
「自己PRと強みの違いがわからない」
「自己PRと強みを両方聞かれた時はどう答えればよいの?」
就活生の中で、自己PRや強み、長所などの違いがわからずに困っている人も多いのではないでしょうか。自己PRと強みをESや面接で聞かれた場合、同じような回答をしてよいのか不安になりますよね。
いずれも似たような質問ですが、どういった違いがあるかを理解しておけば、人事担当者や面接官に好印象を残すことも可能です。
今回は、自己PR・強み・長所の違いや見つけ方をはじめ、選び方の注意点や伝え方のポイントを紹介します。自己PRと強みの違いがいまいちわからないという人は、ぜひ本記事を参考にしてください。
自己PR・強みと長所の違い
自己PR・強み・長所はどれも似たような言葉ですが、どういった違いがあるのでしょうか。結論から言うと、自己PRを聞かれた時は自分の強みを伝え、長所を聞かれた時は自分の性格や人柄について答えることが重要です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自己PR・強みとは
書類選考や面接での頻出質問の一つが自己PRです。これは自分の強みやスキルをアピールすることを指しています。そして就活における強みとは、主体性や忍耐力といった自分の特性やスキルを指しているため、自己PRを尋ねられた時は強み以外のことをアピールすることも可能です。
長所とは?
強みと長所を混同する学生は少なくありませんが、就活の場で長所を聞かれたときは自分の人柄や性格、特性などを伝えます。他社よりも秀でていることを尋ねられているため、優しい・根気強いなどの言葉を用いて回答しましょう。
面接官の意図の違いは?
就活では面接官の印象に残る回答ができなければ、面接を通過することは難しいでしょう。そこで、面接で適切な回答をするためにも、強み・長所を面接官が尋ねる意図を把握しておくことが大切です。
自己PR・強みを聞く面接官の意図とは?
まず、面接官が自己PR・強みを尋ねてきたときは、自社に就職してから活かせるスキルや能力を持っているのかどうかが見られています。そのため、面接で自己PRする場合は、自分が企業にとってプラスになる人材であることをアピールしましょう。
長所を聞く面接官の意図とは?
長所の場合は応募者のスキルや強みよりも、人間性が見られています。そのため、性格や価値観などを具体的に伝え、自分がどんな人間なのかをアピールすることが肝心です。
特に、就活の場で優秀な人材が求められている一方で、自社とのマッチ度も見られています。長所を聞かれた時は自分らしさを伝える絶好のチャンスなので、ぜひあなたの個性を伝えてみてください。
自己PR・強み・長所の見つけ方
自己PRで話す内容をはじめ、強みや長所はどのように見つければ良いのでしょうか。ここでは2つの方法を紹介します。
自己分析をする
自分の強みや長所を探すときに特におすすめなのが自己分析です。自己分析を通じて人生の目的と手段を知ることができるため、就活では欠かせない作業と言えます。自分を客観視できるほか、やりたい仕事や向いている仕事が明確になったり、ES・面接対策に役立てられたりするのもポイントです。
もちろん、強みや長所といった自分の内面も明らかになるため、まだ自己分析をおこなっていない人は済ませておきましょう。なお、キミスカの自己分析ツールは、簡単な質問に答えるだけで自分の価値観や適職などが分かるおすすめツールです。無料で利用できるのでぜひ活用してみてください。
家族・友人に聞く
自己分析は自分と向き合って進める作業ですが、モチベーショングラフや自分史の作成などを一人でおこなうのが苦手な人もいるでしょう。そういった場合は、自分のことを家族や友人に尋ねてみるのもおすすめです。
これは他己分析という方法で、一人では見つけられない自分の一面について客観的な意見をもらえるため、自己分析を済ませた人もおこなってみても良いでしょう。他己分析の具体的なやり方については、以下の記事を参考にしてみてください。
自己PR・強み・長所を選ぶ際の注意点
人それぞれ強みや長所が異なりますが、就活をうまく進めるために押さえておきたい注意点もあります。どういった点に注意すれば良いのか、2つチェックしておきましょう。
企業が求める人物像に合っているか
自己PRで伝える強みや、企業側に伝える長所を選ぶ際は、企業が求める人物像に合っているかどうかが重要なポイントです。例えば、営業職を志望しているのに「私の長所は黙々と集中して作業できるところです」などと伝えてしまうと、企業側はミスマッチだと判断するかもしれません。
強みや長所で嘘をつく必要はありませんが、誰しもさまざまな一面を持っているため、その中から企業が求める人物像に合ったものを選びましょう。
一貫性があるか
自己PR・強み・長所を選ぶ時は、ESや面接で伝える内容に一貫性を持たせることも重要です。とくに面接では強みや長所以外にも、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)や志望動機などを聞かれるほか、学生の回答に対して深掘りの質問をしてくることがあります。
こうした面接での質疑応答を繰り返すなかで、学生の回答に一貫性がないと「嘘をついているのでは?」と思われる可能性もあるでしょう。そのため、自己PR・強み・長所をはじめ、就活で伝える内容に一貫性があるかどうかも注意する必要があります。
自己PR・強み・長所の伝え方のポイント
ここからは、自己PR・強み・長所を伝えるときのポイントを紹介します。
結論から話す
好印象を残す伝え方の共通するポイントは結論から話すことです。結論・理由・具体例・結論の順に伝える「PREP法」を使えば、相手にとって話の内容が理解しやすくなります。例えば、PREP法を使った強みの伝え方は以下のようになります。
私の強みは周囲をも巻き込む前向きさです。
大学時代にアルバイトをしていた飲食店は、近くにできた大型ショッピングセンターにお客さんを奪われ、経営が苦しくなりました。しかし、バイトリーダーだった私は、「このお店の味を守りたい」と思い、雑誌に記事を書いてもらえるように出版会社に売り込みの連絡を入れたり、今流行りの出前システムを取り入れたらどうだろうかとオーナーに掛け合った結果、オーナーも前向きに考えてくれるようになりました。すると、段々と売り上げを伸ばし、3か月で元の数値まで戻すことに成功しました。私は御社に入社したら、どんなに高い壁にぶつかっても、最後の最後まで前を向いて乗り越える姿勢を貫き、社内にポジティブな雰囲気を呼び込む存在になりたいです。
PREP法はESの設問や面接での回答に使えるほか、社会人になってからも論理的に伝えられる手法なので、今のうちから慣れておくと良いでしょう。
根拠となるエピソードを盛り込む
就活で企業から聞かれたことに対して答える際は、できるだけ根拠となるエピソードを回答に盛り込みましょう。というのも、「私の長所は前向きなところです」と伝えたとしても、根拠となるエピソードがなければ、説得力はありません。
ただ、エピソードを長々と話してしまうと「コミュケーション能力が高くない」と判断される恐れもあるため、できるだけ端的に分かりやすく伝えるようにしましょう。
仕事でどのように活かせるかを伝える
自分の自己PR・強み・長所を活かして、どうやって企業に貢献しようと考えているのかを伝えれば、企業側に好印象を残せます。例えば、「この強みを活かして、営業活動にも明るく前向きに取り組んでいきたいと考えています」などと締めくくれば、企業側もあなたの入社後の姿を具体的にイメージできるでしょう。
【就活】自己PRを伝える際の例文3選
就活で自己PRを伝える際の例文を紹介します。
粘り強さ
私は目標達成のために最後まで粘り強く取り組む力があります。
大学では、テニスサークルの運営を担当し、新入生の入会者数を前年比20%増やすことを目標に掲げました。しかし、初めは思うように集まらず、試行錯誤の連続でした。
そこで、既存メンバーと連携しながら説明会の回数を1.5倍に増やし、SNSでの発信内容も工夫しました。その結果、目標を達成し、サークルの活性化にもつなげることができました。
また、学業面でも苦手な統計学の試験に向けて毎日1時間の自主学習を続けたことで、成績を前年度比で30%向上させました。
貴社においても、この粘り強さを活かし、困難な課題にも諦めずに挑戦し、成果を生み出していきたいと考えています。
コミュニケーション能力
私は円滑なコミュニケーションを通じて、周囲と協力しながら成果を生み出すことが得意です。
3年時に参加したインターンシップでは、5人1組のチームで新規事業の提案を行いました。
メンバーの意見が食い違うこともありましたが、一人ひとりの考えを丁寧に聞き、相手の意図を整理しながら議論を進めました。加えて、全員が納得できる方向性を見出すために、積極的にファシリテーションを行いました。
その結果、プレゼンでは審査員から「論理的で説得力がある」と評価され、全10チーム中2位を獲得しました。
この経験を通じて、相手の意見を尊重しながら協働することの重要性を学びました。
貴社でもこの強みを活かし、チームの成果最大化に貢献したいと考えています。
適応力
私は状況の変化に柔軟に対応し、最善の方法を考えて行動する適応力があります。
高校では水泳部に所属し、3年時には副主将を務めました。新チームの発足後、主力メンバーが怪我で大会に出場できなくなり、チーム全体の士気が下がる状況に直面しました。
そこで私は、練習メニューを見直し、短期間で記録を伸ばせるトレーニングを提案。さらに、個々の課題を分析し、メンバー同士でフィードバックを行う仕組みを導入しました。
その結果、リレー種目で前年よりタイムを2秒短縮し、県大会への出場を果たしました。
この経験を通じて、状況に応じた柔軟な対応が成果につながることを学びました。
貴社でもこの適応力を活かし、変化に対応しながら成長していきたいと考えています。
【就活】強みを伝える際の例文3選
就活で強みを伝える際の例文を紹介します。
明るさ
私は常に前向きに物事を捉え、自分だけでなく周囲の雰囲気を明るくできることが強みです。
大学ではゼミ活動の運営を担当し、議論が停滞した際には積極的に発言し、場の雰囲気を和らげることで意見が出やすい環境をつくりました。その結果、ゼミ内の発言回数が増え、より活発な議論が行われるようになりました。また、インターンシップでは、初対面のメンバー同士が打ち解けやすいように会話をリードし、スムーズなチームワークの形成に貢献しました。
どんな状況でも前向きな姿勢を大切にし、周囲を巻き込む力を活かして、貴社でも円滑なコミュニケーションやチームワークの向上に貢献したいと考えています。
積極性
私の強みは「積極性」です。私は常に新しいことに挑戦し、自ら行動を起こす姿勢を大切にしています。例えば、大学のゼミでは、学外の専門家を招いた講演会を企画しました。ゼミ内に前例がなかったため、開催に向けた準備や交渉は困難でしたが、自ら講師へ連絡を取り、会場やスケジュールを調整し、最終的に50名以上が参加するイベントを成功させました。
また、アルバイト先では売上向上のための施策を提案し、採用された結果、売上が10%向上しました。このように、私は現状をより良くするために、自分から動き、周囲を巻き込みながら行動する力を発揮してきました。今後も積極性を活かし、貴社の成長に貢献したいと考えています。
気配り
私の強みは「気配り」です。相手の立場に立って考え、細やかな配慮を行うことを大切にしています。例えば、大学のグループ研究では、メンバーの意見が偏らないように、発言しやすい雰囲気を作ることを意識しました。意見が少ないメンバーには個別に話を聞き、全員が主体的に参加できる環境を整えた結果、研究の質が向上し、ゼミ内で高評価を得ることができました。
また、アルバイトではお客様の様子を観察し、困っている方には先回りして声をかけることを心がけました。その結果、接客満足度の向上に貢献できました。
このように、周囲の状況を察知し、適切な行動を取る力を活かし、貴社でも円滑なコミュニケーションに貢献したいと考えています。
自己PR・強み・長所を全て聞かれたときは?
企業によっては「自己PRをしてください」「あなたの強みを教えてください」「あなたの長所は何ですか」と、全て聞いてくるところもあります。そのような場合は、できるだけ一貫性を持たせながら別のエピソードを伝えましょう。
3つ全てではなくとも、自己PRと長所について質問される場合もあるため、不安な人はそれぞれの回答を考えておくのがおすすめです。
自己PRと強みの違いに関するまとめ
自己PRと強み、長所はどれも似たものと感じる人もいるかもしれませんが、就活の場ではそれぞれの違いを把握しておくことが重要です。自己PRを聞かれたときは自分の強みを含む企業に貢献できるスキルなどを伝え、長所を聞かれたときは自分の性格や個性を伝えるようにしましょう。
また、企業側に自分の強みや長所などを伝える場合、企業側の求める人物像に合わせておくことも欠かせないポイントです。ぜひ本記事の内容を参考に書類選考や面接で適切な回答を心がけてください。