就活ハラスメント(就ハラ)とは?主な事例と予防策・対処法を紹介!

近年はさまざまなハラスメントが生まれていますが、就職活動の場でもハラスメントの被害に遭う可能性があります。「就活ハラスメント(就ハラ)」と呼ばれており、志望企業の従業員などからセクハラやパワハラの被害に遭う学生がいることをご存知でしょうか。

今回は、就活生が自分の身を守るために押さえておきたい就活ハラスメントについて解説します。また、実際の事例をはじめ予防法や対策方法なども詳しく紹介するので、これから就活を始める学生や、身に覚えのある方はよく確認しておきましょう。

就活ハラスメント(就ハラ)とは?

就ハラとも略される就活ハラスメントは、就職活動中の学生やインターンシップ中の学生に対する「セクシュアルハラスメント」または「パワーハラスメント」です。

学生に対して性的な言動をおこなう「就活セクシュアルハラスメント(就活セクハラ)」のほか、他の企業への就活を止めるよう強要する「就活終われハラスメント(就活オワハラ)」なども含まれます。

実際にどういった被害が報告されているのか、詳しく見ていきましょう。

就活ハラスメント「就活セクハラ」の事例

ある企業では、幹部の社員が採用の見返りに学生に不適切な関係を迫り、メールやLINEなどで連絡を取って関係を迫りました。これに対して学生がお断りの連絡を送った途端、不採用となったのです。

このほかにも「交際している男性がいるのか」「結婚や出産後も働き続けたいのか」という質問を女子学生にだけ投げかけた事例もあり、就活セクハラの被害に遭う学生は少なくありません。

就活ハラスメント「オワハラ」の事例

内定を獲得した学生は内定の承諾や辞退ができますが、自社で内定を出す条件として就活生に他社の内定を辞退するよう迫る企業もあります。

企業からすれば、優秀な人材を逃したくないという考えがあるかもしれません。しかし、内定を出す際に内定承諾書の提出を求めたり、他社に就活をしない誓約書を提出させたりするケースもあり、「就活オワハラ」として問題となっています。

就活ハラスメント「圧迫面接」の事例

就活中の学生が心配していることの一つ、圧迫面接も就活ハラスメントに含まれます。就活生の発言を否定したり、質問に対する回答に無反応だったりといった行為が圧迫面接です。

企業の中には学生のストレス耐性をチェックするために、あえて圧迫面接をおこなうこともあります。しかし、面接は企業と学生がコミュニケーションを取る場なので、ハラスメント行為と捉えられても仕方ないでしょう。

就活ハラスメントは学生の4人に1人以上が経験していた

厚生労働省が発表した「令和2年度職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、学生の4人に1人が就活ハラスメントの被害に遭ったとされています。

就活セクハラの経験がある学生は25%となっており、オワハラを大学に相談した学生は32%にものぼります。就活ハラスメントの被害は、誰から・どこで受けやすいのでしょうか。

就活ハラスメントを受けるのは誰から?どこで?

厚生労働省の「令和2年度職場のハラスメントに関する実態調査報告書」では、以下の人から就活ハラスメントを受けることも報告されています。

インターンシップで知り合った従業員(32.9%)
採用面接担当者(25.5%)
企業説明会の担当者(24.7%)
OB・OG訪問を通じて知り合った従業員(17.6%)

被害として多かったのは、性的な冗談やからかいが半数近くありました。このほか、食事やデートの誘い、性的な事実関係に関する質問を投げかけるといった事例も少なくありません。

学生が就活ハラスメントの被害に遭うのは、インターンシップ参加時をはじめ、企業説明会・セミナー参加時、就職採用面接の時が多い傾向にあります。インターンシップや就活を始める際は、こうしたシーンに注意しておくことも大切です。

就活ハラスメントから自分を守るための予防策

インターンシップをはじめ、OB・OG訪問や説明会、面接などはいずれも就活で欠かせないものですが、就活ハラスメントの被害もあるため学生は注意が必要です。

就活ハラスメントの被害を未然に防ぐためにも、以下の3つを心に留めておきましょう。

【就活ハラスメントへの対策1】知識をつける

さまざまなシチュエーションで被害に遭う可能性があるため、まずは就活ハラスメントとは何なのかを把握しておきましょう。

厚生労働省が率先して就活ハラスメントに関する注意喚起をおこなっており、HPなどにも数多くの情報が掲載されています。また、企業の中には就活ハラスメント対策に取り組んでいるところもあるため、心配な方はそうした企業の選考を受けてみても良いでしょう。

【就活ハラスメントへの対策2】不適切な要求に応じない

内定と引き換えに、他社の選考活動の中止あるいは内定辞退を強要されるなど、不適切な要求があった場合は応じてはいけません。企業でもハラスメント行為が禁じられているため、何かあればキャリアセンターなどに相談してみるのもおすすめです。

また、面接などでプライベートなことを質問された場合も、「申し訳ありません、今回応募させていただいている業務に関する質問をお願いいたします」と毅然とした態度で臨みましょう。

【就活ハラスメントへの対策3】1対1で会わない

志望企業の情報を得るためにOB・OG訪問をおこなったり、インターンシップに参加したりする学生は多くいます。企業側の社員と連絡先を交換するのは問題ないケースもありますが、1対1で会うことは避けましょう。

社外個室での1対1の面談や、個別で食事あるいは飲酒の誘いがあったとしても、学生が応じる必要はありません。心配な方は、個人の携帯メールやLINEなどでのやり取り自体を避けた方が無難です。

就活ハラスメントの被害に遭った時はすぐに相談!

ハラスメントを受けたのかどうか、自分で判断することができない場合もあるでしょう。しかし、少しでも「これってハラスメントじゃないの?」と思うことがあればすぐに相談してください。
就活ハラスメントを受けた場合の相談先は、以下の3つがおすすめです。

・【大学】キャリアセンター、ハラスメント相談窓口
・【企業】応募企業の人事部、コンプライアンス部門
・【自治体】都道府県労働局 雇用環境・均等部

大学や企業、自治体などに相談するのは気が引ける方もいるでしょう。もちろん相談するのは友人や家族でも問題ありません。大切なのは自分一人で抱え込まないことです。

就活ハラスメントから自分の身を守るためにも、不安なことがあれば周りの人を頼ってみてください。

就活ハラスメント身を守り自分らしい就活を叶えよう!

就活中にハラスメントの被害に遭ってしまうと、前向きに就職活動を進められなくなるかもしれません。そのため、企業の従業員と個別に合わないようにしたり、不適切な要求に応じないようしたりと、徹底した予防・対策を心がけましょう。

もしも就活ハラスメントの被害に遭ってしまったら、友人や家族など話しやすい人に相談してみてください。また、「これってハラスメントかも?」と思うことがあれば、大学のキャリアセンターなどに相談してみるのもおすすめです。