以前は新型コロナウイルス感染症対策としてマスク着用がマナーとして一般化されていましたが、2023年3月13日以降は「マスクの着用は個人の判断に委ねられるもの」という見解を厚生労働省が示しました。では現在、対面面接でのマスク着用はマナーとして当然なものなのでしょうか、あるいは外しても良いのでしょうか?
この記事では面接におけるマスクの取り扱いについて、またマスク着用の際とマスクを取り外す際、それぞれに関する面接での注意点を解説します。
基本的に面接中はマスクを外してもよい
マスク着用を企業の方からお願いされない限りは、原則としてマスクを外しても良いです。学校の授業でマスク着用を義務付けられることなく主体的に判断ができるように、面接でも同様のことが言えます。
不安な方は「マスクを外して面接に臨ませていただきます」と初めに一言添えると、面接官に律儀だという印象を与えられるでしょう。
好印象を残すポイントと基本マナーについてはこちらの記事で詳しく解説されています。
マスクを外す前に面接の冒頭で、面接官に伺う
しかし、それでも企業によって対応が異なるのではないかと思われる方もいらっしゃることでしょう。そういった方は面接官に直接伺うことで企業のスタンスを知りましょう。伺う際は、失礼がないように面接の冒頭で丁寧に尋ねるのがベターです。
冒頭で自分の疑問をクリアにすることで、面接自体に集中して実力を存分に発揮できます。
Web面接ではマスクを外すべき?
Web面接では、やむを得ない理由がない限りマスクは外しましょう。非接触型の面接であるため感染リスクがないからです。
加えて、Web面接は声や表情が元々伝わりにくいため、マスクを着用したままだと自分を上手にアピールすることが難しいだけでなく、コミュニケーションがスムーズに行えない場合もあります。
コロナ禍で対面面接を実施することが難しいとしてWeb面接を新たに導入する企業が大きく増加しましたが、今後もWeb面接を継続する企業が数多く存在します。そのためWeb面接ではマスクを極力外すことを頭に入れておきましょう。
Web面接の詳しい流れや準備についてはこちらをぜひ参考にしてください。
マスク慣れによる落とし穴
マスクに慣れすぎてしまったがゆえに、気づかぬうちに面接で思わぬ不利益を被ってしまう危険があります。以下の点を見落とさないように気をつけましょう。
【マスク慣れによる落とし穴1】表情をあまり出してこなかった
マスクを普段から着用していると、自分が表情を表立って出さなくなったり、周りの人の表情をしっかり見る機会が少なくなったりしている可能性があります。加えて、当時人との接触は控えるよう政府に要請されていたため、人との交流が少ない傾向にあり、写真もマスク着用のものが多く、自分自身の表情を見ることもわずかであったでしょう。
面接では表情によって面接官に与える印象ががらりと変わってしまうので、時折笑顔を交えながら表情豊かに話せるようにしましょう。
【マスク慣れによる落とし穴2】身だしなみには細心の注意を
マスクに隠れた口周りのケア、放置していませんか?
相手の話を聞く際には自然と相手の口元に目が行きがちです。したがって、口周りの清潔感には細心の注意を払う必要があります。口臭ケアや男性の場合は特に髭の手入れを忘れずにしましょう。
面接に適したマスクの用意
しかし、面接前までは体調管理のためにマスク着用したいという就活生、マスク着用をお願いする企業もあることでしょう。そこで面接に適したマスクの特徴と用意について説明します。
【面接に適したマスクの用意1】清潔感のある色や素材のマスク
大前提として清潔感のある色や素材のマスクを選びましょう。おしゃれである必要は全くありません。当然ながら柄物のマスクは避け、落ち着いた色のものが良いです。もっとも一般的である、無難な白色、不織布のマスクがベストでしょう。
この際、たとえ白色の不織布マスクであってもヨレヨレであったり、汚れたりしていてはいけません。清潔感のある、新しくきれいなマスクを用意しましょう。
【面接に適したマスクの用意2】予備のマスクを用意しましょう
マスクの紐が切れてしまった、マスクを落としてしまい汚れてしまった。こうした不測の事態も面接にはつきものです。こうした事態にも対応できるよう予備のマスクを準備するのが吉です。
また、面接直前に着用しているマスクを鏡か携帯電話のカメラで確認しましょう。もしマスクの汚れが目立っていた場合、迅速に予備のマスクと交換し、清潔感のあるマスクで面接に挑みましょう。
「備えあれば憂いなし」ということわざがある通り、こうした準備の小さな積み重ねが面接を成功させるためのカギになります。
マスク着用の面接における注意点
マスクを着用することによって、以下のような問題が新たに生じてしまいます。そこで注意点をきちんと押さえたうえで、面接に臨むようにしてください。
【マスク着用の面接における注意点1】声が小さく、通りにくくて聞こえにくい
マスクを着用していれば口元が覆われているため、声が相手に伝わりづらいです。声が聞き取りにくいと、コミュニケーションが円滑に行えないだけでなく、暗い印象を持たれてしまいます。
- 普段より高いトーンで話す
- はきはきと声に抑揚をつけて話す
- 強調したい言葉や聞こえづらい言葉はゆっくりと丁寧に話す
この三点を意識するだけで、面接官が就活生へ持つイメージが180度変わっていきます!
加えて、仮に面接官から聞き返されることがあっても決して動揺しないでください。変に焦って受け答えが雑になってしまうのは良くありません。どっしりと構えて、きちんと言い直すだけで全く問題ありません。
【マスク着用の面接における注意点2】表情を読み取りにくい
顔の下半分から得られる情報がなければ、当然相手の表情を読み取るのは難しくなります。そのため、マスクに隠れていない目や眉で自分の表情を出したり、ジェスチャーを織り交ぜたりしましょう。
具体的には、眉が隠れないように前髪を下ろしすぎないよう気を付けてください。また、相手の問いかけに対しうなずく、相槌を打つなどして反応し、身振り手振りも意識しましょう。
マスクで顔の大半が隠れているから大丈夫だろうと大雑把に考えていると、相手に暗い印象を与えてしまいます。口元が隠れているからそれを気にしないのではなく、口元が隠れているからこそ余計に口元を意識しましょう。
【マスク着用の面接における注意点3】眼鏡が曇ってしまう場合がある
眼鏡のレンズの曇り対策も忘れずにしましょう。ただでさえマスクで口元が隠れているのに、目元まで曇って表情が読み取られなくなってしまうのは大変危険です。当たり前ですが、面接に集中することもできませんし、逆に面接官の表情を見ることもできなくなります。
曇り止め加工のレンズの眼鏡を用意する、曇り止めスプレーで対策をする、コンタクトレンズをつけるなどして、曇り対策をしましょう。
【マスク着用の面接における注意点4】マスクを外すようにお願いされることがある
マスク面接だからといってマスクを外す瞬間が一切ないと油断してはいけません。主なケースとして、本人確認のために面接官からお願いされることがあることがあります。
面接官に促されてマスクを外す瞬間にも気を付けなければいけないことがあります。マスクの取り外し方です。丁寧にマスクを取り外したうえ、机の上に置くことなくケースにしまうかポケットにしまいましょう。
まとめ:マスクは基本的に外しても良い
対面面接においてマスクを外すことは基本的に失礼にはなりません。その場のTPOに合わせて柔軟に対応できるようにしましょう。マスク着用をお願いされた際には、前述した注意点を意識しながら面接に臨んでください。また、Web面接は原則マスクを外したほうが良いです。面接では細かいところまで面接官に見られているものです。以上のことを踏まえて面接で好印象を残しましょう!