就活で成績証明書が必要?企業側の意図から提出が遅れる場合の対処法まで解説

就活を進めていると、企業から「成績証明書を提出してください」と指示されることがあります。しかし、成績証明書とは何なのか、どうやって手に入れればいいのか分からない学生は少なくありません。

そこで本記事では就活で提出を求められる成績証明書について解説します。なぜ必要なのかをはじめ、就活に及ぼす影響や発行・提出の方法や期限に間に合わない場合の対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

企業側が成績証明書を求める意図

なぜ就活で成績証明書が必要なのでしょうか。まずは企業側が成績証明書の提出を求める意図を把握しておきましょう。

【成績証明書の意図1】卒業資格の確認

企業が成績証明書の提出を求める意図の一つに、学生の卒業資格を確認したいことが挙げられます。就活をおこなっている大学生のほとんどは予定通り卒業していますが、なかには内定を獲得したにもかかわらず単位が足りずに内定を辞退する人もいます。

企業側としては採用にかけるコストも大きいため、選考中の学生が本当に大学を卒業できるのかどうかを確認したいと考えているのです。

【成績証明書の意図2】履歴書にウソがないかの確認

成績証明書は大学から公的に発行される書類であるため、履歴書やES(エントリーシート)に書かれた内容に嘘がないかを確認しようと考えている場合もあります。もちろん、大学や学部を偽る人は滅多にいません。ただ、ESなどに「経済について勉強しました」と記載している一方で、実際に経済関連の講義を履修した記録がなければ、嘘のアピールをしている可能性も考えられます。

そのため、学生が本当のことを言っているのかどうかを確認するために、履歴書をチェックしているケースも珍しくありません。

【成績証明書の意図3】人物像の把握

学生の人物像を把握するために、学生に成績証明書の提出を求める場合もあります成績証明書に記載されているのは、学生の成績をはじめ受講した科目や取得単位、学習領域などです。企業はこうした情報をもとに応募者の専門性や興味・関心、学習領域などを把握し、自社の選考を受ける学生の人物像をより深く理解しようと考えている可能性もあります。

また、入社後の配属先を決めるために成績証明書の内容を参考にする場合があることも把握しておきましょう。

就活で成績証明書の提出が求められるタイミング

続いて、就活中に成績証明書の提出を求められる可能性が高いタイミングを紹介します。

選考段階

企業は、応募者が履歴書や面接で嘘をついていないか確認するために成績証明書を確認することがあるため、選考段階で提出を求める場合があります。ただ、選考段階といっても書類選考や一次面接などの序盤は応募者が多く、全員の成績証明書を確認していると時間と手間がかかってしまいます。そのため、選考段階で成績証明書を求められる可能性があるのは、二次面接や最終面接といった選考の終盤に差し掛かってからだと捉えておきましょう

内定承諾時

成績証明書の提出を求められる可能性が高いのは、内定承諾時です。特に内定承諾書と併せて提出するケースが多いでしょう。

新卒採用は大学卒業が条件の一つなので、学生は内定承諾書の提出だけでなく大学を卒業する必要があります。もちろん、成績証明書はあくまでも卒業できるかどうかを確認するための書類ですが、企業は採用リスクを抑えたいと考えているため、不信感を与えないためにも提出を求められた場合は従いましょう。

成績証明書の内容が及ぼす選考への影響

学生のなかには「成績に自信がない」「大学での成績が選考結果に影響するの?」と不安に感じている人もいるでしょう。そこで、ここからは成績証明書の内容が選考に影響を及ぼすのかどうかを解説します。

【成績証明書の影響1】原則、ネガティブチェックだけ

企業から成績証明書の提出を求められたからといって、大学で優秀な成績を取っているかどうかは重視されていません。というのも、成績証明書を見るのは原則としてマイナスになりかねない要因を確認する「ネガティブチェック」だけだからです。

就活では大学での成績よりも応募者の人柄や自社とのマッチ度などが重視されるため、成績に不安がある学生も安心して自己アピールに専念しましょう。

【成績証明書の影響2】成績は良いに越したことはない

就活では学生の人柄などが重視されるものの、成績が良いに越したことはありません。というのも、学業に真剣に取り組んでいる人は、入社後も努力して好成績を出せるという考え方もあるためです。

成績の良い学生は真面目な印象を持たれやすいため、企業から期待されることもあるでしょう。また、応募者の成績が配属先を選ぶ際の指標になることもあるため、できるだけ学業にも力を入れるのがおすすめです。

【成績証明書の影響3】専門職の場合は特に求められる

理系の専門職などを志望している場合は、成績証明書の内容が採用に影響を及ぼす可能性があります。というのも、入社直後から高い専門性を求められているため、大学での研究や専攻内容が大きく関わっているためです。

もちろん成績が高いからといって必ず採用されるわけではありませんが、専門職や研究職などを志望している学生は大学で好成績を残しておくのが無難でしょう。

成績証明書の発行方法と注意ポイント

成績証明書の発行方法は主に3パターンあります。場合によっては即日発行ができない場合があるほか、発行するのに費用がかかる場合もあります。

それぞれの発行方法と注意点について、詳しく見ていきましょう。

【成績証明書の発行方法と注意点1】学校の事務室や窓口

成績証明書の発行方法は大学によって異なりますが、大学の事務室や学生課の窓口で発行できる場合があります。申請から発行まで時間がかかる可能性があり、学校が休みの時は対応できない場合もあるため注意が必要です

【成績証明書の発行方法と注意点2】証明書発行機

大学によっては証明書発行機で成績証明書を入手できる場合があります。証明書発行機はその場で成績証明書を受け取れますが、どこに設置されているか分からない場合はキャリアセンターなどに聞いてみても良いでしょう。

【成績証明書の発行方法と注意点3】オンライン

成績証明書はオンラインで発行できる場合もあります。オンライン上で申請できるため、時間や場所を気にせず手続きを進められるのは嬉しいポイントです。また、PDFで成績証明書のデータを入手できる場合もあるため、使い勝手の良い方法と言えます。

ただし、成績証明書が郵送される場合は手元に届くまで数日かかるため、時間に余裕を持って手続きを済ませるのがポイントです。

成績証明書の提出方法

成績証明書の提出方法は、データ・郵送・手渡しのいずれかになることがほとんどです。基本的には企業の指示に従って提出すれば問題ありませんが、それぞれの方法について把握しておきましょう。

データ提出

成績証明書の提出は郵送や手渡しなどは一般的でしたが、近年はデータで提出するよう指示されるケースも増えてきました。オンライン発行でPDFデータを持っている場合はそのデータを活用すれば問題ありませんが、紙で持っている場合はスキャンしたデータを提出しましょう。

なお、スキャンは大学やコンビニのコピー機などでもおこなえます。読み込んだデータはUSBやSDカードなどに保存し、企業の指示に従って提出しましょう。

郵送

内定承諾後に企業が成績証明書の提出を求めてくる場合は、郵送となるケースが多いです。成績証明書はA4サイズが一般的なので、郵送時の封筒はA4サイズのものを選びましょう。

なお、郵送時のマナーとして覚えておきたいのは以下の2点です。

郵送時のマナー

添え状を同封する
クリアファイルに入れて、折れ・濡れを防ぐ

添え状の書き方や郵送時のマナーについては、以下の記事を参考にしてみてください。

就活の郵送マナーは大丈夫?封筒の選び方や書き方を解説

手渡し

手渡しは、選考の終盤である二次面接や最終面接の際におこなう場合が多いです。添え状は不要ですが、郵送の場合と同様に成績証明書をクリアファイル・封筒に入れて持参しましょう。

成績証明書が期限までに提出できない場合の対処法

最後に、成績証明書の提出期限に間に合わない場合の対処法を紹介します。

提出が遅れる趣旨を企業に電話で伝える

成績証明書の提出期限に間に合わない場合は、人事担当者に電話で連絡しましょう。電話では、成績証明書の提出が間に合わないことを正直に話し、いつ入手できるのかを伝えたうえで企業側からの指示を仰ぎましょう。

なお、以下の記事では就活における電話のマナーを解説しています。心配な方は電話をかける前に目を通しておきましょう。

【就活】面接電話の基本マナーとは?電話をかけた時と受けた時の例文付き

提出が遅れる趣旨を企業にメールで伝える

成績証明書の提出が間に合わないと分かったら電話で相談するのがベストですが、電話がつながらなかったり営業時間外だったりする場合は、メールで伝えても問題ありません。電話で伝える場合と同様に提出が間に合わないことと入手できる日にちを伝え、企業の指示を待ちましょう。

メールのマナーについては、以下の記事を参考にしてください。

【テンプレ・例文付き】就活で質問メールを送る時のコツや注意点を徹底解説

まとめ

就活中に提出を求められることのある成績証明書は、卒業資格があるのか、履歴書に嘘の内容が書かれていないかを確認することがほとんどです。ただ、専門職などの場合は成績証明書から応募者の成績を確認する場合もあるため、学業もおろそかにしてはいけません。

また、成績証明書の発行方法は大学によって異なり、申請から入手まで1週間近くかかるケースもあるため、時間に余裕を持って複数枚は発行しておくのが無難です。ぜひ本記事を参考に、期限までに成績証明書の提出を進めてみてください。