
どれだけ万全の準備を整えていても、面接当日に体調が悪くなったり、交通トラブルに巻き込まれたりして面接への参加が難しくなることもあるでしょう。
そこで本記事では、面接を当日キャンセルする方法や守るべきマナーを詳しく解説します。実際に使える会話例文も紹介しているので、やむなく当日キャンセルせざるを得なくなった場合は参考にしてみてください。
面接の当日キャンセルは可能
やむを得ない事情がある場合は、面接の当日キャンセルが可能です。また、当日キャンセルを申し出たとしてもマナーを守った対応を心がけていれば、面接日を調整してもらえる可能性が高いでしょう。
とはいえ、できる限り面接の当日キャンセルは避けるべきです。当日キャンセルは少なからず企業に迷惑をかけることになるので、悪印象をもたれる場合があります。また、面接日の調整ができない場合もあり、面接の機会を失うリスクがあることも覚えておきましょう。
面接の当日キャンセルがやむを得ない状況
ここからは、面接の当日キャンセルが可能なケースを見ていきましょう。やむを得ない事情がある場合は結果に影響が出にくく、改めて面接の機会を設けてもらえる可能性があります。
体調不良
面接当日に体調が悪くなってしまった場合は、当日キャンセルするしかありません。とくにコロナウイルスやインフルエンザなどの自宅療養が必要な感染症にかかった場合は、感染拡大を防ぐためにも当日キャンセルを申し出るべきです。
体調不良による当日キャンセルを申し出る際は、健康管理が不十分であったという謝罪の気持ちを伝えると誠実な印象を与えられます。
交通トラブル
交通トラブルに巻き込まれてしまった場合は、予定時刻に間に合わないことが分かった時点で連絡して指示を仰ぎましょう。到着予定時刻によっては、当日中に面接を受けられる可能性があります。
ただ、10分程度の遅刻では認められないこともあるため、あらかじめ時間に余裕を持った行動を心掛けましょう。
なお、電車の場合は念のために遅延証明書をもらっておくのがおすすめです。
家庭の事情
面接の当日キャンセルがやむを得ない状況の3つ目は、家庭の事情で面接に行けなくなってしまった場合です。例えば、「身内に不幸があった」「家族が怪我を負い、急きょ病院に行くことになった」など、さまざまな事情があるでしょう。
伝えられる範囲で具体的に内容を話し、面接日の調整をお願いすれば、改めて面接日を確保してもらえる可能性があります。
面接をキャンセルする際に伝えること
面接を当日キャンセルする場合は、以下の内容を伝えましょう。
- 大学名および学部・学科名
- 氏名
- 予定されていた面接の日時
- キャンセルの具体的な理由
- 謝罪の気持ち
- 面接日の調整依頼
まずは大学名や学部・学科名と氏名を名乗り、予定されていた面接日時を伝えてください。その後、伝えられる範囲で当日キャンセルの理由を述べ、謝罪の気持ちを伝えましょう。
続けて、改めて面接を受けたい場合は面接の日程調整を依頼します。候補日を複数用意しておくことで、スムーズに日程の調整がつく可能性が高まるでしょう。
面接を当日キャンセルする際のマナー
次は、面接の当日キャンセルに関するマナーを紹介します。面接を当日キャンセルしなければならない可能性は誰にでもあるので、あらかじめ以下の4点を押さえておきましょう。
無断キャンセルはNG
面接の当日キャンセルで絶対にやってはいけないことが、無断キャンセルです。気まずさや怒られるかもしれないという不安から、連絡せずにキャンセルしようと考える学生もいるかもしれません。しかし、無断キャンセルは企業に迷惑をかけるだけでなく、大学の評価まで下げてしまうため絶対にやめましょう。
とくに学校の推薦枠を利用している場合、後輩の推薦枠がなくなる可能性があります。理由がどうであれ、必ず担当者まで連絡しましょう。
すぐに担当者に連絡する
面接を当日にキャンセルする場合は、キャンセルしなければならない状況に陥った時点ですぐに連絡することを心がけましょう。連絡先は企業の採用担当者となりますが、担当者が分からない場合は人事部宛てでも企業宛てでも構いません。
交通トラブルや家庭の事情などでぎりぎり間に合いそうな場合でも、連絡なしで遅刻するよりは念のため連絡しておいた方が迷惑をかけずに済みます。
電話で連絡する
面接の当日キャンセルは、電話で連絡するのがマナーです。メールでは面接予定時刻までに確認してもらえない可能性があるので、必ず担当者に電話をかけましょう。
なお、面接に参加できないことが決まったのが深夜や早朝の場合は、営業時間になるのを待ってください。
担当者につながらないときはメールをする
担当者が不在の場合は、伝言をお願いしましょう。できるだけ早く当日キャンセルする旨を伝えてもらい、企業にかける迷惑を最小限に抑えることが大切です。
その後、担当者に当日キャンセルすることや具体的な理由などを記載したメールも送信してください。電話連絡の場合と同じく、謝罪の気持ちや面接日の調整依頼についても忘れず記載しましょう。
【電話】面接キャンセルを伝える例文
体調不良や交通トラブル、急な家庭の事情など、予測できない事態は誰にでも起こり得るものです。しかし、当日キャンセルは企業に迷惑をかける行為であるため、できる限り誠意を持って対応することが重要です。
ここでは、面接を当日キャンセルする際の適切な電話対応を、状況別の例文を交えて紹介します。急な連絡をしなければならない場合でも、落ち着いて対応できるよう、ぜひ参考にしてください。
体調不良の場合
お忙しいところ失礼いたします。本日×時に面接のお約束をしておりました、○○大学の□□と申します。
大変申し訳ございません。本日、朝から体調が優れず、面接に伺うことが難しい状況です。誠に勝手ながら、本日の面接をキャンセルさせていただけますでしょうか?
また、改めて面接の機会をいただけるようでしたら、日程を調整いただくことは可能でしょうか?
体調が悪い場合は、無理をして出席しようとせず、誠実に連絡をしましょう。再調整をお願いする際は、「可能でしたら」と企業側の都合を尊重する姿勢を見せると印象が良くなります。
交通トラブルの場合
お忙しいところ失礼いたします。本日×時に面接のお約束をしておりました、○○大学の□□と申します。
誠に申し訳ございません。交通機関の遅延により、予定の時間までに伺うことが難しい状況です。大変恐縮ですが、本日の面接をキャンセルさせていただくことは可能でしょうか?
(※少し遅れる場合は「少し遅れてしまうのですが、ご対応いただけるでしょうか?」と尋ねるのもあり。この時、何分遅れるのか、きちんと定量的に伝えましょう。)
遅れが確定した時点で、できるだけ早く連絡することが重要です。少しの遅延なら調整可能か相談し、大幅に遅れる場合は、無理せずキャンセルを申し出ましょう。そのため、相手にその決定をゆだねるという選択肢もあるでしょう。
遅延証明書を持っていけると良いですが、それよりも素早く現地に到着することを優先してください。
家庭の事情の場合
お忙しいところ失礼いたします。本日×時に面接のお約束をしておりました、○○大学の□□と申します。
昨夜、祖母の体調が急変し、入院することになったため、本日の面接に伺うことが難しくなってしまいました。誠に勝手ではございますが、本日の面接をキャンセルさせていただいてもよろしいでしょうか?
また、改めて面接の機会をいただけるようでしたら、日程を調整いただくことは可能でしょうか?
プライベートな事情は詳しく説明せず、簡潔に伝えましょう。伝えにくい内容であれば、「急な家庭の事情」とだけ伝えても問題ありません。
【メール】面接キャンセルを伝える例文
面接を当日キャンセルする場合、電話で伝えるべきです。しかし、メールでの対応のみが求められていたり、電話がつながらなかったりする場合はメールで伝えなければなりません。
件名: 面接辞退のご連絡(○○大学 氏名)
本文:
株式会社○○○○
採用担当者様
お世話になっております。
本日○時より面接の予定をしておりました、○○大学の□□と申します。
大変恐縮ではございますが、一身上の都合により、本日の面接に伺うことが難しくなりました。
直前のご連絡となり、ご迷惑をおかけしますことを心よりお詫び申し上げます。
貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、このような形になり誠に申し訳ございません。
何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
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○○大学 ○○学部
氏名:□□
電話番号:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
メールアドレス:○○○@○○○
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面接を当日キャンセルする際のやりとりの例
ここからは、先ほど解説した電話の例をどのように会話形式で伝えればよいかを紹介します。2パターンの例文を作成したので、ぜひ参考にしてみてください。
やり取り例1. 面接日の再調整をお願いする場合

お世話になっております。本日〇時から面接のお時間をいただいている〇〇大学3年の○○○○と申します。人事部の○○様はいらっしゃいますでしょうか。



ただいまお呼びいたしますので、少々お待ちください。
お電話代わりました、○○です。 お世話になっております。〇〇大学3年の○○○○と申します。本日〇時から面接のお時間をいただいていたのですが、○○○○の理由で伺うことが難しくなってしまいました。当日のご連絡となってしまい、大変申し訳ございません。 そうなのですね、分かりました。 大変恐縮なのですが、別の日時で面接日時を調整いただくことは可能でしょうか。 そうですね。いつ頃がよろしいでしょうか。 〇日と〇日と〇日であれば終日可能です。 それでは〇日の〇時からでいかがですか。 〇日の〇時ですね、問題ありません。ご調整いただきありがとうございます。本日は申し訳ございませんでした。当日はよろしくお願いいたします。 お世話になっております。本日〇時から面接のお時間をいただいている〇〇大学3年の○○○○と申します。人事部の○○様はいらっしゃいますでしょうか。 ただいまお呼びいたしますので、少々お待ちください。 お電話代わりました、○○です。 お世話になっております。〇〇大学3年の○○○○と申します。本日〇時から面接のお時間をいただいていたのですが、他の企業から内定をいただき、そちらの企業への入社を決めたため面接を辞退させていただきます。当日のご連絡となってしまい、大変申し訳ございません。 そうなのですね、分かりました。 ここまで選考をしていただき、ありがとうございました。 面接の当日キャンセルは可能ですが、対応方法によっては悪印象をもたれる可能性があるので注意が必要です。また、面接日の調整ができるとは限らないため、面接の機会を失うリスクもあります。 面接の当日キャンセルはできるだけ避けたいところですが、やむを得ず当日キャンセルする場合は謝罪の気持ちを伝えて、誠意ある対応を心がけましょう。なお、無断キャンセルや体調不良での参加は企業に迷惑をかけてしまうため、必ず電話連絡をし、体調不良の場合は別日での選考をお願いするようにしましょう。やり取り例2. 選考を辞退する場合
やむを得ず面接を当日キャンセルする場合は誠意ある対応を!