面接ではさまざまな質問をされますが、「回答はどれくらい長く話せばいいの?」と疑問に思う学生は少なくありません。面接での回答は、長すぎても短すぎても面接官からマイナスの印象を持たれる可能性があるため、注意が必要です。
今回は面接の回答時間をどれくらいにすべきなのか、詳しく紹介します。また、回答を時間内にまとめる方法や伝える際のコツも紹介しているので、ぜひ面接対策に役立ててください。
面接の回答時間を意識するのは正解!
就活生のなかには、せっかく面接対策をしても回答時間を気にしていなかったり、本番で短すぎ・長すぎの回答をしてしまったりする人もいます。しかし、面接官に好印象を与えるためには、回答時間を意識して話すことが重要です。
就活の面接で回答時間を意識しないとどうなるのか、回答が長すぎる場合や短すぎる場合それぞれのケースを確認しておきましょう。
【面接の回答時間を意識しないとどうなる1】長すぎる場合
面接で長すぎる回答をすると、自分勝手な印象を与えてしまう可能性があります。特に、面接官から指定された制限時間を大幅に超えてしまうと、「人の話を聞いてないのかな」と思われかねません。
また、あまりにも長い話は相手が聞き飽きてしまったり、アピールしたい内容が伝わりにくくなったりします。聞き手は話の要点がわからなくなるため、せっかくのアピールも印象に残らないでしょう。
【面接の回答時間を意識しないとどうなる2】短すぎる場合
話が長すぎると、面接官の印象に残らなかったりマイナスの評価をくだされたりする恐れがありますが、短すぎるのも注意が必要です。例えば、質問に対する回答が一言で終わったり、早口で喋ったりしてしまうと「コミュニケーション能力が低いのかな」「自社への志望度が低いのでは?」と疑われる可能性があります。
もちろん、質問内容によっては端的に答えても問題ない場合もありますが、じっくり話すべき質問なのかどうか、面接対策を通じて慣れておくのが重要です。
面接の回答時間はどれくらいがベスト?【例文付き】
回答時間の適切な長さは、面接時の状況や質問内容によって異なります。大まかに30秒~4分程度がベストですが、面接官から指定されなかった場合は、どのようにして回答時間の目安を捉えれば良いのでしょうか。
ここでは、1分・3分・5分それぞれのケースを紹介します。面接官が制限時間を設定していない場合は、以下の目安を参考にしてみてください。
【面接の適切な回答時間・例文1】1分以内で答える質問
たいていの質問には1分以内を目安に回答しましょう。以下に1分以内に答えたほうが良い質問をまとめました。
回答時間の目安 | 質問内容 | 文字数の目安 |
30秒ほど | 自己紹介 など | 130~150文字 |
1分ほど | ガクチカ 将来のビジョン など |
250~300文字 |
集団面接では他の就活生が回答する時間もあるため、自身の回答は1分程度で伝えるのがおすすめです。なお、1分で話す際の文字数目安は300文字ほどです。以下の例文を参考に伝えたいことをコンパクトにまとめましょう。
私が学生時代に力を入れたことは塾講師のアルバイトです。
私はただ分かりやすい教え方をするだけでなく、生徒のモチベーションを上げることで、学習効率を上げることにこだわりました。
モチベーションを上げるために意識したのは「生徒について深く知る」ことです。
生徒ごとに、どのような話なら相手に刺さるのか、苦手な理由は何なのかを徹底的に分析しました。
分析結果を教え方に反映したことで、私が教えた生徒のうち10人が地域の難関高校に合格できました。
10人という人数は、「1人の講師から送り出す人数としては、異例だ」と教室長から褒められ、強い達成感を感じたことを覚えています。
この経験から、人を動かすのはまず相手を知ることが大切なのだと学びました。
御社に営業職として入社できたら、まず取引先について誰よりも詳しくなり、その上で適切なサービスを提供していきたいと思っています。
こちらの例文は以下の記事から引用しています。ガクチカを1分でまとめる方法を詳しく解説しているため、気になる方はあわせて確認しておきましょう。
【面接の適切な回答時間・例文2】2分以内で答える質問
面接の回答は基本的に1分以内でまとめるのがベストですが、面接時間が長く設定されている場合は、より具体的に伝えるのがおすすめです。
回答時間の目安 | 質問内容 | 文字数の目安 |
1分~1分半 | 志望動機 自己PR など |
300~450文字 |
1対1の面接であれば、2分程度で回答しても問題ない場合があります。長々と話すのは避けたほうが良いですが、志望動機や自己PRなどは自分の伝えたいことをしっかりアピールしましょう。
貴社を志望した理由は、お客様の課題解決に貢献できるだけでなく、社会全体に貢献できると思ったからです。
私は大学時代、ITサークルでWebサイト制作に携わっていました。
当初は、ただ言われた通りにWebサイトを作るだけでしたが、お客様から「Webサイトのおかげで、売上が上がったよ!」と感謝された経験をきっかけに、Webサイトを通して、お客様のビジネスを成功させたいという強い思いを抱くようになりました。
そこで、マーケティングについても積極的に学び、お客様のニーズを分析し、最適なWebサイトを提案するなど、お客様の課題解決に貢献できるよう努力してきました。
貴社では、Webサイト制作だけでなく、マーケティングにも力を入れていると伺い、これまでの経験を活かして、貢献できるのではないかと考えました。
特に、貴社の開発している〇〇というサービスは、お客様の課題を解決するだけでなく、社会全体に貢献できるものだと感じ、大変魅力を感じています。
入社後、まずはWebサイト制作のスキルを磨いていきたいと考えていますが、将来的にはマーケティングの知識も活かして、お客様のビジネスを成功に導くことができるような人材になりたいと考えています。
上記の例文は以下の記事から引用しています。30秒・1分でまとめた志望動機の例文も掲載しているため、短い例文を知りたい方はぜひチェックしてみてください。
【面接の適切な回答時間・例文3】5分以内で答える質問
企業によっては回答の制限時間を5分に設定して質問してくることがあります。特にコンサルティングや広告、金融といった業界ではプレゼンスキルやコミュニケーション能力が必要となるため、面接時に確認される可能性があります。
また、企業によっては長めに話してもらうことで、緊張をほぐしたり「コミュニケーションのきっかけにしたい」と考えていたりすることもあり、企業側の意図を把握して回答するようにしましょう。
長めの制限時間が設けられる面接は、事前に企業から指示されることがほとんどです。そのため、面接の案内文などに記載されていなければ用意する必要はありませんが、不安な方は自己紹介やガクチカなどを5分で話す練習をしておきましょう。
面接で適切な時間内に回答をまとめるためのコツ
続いて、面接での回答を適切な長さにまとめるコツを3つ紹介します。いずれも本番でいきなり実践するのは難しいため、事前に模擬面接などを行って自然にできるようにしましょう。
【時間内に回答をまとめるコツ1】質問の意図を捉える
回答時間を指定されていない場合、適切な長さの回答をするためにも質問の意図を捉えることが大切です。例えば、「志望動機を教えてください」という質問の意図として、以下が考えられます。
志望度の高さを確認するため
応募者のやりたい仕事が自社でできるか確認するため
応募者の人柄や考え方を知りたいから
面接官は応募者の志望度だけでなく人柄や考え方を確かめるほか、自社と就活生のすり合わせをするために志望動機を尋ねています。そのため、志望動機では、企業のどこに魅力を感じたのか、就活生自身の人柄と共通する点があるのか、入社後に何をしたいのかなどをまとめる必要があるでしょう。
質問意図は面接本番ですぐに判断するのは難しいため、以下の記事を参考に頻出質問の意図を把握しておきましょう。
【時間内に回答をまとめるコツ2】PREP法を使って答える
面接ではPREP法を活用して回答しましょう。PREP法は「結論・理由・具体例・結論」の順に伝えるフレームワークで、短めに伝えるときや長めに話す際にも活用できます。
ただ、就活では最後の結論を述べたあとに、もう一言添えて印象に残るアピールをすることが大切です。例えば、自己PRで自分の強みを企業活動や業務にどう活かすのかを述べることで、好印象を与えられるでしょう。
PREP法をはじめ、面接でうまく話すための方法を知りたい方は、以下の記事を確認してみてください。
【時間内に回答をまとめるコツ3】ゆっくり・ハッキリ話す
面接では、ゆっくりハッキリ話すことも重要なポイントです。1分で話そうと300字ほどの回答を考えていたとしても、緊張から早口になってしまうと制限時間が余る可能性もあります。
そこで、面接では相手が聞き取りやすいボリューム・スピードを意識して回答しましょう。また、声のトーンを上げることで明るい印象を持ってもらいやすくなるため、模擬面接などを通じて適切な声量・速さを掴んでおくのがおすすめです。
面接の回答時間内に答えるための準備4つ
面接での回答を時間内にまとめるコツを実践するためにも、事前に行っておきたい準備があります。練習方法がわからない方は、ここで紹介する4つの準備を進めてみてください。
【面接の回答時間内に答えるための準備1】事前に回答を考えておく
面接での回答は1分をベースに考えておきましょう。本番で「30秒でお願いします」と言われた場合も、1分の内容をベースに短くすればスムーズに答えられるため、頻出の質問に対する回答は特に考えておくのがおすすめです。
ただし、回答を丸暗記して面接に臨むと、話に抑揚がなくなってしまい、熱意が伝わらない可能性があります。また、想定外の質問をされたときに頭が真っ白になってしまうこともあるでしょう。
面接の回答を丸暗記するデメリットや対策方法については、以下の記事を参考にしてみてください。
【面接の回答時間内に答えるための準備2】模擬面接で練習しておく
なんの対策もせずに面接に臨むと、適切な長さで回答できない恐れがあるほか、的外れな回答をしてしまう可能性もあります。そのため、必ず1度は模擬面接を行っておきましょう。
模擬面接は大学のキャリアセンターで受け付けていますが、友達に手伝ってもらっても問題ありません。また、面接では入退室のマナーも見られているため、質疑応答の練習だけなく入室から退室まで一通りの流れを練習しておくのがおすすめです。
なお、面接の入退室マナーは以下の記事で取り上げています。詳しく知りたい方は、よく確認しておきましょう。
【面接の回答時間内に答えるための準備3】1分でまとめる自主練をする
面接の練習は、キャリアセンターや友達に手伝ってもらう模擬面接だけでなく、自主練をしておくのもおすすめです。自主練では自分が話している様子をスマホで録画し、回答時間や声のトーン、表情などを確認しましょう。
なお、面接でどんな質問がくるかわからない方は、以下の記事を参考にしてみてください。50の想定質問を掲載しているほか、問答集の作り方も紹介しています。
【面接の回答時間内に答えるための準備4】自己分析をしておく
企業によっては想定外の質問を投げかけてくることがありますが、どのような質問が来てもスムーズに答えられるよう、自己分析をしておきましょう。
というのも、面接では就活生の人柄や価値観を知るための質問をされるため、自己理解を深めておくことで自分らしい回答ができるからです。
自己分析の方法はいくつかありますが、おすすめはキミスカの自己分析ツールです。簡単な質問に答えていくだけで、自分の強み弱みや価値観などがわかり、適職診断も行ってくれます。
自己分析がまだの人も、改めてやってみたい人も新しい気づきが得られるため、ぜひ活用してみてください。
面接では回答時間を意識して受け答えするのがおすすめ!
面接での回答は、話の内容だけでなく適切な長さにまとめることが重要です。長すぎず短すぎない長さで話すことで、コミュニケーション能力の高さやアピールポイントを端的に伝えられます。
ただ、回答の長さを時間内にまとめるには何度か練習しておく必要があるので、本記事で紹介した方法を参考に面接対策を進めておきましょう。