
「エントリーシートで長所を聞かれても、何を書けばいいか分からない…」多くの就活生が抱えるこの悩み。
この記事では、そんなあなたのための「長所」の見つけ方から、採用担当者に響く効果的な書き方、さらには具体的な例文まで、徹底的に解説します。
エントリーシートで「長所」を聞かれる意図とは?
そもそも、なぜ企業はエントリーシート(ES)や履歴書で長所を知りたがるのでしょうか?その意図を理解することが、効果的なアピールへの第一歩です。
企業はあなたの長所を通して性格を知りたいだけではありません。ここでは、企業が長所を聞く3つの主な意図について詳しく解説していきます。
1. 人柄や価値観を知るため
企業はあなたの長所を通して、あなたがどのような人間で何を大切にしているのかを知ろうとしています。
例えば「継続力」を長所として挙げるなら、困難なことにも粘り強く取り組める真面目な人柄が伝わるでしょう。このように、長所はあなたの人柄や価値観を端的に表す指標となります。企業は自社の文化や価値観に合う人材を求めているため、この点は非常に重要視されるポイントなのです。
2. 自社との相性(マッチ度)を測るため
あなたの長所が、企業の求める人物像や社風と合っているかも重要な判断基準になります。
例えば、チームワークを重んじる企業に対して「一人で黙々と作業するのが得意」という長所をアピールしても、ミスマッチだと思われる可能性が高いでしょう。事前に企業研究を徹底し、その企業がどのような人材を求めているのかを理解した上で、自身の長所と結びつけてアピールすることが大切です。
3. 入社後の活躍イメージを掴むため
企業は、あなたの長所が仕事でどのように活かされるのか、具体的な活躍イメージを知りたいと考えています。
そのため「私の長所は〇〇です」と伝えるだけでなく、その長所を入社後にどのように発揮し、企業に貢献できるのかまで言及することが重要です。これにより、採用担当者はあなたを採用するメリットを具体的にイメージしやすくなります。あなたが入社して働く姿を面接官に想像させましょう。
長所と自己PRの違い
エントリーシートを書く上で混同しがちなのが「長所」と「自己PR」です。この二つの違いを正確に理解すれば、それぞれの設問に対して的確に答えられるようになります。
長所はあなたの「人柄や特性」を、自己PRは「企業に貢献できる能力」をアピールする場だと覚えておきましょう。それぞれの役割を理解し、アピール内容を使い分けることが重要です。
長所は人柄・自己PRは能力
「長所」で伝えるべきは、あなたの人間性や性格的な強みです。例えば、「周囲への気配りができる」「何事にも誠実に取り組む」といった点が挙げられます。
一方、「自己PR」では、その長所を活かして企業にどう貢献できるのか、あなたのスキルや能力をアピールします。「気配り」という長所があるなら、自己PRでは「顧客の潜在的なニーズを汲み取り、売上向上に貢献できる」といった具体的な活躍イメージを伝えましょう。
長所:人間性や性格的な強み、あなたの人柄
自己PR:あなたの長所を活かして企業にどのように貢献できるか
【自己分析】エントリーシートに書ける「長所」の見つけ方4ステップ
「自分にはアピールできるような長所なんてない…」そう感じていませんか?そんなことはありません。誰にでも必ず魅力的な長所はあります。ただ、それに気づけていないだけなのです。
ここでは、自己分析を通して、あなただけの「長所」を見つけ出すための具体的な4つのステップを紹介します。このステップに沿って自己分析を進めれば、自信を持ってアピールできる長所が見つかります。
1. 過去の経験を洗い出す
まずは、これまでの人生を振り返り、印象に残っている経験を些細なことでも構わないので書き出してみましょう。
部活動・サークル・アルバイト・学業・趣味など、どんな経験でも大丈夫です。特に、目標達成のために努力したこと、困難を乗り越えた経験、誰かに感謝された経験などを中心に洗い出すと、あなたの強みや得意なことが見えてきやすくなります。難しく考えずに、まずは自由に書き出してみましょう。
2. 各経験での自分の行動を分析する
次に、洗い出した経験の中で、自分がどのように考え、行動したのかを具体的に分析します。
例えば「文化祭の実行委員で、来場者アンケートの回収率を上げた」という経験なら、「なぜ回収率を上げようと思ったのか?」「そのために具体的にどんな工夫をしたのか?」といった点を深掘りします。この「なぜ」「どうやって」を繰り返すことで、あなたの思考のクセや行動パターンが見えてくるでしょう。
3. 行動から「長所」を言語化する
自分の行動パターンが見えてきたら、それを「長所」として言葉にしてみましょう。例えば「目標達成のために、周りを巻き込みながら計画的に準備を進めることができた」という行動からは、計画性・実行力・協調性などの長所が見出せます。この時、一つの経験から複数の長所の候補を挙げておくと、後で企業に合わせてアピールする長所を選びやすくなるためおすすめです。
4. 他己分析で客観的な意見をもらう
自分一人で考えていると、どうしても主観的になりがちです。そこで、家族や友人、大学のキャリアセンターの職員など、第三者にあなたの長所について聞いてみましょう。
「自分では当たり前だと思っていたこと」が、他人から見ると素晴らしい長所であることは少なくありません。客観的な意見を取り入れることで、より説得力のある自己PRに繋がります。ぜひ周りの人に尋ねてみてください。
【必見】他の就活生と差がつく「長所」の言い換え表現一覧
「真面目」「協調性がある」といった長所は、多くの就活生が使うため、そのまま伝えても採用担当者の印象に残りづらいことがあります。しかし、少し表現を変えるだけで、あなたの魅力がより具体的に伝わり、他の就活生と差をつけることができます。
ここでは、よく使われる長所をより魅力的に伝えるための言い換え表現を一覧で紹介します。自分に合った表現を見つけて、エントリーシートをレベルアップさせましょう。
「真面目」の言い換え表現
「真面目」という言葉は、時に「面白みがない」「指示待ち」といったネガティブな印象を与えてしまう可能性もあります。そこで、「真面目さ」を具体的な行動レベルに落とし込んだ表現に言い換えるのがおすすめです。
例えば、「任された役割を最後までやり遂げる責任感」「目標達成のために地道な努力を続けられる継続力」「常に誠実な姿勢で物事に取り組む実直さ」といった表現を使えば、あなたの真面目さがよりポジティブに伝わるでしょう。
「協調性」の言い換え表現
「協調性」も、裏を主体性がないと受け取られるリスクがある言葉です。チームの中であなたがどのように貢献したのかが伝わるような、具体的な表現を心がけましょう。
「多様な意見を尊重し、チームの合意形成を促す調整力」「相手の立場に立って考え、円滑な人間関係を築く傾聴力」「チーム全体の目標達成のために、率先して行動できるサポート力」などの表現を使えば、あなたの協調性がより能動的な強みとしてアピールできます。
「継続力」の言い換え表現
「継続力」をアピールする際はただ続けられることだけでなく、その過程で何を考えどう成長したのかを示すことが重要です。
「高い目標を掲げ、粘り強く挑戦し続ける探究心」「困難な課題に対しても、諦めずに最後までやり遂げる忍耐力」「地道な努力をコツコツと積み重ねられる堅実性」といった表現にすることで、あなたの継続力がより深みのある強みとして伝わるはずです。
長所をエントリーシートに書く方法【3ステップ】
せっかく見つけたあなたの長所も、伝え方次第で魅力が半減してしまいます。採用担当者の心に響き、「この学生に会ってみたい」と思わせるためには、戦略的な構成で文章を作成することが不可欠です。
ここでは、誰でも簡単に説得力のある文章が書ける、魔法の3ステップを紹介します。このフレームワークに沿って書くだけで、あなたのエントリーシートは劇的に変わるでしょう。
1.【結論】私の長所は〇〇です
まず最初に、あなたの長所が何なのかを簡潔に述べます。「私の長所は、目標達成に向けた計画性です」のように、結論から書き始めることで、採用担当者はあなたが最も伝えたいことを瞬時に理解することができます。
ここでのポイントは、先ほど紹介した「言い換え表現」などを活用し、より具体的で分かりやすい言葉を選ぶことです。ありきたりな表現を避け、第一印象で惹きつけましょう。
2.【具体例】長所を裏付けるエピソード
次に、結論で述べた長所を裏付ける具体的なエピソードを記述します。ここで重要なのは、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を意識し、状況が目に浮かぶように描写することです。
どのような課題があり、それに対してあなたがどのように考え行動したのか、そしてその結果どうなったのかをストーリーとして語ることで、あなたの長所に強い説得力が生まれます。
3.【貢献】入社後どのように活かすか
最後に、その長所を入社後にどのように活かし、企業に貢献できるのかを具体的に述べます。
企業の事業内容や求める人物像と結びつけて、「私のこの長所は、貴社の〇〇という事業でこのように活かせると考えております」とアピールしましょう。これにより、採用担当者はあなたが入社後に活躍する姿をイメージしやすくなります。企業研究をしっかり行い、熱意を伝えることが重要です。
【例文20選】エントリーシート「長所」の書き方と回答例|強み別回答例
ここからは、あなたの強み別にESに役立つ「長所」の例文を20個紹介します。
サークル活動やアルバイト、学業など、様々な経験に基づいた長所一覧と例文を用意しました。自分の経験と照らし合わせ、あなたに合った表現を見つけるためのヒントにしてください。
各例文のポイント解説を読めば、採用担当者がどこを見ているのかも分かります。あなただけのエントリーシート作成に、ぜひ役立ててください。
例文1:計画性
私の長所は、目標達成から逆算して計画を立て、着実に実行できる計画性です。
大学のゼミで、3ヶ月後の論文発表会に向けてグループ研究に取り組んだ際、この強みを発揮しました。
当初、テーマが壮大で何から手をつければ良いか分からない状況でしたが、私はまず最終的な論文の構成を考え、そこから必要なタスクを洗い出し、週ごとの詳細なスケジュールを作成しました。
進捗が遅れているメンバーには積極的に声をかけ、タスクの再配分を行うなど、常に全体の状況を把握し、計画を柔軟に修正することで、期限内に質の高い論文を完成させ、教授から高い評価を得ることができました。
この計画性は、貴社でプロジェクトを推進する上で必ず役立つと考えております。
【ポイント解説】
単に「計画を立てた」で終わらず、「タスクの洗い出し」「進捗管理」といった具体的な行動が示されている点が非常に分かりやすいです。再現性のあるスキルとして、入社後の活躍が期待できる内容になっています。
例文2:傾聴力
私の長所は、相手の意見を丁寧に聞き、信頼関係を築くことができる傾聴力です。
アパレル店でのアルバイトで、お客様一人ひとりのニーズを深く理解するために、この力を意識して身につけてきました。
単に商品を勧めるのではなく、まずはお客様の普段のファッションやライフスタイルについて会話を楽しみ、言葉の端々から本当に求めているものを探ることを心がけました。
ある日、プレゼント選びに悩むお客様に対し、30分以上お話を伺い、贈る相手の方の好みや人柄まで想像しながら商品を提案したところ「あなたに相談してよかった」と大変喜んでいただけました。
この経験から培った傾聴力で、お客様との信頼関係を築き、貴社の売上向上に貢献したいです。
【ポイント解説】
「30分以上お話を伺った」「あなたに相談してよかった」といった具体的な数字や第三者からの感謝の言葉が入ることで、エピソードの信憑性が一気に高まっています。お客様と誠実に向き合う姿勢が伝わる例文です。
例文3:探究心
私の長所は、目標達成のためならどんな困難も厭わない探究心です。
大学で所属していた写真部で、コンテスト入賞という目標を掲げた際、独学で高度な撮影技術と画像編集スキルを習得しました。
専門書を読み漁るだけでなく、プロの写真家が開催するセミナーにも積極的に参加し、実践的な知識を吸収しました。
特に、光の捉え方について深く研究し、納得がいくまで何百枚も試行錯誤を重ねた結果、目標であったコンテストでの入賞を果たせました。
貴社に入社後も、この探究心を発揮し、常に新しい知識や技術を吸収し続け、事業の発展に貢献していきたいです。
【ポイント解説】
「独学」「セミナー参加」「何百枚も試行錯誤」という具体的な行動から、目標に対する熱意と粘り強さが伝わります。受け身ではなく、主体的に学び、行動できる人材であることを効果的にアピールできています。
例文4:責任感
私の長所は、任された役割を最後までやり遂げる責任感です。
飲食店のアルバイトで新人教育係を任された際、教える人によって内容が異なり、新人が混乱するという課題がありました。
私はその状況を改善するため、既存のマニュアルを誰にでも分かりやすく改訂することを店長に提案し、実行しました。
他のスタッフにも協力してもらい、写真や図を追加した結果、新人スタッフがスムーズに業務を覚えられるようになり、以前より定着率が20%向上しました。
この責任感を活かし、貴社でも粘り強く業務に取り組みたいです。
【ポイント解説】
現状の課題を発見し、改善のために主体的に行動した点が評価されます。「定着率が20%向上」という具体的な数字を用いることで、行動の成果が明確に伝わり、説得力が増しています。
例文5:協調性
私の長所は、多様な意見を持つメンバーと協力し、目標達成に貢献できる協調性です。
文化祭の実行委員会で企画を担当した際、出店のテーマについて意見が対立してしまいました。
私は対立する両者の意見を丁寧にヒアリングし、それぞれの意見のメリット・デメリットを整理しました。
その上で、両方の良さを取り入れた新たな企画を提案することで、チームの合意形成を促しました。
結果、企画は成功し、例年以上の売上を達成できました。
この経験で培った協調性を活かし、チーム一丸となって成果を出す貴社の力になりたいです。
【ポイント解説】
ただ周りに合わせるのではなく、対立する意見を調整し、より良い結論へと導いた主体性が高く評価されます。チームの潤滑油としてだけでなく、成果を出すために行動できる人材であることが伝わります。
例文6:継続力
私の長所は、目標達成のために地道な努力を続けられる継続力です。
大学入学時にTOEICのスコア400点でしたが、卒業までに800点を取るという目標を立てました。
そのために、毎日1時間の学習を欠かさず、通学中の電車では単語アプリを活用し、週末にはオンライン英会話で実践的な練習を重ねました。
伸び悩んだ時期もありましたが、学習方法を見直しながら3年間続けた結果、目標の800点を達成することができました。
この継続力を活かし、貴社でも粘り強く目標達成に向けて努力し続けたいです。
【ポイント解説】
「400点から800点へ」という具体的な目標と、「毎日1時間」「3年間」といった数字が、継続力の高さを証明しています。長期的な視点で物事に取り組めるようすが面接官にも伝わります。
例文7:柔軟性
私の長所は、予期せぬ事態にも臨機応変に対応できる柔軟性です。
所属するボランティアサークルで、地域のお祭りの運営を手伝った際、当日の突然の豪雨で予定していた屋外企画が中止になりました。
私はすぐに責任者の方と相談し、使用可能な集会所での代替企画を提案しました。
仲間と協力して会場設営や来場者の誘導を行った結果、多くの子どもたちに喜んでもらうことができました。
この柔軟性を活かし、変化の速い社会においても、様々な状況に対応しながら貴社に貢献していきたいと考えております。
【ポイント解説】
トラブル発生時に、ただ諦めるのではなく、すぐに代替案を考えて行動に移した課題解決能力が素晴らしいです。冷静な判断力と行動力を兼ね備えている点が、高く評価されます。
例文8:主体性
私の長所は、目標達成のために何をすべきか自分で考え、主体的に行動できることです。
個別指導塾のアルバイトで、担当する生徒の成績が伸び悩んでいました。
私は、ただ決められたテキストを教えるだけでは不十分だと考え、生徒の学習習慣や苦手分野を詳細に分析しました。
その上で、一人ひとりに合わせたオリジナルの演習問題を作成し、保護者の方とも面談して家庭学習のサポートをお願いしました。
結果、3ヶ月で担当生徒全員のテストの点数を平均20点上げることに成功しました。
貴社でも、常に当事者意識を持って課題解決に取り組みたいです。
【ポイント解説】
指示された業務をこなすだけでなく、自ら課題を発見し、解決策を考え、周囲を巻き込みながら実行している点が主体性の高さを表しています。当事者意識を持って仕事に取り組める人材であるとアピールできます。
例文9:忍耐力
私の長所は、困難な状況でも諦めずに最後までやり遂げる忍耐力です。
大学で、卒業研究の実験が思うように進まず、何度も失敗を繰り返しました。
データが得られず焦りを感じましたが、私は諦めずに失敗の原因を徹底的に分析し、仮説を立て直す作業を粘り強く続けました。
指導教官や先輩にアドバイスを求め、膨大な先行研究の論文を読み込み、実験方法を根本から見直した結果、3ヶ月後には安定したデータを得ることに成功しました。
この忍耐力を活かし、困難な仕事にも粘り強く取り組み、必ず成果を出したいと考えています。
【ポイント解説】
精神論だけでなく、「原因分析」「仮説検証」「他者への相談」といった具体的な行動が伴っている点が重要です。ただ我慢するのではなく、状況を打開するために粘り強く努力できる姿勢が伝わります。
例文10:チャレンジ精神
私の長所は、現状に満足せず、常に新しいことに挑戦するチャレンジ精神です。
大学2年生の時、プログラミング未経験でしたが、ITで社会課題を解決したいという思いから、独学でプログラミングの勉強を始めました。
オンライン教材で基礎を学んだ後、友人3人とチームを組み、地域の飲食店のテイクアウト情報をまとめたWebサイトを開発しました。
開発中はエラーの連続で苦労しましたが、チームで協力して乗り越え、サイトを完成させることができました。
このチャレンジ精神を活かし、貴社の新しい分野の事業にも積極的に挑戦したいです。
【ポイント解説】
「未経験から挑戦した」というエピソードは、成長意欲やポテンシャルの高さを示すのに非常に有効です。具体的なアウトプット(Webサイト開発)まで示せている点が、行動力の証明にもなっています。
例文11:分析力
私の長所は、現状を客観的に分析し、課題解決に繋げる分析力です。
カフェのアルバイトで、平日の午後の客数が伸び悩んでいるという課題がありました。
私は、時間帯ごとの客層や注文メニューのデータを集計・分析し、「学生の利用が少なく、勉強や作業目的の滞在時間が短い」という仮説を立てました。
そこで、店長にWi-Fi環境の強化とコンセント席の増設を提案したところ、採用されました。結果、学生客が増加し、平日の売上が前年比で15%向上しました。
この分析力を活かし、市場のニーズを的確に捉え、貴社の事業拡大に貢献したいです。
【ポイント解説】
「データ分析→仮説立案→施策提案→結果」という論理的な流れが非常に分かりやすいです。感覚ではなく、客観的な事実に基づいて課題を解決できる能力は、多くの職種で高く評価されます。
例文12:気配り
私の長所は、常に周りの状況に気を配り、チームが円滑に機能するように行動できることです。ゼミ活動でグループ発表の準備をしていた際、発言が少ないメンバーがいることに気づきました。
私は、彼が意見を言いにくい雰囲気を感じているのではないかと考え、休憩中に個別に話しかけ、彼のアイデアを聞き出しました。
彼の意見が非常に的確だったため、次のミーティングで私が彼の意見を紹介し、議論のきっかけを作りました。
結果、チーム全体の議論が活性化し、発表も成功させることができました。
この気配りを活かし、チームワークを大切にする貴社で貢献したいです。
【ポイント解説】
ただ優しいだけでなく、チームの成果を上げるために「気配り」を活かした具体的な行動が示されています。観察力と、チームのために行動する献身的な姿勢が伝わる良いエピソードです。
例文13:誠実さ
私の長所は、誰に対しても、どんな状況でも誠実に対応することです。
スーパーの品出しのアルバイトで、私が誤って商品の発注数を一桁多く入力してしまい、大量の在庫を抱えるというミスを犯しました。
すぐに店長に正直に報告・謝罪し、どうすれば損失を最小限に抑えられるか相談しました。
そして、特設コーナーの設置やPOP作成を提案し、他のスタッフにも協力を仰ぎながら販売に努めました。
結果、期限内に全て売り切ることができ、店長からは「正直に話してくれてありがとう」と言われました。
この誠実な姿勢で、お客様や社内の仲間から信頼される社会人になりたいです。
【ポイント解説】
自分のミスから逃げずに、正直に報告し、挽回するために行動した姿勢が誠実さを物語っています。失敗から学び、次に行動できる力を示すことで、人間的な信頼性をアピールできています。
例文14:向上心
私の長所は、現状に満足せず、より高みを目指して努力し続ける向上心です。
大学の英語プレゼンテーションの授業で、当初は人前で話すことが苦手で評価も平均的でした。
しかし、このままではいけないと感じ、毎回授業の動画を撮って自分の話し方の癖を分析し、友人や教授にフィードバックを求めました。
また、表現力を磨くために洋画を字幕なしで見るなど、授業外でも努力を続けました。
その結果、学期末の最終発表ではクラスで最も高い評価を得ることができました。
貴社でも、この向上心を胸に常に成長し続けたいです。
【ポイント解説】
苦手なことから逃げず、それを克服するために具体的な努力を重ねたプロセスが評価されます。「動画で分析」「フィードバックを求める」といった行動から、主体的に学ぶ姿勢が伝わります。
例文15:ポジティブ思考
私の長所は、困難な状況でもポジティブな側面に目を向け、前向きに行動できることです。
テニスサークルで、大会直前に主力メンバーが怪我で離脱するという危機がありました。
チームの士気が下がる中、私は「これは他のメンバーが成長するチャンスだ」と皆を鼓舞し、残ったメンバーで勝つための新しい戦略を考え、練習方法を工夫しました。
結果として、チームの結束力が高まり、目標としていたベスト8には届かなかったものの、前年を上回る成績を収めることができました。
この前向きな姿勢で、どんな困難なプロジェクトもチームを盛り上げながら成功に導きたいです。
【ポイント解説】
ただ楽観的なだけでなくポジティブな思考をチームの力に変え、具体的な行動に繋げている点が素晴らしいです。逆境におけるリーダーシップや、ムードメーカーとしての素質を感じさせます。
例文16:リーダーシップ
私の長所は、集団の目標達成のためにメンバーを巻き込み、方向性を示すリーダーシップです。
部長のような役職経験はありませんが、ゼミの共同論文執筆の際にこの強みを発揮しました。
当初、議論がまとまらず作業が停滞していましたが、私はまず全員の意見を可視化するためにホワイトボードに書き出し、論点を整理しました。
その上で、最終的なゴールを再確認し、各々の得意分野を考慮した役割分担を提案しました。
結果、各々が責任を持って作業に取り組むようになり、質の高い論文を完成させることができました。
貴社でも、チームをまとめる力で貢献したいです。
【ポイント解説】
役職経験がなくても、目標達成のためにチームをまとめ、方向性を示した経験は立派なリーダーシップです。派手さはありませんが、実務で求められる調整力や推進力をアピールできています。
例文17:調整力
私の長所は、利害が対立する人々の間に立ち、双方にとって納得のいく解決策を見出す調整力です。
大学の学園祭で、複数のサークルが同じ場所での出店を希望し、トラブルになりかけました。
私は実行委員として各サークルの代表者から個別に要望をヒアリングし、時間帯をずらして共有スペースとして利用する案や、代替案として別の魅力的な場所を提案するなど、粘り強く交渉を重ねました。
結果、全てのサークルが納得する形で場所を割り振ることができ、円満に解決しました。
この調整力を活かし、社内外の様々な関係者と円滑に連携を取りながら業務を進めたいです。
【ポイント解説】
板挟みになりがちな難しい状況で、粘り強く対話し、全員が納得する着地点を見つけたプロセスが高く評価されます。多くの人と関わる仕事において不可欠な能力であることが伝わります。
例文18:好奇心
私の長所は、自分の専門分野にとらわれず、様々なことに興味を持つ好奇心です。
経済学部に所属していますが、デザイン思考に興味を持ち、工学部の授業を履修しました。
そこで学んだアプローチを経済学のゼミに応用し、地域の活性化策をテーマにした研究で、住民へのインタビューに基づいたサービスデザインの手法を取り入れた提案を行いました。
そのユニークな視点が教授に評価され、学会で発表する機会を得ました。
この好奇心を活かし、既存の枠にとらわれない新しい発想で、貴社の事業に貢献していきたいです。
【ポイント解説】
興味を持つだけでなく、実際に行動して自分の専門分野と掛け合わせて成果を出している点が素晴らしいです。意欲的に知識を吸収し、新しい価値を創造できる人だと印象付けることができます。
例文19:課題発見力
私の長所は、現状を当たり前と捉えず、常に改善点を見つけ出す課題発見力です。
所属していたテニスサークルの備品管理は、手書きのノートで行われており、備品の紛失や在庫の把握漏れが頻発していました。
私はこの状況を問題視し、スマートフォンで簡単に在庫管理ができる共有ファイルを作成・導入することを提案しました。
これにより、誰でもリアルタイムで在庫状況を確認できるようになり、備品の紛失はゼロになりました。
この課題発見力を活かし、貴社の業務においても改善提案を積極的に行い、効率化に貢献したいです。
【ポイント解説】
多くの人が見過ごしてしまうような日常の「不便」に気づき、具体的な解決策を実行している点が評価されます。当事者意識と、業務改善への意欲の高さを示すことができるエピソードです。
例文20:実行力
私の長所は、目標達成のためにやると決めたことを、すぐに実行に移す実行力です。
大学の国際交流イベントで、留学生の参加者が少ないことが課題でした。
私は「まずは知ってもらうことが重要だ」と考え、SNSでの告知強化に加え、留学生が多く住む寮や日本語学校に直接出向いてチラシを配ることを企画し、すぐに実行しました。
また、留学生向けの簡単な日本語ガイドを作成して配布しました。
その結果、前年の3倍の留学生が参加してくれ、イベントは大いに盛り上がりました。
この実行力を、スピード感が求められる貴社の業務で活かしたいです。
【ポイント解説】
「考える」だけで終わらず、すぐに「行動」に移せることが伝わるエピソードです。特に、自ら足を運んでチラシを配るなど、泥臭い努力を厭わない姿勢が実行力の高さを裏付けています。
長所や短所をエントリーシートでアピールする時のポイント
エントリーシートでは、長所と短所の両方を質問されることがよくあります。この2つはセットで、あなたという人を多角的に理解するために見られています。
ここでは、長所短所の両方を効果的にアピールし、採用担当者に好印象を与えるための重要なポイントを2つ解説します。一貫性を持たせ、誠実な姿勢を示すことが鍵となります。
1. 長所と短所に一貫性を持たせる
長所と短所は、全く無関係なものではなく、表裏一体の関係にあると効果的です。例えば、長所を「慎重に物事を進められる計画性」とするなら、短所は「石橋を叩いて渡るあまり、行動が遅くなることがある」といった形です。
このように長所と短所に一貫性を持たせることで、自己分析がしっかりできているという印象を与え、人物像に深みが増します。長所短所が矛盾しないように注意してください。
2. 短所は改善の意思とセットで伝える
短所を伝える際は、ただ欠点を述べるだけでなく、その短所をどのように改善しようと努力しているのかを必ずセットで伝えましょう。
例えば、「行動が遅くなることがある」という短所に対して、「そのため、タスクを細分化し、小さな締め切りを設けることで、スピード感を意識して行動するように心がけています」と付け加えます。これにより、課題解決能力や向上心があることをアピールでき、ポジティブな印象に変えることができます。
エントリーシートの「長所」についてのよくある質問(Q&A)
ここでは、エントリーシートの長所に関して、就活生からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
多くの人が疑問に思うポイントなので、あなたも同じような悩みを持っているかもしれません。Q&A形式で分かりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。
Q1. 長所が思いつかない場合はどうすればいいですか?
長所が思いつかない場合は、まず短所から考えてみるのがおすすめです。短所は長所の裏返しであることが多いからです。例えば「心配性」という短所は、「慎重に物事を進められる」という長所に言い換えることができます。
また、本記事の「【自己分析】エントリーシートに書ける長所の見つけ方4ステップ」で紹介したように、過去の経験を振り返ったり、友人に聞いてみたりするのも非常に有効な方法です。ぜひ試してみてください。
Q2. 複数の長所をアピールしても良いですか?
エントリーシートの限られたスペースでアピールする場合、長所は一つに絞るのが基本です。複数の長所を書いてしまうと、一つ一つの印象が薄れてしまい、結局何も伝わらないという事態になりかねません。
最も伝えたい長所を一つ選び、具体的なエピソードを交えて深く掘り下げて説明することで、より面接官の印象に残るアピールができます。
Q3. 趣味や特技を長所としてアピールしても良いですか?
趣味や特技も、仕事に活かせるものであれば長所としてアピールすることが可能です。
例えば「10年間ピアノを続けている」という経験からは、継続力や目標達成意欲をアピールできますし、「料理が趣味」であれば、段取り力や効率性を伝えることができます。重要なのは、その趣味や特技を通してどのような強みが培われ、それを仕事でどう活かせるのかを論理的に説明することです。
エントリーシートで自分の長所をアピールして、内定を掴み取ろう!
本記事では、エントリーシートにおける「長所」の考え方から具体的な書き方までを解説しました。大切なのは、企業が「あなたの人柄と自社との相性」を知りたがっていると理解することです。特別な経験は不要で、あなたの過去の行動の中にこそ、アピールすべき長所は眠っています。
見つけた長所を「結論→具体例→貢献」というフレームワークで伝え、自分らしい言葉で表現すれば、それは唯一無二の強みになります。ポイントを理解出来たら、ぜひあなたの長所を書き出してみましょう。