内定をもらった就活生のなかには、「内定辞退を申し出たい」「内定を蹴るのは失礼?」と悩んでいる人もいるでしょう。結論から言うと、内定辞退そのものは失礼にはあたりません。しかし、伝え方を誤ると悪印象をもたれる可能性があるので注意したいところです。
そこで本記事では、内定辞退の方法や注意点を紹介します。電話・メールの例文もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
就活で内定辞退するのは失礼にあたらない
結論からいうと、就活で内定を辞退することに問題はありません。複数の企業から内定をもらったとしても、就職する企業は1社だけです。その場合、内定辞退は避けては通れません。
とはいえ、内定辞退を申し出る場合はできるだけ早めに連絡するべきです。内定辞退を決意したら、後ほど紹介する方法で早めの連絡を心がけましょう。
内定式までに辞退するのがベスト
内定辞退を申し出る時期については、遅くても内定式までに連絡するのがベストです。一般的に内定式は10月1日に行われるので、それまでに辞退する旨を伝えましょう。
なお、「民法第627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)」では、入社の2週間前までに内定辞退を申し出ることが可能だと定められています。
【例文付き】就活における電話・メールでの内定辞退の伝え方
それでは、就活で内定辞退を伝える方法を確認しましょう。内定を辞退する場合は電話で連絡した後に、念のためメールでも辞退する旨を伝えておくと丁寧な印象を与えられます。
【就活の内定辞退の伝え方1】まずは電話で連絡する
内定辞退はメールではなく、電話で直接伝えるのが基本です。電話で連絡する際は、始業直後やお昼休憩、終業間際の時間帯を避け、必ず就業時間内にかけましょう。
【内定辞退の電話例文】
お世話になっております。私、○○大学○○学部の○○○○(氏名)と申します。お忙しいところ恐縮ですが、採用担当の◯◯様をお願いできますでしょうか。
お電話代わりました、○○です
お世話になっております。私、先日内定通知をいただきました、○○大学○○学部の○○○○(氏名)と申します。今、お時間よろしいでしょうか。
大丈夫ですよ。
先日は内定のご通知をいただき、ありがとうございました。せっかく内定をいただいたのですが、本日は御社の内定を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。誠に申し訳ございません。
【就活の内定辞退の伝え方2】電話連絡後にメールも送る
電話で内定辞退の連絡を済ませたら、念のためメールでも連絡しておきましょう。メールは電話とは違って記録として残るので、企業にとっても就活生にとっても重要な連絡を残しておきたい場合におすすめです。
件名:内定辞退のご連絡【○○大学○○学部の○○○○(氏名)】
本文:
○○株式会社 人事部○○様
お世話になっております。
先ほどお電話させていただきました、
○○大学○○学部の○○○○(氏名)と申します。
この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
このような嬉しいお知らせをいただいたにもかかわらず、
内定を辞退させていただくことを大変心苦しく感じております。
貴重なお時間を割いて選考していただき、ありがとうございました。
ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。
本来であれば貴社へお伺いしてお詫びをするべきところ、
メールでのご連絡となりますことを何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
面接をご担当いただいた○○様をはじめ、
選考に関わってくださった皆様には心より感謝しております。
末筆になりましたが、貴社の益々の発展を心よりお祈り申し上げます。
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○○大学 ○○学部 ○○学科
○○○○(氏名)
電話:xxx-xxxx-xxxx
Mail:*************@***.***
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内定辞退を申し出る際は「謝罪」と「感謝」を伝えよう
内定辞退を申し出る際のポイントは、「謝罪」と「感謝」の気持ちを伝えることです。まずは選考に時間を割いてもらったにもかかわらず、内定を蹴る決断をしたことを謝罪しましょう。誠意をもって気持ちを伝えれば、内定辞退を責められることはありません。
あわせて、内定をいただいたことに対する感謝の気持ちを言葉にして伝えましょう。謝罪と感謝の気持ちを述べることは、人間関係における基本です。どうせ入社しないからと適当に済ませるのではなく、真摯な態度と丁寧な言葉を心がけましょう。
内定辞退に関する就活生のよくある質問(Q&A)
ここからは、内定辞退に関する質問と回答を紹介します。内定を蹴ることに不安や疑問を抱いている就活生は、ここで解消しておきましょう。
【就活の内定辞退よくある質問1】内定辞退の理由を聞かれたら?
内定辞退の連絡をした時に、辞退理由を聞かれる場合があります。その場合、基本的には「一身上の都合により」という回答で問題ありません。また、「自分の適性を熟考した結果」「より目指したい職種が見つかったため」と答えるのもよいでしょう。
内定辞退の理由を答える際の注意点は、嘘をつかないことです。正直に答えた方が誠意を伝えやすくなります。ただし、入社予定の企業名や、内定を蹴る企業のマイナスポイントまで伝える必要はありません。
【就活の内定辞退よくある質問2】内定辞退を承諾してもらえなかったら?
内定辞退を申し出ても、企業から断られるケースがあります。また、就職活動を終わらせるように強要するハラスメント「オワハラ」を受ける就活生も少なくないようです。
しかし、法律上では入社2週間前までの内定辞退の申し入れに関して、企業が断ることはできません。どれだけ引き止められたとしても、毅然とした態度を貫くべきでしょう。また、直接会って話したいと言われる可能性もありますが、内定辞退を決意している場合は会いに行く必要はありません。
就活ハラスメントに関して不安な方は、以下の記事を確認してみてください。
【就活の内定辞退よくある質問3】損害賠償を請求されることもある?
内定辞退を申し出た就活生に対して、損害賠償を請求する企業も少なからずあります。しかし、内定辞退そのものは違法ではなく、入社2週間前までに辞退する旨を連絡していれば損害賠償を支払う必要はありません。
ただし、入社まで2週間をきった時点での内定辞退は、損害賠償責任が発生する場合があります。その場合は採用選考の費用や、入社準備にかかった費用などの損害賠償請求を受ける恐れがあるので注意が必要です。
【就活の内定辞退よくある質問4】連絡せずに内定を蹴るのはナシ?
内定辞退の連絡をせず、そのまま放置しておく「サイレント辞退」は最も避けるべき行為です。内定を辞退することを伝えるのは気まずいからといって、連絡せずにフェードアウトすると企業に迷惑がかかってしまいます。
また、出身大学の評判に影響が出たり、場合によっては損害賠償を請求されたりする可能性もあるので、内定辞退を決めた時点で連絡するのがおすすめです。
【就活の内定辞退よくある質問5】内定辞退を取り消したい
内定辞退を申し出た後に、やっぱり入社したいと決意が揺らぐこともあるでしょう。しかし、内定辞退の取り消しは基本的には認められません。
企業は内定辞退の連絡を受けた後、すぐに次の候補者へ連絡して採用枠を埋めます。内定を蹴る場合は、慎重に考えたうえで連絡しましょう。
就活の内定辞退はできるだけ早く連絡しよう
就活において、内定辞退を申し出ることは失礼にはあたりません。最終的には誰もが1社に絞らなければいけないので、気まずいからと先延ばしせず、できるだけ早めに連絡するよう心がけましょう。
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