SPIおすすめ勉強法!【言語・非言語・英語】の分野別に紹介

適性検査の一つ「SPI」。就活生のなかには「それほど難しくない」と感じている人もいますが、事前の対策で勉強していないと高得点を取ることができず、次の選考に進めない可能性もあります。

そこで、本記事ではSPIの勉強方法について紹介します。対策前に把握しておきたいSPIの概要をはじめ、合格率を上げるための勉強法や言語・非言語・英語の分野別の勉強法を紹介するので、ぜひ実践してみてください。

SPIとは?

就活生の学力・能力や価値観を測るための選考として、適性検査が実施されます。適性検査には玉手箱やCAB、TG-WEBなどの種類がありますが、SPIはそのなかの一つです。

SPIの検査内容は「能力検査」と「性格検査」の2つに分けられます。そして企業がSPIを実施する理由は、学生の資質や適性などを見極めて自社とのマッチ度を確かめるためです。問題の難易度は中学・高校レベルなので対策なしで解ける人もいますが、適性検査の通過率を上げるためには十分に勉強しておくことが欠かせません。

SPIは3つの分野に分かれている

SPIの能力検査は、大きく3つに分かれています。受検者の国語力を問う「言語分野」、数学的な学力を問う「非言語分野」の2つを検査されるケースがほとんどですが、企業によっては「英語」「構造的把握能力」を実施する場合もあります。

各分野について、詳しく見ていきましょう。

【SPIの分野1】言語分野

能力検査の一つ「言語分野」は、簡単に言うと国語の問題が出されます。SPIは定番の問題が多いので、勉強するときは以下の項目を対策しておきましょう。

語句の用法
熟語の成り立ち
文章の並び換え
空欄補充
長文読解 など

【SPIの分野2】非言語分野

続いて、受検者の数学に関する知識・能力を問うのが「非言語分野」です。こちらも中学・高校で勉強した問題が多く出されますが、解き方を忘れている人は事前に対策しておきましょう。

推論
順列・組合せ
集合
割合と比
仕事残
料金割引 など

【SPIの分野3】英語・構造的把握力

SPIでは、基本的に言語分野・非言語分野の検査が実施されるケースがほとんどです。しかし、外資系企業など英語力が必要な企業の場合は、「英語」の検査がおこなわれることもあります。

また、コンサルティングや広告代理店といった大手企業で実施されることもあるのが、「構造的把握能力」です。能力検査のオプションの一つなので、企業によっては検査内容に含まれていないこともあります。しかし、物事の関係性や構造を理解する能力が求められるため、他の検査よりも難易度が高く注意が必要です。

SPIの合格率が上がる勉強の方法

SPIの概要を把握したところで、ここからは具体的な勉強法について見ていきましょう。分野別の勉強法は記事の後半にまとめているので、まずは合格率を上げるための勉強を紹介します。

【SPIの勉強法1】とにかく模試をたくさん解く

SPI対策の勉強では、問題集や模試などでたくさんの問題を解いていくことが重要です。とくにSPIの問題はある程度パターン化しています。そのため、同じ問題でも繰り返し解くことで解法パターンを覚えれば、サクサクと解き進められるようになるでしょう

【SPIの勉強法2】自分が苦手な分野を把握する

SPIは、自分の苦手分野を把握したうえで勉強を進めていくのがおすすめです。というのもSPIは問題の数が多く、定番の問題が苦手なものだと高い正答率は望めないでしょう。まずは過去問や模擬テストなどを通じて自分の苦手な分野や問題を明確することが肝心です。

そして、解き方が分かる問題・分からない問題を整理し、分からない問題を解けるようになるまで勉強すればSPIの合格率もぐっと高まるでしょう。

【SPIの勉強法3】時間配分を意識して

SPIでよくある失敗が、時間配分を考えていないことです。SPIのテストは設問ごとに制限時間が設定されている場合が多く、時間内に答えられないと無回答で次の問題に進みます。また、ペーパーテストでも分からない問題に時間をかけ過ぎてしまい、回答数が少ないためにSPIを通過できなかった学生も少なくありません。

事前の勉強で問題を解くのにかかった時間を計り、制限時間内に回答できるよう何度も繰り返して身につけましょう。

SPIの受検形式

SPIの受検形式は、テストセンター・ペーパーテスト・Webテスト・インハウスCBTの4つがあります。受検形式によって検査の制限時間が異なる場合があるほか、回答方法や受検場所もさまざまです。

落ち着いて自分の実力を発揮するためにも、各受検形式についても把握しておきましょう。

【SPIの受検形式1】テストセンター

受検場所 専用のテスト会場
回答方法 選択式/会場のPCを使用
制限時間 能力検査35分・性格検査30分

テストセンターは、指定された期間のなかから都合の良い日時を選んで受検会場まで行く必要があります。ほかの受検形式よりも実施される可能性が高いため、多くの就活生がテストセンターで受験することになるでしょう。

特徴としては、SPIの検査結果を他社の選考で使いまわせること。ただ、検査結果の内容は受検者に公開されないため、自己採点で判断するしかありません。また、正答率が高い人ほど難しい問題が出題されていくため、高得点を狙っている人は注意が必要です。

【SPIの受検形式2】ペーパーテスト

受検場所 企業指定の会場
回答方法 選択式/マークシートに回答
制限時間 能力検査70分・性格検査30分

企業指定の会場へ行き、受験するのがペーパーテスト形式です。マークシート方式で選択問題に答えていくため、大学受験などで慣れている人も少なくないでしょう。

ほかの形式とは違って問題の全体を把握できるため、時間配分を考えやすいのが特徴的。簡単に解けそうな問題から進めるなど、効率よく進められるでしょう。

【SPIの受検形式3】Webテスト

受検場所 自宅や大学など
回答方法 入力式/自宅や大学のPCを使用
制限時間 能力検査35分・性格検査30分

Webテストは、自宅や大学など好きな場所から受検できる形式です。インターネット環境が整っていればどこからでも受検できますが、スマートフォンからの回答はNGなので必ずPCを使用してください

また、Webテストで気をつけたいのは回答が入力式である点です。選択式であれば消去法なども使えますが、自分で導き出した答えを入力する必要があることは把握しておきましょう。このほか、非言語分野では電卓の使用が認められている分、計算の難しい問題が出されることもあります。Webテストを受ける方は、電卓を使って答えを出す流れにも慣れておきましょう。

【SPIの受検形式4】インハウスCBT

受検場所 企業のオフィスなど
回答方法 選択式/会場のPCを使用
制限時間 能力検査35分・性格検査30分

4つ目のインハウスCBTは、志望企業のオフィスなどで受検する形式です。会場にはPCが用意されており、企業の案内に従って受検することになりますが、インハウスCBTで検査をおこなう企業はごくわずかです。

注意点として挙げられるのは、適性検査を受ける前に面接が実施される可能性があること。1日で面接・適性検査を済ませられますが、どちらも対策が必要なので準備に時間がかかるかもしれません。面接対策が心配な方は以下の記事を参考にしてみてください。

面接対策はこれで万全!就活生必見の事前準備・質問例・マナーとは?

SPIの分野別おすすめ勉強法

続いて、SPIの分野別におすすめの勉強法を紹介します。

言語分野のおすすめ勉強法

言語分野で特に出やすい問題は、語彙や長文読解です。問題集や模擬テストで出題形式に慣れるだけでなく、普段から本や新聞を読んで語彙力と読解力を養いましょう。

また、分からない語句や意味を曖昧に捉えている言葉があれば、すぐに調べてノートなどにまとめることで、少しずつ語彙を増やすことが可能です。

非言語分野のおすすめ勉強法

非言語分野は数学系の問題が多く出るため、解き方が分からない人は正解に辿り着けません。そのため、できるだけたくさんの問題に触れて解き方を覚えるほか、素早く計算できる力を身につける必要があります。

非言語分野が苦手な人は、解けない問題を繰り返し勉強してまんべんなく答えられるよう対策しておきましょう。

英語分野のおすすめ勉強法

総合商社や外資系企業といった英語力が必要な企業では、英語分野の検査が実施されることもあります。語彙や文法、長文読解の問題が多く出され、同意語や反意語、空欄補充などは頻出の問題です。

SPIは中学・高校レベルと言われていますが、英語に関しては大学受験レベルの知識を身につけておくのが無難でしょう。とくに単語を知っているかどうかが高得点のカギを握っているため、問題集や模擬試験などを通して頻出単語は暗記しておきましょう。

SPIの合格ラインは?

SPIの合格ラインは企業ごとに設定されており、何点以上取れば合格と公表されているわけではありません。ただ、明確なラインがない一方で、正答率がおよそ6〜7割以上あればSPIを通過できる可能性が高いです。

もちろん、大企業などは8割以上の正答率で通過となるケースもあります。反対に、ボーダーラインを設けずに性格検査の内容を重視している企業もありますが、能力検査で高得点を取って損はないため、できるだけ7割以上を目指して勉強しておくのが無難です。

就活で出てくるwebテストはSPI以外にもある

冒頭で触れたように、適性検査はSPI以外にもあります。受検しない検査の対策をする必要はありませんが、志望企業で実施される場合に備えておおまかな特徴を把握しておきましょう。

特徴
玉手箱 SPIよりも難易度は高め。設問ごとに制限時間があり、全ての問題を解くのは不可能なので、正答率と回答スピードが重要
CAB 論理的思考力を検査する。コンピューター関連の仕事に必要な能力をはじめ、プログラマーの素養やシステムデザインの適性が見られる。
GAB 受検者の論理的思考力を問う問題が多く、個性やチームーワーク、活力などの特性を見るために実施される。長文読解などの問題が多い。
TG-WEB 適性検査の中でも特に難易度が高い。ほかの検査とは問題の傾向が異なるため、対策なしで合格するのは難しい。「従来(旧)型」「新型」があるため、事前の確認が必要
その他 企業独自に作成した検査や試験を実施するケースもある。出版業界などでは小論文や作文が課されることも多い。

それぞれの検査について詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。

適性検査の内容を種類別に解説!試験内容・特徴・対策法とは?

SPIの勉強は早めに取り掛かろう

SPI対策に必要な勉強時間は、およそ60時間と言われています。人によっては30時間程度で問題ないケースもありますが、中学・高校レベルの問題だからといって油断してはいけません。解き方を忘れていたり、SPIの回答方法を把握していたりしないと、高得点を狙うことは難しいでしょう。

SPIの対策は一夜漬けでどうにかなるものでもないため、できるだけ早めに勉強を始めて少しずつ苦手分野を克服したり、時間配分に慣れたりしておきましょう。