
「面接で特技を聞かれても、アピールできるようなものがない…」と悩んでいませんか?多くの就活生が同じ悩みを抱えていますが、心配する必要はありません。
面接官は、全国大会レベルのすごい特技を求めているわけではないのです。この記事では、面接官が特技を聞く本当の意図から、特技がないと感じている人がアピールポイントを見つける具体的な方法、さらには面接で使える特技一覧までを徹底解説します。
面接で「特技」を聞かれるのはなぜ?企業が見ている3つのポイント
面接で特技について質問されるのには、ちゃんとした理由があります。
企業側はあなたの回答から、履歴書だけでは分からない個性やポテンシャルを探ろうとしています。単なる得意なことを知りたいのではなく、その背景にあるあなたの「人となり」に興味があるのです。ここでは、企業が特に注目している3つのポイントについて解説しましょう。
1. あなたの人柄や価値観を知るため
特技は、あなたがどんなことに興味を持ち、何に時間や情熱を注いできたかを反映する鏡のようなものです。例えば「チームスポーツ」が特技なら協調性を、「一人で黙々と取り組むこと」が特技なら集中力の高さをイメージできます。
企業は、あなたがどんな人柄で、自社の文化やチームに合いそうかを見ています。あなたらしさが伝わる特技を選ぶことで、面接官に親近感を持ってもらいやすくなるでしょう。
2. 継続力や探究心があるかを見るため
何かを「特技」と呼べるレベルにするには、ある程度の時間と努力が必要です。
すぐに結果が出なくても諦めずに続けたり、もっと上手くなるために工夫したりした経験があるはずです。企業はそうしたエピソードから、あなたが仕事においても粘り強く取り組める「継続力」や、課題を改善していく「探究心」を持っている人材かを見極めています。
結果の大小よりも、取り組む姿勢が評価されるのです。
3. ストレス解消法を持っているかを確認するため
社会に出て仕事を始めると、楽しいことばかりではなく、時にはプレッシャーやストレスを感じる場面もあります。企業側は、学生がそうしたストレスと上手く付き合っていけるか、という点も気にしています。
特技に打ち込む時間が、あなたにとって良い気分転換やストレス解消の手段になっているかを確かめたいのです。自分なりのリフレッシュ方法を持っている学生は、心身ともに健康で、長く安定して働いてくれるだろうと期待されます。
特技がない?面接でアピールできる特技の見つけ方4ステップ
「自分には特技なんてない」と思い込んでいませんか?特別なスキルや実績だけが特技ではありません。
日常生活の中に、あなただけの強みにつながるヒントが隠されているはずです。ここでは、誰でも実践できる特技の見つけ方を4つのステップで紹介します。自分自身を少し違う角度から見つめ直してみましょう。
1. 好きなこと・つい時間を忘れてしまうことを書き出す
まずは難しく考えず、自分が好きなことや、始めるとつい夢中になってしまうことを紙に書き出してみましょう。「映画鑑賞」「散歩」「料理」「ゲーム」など、どんな些細なことでも構いません。
楽しんで取り組めることは、あなたの長所や個性をアピールするきっかけになります。なぜそれが好きなのか、どんな部分に面白さを感じるのかを深掘りすることで、自分だけの強みが見えてくるはずです。
2. 苦手だったけど克服したことや継続していることを振り返る
好きという感情だけでなく、継続していることも立派なアピールポイントです。例えば「毎朝5分のストレッチを1年間続けている」「家計簿をつける習慣がある」なども特技になります。
また、最初は苦手だったけれど、努力して克服した経験も強みとして語れます。その経験から、あなたの目標達成意欲や粘り強さといった人柄を伝えることができるでしょう。
3. 周囲の人に褒められた・頼られた経験を思い出す
自分では当たり前だと思っていることでも、他人から見ると特別な才能である場合があります。友人や家族、アルバイト先の仲間から「〇〇するの、上手だよね」「いつも〇〇してくれて助かる」などと言われた経験はありませんか?
「聞き上手だね」と言われるなら傾聴力が、「旅行の計画を任される」なら企画力や調整力が、あなたの隠れた特技かもしれません。
4. 企業の求める人物像と結びつけて考える
一通り自分の好きなことや得意なことをリストアップしたら、それを企業の求める人物像と結びつけられないか考えてみましょう。
例えば、チームワークを重視する企業なら「サークル活動でメンバーの意見をまとめた経験」、コツコツと努力できる人材を求める企業なら「資格取得のために毎日勉強を続けた経験」などがアピールにつながります。自分と企業の共通点を見つけることが大切です。
【一覧】面接でアピールできる特技30選をカテゴリー別に紹介
自分に合う特技を見つけるヒントは掴めましたか?ここでは、面接でアピールしやすい特技の具体例をカテゴリー別に一覧で紹介します。
「こんなことでも特技になるんだ!」という発見があるかもしれません。自分の経験や性格と照らし合わせながら、アピールできそうなものがないか探してみてください。
スポーツ・運動系の特技
スポーツや運動系の特技は、体力や精神的な強さ、継続力、チームで活動した経験がある場合は協調性などをアピールしやすいのが特徴です。結果だけでなく、目標に向けて努力した過程を伝えることが重要になります。
・サッカー
・野球
・バスケットボール
・バレーボール
・テニス
・水泳
・陸上競技
・筋トレ
・ランニング
・ヨガ など
文化・芸術系の特技
文化・芸術系の特技は、あなたの個性や感性、そして物事に深く取り組む探究心をアピールできます。専門的なスキルだけでなく、作品を完成させるまでの集中力や独創性も評価されるポイントです。例えば、料理、イラスト、書道、写真撮影、楽器演奏(ピアノ、ギターなど)、ハンドメイド、俳句・短歌、動画編集などが考えられます。
・料理
・イラスト
・書道
・写真撮影
・楽器演奏(ピアノやギターなど)
・ハンドメイド
・俳句
・短歌
・動画編集 など
コミュニケーション・サポート系の特技
コミュニケーションやサポートに関する特技は、多くの仕事で直接的に活かせるため、企業からの評価も得やすい傾向にあります。特別なスキルではなく、普段の行動の中に隠れていることが多いのが特徴です。
・人の顔と名前を覚えること
・聞き上手(傾聴)
・プレゼンテーション
・人に教えること
・幹事
・場を和ませること など
思考・分析系の特技
物事を論理的に考えたり、情報を整理したりすることが得意な場合、それは課題解決能力や分析力の高さを示す強力なアピールポイントとなります。特に企画職やマーケティング職、技術職などを志望する学生には有効な特技です。
・プログラミング
・情報収集
・データ分析
・謎解き
・チェス
・将棋
・速読 など
継続・地道系の特技
派手さはありませんが、地道な努力を続けられることは、社会人として非常に重要な素質です。真面目さや誠実さ、責任感の強さをアピールできるでしょう。「こんな地味なことが特技?」と思わずに、自信を持って伝えてください。
・整理整頓
・節約
・貯金
・早起き
・日記をつけること
・資格勉強
・語学学習 など
面接で特技を魅力的に伝えるための3ステップ構成
アピールしたい特技が見つかったら、次はそれを面接官に魅力的に伝える方法をマスターしましょう。
ただ「私の特技は〇〇です」と答えるだけでは、あなたの良さは十分に伝わりません。ここでは、誰でも簡単に説得力のあるアピールができる、基本的な3ステップの構成を紹介します。この型に沿って話す練習をしてみましょう。
1. 結論ファーストで「私の特技は〇〇です」と伝える
まず最初に、質問に対する答えを簡潔に述べます。「私の特技は〇〇です」と、はっきりと結論から伝えましょう。これにより、面接官はあなたがこれから何について話すのかをすぐに理解でき、その後の話に集中しやすくなります。
回りくどい話し方は避け、自信を持って言い切ることが大切です。ここでの「〇〇」は、具体的で分かりやすい言葉を選びましょう。
2. 特技の背景にある具体的なエピソードを話す
次に、その特技がなぜ得意なのか、どのような経験をしてきたのかを具体的なエピソードを交えて説明します。
例えば「いつから続けているのか」「どんな目標を立てて取り組んだのか」「困難だったことや乗り越え方」などを話すと、話に深みと説得力が生まれます。あなただけの実体験を語ることで、人柄や価値観を効果的にアピールできます。
3. 特技を通じて得た学びや強みをどう仕事に活かすか示す
最後に、その特技に関する経験を通じて何を学び、どんな強みを得たのかを伝えます。そして、その学びや強みを、入社後に仕事でどのように活かしていきたいかを具体的に述べて締めくくります。
これにより、面接官はあなたが自社で活躍してくれる姿を具体的にイメージできます。単なる特技自慢で終わらせず、仕事への貢献意欲を示すことが最も重要なポイントです。
【例文3選】面接で使える特技の回答例をポイント付きで解説
ここからは、実際に面接で使える特技の回答例を3つ紹介します。先ほど解説した3ステップ構成が、どのように使われているかを確認してみてください。
例文を参考にしながら、あなた自身のエピソードを盛り込んだオリジナルの回答を作成してみましょう。例文の後のポイント解説も、ぜひ参考にしてください。
例文1:「料理」で計画性や探究心をアピール
私の特技は料理です。特に、冷蔵庫にある食材を使い切る献立を考えることが得意です。
一人暮らしを始めてから自炊を続けていますが、食材を無駄にしないために、週末に1週間分の献立を計画し、効率的な買い物を心がけています。
時には扱ったことのない食材や調味料にも挑戦し、より美味しく作るための工夫を重ねてきました。
この経験で培った計画性や探究心は、貴社で任された業務を効率的に進め、常に改善を目指す姿勢に活かせると考えております。
【ポイント】
「料理」という身近な特技から、「計画性」や「探究心」といったビジネスで役立つスキルをアピールできている点が高評価です。食材を使い切るという具体的なエピソードを盛り込むことで、堅実な人柄も伝わります。
例文2:「筋トレ」で目標達成能力や継続力をアピール
私の特技は筋力トレーニングを継続することです。
大学入学時に「ベンチプレスで80kgを上げる」という目標を立て、週3回のトレーニングを2年間続けてきました。
思うように重量が伸びない時期もありましたが、トレーニングメニューや食事内容を見直すことで、先日ついに目標を達成できました。
この経験から、長期的な目標を設定し、達成に向けて地道な努力を継続する力を身につけました。
この粘り強さと継続力を、貴社の営業職として目標達成のために活かしたいです。
【ポイント】
「80kg」という具体的な数値目標を入れることで、話の説得力が増しています。スランプをどう乗り越えたかを説明することで、課題解決能力もアピールできています。
目標達成への強い意志が伝わる良い例文です。
例文3:「整理整頓」で課題解決能力や周りへの配慮をアピール
私の特技は整理整頓です。アルバイト先の飲食店では、備品の在庫管理が曖昧で、発注ミスが頻発していました。
そこで私は、全ての備品に定位置を決め、誰が見ても在庫数が一目で分かるような収納ラベルを作成することを提案・実行しました。
結果として、発注ミスが大幅に減り、他のスタッフからも「働きやすくなった」と感謝されました。
この経験のように、現状の課題を見つけて改善する力を、貴社の業務効率化にも活かせると考えています。
【ポイント】
「整理整頓」という地味に思える特技を、アルバイト先での「課題解決」という大きな強みに転換してアピールできています。周りを巻き込んで改善したエピソードは、協調性や主体性の高さも示せています。
やってはいけない!面接で特技を伝える際の3つの注意点
自分の特技をアピールしたい気持ちが強いあまり、かえって面接官にマイナスの印象を与えてしまうケースもあります。
就活の面接という場にふさわしい伝え方を意識することが大切です。ここでは、特技を伝える際に絶対にやってはいけない注意点を3つ紹介します。しっかりと確認し、失敗を未然に防ぎましょう。
1. 嘘をついたり話を大げさに盛ったりする
自分を良く見せたいからといって、できないことを「できる」と言ったり、経験を大げさに話したりするのは絶対にやめましょう。
面接官は多くの学生を見ているプロなので、話の矛盾や不自然な点にはすぐに気づきます。また、深掘りされた質問に答えられず、結局は嘘がばれてしまい、人間性そのものを疑われてしまいます。正直に、等身大の自分を伝えることが何よりも大切です。
2. 専門的すぎる・マニアックすぎる内容を話す
あなたがその分野に詳しかったとしても、採用担当者も同じように詳しいとは限りません。
専門用語を多用したり、あまりにマニアックすぎる話をしたりすると、話が伝わらず、自己満足な印象を与えてしまいます。特技を話す際は、その分野に詳しくない人が聞いても理解できるような、分かりやすい言葉で説明することを心がけましょう。相手への配慮ができない人物だと思われるのは避けたいところです。
3. ギャンブルや思想の強い内容は避ける
特技の内容が、公序良俗に反するものや、人によって好みが大きく分かれるものは避けるのが無難です。例えば、パチンコや競馬といったギャンブルに関する内容は、計画性のなさを疑われる可能性があります。また、特定の政治や宗教に関する話も、個人の思想が強すぎると敬遠されがちです。誰が聞いても不快に思わない、クリーンな印象の特技を選ぶようにしましょう。
面接の特技に関するよくある質問(Q&A)
ここでは、面接で特技について話す際によくある質問や、多くの就活生が抱える疑問についてお答えします。他の就活生も同じようなことで悩んでいるかもしれません。Q&Aを読んで、最後の不安をスッキリ解消しておきましょう。
Q. 「特技はありません」と正直に答えるのはアリ?
結論から言うと、「特技はありません」と答えるのは避けるべきです。「なぜなら、自己分析ができていない、あるいはアピールする意欲がない学生だと思われてしまう可能性があるからです。
面接担当者はすごい特技を聞きたいのではなく、あなたの人間性を知りたいのです。この記事で紹介した「特技の見つけ方」を参考に、自分なりのアピールポイントを探してみましょう。どんな些細なことでも構いません。
Q. 特技と趣味の違いが分かりません
趣味と特技に明確な境界線はありませんが、一般的に「趣味」は自分が楽しむためのもの、「特技」は他者に示せるほど得意なもの、と区別できます。
しかし、就活においては、趣味を特技としてアピールしても全く問題ありません。大切なのは、その経験から何を学び、どんな強みを得たかを語れることです。「映画鑑賞」という趣味も、「月に20本見てレビューを書く」までいけば、継続力や分析力をアピールできる特技になります。
Q. アピールしたい特技が複数ある場合はどうすれば?
アピールしたい特技が複数あるのは素晴らしいことですが、面接では最も伝えたい特技一つに絞って話すことをおすすめします。
時間が限られている中でいくつも話そうとすると、一つひとつの印象が薄れてしまい、結局何も伝わらない可能性があるためです。応募する企業の社風や求める人物像に合わせて、最も効果的な特技を一つ選び、それを深掘りして話す方が、あなたの魅力がより深く伝わるでしょう。
特技のアピールで自分らしさを伝えられるように面接対策しよう!
今回は、面接で特技をアピールするための方法を、見つけ方から伝え方、例文まで詳しく解説しました。大切なのは、すごい特技である必要はないということです。
あなた自身の経験から見つけた特技を、あなた自身の言葉で伝えることが、面接官の心に響きます。この記事を参考に自己分析を進め、あなたらしい特技を見つけて、自信を持って面接に臨んでください。