ESの「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」で、何を書こうか悩んでいる学生は少なくなりません。ガクチカのテーマとして、アルバイトやサークル、ゼミ活動などが挙げられますが、資格取得も自分らしい魅力を伝えられるテーマです。
今回は、ガクチカで資格取得をアピールする際のポイントについて解説します。またガクチカの書き方を例文付きで紹介するほか、注意点についてもまとめているので、最後まで目を通しておきましょう。
ガクチカで資格取得をアピールしてもOK
ガクチカで何を書けば良いのか悩む学生は少なくありませんが、資格取得をアピールしても問題ありません。企業はガクチカを通じて以下のポイントを確認しています。
・どんな人柄や価値観を持っているのか
・どのように物事に取り組むか
・論理的に説明できるかどうか
上記のポイントを伝えられるのであれば、資格取得をテーマにしても良いでしょう。また、資格取得だからこそアピールしやすいポイントもあります。主にアピールできる3つのことを見ていきましょう。
【ガクチカの資格取得でアピールできること1】スキル
ガクチカで資格取得について書く場合は、あなたが持っているスキルをアピールできます。例えば、TOEICであれば英語力、日商簿記なら経営管理能力、ITパスポートならITの基礎知識があることをアピールできるでしょう。
ただし、スキルをアピールする場合は、取得した資格と志望する企業・業界が関連している必要があります。志望企業と関連のない資格をアピールする際は、動機から取得までの過程を伝えるのがおすすめです。
【ガクチカの資格取得でアピールできること2】計画性
ガクチカで資格取得をテーマにすれば、自分の計画性の高さをアピールできます。というのも、資格取得には試験合格が必須であり、合格点を取るためには細かな目標設定や勉強計画が必要だからです。
受検日から逆算して、「模擬試験はいつ受けるのか」「基礎勉強やテキストをいつ終わらせるのか」などのスケジュールを立てる人は少なくないでしょう。このようにガクチカで資格取得をテーマにすれば、目標を達成するための道筋を考え、実際の行動に移していく計画性の高さをアピールできます。
【ガクチカの資格取得でアピールできること3】継続力
計画性の高さだけでなく、継続力があることをアピールできます。資格によって取得の難易度は異なりますが、どの資格も簡単に取得できるものではありません。
資格を取得するまでの苦労や、勉強を続けるための自分なりの工夫を伝えれば、あなたらしいガクチカとして継続力をアピールできます。また、資格取得は試験に合格できなかった場合も、ガクチカのテーマにできます。目標を達成することも大切ですが、目標に向かって継続的に努力できる人間であることを企業に伝えてみましょう。
資格取得をテーマにしたガクチカの書き方
書類選考や面接などでの回答は、結論・理由・具体例・結論の順に伝えるPREP法を使うのがおすすめです。この流れで書くことで、相手は話しの内容を論理的に理解しやすくなります。
資格取得をテーマにする場合は、以下の流れを参考にしてみましょう。
・結論:資格取得や勉強を頑張ったことを記載
・理由:なぜ資格取得を目指したのか、勉強しようと思ったのか
・具体例:勉強を進めるなかで苦労したことや改善策
・結論:資格取得や勉強を通じて学んだこと、企業への活かし方を書く
具体例では、できるだけ具体的なエピソードを書くことがポイントです。また、結論では資格取得を通じて学んだことや、その学びをどのように企業や業務に活かすかを記載します。企業が求める人物像をできるだけ明確にしたうえで、ガクチカの作成に取り掛かりましょう。
資格取得をテーマにしたガクチカの例文
ここからは、ガクチカで資格取得について書く場合の例文を紹介します。
【ガクチカ資格取得の例文1】ITパスポート
私が学生時代に頑張ったことはITパスポートの資格取得です。近年のビジネスではITに関する知見が不可欠であり、その基礎を身につけることが将来のキャリアに役立つと考えたからです。
もともとITに関する知識がなかったので、ネットワークやデータベース、セキュリティなどについて一から勉強しました。初めてITパスポートの試験を受けた時は準備不足もあり合格に至りませんでした。そこで、毎日2時間の勉強時間を確保し、何度も模擬試験を繰り返すことで試験対策を徹底しました。その結果、見事に試験に合格し、ITパスポートの資格を取得できました。
私はこの経験を通じて、具体的な目標を設定し、そこに向けて学習する計画性と自己管理能力を養えたと実感しています。貴社に入社した後もこの力を高め、ITプロジェクトやシステム開発などの現場で役立てたいと考えています。
【ガクチカ資格取得の例文2】TOEIC
大学時代、私は自身の英語力強化に努め、TOEICで高得点を取ることを目指しました。あらゆるものがグローバル化している現代社会では、英語力の重要性が高まっているため、自分の英語力を証明するためにもTOEICのスコア向上が必要だと考えました。
大学でも英語の講義を受講していますが、それ以外に自習することを習慣化し、苦手だったリスニングの勉強に重点を置きました。また、英会話スクールにも通い、英語を使った実践的なコミュニケーション能力を身につけました。その結果、TOEICでは800点以上のスコアを取れました。
私はこの経験を通じて、自分の英語力に自信がついたことはもちろん、継続的に努力することの重要性と目標達成のやりがいを実感しました。国際業務や海外プロジェクトを展開している貴社において、継続的に努力する姿勢や英語力を活かしグローバルなビジネス展開に貢献したいと考えています。
TOEICについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
【ガクチカ資格取得の例文3】日商簿記
私が学生時代に頑張ったことは、日商簿記2級の資格取得です。この資格に挑戦したのは、会計の基礎知識が将来的にビジネスの現場で役立つと考えたからです。最初は専門用語や複雑な計算に慣れず戸惑いましたが、自宅や講義の合間などに学習時間を確保し、基礎から着実に学んでいくことを意識して勉強してきました。また父が会社を経営しているので、実際の財務諸表を見せてもらって分析することで、基本的な仕分けから決算処理までの内容を実践的に理解できました。その結果、会計の基礎知識を身につけられただけでなく、目標だった日商簿記2級にも合格しました。この経験を通じて、目標に向けて努力することの大切さや、理解を深めるためには実践することも重要だと実感しました。また、身につけた簿記の知識やスキルを活かして、貴社の経営企画において正確な会計処理や分析などの面でも貢献したいと考えています。
ガクチカで資格取得について書く際の注意点
最後に、資格取得をテーマにガクチカを作成する場合の注意点について見ていきましょう。
【ガクチカ資格取得の注意点1】資格は1つに絞る
学生のなかには複数の資格を取得している人もいますが、ガクチカでアピールする資格は1つに絞るようにしましょう。というのも、たくさんの資格を取得したことをアピールすると、あなたの人柄や課題を乗り越える姿勢が見えづらくなってしまうためです。
資格を持っていること自体はプラスの評価ですが、複数の資格を持っている場合は企業の求める人物像に合ったものや、具体的なエピソードを伝えやすいものにしましょう。
【ガクチカ資格取得の注意点2】自慢話はNG
資格取得をガクチカで伝える際は、試験合格などの事実よりも資格取得に向けて頑張った過程をメインにアピールしましょう。
頑張って取得した資格を自慢したくなるかもしれませんが、取得しようと思った動機をはじめ、どんな困難があってどうやって乗り越えたのかを伝えることが大切です。
資格取得をテーマに自分らしいガクチカを完成させよう!
ガクチカで資格取得について書く場合は、できるだけエピソードを具体的に伝えられるものを選ぶのがおすすめです。資格取得を目指した経緯や、勉強などで苦労したこと、課題を解決するために取った行動を伝えれば、あなたがどんな人間なのかをアピールできるでしょう。
また、ガクチカの締めは資格取得を目指したことで得た学びを、どのように企業活動に活かすのかを記載することが重要です。ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、あなたらしいガクチカに仕上げてみてください。