基本的に面接会場までの交通費は自己負担です。しかし、企業のなかには就活生に交通費を支給することで、できるだけ多くの就活生に選考を受けてもらおうと考えているところもあります。
そこで本記事では、面接の交通費支給について詳しくまとめました。交通費支給の有無を確認する方法や、交通費をもらうために必要な持ち物も解説しているので、一通り目を通しておきましょう。
就活における交通費支給の基本情報
まずは就活の面接における交通費支給について、基本的な情報を紹介します。損をすることのないように、あらかじめ確認しておきましょう。
そもそも交通費はもらえるの?
面接会場までの交通費が支給されるかどうかは、企業によって異なります。基本は自己負担となり、就活生が負担するのが一般的です。交通費に関する案内がない場合は、交通費の支給はないものだと考えておきましょう。
一部の就活生にのみ交通費支給
企業によっては、一部の就活生を対象に交通費を支給する場合もあります。例えば、遠方から面接を受けに来る就活生にのみ支給する場合もあれば、最終面接に限って支給する場合もあり、対象外の就活生には交通費支給はありません。
面接会場までの交通費の支給方法って?
交通費支給に関する基本情報を押さえたところで、交通費の支給方法について確認していきましょう。面接会場までの交通費の支給方法には、以下の3パターンがあります。
【交通費の支給方法パターン1】全額支給
交通費の支給方法の1つ目は、面接会場までの交通費を全額支給してもらえるパターンです。全額支給は優秀な人材を逃さないための企業の取り組みであり、就活生は交通費の負担なく面接に参加できます。
ただし、全額支給は一部の就活生のみを対象とする場合が多く、すべての就活生に適用されることは稀です。
【交通費の支給方法パターン2】一律支給
交通費の支給方法の2つ目は、面接会場までの交通費が一律で支給されるパターンです。例えば、「参加者全員に1,000円」のように同じ金額が支給され、それ以上かかった場合は自己負担となります。
また、支給される交通費の上限が決められているケースもあり、「近隣の学生は上限1,000円」「県外の学生は上限3,000円」などの上限額や対象範囲を定めている企業も少なくありません。
【交通費の支給方法パターン3】条件付き支給
交通費の支給方法の3つ目は、面接会場までの交通費支給に条件を設けているパターンです。基本的には遠方に住む就活生や、最終面接に参加する就活生が対象となる場合がほとんどですが、詳しい条件は企業によって異なります。
面接での交通費支給の有無を確認する方法
ここからは、面接会場までの交通費が支給されるかどうかを確認する方法を紹介します。採用担当者から交通費に関する案内がなかった場合は、以下を参考にしてみてください。
【面接の交通費確認方法1】求人サイトをチェック
交通費が支給されるかどうかは、求人サイトを確認するのがおすすめです。求人サイトには過去の情報が掲載されており、交通費支給の有無についても紹介されている場合があります。
ただし、例年通り交通費が支給されるとは限らないので、自己負担を想定して用意しておくべきでしょう。
【面接の交通費確認方法2】口コミや先輩方の話を調べる
口コミサイトやSNSの情報、OB・OGの話を参考にするのもひとつの手です。とくにOB・OG訪問で得た情報は信ぴょう性が高いので、OB・OGに質問できる場合は聞いてみましょう。
しかし、前述の通り過去に支給されていたから今年も支給されると決めつけるのはおすすめできません。
【面接の交通費確認方法3】直接聞く
最終手段として、採用担当者に直接質問する方法もあります。ただし、金銭に関する質問をマナー違反だと感じる人もいるので、「面接の交通費は支給されますか」と直接的に聞くのは避けるべきです。
例えば、「交通費の精算などで印鑑が必要な場合は、事前に教えていただけますでしょうか」というように、間接的に聞くようにしましょう。
採用担当者にメールで質問する場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。
面接の交通費をもらうために必要な持ち物
面接の交通費支給がある場合、請求する際に以下の持ち物が必要です。
領収証
印鑑
交通費を請求する際は、領収証を持参しましょう。電車やバスで交通系ICカードを利用している場合は、駅の券売機などで利用履歴を印字します。新幹線の場合は購入時に表示される領収書発行ボタンを押すか、係員に発行してもらってください。その他、飛行機や高速バスを利用する場合は航空会社や予約サイトによって発行方法が異なるため、事前に確認しておきましょう。
領収証を提出した後は、支払証明書にサインします。その際に印鑑が必要になる可能性があるので、印鑑を忘れず持参しましょう。
面接の交通費支給における注意点
続いて、面接の交通費支給に関する注意点を3つ紹介します。場合によってはせっかくの交通費を受け取れなくなる場合もあるので、必ず確認しておきましょう。
【交通費支給での注意点1】公共交通機関を利用する
面接会場への移動には、必ず公共交通機関を利用しましょう。共交通機関の例は、以下の通りです。
電車
バス
新幹線
飛行機
高速バス
フェリー
ちなみに、自家用車のガソリン代やタクシー料金、レンタカー代は交通費として請求できません。
【交通費支給での注意点2】最安値ではなく最短距離で計算する
交通費を計算する際は、わざわざ最安ルートを選ぶ必要はありません。面接会場までの交通費は、最安値ではなく最短距離で計算するのが基本です。
具体的には、自宅の最寄り駅から面接会場の最寄り駅までの最短ルートを計算し、そのルート通りに行けば問題ありません。
【交通費支給での注意点3】交通系ICカードは早めに印字する
交通系ICカードを利用した場合は、利用履歴が領収証代わりとなります。利用履歴の印字は直近の利用分最大100件まで、26週間以内の履歴に限定されるため、おおよそ半年以内に印字しなければいけません。
100件を超える履歴や、26週間より前の履歴を取得するには個人情報の開示請求が必要になり、時間も手間もかかります。交通費が支給されることが分かったら、早めに利用履歴を印字しておきましょう。
面接の交通費支給で絶対にやってはいけないこと
最後に、面接の交通費支給で絶対にやってはいけないNG行為を紹介します。悪質な場合は罪に問われる可能性があるので、安易な気持ちで行わないよう気をつけましょう。
【交通費支給での禁止事項1】水増し請求
面接の交通費支給に関するNG行為の1つ目は、交通費の水増し請求です。水増し請求かどうかは調べたらすぐに分かるので、必ず正規の金額を申請してください。
わざと高いルートを利用し、水増し請求を行ったことがバレたら悪印象をもたれるだけでなく、横領罪として罰せられる可能性があるので注意しましょう。
【交通費支給での禁止事項2】申請とは異なるルートを利用
申請とは異なるルートを利用すると、虚偽の申請をしたとみなされる可能性があります。とくに差額分をこっそり自分のものにしてしまうと、横領罪に問われる場合があるので注意が必要です。
【交通費支給での禁止事項3】複数の企業に交通費を二重申請
同じタイミングで複数の企業の面接を受ける場合、交通費をそれぞれ受け取ることはNG行為となります。実際には支払っていない交通費を請求することは横領罪にあたり、悪質な場合は罰せられる可能性があるので気をつけましょう。
面接の交通費支給はないものとして考えるべき
就活生にとって、面接会場までの交通費の負担は小さなものではありません。そのため交通費を支給してもらえるかどうかで、面接を受ける企業を選定しようと考えている就活生もいるでしょう。
しかし、面接の交通費を支給する企業は限られており、支給されるとしても遠方の就活生や最終面接参加者のみを対象としている場合がほとんどです。基本的には交通費は支給されないものと考え、準備しておくことが望ましいでしょう。