SPIが採用試験にあるけれど、そもそもSPIについてあまり知らない就活生もいるでしょう。SPIにはいくつかの種類があり、試験内容や受験方式も様々です。
本記事ではバージョンや試験内容、受験方式に焦点を当てて、SPIの種類について紹介します。各々の違いを理解して、効率よく突破できるようにしましょう。
SPIには種類がある?
SPIは今までに2回進化しており、バージョンごとに呼び名が異なります。出題内容や受験方式によってもいくつかの種類に分かれるので、違いを理解することが大切です。それぞれの特徴を理解して、採用試験を通過できるようにしましょう。
SPIはなんの略?
そもそもSPIとはSynthetic Personality Inventoryの略で、日本語訳で総合適性検査という意味を持ちます。適性検査とは求める人材に合っているか、能力はあるかなどを企業が確かめる目的で行う検査のことです。
新卒採用の試験の一環でSPIを導入している企業も多く、主に面接や書類選考だけでは分からない部分を見るために取り入れています。
適性検査との違い
SPIは、適性検査の種類の一つです。他にも適性検査は30種類ほどありますが、就活では学力や思考力も測れるSPIを行うのが一般的でしょう。
特に応募人数が多い大企業などではSPIで足切りラインを定め、就活生をふるいにかける役割も持っています。そのため、SPIには合格ラインはないものの、高得点を取るほど選考が有利になると言えるでしょう。
SPIの種類【バージョンの違い】
SPIは1970年代にリクルートマネジメントソリューションズが開発して以来、数回の進化を経て今のバージョンに至っています。ここでは、SPIの進化の過程を見ていきましょう。
【SPIのバージョンの種類1】SPI1
SPI1と呼ばれる初期のバージョンでは、ペーパーテストにて試験を行っていたようです。就活生の能力などを確かめることが目的で、言語能力と数理能力の問題を多く取り入れていました。時間はあまりかからないシンプルな試験だったようです。
【SPIのバージョンの種類2】SPI 2
2000年代に1回目のバージョンアップが行われると、SPI 2と呼ばれるようになります。オンライン化が始まり、パソコンからの受験が開始されたようです。また、性格診断も新しく開発され、就活生の性格や適性なども測れるようになりました。
【SPIのバージョンの種類3】SPI 3
2010年代後半にさらに進化してSPI3になると、パソコンだけでなくスマートフォンからの受験も開始されます。性格診断もバージョンアップが行われ、コミュニケーション能力など、個人の能力も的確に測れるようになりました。最も新しいバージョンで、現在はSPI3が取り入れられています。
SPIの種類【試験内容の違い】
SPIは試験内容の細かな違いにより16種類ありますが、主にSPI―H・SPI―U・SPI―Gの3種類が使われることが多いです。
種類ごとに受験者や出題内容の違いがあるので、以下に詳しく見ていきましょう。
【SPIの出題内容の種類1】SPI―H
SPI―HのHは「high school」の頭文字から取られており、高校生が対象の適性検査です。高卒採用の選考で主に行われ、能力検査と性格検査の2種類を受ける必要があります。試験時間と問題数は以下の通りです。
分野 | 制限時間 | 問題数 |
言語分野 | 30分 | 55問ほど |
非言語分野 | 40分 | 40問ほど |
性格検査 | 40分 | 300問ほど |
【SPIの出題内容の種類2】SPI―U
SPI―UのUは「University」の頭文字から取られており、主に大学生が受ける適性検査です。専門学校や短大、大学院の学生も基本的にSPI―Uを受けることとなります。
言語分野と非言語分野が出題される基礎能力検査と性格検査に加え、企業によっては英語や構造的把握能力検査が行われる場合もあるでしょう。試験時間と問題数は主に下記の通りです。
分野 | 制限時間問題数 | 問題数 |
言語30分 | 30分 | 40問ほど |
非言語 | 30分 | 20問ほど |
性格 | 30分 | 300問ほど |
英語 | 20分 | 30問ほど |
構造把握 | 20分20問ほど | 20問ほど |
難易度は分野によりますが、高校受験から大学受験レベルと言われています。出題範囲が広くスピード感が求められるので、対策はしておいたほうが良いでしょう。
【SPIの出題内容の種類3】SPI―G
SPI―G(general)は社会人が受験する中途採用向けの適性検査ですが、まれに新卒採用でも導入されることがあるようです。言語と非言語分野が出題される基礎能力検査や性格検査、企業によっては英語試験を行う場合もあるでしょう。
また、他のSPIとは異なり、非言語分野では地図と方角の問題が出題されます。難易度は高めなので、計画的な学習が必要です。
SPIの種類【受験方式の違い】
ここでは、SPIの受験方式について詳しく見ていきましょう。
【SPIの受験方式の種類1】テストセンター
テストセンター方式では試験会場へ行き、設置されているパソコンで受験します。多くの企業が採用している受験方式で、受験から1年以内であれば前回の結果を他企業の選考に流用することが可能です。
また、テストセンター方式で受験する場合、構造的把握力検査が行われる場合があります。選考企業からの案内を見てテストセンター方式で受けることが分かったら、念のため構造的把握力検査の勉強もしたほうが良いでしょう。
【SPIの受験方式の種類2】WEBテスティング
WEBテスティングは期限内であれば、自分の好きなタイミングや場所で受験できる方式のことです。テストセンター方式の次に多くの企業が採用している方法で、メールなどで送られてきたURLから受験します。期限直前になるとネットワークが集中してアクセスできないことも考えられるため、早めに受けるようにしましょう。
また、WEBテスティングでは電卓使用を前提としている問題が出るので、事前に準備してから受験するようにしてください。
【SPIの受験方式の種類3】インハウスCBT
インハウスCBTとは実際に企業へ行き、会議室などで受験する方法を指します。企業が確実に替え玉受験を防ぎたいときに、行われることが多いです。
PCから受験するため、WEBテスティングと同様の対策をすると良いでしょう。
【SPIの受験方式の種類4】ペーパーテスト
ペーパーテストはPCからの受験と異なり、試験全体で制限時間が設けられているのが特徴です。実際に企業へ行き、会議室などで受験します。また、ペーパーテストはマークシートで解答するため、当日は鉛筆を持って行ったほうが塗り潰ししやすいでしょう。
SPIの種類は試験内容や受験方式によって分かれる!
SPIは試験内容や受験方式によって様々な種類があり、バージョンによっても呼び名が異なります。特に試験内容については、企業がどのSPIを取り入れているか確認する方法はありませんが、大学のキャリアセンターやインターネットで調べれば情報を得られるかもしれません。
基本的には前年度と同様の内容で試験を行うので、予めSPIの種類を確認してから対策するようにしましょう。