SPI試験を攻略！難しさや合格点、言語・非言語の問題例付きで解説！

SPI試験は、新卒の採用活動を行う企業の多くが採用している適性検査です。出題される内容は比較的簡単なものが出されますが、油断していると面接にたどり着くことはできません。

本記事では、試験内容や受検方法などSPI試験を攻略するために押さえておきたいポイントを解説します。また、言語分野・非言語分野の問題も一部掲載しているので、腕試しに挑戦してみてください。

SPI試験とは？

就活の選考はES（エントリーシート）や履歴書を提出する書類審査からはじまり、適性検査・筆記試験、面接が実施されます。中でも適性検査はSPIだけでなく玉手箱やTG-WEB、CABといった種類がありますが、多くの企業で採用されているのがSPIです。

SPIは就活生の能力や性格を把握するために実施される試験であり、書類選考や面接では判断できない学生の内面が分かるため、企業と学生のミスマッチを防ぐことにも役立っています。また、エントリー数の多い企業では足切りのために行われることがあるので、次の選考に進むためにも徹底的に対策しておきましょう。

SPI試験は何点で合格？

SPI試験の合格点が気になる学生は少なくありません。ただ、SPIをはじめ適性検査の合格点は企業ごとに設定されているため、「何点とれば合格」とは言い切れません。

しかし、正答率が70％あれば合格ラインに達すると言われています。また、正答率や回答率だけでなく、全体の偏差値で判断しているケースもあるため、SPI試験を通過するには回答の速さと正確さを意識して対策することが重要です。

SPI試験は能力検査・性格検査の2つ

SPI試験の対策を行ううえで知っておきたいのは、「能力検査」と「性格検査」という2種類の検査が実施されることです。

それぞれどういった内容の検査が行われるのか、詳しく見ていきましょう。

【SPIの試験内容1】能力検査

SPIの能力検査で測定されるのは、受検者の知的能力です。コミュニケーション能力や思考力のほか、新しく習得する知識・技能のベースとなる素養を持っているかどうかも測られています。

SPIを実施する企業の多くは、国語系の「言語分野」と数学系の「非言語分野」に分けて試験を行いますが、「英語検査」や「構造的把握能力検査」を行う企業があることも把握しておきましょう。

受験者の基礎能力を問う「言語分野」「非言語分野」の問題はそれほど難しくありませんが、英語や構造的把握能力の検査は難しい問題が出題されます。

特に構造的把握能力検査は、物事の背後にある共通性や関係性を読み解く論理的思考力が必要です。問題を読み取って答えを出す非言語分野に対し、構造的把握能力検査では論理的に読み取ったうえで自分なりの観点から共通する構造を導き出す力が求められます。

【SPIの試験内容2】性格検査

個人の能力を測る能力検査に対し、性格検査は受検者の人柄や考え方を確かめるための問題が出されます。

自分にどれくらい当てはまるかを選ぶ問題が多く、回答者は「はい・いいえ」の2択から選ぶ場合と、「Aに近い、どちらかといえばAに近い、どちらかといえばBに近い、Bに近い」といった4択から選ぶ場合があります。

性格検査の結果は配属先の部署を決めたり、職務内容に適応する人材かどうかを判断したりするために用いられるため、正直に回答することが大切です。回答内容に矛盾が生じたり、企業の求める人物像に合わせた回答をしたりすると、「嘘の回答をする人間だ」と判断されかねません。事前に自己分析を深めておき、性格検査では一貫性のある回答を心がけましょう。

SPI試験を攻略！能力検査の出題例と対策

SPI試験で実施されることの多い言語分野と非言語分野の能力検査は、中学・高校レベルの問題が多く、それほど難しいものではありません。具体的にどういった問題が出るのか、言語・非言語それぞれの問題を見てみましょう。

【言語分野の問題（文の並べ替え）】
つぎのアからオを意味が通るように並び替えたとき、２番目と４番目にくる文の組み合わせを選びなさい。

ア　また、歯や歯茎の状態は健康にも直結するが、顔の若々しさにも影響する問題である。
イ　３５歳を超えると、８０％以上の人が歯周病にかかっていると言われるほどだ。
ウ　３０代後半になると、体力的な衰えが気になるようになるが、
エ　歯周病が進み、頬がこけたようになると、とても老けて見えてしまうからだ。
オ　それは、歯や歯茎の状態にもあらわれてくる。

＜解答・解説＞答え：E（ウオイアエ）
先頭になるのはウのみで、ウ→オで意味が通る。その後具体例としてイが入る。前半の内容を踏まえて、ア→エで歯や歯茎の状態の顔の若々しさへの影響を説明していると考えられる。

引用：CareerMine ｜【SPI 金額計算｜非言語（数学）】練習問題から対策方法まで一挙公開！
https://spi.careermine.jp/gengo/sort-sentences

【非言語分野の問題（損益）】
1個の原価が500円の商品を300個仕入れて、原価の3割の利益が出るように定価をつけた。しかし200個しか売れなかったので、残りは定価の1割引きにして全て売った。このとき利益は合計いくらか。

＜解答・解説＞答え：D
原価500円の3割の利益を見込んでいるということは、500×0.3＝150円の利益を見込んでいるということだから、定価は500+150＝650円となる。この定価で200個売れたからその利益は、150×200＝30000円。そして残りの100個は定価の1割引、すなわち650×0.9＝585円で売ったから、その利益は(585–500)×100＝8500円。よって、利益を合計すると、38500円。

引用：CareerMine ｜【SPI 金額計算｜非言語（数学）】練習問題から対策方法まで一挙公開！
https://spi.careermine.jp/higengo/money-calculation

いずれも問題の傾向や出題範囲、解き方に慣れていれば素早く答えられるため、問題集など使って対策しておくことが大切です。非言語分野の場合は基本的な公式を覚えておくとスムーズに解けます。
また、時間配分は1問につき30秒〜1分を目安に回答し、正確に素早く解き進めていくのがSPI攻略のコツです。

SPI試験の細かい対策方法は以下の記事で詳しく解説しています。SPI試験の準備物や実施時期の目安など、今のうちに確認しておきましょう。

SPIとは？テスト内容や対策すべきポイントを例題つきで徹底解説

SPI試験の受検方法は4パターン

SPIの試験対策が万全だったとしても、いざ受検する時になって慌てる学生もいます。その理由の一つに挙げられるのは、受検方法の違いを知らなかったためです。

SPI試験の受験方法は4つのパターンに分かれ、それぞれ受検場所や回答方法、制限時間などが異なります。

ペーパーテスト以外はPCを使って回答していきますが、PCの入力に手間取ったり時間配分を誤ったりすると、好成績を残すことは難しいでしょう。そのため、あらかじめ受検方法に合わせた試験対策を講じることで、効率良くSPIの問題を解き進めることができます。

SPI試験のよくある失敗談

企業の中には足切りのためにSPI試験を実施するところもあり、しっかりと対策したものの選考を通過できなかった就活生もいます。
SPIで後悔しないためにも、どういったことに失敗する人が多いのかを把握しておきましょう。

【SPI試験よくある失敗1】時間切れ

SPIに臨んだ学生の中には、「時間切れで全然回答できなかった」と後悔する人もいます。時間切れとなる原因は人によって異なりますが、SPIの対策が不十分だったり、解答に時間をかけすぎていたりする人が多いようです。SPIの試験対策を行う際は、過去問を解いてみて自身の得意・不得意を見極めることが肝心です。解けなかった問題や解答に時間をかけてしまった問題は、試験本番までに克服しておきましょう。

また、WEBテストの場合は正答率が高くなるほど、問題の難易度も高くなっていきます。「1問1分まで」と事前に時間配分を決めておき、解けない問題が出た時は次の問題に臨むようにしましょう。

【SPI試験よくある失敗2】性格検査で嘘をついてしまった

受検者の学力を測る能力検査と違って、性格検査は自分らしい回答が求められます。ただ、就活生の中には入社したい気持ちが強いために、企業が求める人物像に合わせて回答する人も少なくありません。

しかし、性格検査で嘘をついたことがバレてしまい、不採用となる可能性があります。仮に入社できたとしても、企業とのミスマッチによって早期退職することになるかもしれません。性格検査の設問について考えすぎると、一貫性のない回答となる可能性があります。なるべく直感的に回答し、自分らしさを企業に見てもらいましょう。

SPI試験のために少しでも勉強しよう！

適性検査はSPIのほかに玉手箱やTG-WEBなどもありますが、SPIは多くの企業で導入されているため、ほとんどの学生が受検することになるでしょう。問題は中学・高校レベルのものが出題されますが、問題集などで復習しておかないと、良い結果を残せない可能性があります。また、制限時間が設けられているために回答のスピードも意識しなければなりません。

SPIを受検することが決まった学生は、ぜひ今回の記事を参考にSPI試験の対策を徹底しておきましょう。