適性検査とは?実施する目的や内容・種類、突破するコツを解説

就活の第一関門と言われている適性検査ですが、具体的に何をするのでしょうか?また、面接や筆記試験とは別に適性検査をする理由や目的を知らず、不思議に思っている学生もいるでしょう。

そこで本記事では、適性検査の概要や目的、内容から突破するコツまで詳しく解説します。適性検査について正しく理解できたら、さっそく対策を始めましょう。

適性検査とは

適性検査とは、面接や筆記試験では把握しきれない学生の能力や性格を見るために実施する試験のことです。適性検査はとりわけ難易度が高いわけではありませんが、対策を怠れば企業のボーダーに達することができず、不合格となるケースもあります。

実施される時期

適性検査はエントリーシートや履歴書などの書類選考が終わった後、一次面接の前もしくは一次面接と同日に行われるのが基本です。早い場合は大学3年の10月から始まることもあるので、早めに対策を講じておく必要があります。

適性検査の目的

企業が適性検査を実施する目的は、学生の能力や性格が企業とマッチしているかを確認するためです。また、学生に一般常識があるかどうか把握するために、マナーや時事に関する問題も多く出題されます。

さらに、適性検査の結果を採用後の配属部署を決める判断材料にしたり、応募者の数を絞る足切りとして活用したりする企業も少なくありません。いずれにせよ、適性検査の結果は選考に影響を与えるため、対策を全くせずに受検するのは避けるべきです。

適性検査の内容

適性検査の出題内容は、大きく「能力検査」「性格検査」の2種類に分けられます。ここからは、それぞれの検査の内容を詳しく見ていきましょう。

能力検査

能力検査とは、受検者の基礎学力や一般常識が問われる検査のことです。科目は適性検査の種類や企業の意向によって異なりますが、語彙力や文章読解の能力を問われる「言語分野」と、計算や推論の能力を問われる「非言語分野」が出題される傾向にあります。また、英単語や長文読解の能力を見るために「英語」を出題する企業もあるので、国語や数学だけでなく英語の対策も欠かせません。

能力検査のレベルはとりわけ高いわけではなく、中学・高校・大学受験レベルの基礎学力が身についていれば、そこまでハードルが高いと感じることはないでしょう。ただし、英語に関しては総合商社や外資系企業など、グローバルに事業を展開している企業は比較的難易度の高い問題を出題することもあるので注意が必要です。合格ラインに関しても正解率70%以上の人だけを通過させるなど、厳しいボーダーを設けている場合もあります。

性格検査

性格検査とは、学生の性格や行動特性を明らかにする検査です。質問に対して直感で答えていく質問紙法や、簡単な一桁の足し算を繰り返し行う作業検査法などがあります。性格検査のポイントは、回答に一貫性を持たせるために正直に答えることです。性格検査に明確な答えは用意されていませんが、やみくもに答えたり、反対に深く考え込んだりしてしまうと、回答に矛盾が発生してしまう可能性があるので注意しましょう。

とはいえ、性格検査も能力検査と同様に初見で解くのはおすすめできません。出題傾向や回答に求められるスピード感に慣れておくためにも、必ず過去問を解いて練習しておきましょう。

適性検査の主な種類

適性検査には複数の種類があり、企業によって活用している適性検査の種類は異なります。種類によって出題される問題や必要な対策が異なるので、ここで適性検査の主な種類を確認しておきましょう。

種類 概要
SPI ・国内で最も多く活用されている適性検査
・難易度は中学・高校レベル
玉手箱 ・SPIに続いて活用されている適性検査
・難易度はSPIよりもやや高め
・回答にスピード感が求められる
CUBIC ・能力テストが5科目ある
・難易度や制限時間は企業によって異なる
・論理や図形など癖のある問題がある
CAB ・IT関連職をターゲットとした適性検査
・難易度はやや高め
・言語分野がない
TAL ・内面を探ることを目的とした適性検査
・回答に明確な答えがない
内田クレペリン検査 ・日本初の心理テスト
・簡単な一桁の足し算を繰り返し行う
eF-1G ・難易度が高い
・独特な問題が多く、初見では解きにくい

適性検査の受検方式

就活で実施される適性検査には、試験会場へ行ったり自宅や大学のパソコンで受験したりと、主に4つの受検方式があります。受検方式によって受ける場所や回答方法が異なるので、適性検査の種類とあわせて受検方式についても把握しておくことが大切です。

方式 受験する場所 概要
ペーパーテスト 企業から指定された場所 ・マークシートに回答する
・試験時間が長めに設定されている
Webテスト 自宅や学校 ・都合の良い場所や日程で受検できる
・電卓の使用が前提
テストセンター 企業が定めた会場
(性格検査のみ自宅や学校)
・自分の都合の良い日程で受検できる
・過去1年以内の受検内容を使い回しできる
インハウス 企業が定めた会場 ・出題内容はWebテストとほぼ同じ
・面接と同日に行われることが多い

適性検査の対策方法とは?3ステップで解説

適性検査は中学・高校レベルの基礎学力があれば、そこまで苦労せずに解ける問題が出題されます。しかし、適性検査の種類によっては癖のある独特な問題が出題されたり、スピード感が求められたりするため、正答率を上げるには対策が必要不可欠です。

そこで、ここからは適性検査の対策方法を3ステップで解説します。

【適性検査の対策1】企業が実施する種類を確認する

まずは、自分が選考を受ける企業がどの適性検査を実施しているかを確認しましょう。適性検査には複数の種類があり、それぞれに合わせた対策が求められます。

適性検査は種類によって問題数や難易度、制限時間が異なるため、その種類特有の出題パターンに慣れることが重要です。数種類の適性検査を受けなければいけない学生は、適性検査の実施時期に合わせて必要な対策を講じましょう。企業が実施する適性検査の種類を確認するには、「○○(企業名) 適性検査」と検索してください。基本的に適性検査は前年と同じ種類が実施されるので、前年の情報を参考にしましょう。

【適性検査の対策2】過去問を繰り返し解く

企業が実施する適性検査の種類を確認したら、その適性検査の過去問を繰り返し解きましょう。適性検査の出題パターンは似通っており、見たこともないような突飛な問題が出題されるケースは稀です。

例えば、SPIで言えば言語分野と非言語分野(企業によって英語や構造的把握力)からなる能力検査と性格検査が行われ、Webテストの場合は65分間、マークシートの場合は110分と定められています。適性検査の対策をする場合は過去問で問題パターンに慣れるのはもちろんのこと、制限時間にも注目するのがおすすめです。適性検査の対策は書籍を活用するだけでなく、Web上の例題やアプリも試してみましょう。出題傾向や回答のスピード感に慣れてきたら、次のステップへと進んでください。

【適性検査の対策3】苦手分野を把握する

過去問を繰り返し解いているうちに、自ずと苦手分野に遭遇するでしょう。苦手分野を把握できたら、それを徹底的に潰していきます。

例えば、非言語分野が苦手なら計算問題の復習とスピードアップに重点を置き、英語が不得意なら高校・大学受験レベルの英単語を暗記するしかありません。就活中は面接やグループディスカッションなどさまざまな対策や準備が必要なので、スキマ時間を見つけて効率よく適性検査対策を講じましょう。

適性検査を突破するためのポイントとは?

ここからは適性検査を控えている学生に向けて、適性検査を突破するためのポイントを3つご紹介します。以下のポイントを押さえて、少しでも有利な状態で面接へと進みましょう。

【適性検査を突破するコツ1】テンポよく解く

適性検査を突破する最大のポイントは、時間配分にあります。適性検査は問題数が多く、スピード感が求められる場合がほとんどなので、テンポよく解くことが重要です

適性検査の種類や問題の形式にもよりますが、1問を1分程度で解くイメージを掴みましょう。適性検査が終わった後に「もう少し時間があれば全問解けたのに…」と後悔することのないように、本番を想定して予行演習しておくことが大切です。

【適性検査を突破するコツ2】未回答をなくす

分からない問題があったとしても、未回答で提出するのは避けるべきです。消去法でも構わないので、必ずすべての回答欄を埋めましょう。

未回答をなくすには、適切な対策を講じて出題傾向に慣れておく必要があります。毎年、「時間が足りずに回答欄を埋められなかった」と後悔する学生も多いので、十分に準備した状態で臨みましょう。

【適性検査を突破するコツ3】正直に回答する

性格検査で嘘をつくと、矛盾が生じて回答に一貫性がなくなります。その結果、「自社と合わない」と判断されたり、「人となりが見えない」と悪印象を持たれたりする可能性があるので、ありのままの回答を心がけましょう。

適性検査に関するよくある質問(Q&A)

最後に、適性検査に関するよくある質問とその回答をご紹介します。適性検査の対策を始める前に、不安なことや疑問点を解消しておきましょう。

【適性検査のQ&A1】適性検査って難しいの?

適性検査は中学・高校レベルの問題が出題されるので、とりわけ難しいわけではありません。GABやCABなどの比較的難易度の高い種類であっても、大学受験レベルだと考えて問題ないでしょう。

しかし、適性検査では癖のある独特の問題が出題されることがあるので、対策を怠ると難しく感じることもあります。また、1問を1分程度で解くスピード感も求められるので、答えが分かっていても最後まで到達できなかったと後悔する学生も少なくありません。

【適性検査のQ&A2】落ちる人はいるの?

ずばり、適性検査に落ちる人はいます。特に選考の足切り目的で適性検査を実施している企業の場合、一定数の学生は適性検査の段階でふるいにかけられるでしょう。

ただし、企業によってボーダーは異なるため、具体的に何人落とされるかは分かりません。適性検査を突破するためにも、以下の記事で適性検査に落ちる理由や、受かるための対策法を確認しておきましょう。

適性検査で落ちる理由って?受かるための対策法と有利な選考のための注意点

【適性検査のQ&A3】何から始めればいい?いつから対策するべき?

適性検査の対策の第一歩は、自分が選考を受ける企業が実施している適性検査の種類を把握することです。自分が受ける適性検査の種類が分かったら、さっそく過去問に取り掛かりましょう。

適性検査の対策は大学3年の10月までに行っておくのがおすすめですが、早すぎて困ることはありません。就活中はエントリーシート対策や面接練習などやることが山積みなので、暗記や出題傾向の把握を中心に今からコツコツ勉強しておきましょう。

【適性検査のQ&A4】性格検査は企業に合わせた方がいいのでは?

企業は性格検査から、企業と学生のマッチ度合いを見ています。だからといって、自分の直感をないがしろにしてまで企業に合わせる回答をするのはおすすめできません。

なぜなら無理やり企業に合わせた回答をしたところで、必ずどこかで矛盾が生じてくるためです。また、たとえ採用されたとしても入社後のミスマッチに苦しむことになる可能性もあるので、直感を頼りに正直に答えるようにしましょう。

適性検査は就活の第一関門!気合を入れて取り組もう

適性検査は選考の第一段階として行われる重要な検査であり、油断していると落ちることもあります。また、適性検査の結果を入社後の配属部署を決める判断材料にしている企業もあるので、きちんと対策したうえで受検するべきです。

適性検査には複数の種類があり、それぞれに適した対策方法は異なります。まずは自分が選考を受ける企業がどの種類の適性検査を実施しているか確認してから、過去問や例題に取り掛かりましょう。