新卒採用に用いられる適性検査にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や内容が異なります。また、受検方式にもいくつか種類があるため、事前の対策が欠かせません。
そこで本記事では、10種類の適性検査について詳しく解説します。受験方式も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
適性検査とは?
適性検査とは、受検者の基礎学力や一般常識の有無、人柄などを知るために実施される試験のことです。適性検査は「能力検査」と「性格検査」に分かれており、能力検査では言語力や計算力を測る問題が出題され、性格検査では考え方や価値観を測る問題が出題されます。
適性検査を実施する目的
新卒採用において実施される適性検査は、企業が求める人物像に近い学生を見つけることを目的としている場合がほとんどです。また、有名企業や優良企業などの人気のある企業では、足切り目的で適性検査を実施しているケースも少なくありません。
新卒採用に用いられる適性検査10種類
適性検査には複数の種類があり、企業によって導入している種類が異なります。ここでは、新卒採用に用いられる主な適性検査を10種類見ていきましょう。
【適性検査の種類1】SPI3
SPI3とは、リクルートマネジメントソリューションズが提供している適性検査です。採用試験において最もポピュラーな適性検査として知られており、学生の多くが受検することになるでしょう。
SPI3は能力検査と性格検査に分かれており、能力検査はさらに言語分野と非言語分野に分かれているうえに、企業によっては構造的把握力や英語の問題が出題される場合もあります。SPI3は難易度こそ高くはありませんが、問題数が多いためスピード感を意識して回答することがコツです。
【適性検査の種類2】玉手箱
日本エス・エイチ・エル株式会社が提供している玉手箱は、SPI3に次ぐメジャーな適性検査です。SPI3と同様に能力検査と性格検査に分かれており、能力検査はさらに言語や計数、英語に分かれています。
玉手箱の特徴は、1問あたりに対する制限時間が短いことです。また、SPI3よりも難易度はやや高いため、参考書や対策アプリでの対策が必要でしょう。
【適性検査の種類3】GAB
GABとは、玉手箱と同じく日本エス・エイチ・エル株式会社が提供している適性検査です。GABは総合職向けに開発されており、比較的難易度の高い適性検査として知られています。
GABは能力検査と性格検査で構成され、能力検査はさらに言語と計数に分かれており、初見では解きにくい問題が出題されがちです。なかでもGAB Compactは難易度が高く、制限時間も短く設定されているため、最難関レベルといわれています。
【適性検査の種類4】CAB
CABは玉手箱やGABと同じく、日本エス・エイチ・エル株式会社が提供しています。IT系の企業を中心に幅広く導入されており、SEやプログラマーなどの専門職に求められる能力や、ストレス耐性を測れる検査です。
CABは能力検査と性格検査から成り、能力検査はさらに暗算・法則性・命令表・暗号の4科目に分かれています。比較的難易度が高く、制限時間も短いため対策が必須です。
【適性検査の種類5】TG-WEB
TG-WEBとは、ヒューマネージが提供している適性検査です。他の適性検査と同様に能力検査と性格検査に分かれており、能力検査はさらに言語と計数に分かれ、企業によっては英語も実施されます。
TG-WEBの特徴は、数ある適性検査のなかでも難易度が高いことです。また、従来型と新型の2パターンがあり、従来型は独特の問題が多く、新型は制限時間が短く設定されています。
【適性検査の種類6】CUBIC
株式会社CUBICが提供しているCUBICは、大手企業を中心に導入されつつある適性検査です。能力検査と性格検査に分かれており、能力検査はさらに言語・数理・論理・図形・英語の5科目に分かれています。
CUBICの特徴は、性格検査の問題数が多いことです。なお、性格検査では嘘を見抜く「信頼係数」という指標が採用されており、嘘や矛盾があると高得点を狙えなくなるので注意が必要です。
【適性検査の種類7】eF-1G
株式会社イー・ファルコンが提供するeF-1Gは、柔軟的な思考力や発想力が求められる適性検査です。数ある適性検査のなかではマイナーではありますが、導入企業が増えているため受検する機会があれば必ず対策を講じておきましょう。
eF-1Gは能力検査と性格検査で構成されており、能力検査では初見では解きにくい独特の問題が出題されます。難易度も高く設定されているため、参考書や対策アプリを活用して問題に慣れることが重要です。
【適性検査の種類8】BRIDGE
BRIDGEとは、株式会社リンクアンドモチベーションが提供している適性検査です。能力検査と性格検査で構成されている点は他の適性検査と同じですが、BRIDGEは人材採用だけでなく人材育成も目的としています。
【適性検査の種類9】内田クレペリン検査
株式会社日本・精神技術研究所が提供している内田クレペリン検査は、日本で開発された心理テストのなかで最も長く用いられている適性検査です。簡単な一桁の足し算を繰り返し行うことで、受検者の作業に対する能力やスピード、性格などが分かります。
【適性検査の種類10】ミキワメ
ミキワメとは、リーディングマーク社が提供している適性検査です。能力検査と性格検査に分かれており、企業によってはどちらか一方のみ出題されるケースもあります。
ミキワメは性格検査に特化した適性検査として提供されていますが、能力検査が出題される場合は対策が必要です。ただし、ミキワメは比較的新しいサービスであるため、過去問はほとんど公開されていません。
適性検査の受検方式の種類
ここからは、適性検査の受検方式の種類を見ていきましょう。適性検査の受検方式は、大きく4種類に分類されます。
【適性検査の受検方式の種類1】WEBテスト
適性検査の受検方式として、最もポピュラーな方式がWEBテストです。WEBテストは自宅または学校などで受検できるうえに、指定期間内であればいつでも受けられます。
また、WEBテストは基本的にPCでの受検となりますが、最近はスマートフォンで受検できる適性検査も増加中です。
【適性検査の受検方式の種類2】テストセンター
専用の会場で受検するテストセンター方式を採用している企業も少なくありません。テストセンター方式は受検日時を予約し、企業が指定した会場に出向いて受検します。
テストセンター方式は会場に監督者がいることから、WEBテストより緊張感があると語る学生も少なくありません。
【適性検査の受検方式の種類3】ペーパーテスト
ペーパーテスト方式とは、WEBではなく紙媒体で行う適性検査のことです。基本はマークシート形式となりますが、作文をはじめとする筆記試験が行われる場合もあります。
ペーパーテスト方式は自宅や学校などでの受検が不可となっているケースが多く、テストセンターまたはインハウスで実施される場合がほとんどです。
【適性検査の受検方式の種類4】インハウス
インハウス方式とは、企業内で実施される適性検査を指します。インハウス方式を採用している企業は、適性検査後に面接を実施することも少なくありません。
インハウス方式では企業の社員が監督者となるため、待機中や受検中の態度まで見られています。
適性検査の種類ごとに適切な対策が必要!
適性検査には複数の種類があり、企業によって採用している適性検査が異なります。大手企業や有名企業のなかには比較的新しい適性検査を導入しているところもあるので、前年の情報を参考に受検する適性検査の種類を調べましょう。
適性検査は種類に合わせた対策が必要です。種類によって難易度や出題傾向が異なるので、適切な対策を講じて高得点を狙ってみてください。