について話したりするときは、「以上です」と締めることで区切りをつけやすくなります。シーンに合わせて臨機応変に使うことが大切なので、この記事で使うべきシーンをしっかりと押さえておきましょう。

面接で「以上です」と言わないほうがいい理由

面接で「以上です」と言わないほうがいいことには、3つの明確な理由があります。ここからは、その理由について詳しく説明します。

【面接「以上です」のデメリット】1.話を掘り下げにくくなる

一方的に話を締められてしまうと、「これ以上話すことはありません」と言われている印象になり、会話を続けにくくなります。その回答の内容を掘り下げたり関連する質問をしたかったりしても、話が強制的にシャットダウンされてしまえば、会話が弾みにくくなりますよね。

一方的に「以上です」と言うと、「なんだか話したくなさそうだし、次の質問にいっていいか」と思われ、あなたの魅力を十分に伝えられない恐れがあるのです。

【面接「以上です」のデメリット】2.話が苦手だと思われる

面接は会話を通して自分を知ってもらう機会であり、発表会やプレゼンではありません。友達やアルバイト先の従業員と話すとき、「以上です」とわざわざ言うことはありませんよね。それと同じように、面接官との会話でも言う必要はないのです。

本来であればわかりやすく話をまとめ、回答が終わったことを相手に理解してもらい、自然な流れで次の話題に移ることが一般的です。そのため、「以上です」と言わないとまとめられない場合は、話やコミュニケーションが苦手だと思われる可能性があります。

【面接「以上です」のデメリット】3.くどく思われる

毎回発言するたびに「以上です」と言われると、くどい印象になります。「変なクセがある」「変わっている」と思われて、印象がダウンするかもしれません。

もちろん、ここぞというときに1回や2回だけ使うぶんには構いません。程度の問題なので、「以上です」という言葉が必ずしも悪いわけではないことを理解しておきましょう。

面接で「以上です」を活用すると効果的なタイミング

面接で避けたい「以上です」という言葉ですが、活用したほうが印象をアップできるシーンもあります。ここでは、「以上です」を使いたいシーンについて解説します。

【面接「以上です」が効果的なタイミング】1.回答が長くなったとき

熱意が強すぎるあまり、語りすぎてしまうことは誰にでもあるものです。「やってしまった、長く語りすぎてしまった」と自分で気づけたときは、最後に「以上です」と言ってスパッと話を区切ると、間延びした印象を軽減できます

【面接で「以上です」が効果的なタイミング】2.複数の回答があるとき

面接の質問内容によっては、回答が複数存在するケースが出てくるかもしれません。たとえば「志望理由が3つある」といった場合は、話が終わるタイミングがわかりにくくなります。こういったときは、複数の回答がすべて終わった段階で「以上です」と言うと、回答のまとまりがよくなりますし、話が終わったことを自然に伝えられます

【面接で「以上です」が効果的なタイミング】3.面接を終えるとき

「最後に何かありますか?」など、面接の最後に発言を求められたときも「以上です」の出番です。入社の意欲や志望度などを熱く伝えたあとに、「以上です。本日はありがとうございました」とまとめるとスムーズに面接を終えられ、全力を出してやりきった印象を残せます。

「以上です」と言わなくてもスムーズに回答を終わらせるコツ

基本的に「以上です」は言わないほうが無難ですが、なかには話をまとめることが苦手で、「以上です」と言わないと回答を締められないという学生もいるでしょう。

そんな学生におすすめなのが、「PREP法」や「STAR法」などのフレームワークを使う対処法です。適切な順序で話すと結論がわかりやすくなるため、「以上です」と言わなくても自然な流れで回答の終了を伝えられるようになります。

それぞれのフレームワークについて紹介するので、ぜひ取り入れてみてください。

【PREP法】

意見を主張したいときに向いているフレームワークです。

1. Point(結論や主張):
御社への志望動機は、〇〇です。

2. Reason(そう主張する理由や根拠):
なぜなら、御社は〇〇という特徴があるためです。

3. Example(具体的なエピソード):
私は学生時代〇〇という経験を通し、〇〇の重要さを学びました。

4. Point(結論や主張のまとめ):
〇〇に携われる御社で働き、私も社会に貢献したいと考えています。

【STAR法】

自分の経験や行動を説明するときに向いているフレームワークです。

1. Situation(概要):
私が学生時代に力を入れたのは、〇〇の活動です。

2. Target&Task(課題や目標):
〇〇という目標を掲げていましたが、〇〇という結果しか出ませんでした。

3. Action(取った行動):
そこで、〇〇という行動を取り成績アップを目指しました。

4. Result(結果):
その結果、〇〇を実現できました。このことから、〇〇の重要性を学びました。

以上の流れで志望動機や自己PR、ガクチカなどの回答を作成すれば、「以上です」に頼らなくても区切りのいい受け答えができます。意識しなくてもこの流れで回答できるよう、日頃から練習しておきましょう。

好印象な面接の受け答えには自己分析が重要

「もっと好印象な受け答えをしたい」「『以上です』と言うクセを直したい」というときは、自己分析をやり直してみることをおすすめします。自分のことをしっかりと理解できていれば、予想外の質問にもすぐに答えられるようになり、回答もまとめやすくなるためです。

話が長くなったり区切りが悪くなったりするのは、アピールしたい強みや自分の軸があやふやだからかもしれません。回答方法に気をつけるだけではなく、適性検査を受けて再度自己理解を深めてみましょう!

「適性検査」の受け方・結果の見方!自己分析ツールの使い方を解説

面接ではここぞというときに「以上です」を活用しよう!

「以上です」という言葉は、基本的に面接では使用しないことが一般的です。使いすぎるとマイナスの印象を抱かれる危険性があるので、不安な人やクセづいている人は、無意識のうちに言わないように注意しましょう。

ただし、話が長くなったときや回答が複数あるときなど、一部「以上です」を使うことで回答がすっきりとまとまるシーンもあります。使用すべきタイミングをしっかりと見極め、臨機応変に対応することが大切です。